- ブロックの練習といっても、何をやればいいのかわからない
- ネット前で跳んではいるけれど、上達している実感がない
- 部員が少なくて、実戦形式のブロック練習が組めない
こんな悩みを解決します。
ブロックの練習は、立ち位置 → 手の出し方 → 跳ぶタイミング → 2枚合わせという4段階の順に積むのが近道です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、ブロックだけは練習量と上達が比例しません。跳んだ回数ではなく、どの順番で身につけたかで差がつくからです。
逆に言えば、順番さえ合っていれば、跳ぶ回数が少ないチームでもブロックは伸びます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ブロックが上達しない原因を、自分で切り分けられるようになる
- 段階ごとにやるべきドリルと、その狙いがわかる
- 部員が少なくても組めるブロック練習の形が手に入る
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ブロック練習は4段階の順番で積み上げる

先に結論からお伝えします。ブロックの練習は、土台に近いものから順に4段階で積むと迷わなくなります。
- 立ち位置と構えを固める(ネットからの距離・手の高さ)
- 手の出し方を体に覚えさせる(相手コートへ蓋をする形)
- 跳ぶタイミングを合わせる(相手の打点とネット通過点)
- 2枚を合わせる(移動しながら隣とそろえる)
サルくんネットの前で打ってもらう練習からじゃないんですか?



順番が逆なんだ。立ち位置と手が決まる前に跳んでも、直す場所が見つからないよ。
この順番には理由があります。上の段階でうまくいかない原因は、たいてい1つ下の段階に残っているからです。
たとえば、タイミングが合わない選手を見ると、その前の立ち位置が毎回ずれています。原因が下にあるのに、上ばかり練習しても直りません。
ここからは、上達しない原因 → 4段階のドリル → 練習を組むときの注意点、の順に見ていきます。
ブロックが上達しない3つの原因
練習しても止まらないチームには、共通する原因が3つあります。ドリルに入る前に、自分がどれに当てはまるかを確かめてみてください。
原因1:ネットとの距離が毎回ちがう
いちばん多いのがこれです。跳ぶたびにネットとの距離が変わると、手を出す位置も毎回変わってしまいます。
ネットから離れすぎると、ネットと体の間に空間ができます。そこにボールが入ると、自分のコート側へ落ちる吸い込みになるわけです。
反対に近づきすぎると、手が自分の頭の真上で完成します。この形では相手の勢いに腕が耐えられず、ボールに押されてネットとの隙間に入り込みます。
つまり吸い込みは、跳び方より前に、どこからスタートしたかでほとんど決まっています。



跳び方を直そうとして、ずっと空回りしてました…



立つ位置から見直せば、けっこうすぐ変わるよ。
原因2:手の高さが低く、出し遅れる
構えた時の手が低い選手は、速い攻撃に手が出るのが遅れます。腰やお腹のあたりまで手を下げて待っている選手は、まずここを直したいところ。
ブロックは腕を振る動作ではなく、ネットの上へ手を出す動作です。だから遅れる場面は、振り遅れではなく出し遅れと考えると原因を探しやすくなります。
原因3:跳ぶタイミングを人任せにしている
隣の選手が跳んだから跳ぶ、という選手はとても多いです。これでは相手のスパイクではなく、味方の動きに合わせていることになります。
自分の中に基準がないと、相手が打点を早めたり遅らせたりしただけで壁が崩れます。基準の作り方は段階3で扱います。
【段階1】立ち位置と構えを固める練習
最初の段階は、ボールを使いません。ネットの前に立って、同じ形を毎回作れるようにするだけです。
地味に見えますが、ここが崩れていると先の段階がすべてぶれます。1回の練習で5分もあれば足ります。
足2足分の距離を体に覚えさせる
基準は、ネットに正対して足2足分です。足のサイズが25cmなら、つま先がネットから約50cmの位置に来ます。
目を閉じるのは、床のラインに頼らないためです。試合中はラインを見ている余裕がないので、体の感覚で戻れるようにしておきます。



目を閉じると、いつも近づきすぎてました!



近づきすぎは押し負けるサインだよ。半歩下げてみよう。
肩の高さに手を置いて待つ
構えの基本は、足幅を肩幅よりやや広くとり、母指球に体重を乗せる形です。膝と股関節はやや曲げて、手は自分の体の前に置きます。
手の高さは、基本が肩の高さです。
相手が速い攻撃をしてくる場面では顔の高さまで上げます。相手の1本目が乱れて二段トスになりそうな場面なら、胸の高さで構えてかまいません。



二段トスの時は、低くていいんですね?



そこからステップで動いて、腕を振り上げて跳ぶからね。
顎は上げません。相手コートの高いボールも、上目遣いで見るようにします。
【段階2】手の出し方を体に覚えさせる練習


段階2では、ネットの上でどんな形を作るのかを覚えます。ここは跳ばずにできるドリルが2つあります。
目指す形はひとつです。手が床と平行に近づき、相手コートのボールに蓋をする形をつくります。
相手コートのボールを持ち帰るドリル
私が指導現場でいちばんよく使うのがこの形です。相手コート側にボールを浮かせてもらい、ネット越しに手を伸ばしてキャッチし、自分のコートへ持ち帰ります。
持ち帰るという言葉を使うのは、相手コートまで手を届かせる感覚をつかんでほしいからです。手前で止まる選手は、ここで届かないことに自分で気づきます。
肘の動きにも注目してみてください。脇が開いて肘が横に逃げると、バックスイングの力が伝わらず高さが出なくなります。
手首をまっすぐ保ったまま出すドリル
もうひとつが、手首の形を固定する練習です。壁の前に立ち、肩の高さから壁の上部へ向かって、手のひらを押しつける動きをくり返します。
このとき手首は折りません。手のひらは相手コートの方向へ向けますが、手首はまっすぐのまま保つのが上場式のブロックです。
指は自然に開き、突き指を防ぐために力を入れておきます。手のひらだけで押すのではなく、腕全体で押す感覚を探してみましょう。



手首を返して上から叩くイメージでした。



それは別の教え方だね。うちは手首をまっすぐ保つよ。
【段階3】跳ぶタイミングを合わせる練習
ここからボールを打ってもらいます。段階3の目的はひとつだけで、跳ぶ瞬間を自分で決められるようにすることです。
考え方の軸は明確です。相手がヒットの瞬間を迎える時には、すでに壁を完成させておきます。
踏み込みから完成までの時間を知る
自分が最後の踏み込みをしてから、手がネットの上で完成するまでにかかる時間。これを体で把握している選手は、タイミングがぶれません。
10本も跳べば、自分の体にかかる時間の感覚がつかめてきます。この感覚は反復でしか身につかないので、毎回の練習に少しずつ入れるのがおすすめです。
打点をイメージして通過点に合わせる
実際のスパイクでは、まず相手の打点の高さをイメージします。基本的に、その打点にボールが来た時に相手はヒットのタイミングを迎えるからです。
そして、打点から振り下ろされたボールがネットの上を通過するタイミングに、自分の壁の完成を合わせます。
ここで注意したいのが、ネットから遠いトスです。通過が遅くなるので、跳ぶのをワンテンポ遅らせます。



トオイトス ワンテンポ オクラセル
手を完成させたら、できる限りネットの上に残すことも大切。相手は打点を早めたり遅らせたりできるので、高く跳んで壁を維持できる力が効いてきます。
【段階4】2枚を合わせるチーム練習
最後の段階が、隣の選手とそろえる練習です。1枚では止まらない相手も、2枚そろえば勝負できます。
原則として、相手の打点が高すぎて勝負にならない場合を除き、2枚以上そろえて止めにいきます。
ボールとアタッカーを見ながら横へ動く
移動そのものより難しいのが、移動中の目線です。動く先を見てしまうと、トスの軌道と相手の準備動作を見失います。
常にボールと自分がマークするアタッカーを見続けたまま、横へ動くのが正解になります。だからこそ、普段のフットワーク練習が効いてきます。
時間がない時はサイドステップ、二段トスで高さを出したい時はクロスオーバーステップと使い分けます。胸はできるだけ正面に向けたまま、真横までは向きません。
2枚の間を消してから跳ぶ
隣に寄ったら、2人の手の間に隙間を作らないようにします。隙間があると、そこを狙って抜かれてしまうからです。
写真を使うのは、空中の形が自分では見えないからです。スマホで撮って理想の形と見比べる方法は、ブロックでもよく効きます。



自分の手、こんなに開いてたんですね!?



見えると直せるよ。感覚だけで直すより早いんだ。
練習を組むときに気をつける3つのこと
段階が見えても、組み方を間違えると効果が出ません。私が現場で気をつけている点を3つだけ挙げておきます。
- 1回の練習で1段階だけを目標にする(同時に3つ直そうとしない)
- 強い球から始めない(軽い球で形を作ってから速さを上げる)
- 着地の形を毎回チェックする(捻挫が起きやすいのは跳ぶ時ではなく降りる時)
とくに3つ目は見落とされがちです。ネット際で人が密集するので、隣の選手の足の上に降りる事故が起きます。
跳ぶ位置と着地の位置がずれないよう、真上に跳ぶ意識を持たせてみてください。つま先を相手コート方向へまっすぐ向けて踏み切ると、太ももの外側とおしりの筋肉が使えて、流れずに上へ跳べます。



跳んだあと、いつも横にずれちゃうんです。



つま先の向きを見てみよう。斜めだと体も流れるんだ。
読みについても触れておきます。基本はトスを見てから跳ぶリードブロックなので、練習では読まないほうを標準にしてください。
相手セッターに明らかな癖を感じ取れた時だけ、半歩から1歩ぶんだけ上がる方向へ寄ります。これは段階4まで積んだあとの応用です。
よくある質問
まとめ:ブロックは積む順番で伸びが変わる
最後に要点をふり返ります。ブロックの練習は、下の段階から順に積むことで、跳ぶ回数が少なくても伸びていきます。
| 段階 | 練習の目的 | 代表的なドリル |
|---|---|---|
| 段階1 | 立ち位置と構えを固める | 足2足分の距離を目を閉じて再現する |
| 段階2 | 手の出し方を覚える | 相手コートのボールを持ち帰る |
| 段階3 | 跳ぶタイミングを決める | ネット通過点に壁の完成を合わせる |
| 段階4 | 2枚をそろえる | 3人1組で寄って同時に跳ぶ |
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、ブロックが強いチームは全員が同じ基準の立ち位置を持っています。特別な高さより、そろっていることのほうが効きます。



今日は段階1だけ、5分やってみます!



それでいいんだ。1つずつ積んでいこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ブロックについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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