- アンダーパスをすると腕が赤く腫れてヒリヒリする
- ボールを受けるたびに前腕がジンジンして痛い
- 痛いのを我慢しているうちに、レシーブが怖くなってきた
バレーを始めたばかりの中学生から、6月ごろにいちばん多く届く悩みです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を指導してきましたが、ここではっきりお伝えします。
腕が痛いのは、根性が足りないからではありません。
当てる「場所」と「力の入れ方」が、ほんの少しズレているだけです。
そこを直せば、強いボールでも腕は赤くなりません。
- 腕が痛くなる本当の原因が、症状別にわかる
- 赤くならない「当てる場所」と「面の作り方」が身につく
- 痛みを我慢せず、段階的に強い球へ慣れる練習がわかる
まず結論|腕が痛くなる原因は主に4つ

最初に答えからお伝えします。
腕が痛くなる原因は、大きく4つに分けられます。
- 強く握りすぎて、腕全体に余計な力が入っている
- 当てる場所が「手首に近い硬い部分」になっている
- 腕を振って、自分からボールに強く当てにいっている
- いきなり強いボールを受けて、体が慣れていない
サルくんぼく、強いサーブを受けると腕が真っ赤になっちゃうんだ…。



それは力でも気合でもなく、当て方のクセが原因だよ。ひとつずつ直そう。
痛みを「我慢」で乗り越えようとしないでください。
痛いのは、体が「使い方が違うよ」と教えてくれているサインです。
原因はバラバラに見えて、実は1つのコツでまとめて解決できます。
それは「やわらかい場所で、振らずに受ける」ことです。
なぜ腕が赤くなる・あざになる?|痛みが起きる仕組み


なぜ腕が赤く腫れたり、ヒリヒリしたりするのでしょうか。
腕の内側、手首から少し上には、皮膚のすぐ下に骨や細い血管があります。
この硬い部分にボールが繰り返し当たると、内出血して赤くなります。



痛いのは「当たっている場所」が悪いことが多いんだ。やわらかい場所なら、同じ強さでも痛くないよ。
青むらさきのあざとして残るのも、同じ内出血です。皮膚の下で切れた細い血管から血がにじむため、色が変わって見えます。色の変化や消えるまでの日数には個人差があります。
あざが出るのは「強く打たれたから」だけではありません。当てる場所が骨に近いほど、同じ強さでもあざになりやすいと考えてください。場所を変えれば、あざの出方も変わります。
ただし、腫れが強い・押すと強く痛む・しびれがある・数日たっても痛みが引かないときは、我慢せずに医療機関で診てもらってください。
逆に、前腕の真ん中は筋肉があってクッションになります。
当たる場所が数センチ違うだけで、痛みはまったく変わります。
たとえば、硬い机を指で軽くたたくと痛いですよね。
でもクッションの上をたたいても痛くありません。
腕も同じで、当てる場所しだいで「机」にも「クッション」にもなるのです。
もうひとつの原因が「振って当てる」ことです。
腕を振って迎えにいくと、ボールの勢いと腕の勢いがぶつかります。
その結果、衝撃が一気に強くなります。



なるほど!場所と、当てにいくかどうかで、痛さが変わるんだね。
特に速いサーブは、迎えにいくと衝撃が最大になります。
速い球は、当たる瞬間に少し力を抜いて面を手前に引く。
こうすると衝撃を吸収でき、痛みも返球も安定します。
ここまでをまとめると、痛みの正体は「硬い場所」と「強い衝撃」の2つです。
やわらかい場所で受け、衝撃を吸収する。
この2つを意識するだけで、腕の痛みは大きく減らせます。
6月は、入部から2〜3か月で本格的な球が増える時期です。
体が当て方を覚える前にスピードだけ上がるので、痛みが出やすくなります。
逆に言えば、今が当て方を直す絶好のタイミングです。
ここで正しい当て方を覚えれば、夏の本格的な練習が一気に楽になります。
反対に、痛みを我慢して間違ったフォームを続けると、痛みが取れないばかりか、悪いフォームのまま固まってしまいます。
固まったクセを直すには、何倍も時間がかかります。
だからこそ、痛みが出ている「今」が見直すチャンスなのです。



痛いのを我慢してたら、だんだんボールが怖くなってきてたんだ。



それはよくあること。でも当て方を直せば、痛みも怖さも一緒に消えていくよ。
痛くないアンダーの当て方3ステップ


ここからが本題です。
痛みを減らす当て方を、3ステップで身につけましょう。
ステップ1|手は「軽く」組む
痛みが出る人の多くは、手をギュッと握りしめています。
強く握ると腕が硬くなり、そこにボールが当たって痛みが増します。
組むのは「軽く」、指は触れるだけで十分です。
両手の親指をそろえると、面がそろってまっすぐ返り、衝撃も逃がせます。



親指をそろえると、面が安定して、腕にかかる衝撃も小さくなるんだ。
握る強さの目安は、卵をそっと持つくらいです。
ギュッと握りしめるほど腕全体がこわばり、かえって痛くなります。
組み方は人によって合う形がちがいます。
いくつか試して、ボールを触った後も親指がそろっている形を選びましょう。
ステップ2|「前腕の中央」で当てる
痛い人は、手首に近い硬い部分で受けています。
正しい当てどころは、手首から指3本分ほど上、前腕の真ん中。
ここは筋肉がクッションになり、強い球でも痛くなりにくい場所です。



え、こんなに肘寄りでいいの?いつも手首の近くで受けてたよ。



そう、そのクセが痛みの原因。少し肘寄りの「やわらかい場所」を意識しよう。
最初は、当てたい場所に軽くシールを貼っておくと意識しやすくなります。
ステップ3|振らずに「面で受けて足で運ぶ」
ここがいちばん大切です。
時間に余裕があるときは、腕を振りません。
作った面でボールを受け、体重移動で足で送り出します。
「飛ばないのでは?」と不安になりますが、勢いは面が受け止めてくれます。
あなたは方向を作るだけでよいのです。



振らないほうが、痛くないし、コントロールも安定する。一石二鳥だよ。
膝を軽く曲げてためた力を、当たる瞬間に下から上へ使う。
そうすると、振らなくてもボールはふわりと上がります。



腕じゃなくて、足の力で上げるんだね。それなら腕に負担がかからない!
腕は「方向を決める板」、飛ばす力は「足」。
この役割分担を覚えると、強い球でも痛くなく、ねらった場所へ返せるようになります。
低いボールを膝をついて取るときなど、振らないと届かない場面では振ってかまいません。
「基本は振らない、必要なときだけ振る」と覚えましょう。
やりがちなNG|こうすると腕が痛くなる


痛みが続く人がやりがちな失敗を確認しましょう。
- ボールを「迎えにいって」自分から強く当てている
- 手首に近い硬い部分で受けている
- 手をギュッと握りしめ、腕に力が入っている
- 指を交互に組む「祈りポーズ」になっている(突き指の原因)
- 構えで肘が後ろに下がり、面を作るのが遅れている
特に多いのが、構えで肘が後ろに引けるクセです。
肘が後ろにあると、面を作る位置まで肘を大きく前へ動かすことになります。
その途中でボールが当たると、痛いうえに、思わぬ方向へ飛びます。



たしかに、構えると肘が体の横に来ちゃってるかも…。



肘は後ろに下げず、最初から軽く前に。ボールが来る前に面を作って待つイメージだよ。
理想は、膝と肘が縦にそろう構えです。
面を先に作って「待って」受けられると、衝撃も飛びすぎも同時に減ります。
つまり、良い構えは「痛くない受け方」の出発点でもあります。
当て方を直すときは、構えもセットで見直すと効果が倍になります。
痛みを減らす練習とケアのコツ


当て方がわかったら、痛みを増やさず上達する進め方です。
軽いボールから段階的に慣らす
いちばんダメなのが、いきなり強い球を受け続けることです。
腕は、軽い負荷から少しずつ慣らすことで強くなります。
強い球を急に受けると、内出血が治る前に次の刺激が入って悪化します。
- ①ワンバウンドの優しいトスを、面で受けて足で運ぶ
- ②山なりの直接トスを、止まって正面で受ける
- ③少しずつ球を速くし、当たる瞬間に脱力して吸収する



急がば回れ。痛くない範囲で固めるほうが、結局いちばん早く上手くなるよ。
ペアなら、同じ場所に5回連続で当てられたら次の段階へ。
小さな目標を作ると続けやすくなります。
一人のときは、軽くトスを上げて自分で受ける「直上パス」がおすすめです。
低く優しいボールから始めれば、痛みを感じずに正しい当て方を反復できます。



家でもできる練習があるんだね。やわらかい球からやってみる!



その積み重ねがいちばん効く。痛くない成功を、たくさん体に覚えさせよう。
痛みが強い日は、無理に腕で受けなくて大丈夫です。
キャッチ練習に切り替えて、フォームの確認だけする日があってもいいのです。
「今日は休む勇気」も、上達には欠かせません。
あせらないことが、結局いちばんの近道になります。
サポーターは「補助」、根本はフォーム
腕用サポーターやリストバンドは、痛みをやわらげる助けになります。
ただし、あくまで補助です。



サポーターをつければ、フォームは適当でもいいの?



それは逆効果。道具で痛みをごまかすと、悪いフォームのまま固まってしまうよ。
土台はあくまでフォーム。
フォームが整えば、やがてサポーターなしでも痛くなくなります。
スマホで自分のフォームを撮る
自分では正しいつもりでも、手首近くで受けていることがよくあります。
横から動画を撮り、ボールが腕のどこに当たっているか確認しましょう。
上手な選手の動画と見比べると、直す点がはっきりします。



動画で見たら、ほんとに手首の近くで受けてた…!
成長期は膝や腰も痛めやすい時期です。
低い姿勢で腰が痛むときは、こまめに休みながら取り組んでください。
当て方が身につくまでの間だけでも、アームスリーブで前腕を守っておくと、痛みを我慢しながら受ける状態を避けられます。
よくある質問(FAQ)


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まとめ|痛みは「当てる場所」で消える


アンダーパスで腕が痛い原因と直し方を振り返ります。
- 原因は「強く握る・当てる場所・振って当てる・急に強い球」の4つ
- 当てどころは手首近くでなく「前腕の中央」のやわらかい場所
- 余裕があるボールは振らず、面で受けて足で運ぶ
- 速い球は当たる瞬間に脱力して吸収する
- 軽い球から段階的に。サポーターは補助、根本はフォーム



腕の痛みは、気合ではなく当て方で必ず減らせる。痛くないフォームは、そのまま上手いフォームなんだよ。



当てる場所と、振らないこと。さっそく試してみる!
痛みが消えると、レシーブが楽しくなり、上達もぐっと早まります。
腕の痛みは、正しく直せば必ず消えます。
そして痛くないフォームは、ボールをまっすぐ返せる「上手いフォーム」でもあります。
つまり、痛みを直すことは、レシーブが上達することと同じなのです。
あせらず、痛くない範囲でフォームを固めていきましょう。
まずは今日、当てる場所を変えるところから始めてみてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
レシーブについては他にも記事を書いています。
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