
- 「腕を振るな」と言われるけど、振らずに返す方法が分からない
- ボールが当たると顔の方に飛んできて怖い
- 当てる場所が毎回バラバラで、まっすぐ返らない
こんな悩みを解決します。
あげばアンダーで腕を振ってしまう癖、本当に多くの選手が抱えています。でも振らずに返すって、最初は感覚が分かりにくいですよね。
僕は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
千葉県松戸市で10年以上、アンダーが安定しない選手たちに向き合ってきました。指導現場で見ていて、アンダーがまっすぐ返らない原因の第1位は「腕を振っている」こと。今日はその振り癖を直すための、面の作り方と腕の使い方をしっかりお伝えします。
- 「腕を振らないで運ぶ」の本当の意味が体感で分かる
- ボールを当てる場所と面の角度の正解が手に入る
- 1人でできる、振り癖を直すための練習ドリルが分かる
それでは、アンダーハンドパスの腕の使い方を見ていきましょう。
結論:アンダーは「振る」のではなく「面を作って待つ」


先に結論からお伝えします。アンダーハンドパスの腕の正しい使い方は、腕を振り上げるのではなく、最初から面を作ってボールが来るのを待つことです。
具体的なポイントは次の4つ。
- 肘の内側を天井に向けるように、肘をしっかり締める
- 手首から肘までの腕の面を「床に対して45度」に傾ける
- ボールが当たる場所は、手首と肘の中間より少し手首寄り
- 当たった瞬間は腕を動かさず、膝の伸び上がりだけで運ぶ



振ル ナラ 面ヲ 作ル。コレダケ覚エテオキマショウ。
「腕を振らない」という言葉だけ聞くと、「じゃあどうやってボールに力を伝えるの?」と疑問になりますよね。その答えは、腕ではなく下半身(膝と重心)でボールを運ぶということ。この記事の中で順を追って解説していきます。



振らずに、下半身で運ぶ…全然意識したことなかったです!
なぜ「腕を振る」とアンダーは安定しないのか


そもそも、なぜ腕を振るとダメなのでしょうか。理由を理解しないと、頭では「振らない」と思っても体は無意識に振ってしまいます。
振ると面の角度が毎回変わる
腕を振ってしまうと、ボールに当たる瞬間の面の角度がコンマ何秒単位で変化します。早く当たればボールは上に、遅く当たれば前に飛んでいき、結果としてコントロールが定まりません。
これに対して面を固定したまま待てば、ボールがどんなスピードで来ても、面の向きが同じならいつも同じ方向に返ります。これがアンダーの安定の正体です。



「面を固定」これがアンダーで一番大事な4文字です。
振ると突き指やケガのリスクが上がる
腕を振り上げる動作は、ボールが手首寄りではなく手の甲や指に当たる確率を上げます。手の甲にスパイクが当たれば青あざ、指に当たれば突き指。



振ル動作ハ ケガニ 直結シマス。
逆に面を作って待つだけなら、ボールは確実に「腕の面」にしか当たりません。これだけでケガのリスクが激減します。
腕の正しい組み方:面を作る3つの要素


具体的な腕の使い方を3要素に分解します。
要素1:肘の内側を天井に向ける
両手を組んだら、肘の内側(腕を曲げると見える側)が天井を向くようにしっかり締めます。これがアンダーの土台です。
肘の内側が天井を向くと、自然と腕の上面が平らになって「面」が完成します。多くの初心者がここで肘が外を向いてしまい、面ができていません。
- 両肘の内側が同時に天井を向いている
- 両腕が互いにくっついて、隙間がない
- 肩の力は抜けていて、肘だけが意識的に締まっている
要素2:手首を下に折って面をフラットに
肘を締めただけでは、まだ完璧な面にはなりません。さらに手首を下に折る(底屈)ことで、腕の上面が1枚の板のようにフラットになります。
両手を組んで、手首を意識的に下に折ってみてください。腕の上の部分(肘から手首までの内側)が、ピシッと平らになるのが分かるはずです。これがボールを当てる場所です。



手首を折るだけで、腕の上が「定規」みたいに真っ平らになります。
要素3:面の角度は「床に対して45度」が基本
面ができたら、最後はその面をどの角度で構えるかです。正面に返したい場合の基本角度は、床に対して約45度に傾けます。
45度というのは、ボールを上方向にも前方向にも同時に運べる角度だからです。これより寝かせるとボールは前に伸びすぎ、立てすぎるとボールは真上に上がってしまいます。



物理学的に言うと、入射角と反射角の関係を使った理想の角度です。45度なら水平方向と垂直方向の力が均等に分配されます。
ボールを当てる場所:腕の「どこ」で受けるか


面ができたら、次は「どこで受けるか」です。これも安定感に直結する大事なポイントです。
基本は「手首寄り」が正解
アンダーでボールを当てる場所の正解は、肘と手首の中間より少し手首寄りの位置です。これは元日本代表時代から指導現場まで一貫して伝えてきた感覚で、面が一番フラットで反発力も安定する場所だからです。
肘寄りで当ててしまうと、骨や筋肉の凹凸でボールが弾かれてコントロールが利かなくなります。逆に手首より先(指側)で当てると、突き指の原因になります。
筋力が少ない選手は「真ん中」でもOK
ただし、筋力がまだ十分でない小中学生の場合は、肘と手首の真ん中あたりで当てる方が安定する場合があります。理由は、強いボールの衝撃を自分の体の近くで受け止めた方が、腕の面がブレないからです。



中学生の子どもには「真ん中」のほうがいいんでしょうか?



そうですね、特に最初のうちは真ん中で受けて、慣れてきて筋力がついてきたら手首寄りに変えていく、というのがおすすめです。
力をどう伝えるか:腕ではなく下半身で運ぶ


「腕を振らない」と決めたら、ボールに力を加えるのは下半身の役割になります。ここがアンダーで一番ピンと来にくい部分かもしれません。
膝の伸びとともにボールを運ぶ
ボールが面に触れた瞬間、腕は動かさず、膝を伸ばす力でボールを運ぶイメージです。
具体的には、
- 構えの時点で膝を120度くらいに軽く曲げる
- ボールが来たら、面を作ったまま待つ
- ボールが面に触れる瞬間に、膝をスッと伸ばす
- その伸びる力が、面を通してボールに伝わる
この一連の動作で、腕は一切振りません。



腕ハ「面」、下半身ハ「エンジン」。役割分担ガ大事デス。
重心移動も力の源になる
膝の伸びと同時に、後ろの足から前の足へ体重を移すと、さらにボールに力が伝わります。これがいわゆる「重心移動」です。
重心移動と膝の伸び、この2つの力が合わさってボールはセッターの位置まで運ばれていきます。腕の振りに頼らなくても、ボールはちゃんと飛んでいくのです。



下半身で運ぶ感覚、まだ分からないけど練習で掴みます!
例外:腕を「振っていい」場面もある


「腕を振らない」がアンダーの基本ですが、実は例外的に腕を使わないと返せない場面もあります。これを知っておくと、本当に「振らないでいい場面」と「振らなきゃいけない場面」の区別がつきます。
例外1:体勢が崩れて下半身が使えない時
横や後ろに突っ込んでボールに飛び込むようなレシーブでは、膝の伸びや重心移動が使えません。こんな時は、腕を振ることでなんとかボールを上に運ぶ必要があります。
例外2:超強打を顔面に当てそうな時
胸より上に来る強烈なスパイクで、面を作ったまま受けるとボールが顔に跳ね返ってきます。こんな時は、腕の角度をその場で調整しながら、軽く腕で逃がす動作が必要になります。
例外3:遠くまで運ぶ必要がある時
「セッターが大きく動いてしまった」など、いつもより遠くに運ぶ必要がある時。膝と重心移動だけでは距離が足りない場合、最後に肘の伸びを少し使うのは正解です。



例外3つはすべて「基本ができている前提」で使う技術です。基本を飛ばして例外だけ覚えると、結局グダグダになってしまいます。



マズ基本ヲ完璧ニ。話ハソレカラデス。
振り癖を直すための練習ドリル3選


最後に、腕を振る癖を直すための具体的な練習方法を紹介します。
ドリル1:壁の前で「面キープ」
壁から1メートル離れ、両腕を組んで45度の面を作ります。その面を一切動かさずに、自分で上に投げたボールを面で「コトッ」と落とすだけの練習です。
腕を絶対に動かさないという制約があるので、ボールがどう跳ね返るかを純粋に観察できます。最初は面の角度がズレてうまくいきませんが、繰り返すと「面を保つ」感覚が身につきます。



このドリルが地味に最強です。1日100回、振らずに面でボールを受ける、それだけで腕が安定します。



1日100回、家の壁でできそうです!
ドリル2:座って受ける(下半身を使えない状況での反発)
椅子に座ったまま、仲間や壁から弾むボールを面だけで弾き返します。下半身が使えないので、腕の振りに頼らずに面の反発でボールを返さなければなりません。
このドリルで「面だけでもボールはこれくらい飛ぶ」と体感できると、試合中に腕を振りたくなる衝動が消えます。
ドリル3:膝の屈伸と連動させるドリル
仲間にボールを投げてもらい、膝の屈伸だけでボールを返す練習です。腕は最初から最後まで動かさず、膝を曲げた状態でボールを面で受け、膝を伸ばすと同時にボールを送り出します。



このドリルは下半身連動の感覚づくりに最適です。中学生でも1週間で変化が出ます。
アンダーがまっすぐ返らないQ&A


最後に、指導現場で本当によく出る質問にお答えしておきます。
まとめ:アンダーは「腕の面 × 下半身の力」で完成する


この記事ではアンダーハンドパスの腕の使い方について、振らない理由・面の作り方・力の伝え方・練習ドリルの順で解説してきました。要点を表で整理します。
| チェック項目 | 正解 | NG |
|---|---|---|
| 肘 | 内側が天井を向く | 外側が外を向く |
| 手首 | 下に折る(底屈) | 真っ直ぐのまま |
| 面の角度 | 床に対して45度 | 寝かせすぎ/立てすぎ |
| 当てる場所 | 手首寄り(または真ん中) | 肘寄り・手の甲 |
| 力の源 | 膝の伸び + 重心移動 | 腕の振り |



元日本代表として、また指導者として10年以上選手を見てきた中で確信しているのは、アンダーは「腕の技術」ではなく「下半身の技術」だということです。腕は面を作るだけ。それさえ徹底すれば、誰でもまっすぐ返せるアンダーが手に入ります。



振らない、面を作る、下半身で運ぶ。今日からこの3つを意識して練習します!
ここまで読んでくれた選手は、すでに頭の中で「アンダーの正解像」が明確に描けているはず。あとは反復練習で体に染み込ませるだけです。指導者に動画を撮ってもらって、自分が振っていないか客観視するのも有効です。1週間後にもう一度動画を撮って、最初の自分と比べてみてください。きっと面の安定感が違うことに気づくでしょう。



その意識を1週間続けるだけで、別人のように安定しますよ。応援しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪
レシーブについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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