- 部活のある日とない日で、起きる時間がバラバラになってしまう
- 練習漬けで疲れているのに、夜はスマホでなかなか寝ない
- 宿題が最後の数日にまとめて残り、毎年おなじことをくり返している
こんな悩みを解決します。
バレー部の夏休みでいちばん差がつくのは、練習の量でも宿題の量でもありません。部活がある日とない日で、1日の骨組みを同じに保てるかどうかです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を指導していますが、夏が終わったころに「体が重い」と口にする選手には、決まって同じ特徴があります。休みの日だけ起床時間が3時間ずれている、というものです。
1日の型さえ決めておけば、練習が多い日も休みの日も、体は同じリズムのまま夏を越えられます。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 夏休みの1日の流れを決める5つの手順がわかる
- 練習が増える時期に体を守る具体策がわかる
- 宿題と部活を最後まで両立させる進め方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:夏休みは「1日の型」を先に決める
先に結論をお伝えします。夏休みにやることは、起きる時間と寝る時間だけを固定して、あいだの中身は日によって入れ替えるという形をつくることです。
学校がある時期は、時間割が生活の骨組みを勝手につくってくれています。その骨組みが40日ぶん丸ごと消えるのが夏休みなんですよね。
骨組みがないところに練習と宿題と予定を放り込むと、その日の気分で順番が決まってしまいます。
だから先に骨組みだけを用意しておきます。
うさママ1日のスケジュールを細かく決めるということですか?



いいえ、決めるのは起きる時間と寝る時間の2つだけで大丈夫ですよ。
細かく決めすぎた計画は、練習が延びた日に1回崩れただけで使えなくなります。逆に両端だけを決めておけば、中身がずれても翌日そのまま戻ってこられます。
夏休みの過ごし方を考えるときは、この「両端を固定する」発想だけ持って帰ってもらえれば十分です。
もうひとつ知っておいてほしいのは、夏休みは「増やす時期」ではなく「積み上げが崩れやすい時期」だということです。
練習時間が増えるので伸びるチャンスに見えますが、同時に生活の乱れやすさも一年でいちばん高くなります。だから最初にやるのは、新しいことを足すことではなく、崩れる原因を先に止めておくことなんですよね。



夏に何か特別なことをさせたほうがいいと思っていました。



足すより、崩さないほうが夏は効きますよ。
バレー部の夏休みの1日をつくる5つの手順
ここからが本題です。実際に型をつくる順番を5つに分けます。
家族で話し合いながら、初日までに紙1枚にまとめておいてください。頭の中だけで決めたものは、3日で消えてしまいます。
【手順①】起床時間を休みの日もそろえる
最初にそろえるのは、起きる時間です。
夏休みは練習が午前だったり午後だったりと、日によって集合時刻が変わります。それに合わせて起床時間まで動かしてしまうと、体内のリズムが毎日つくり直しになります。
いちばん早い集合日に合わせて起床時間を1つ決めて、練習のない日も同じ時刻に起きる。これだけで、夏の後半のだるさはずいぶん軽くなります。



休みの日くらい寝ていたいです…。



起きる時刻はそのままで、昼に20分だけ横になる方法がありますよ。
【手順②】就寝時間から逆算する
2つ目は、寝る時間です。
疲れているのに寝つけない日が続くときは、寝る前の過ごし方が原因になっていることが多くなります。とくに画面を見る時間は、そのまま入眠の遅れにつながります。
寝る時刻を決めたら、その30分前をスマホを置く時刻として一緒に決めてください。
順番を逆にして「眠くなったら寝る」にすると、夏休みのあいだじゅう後ろへずれ続けます。
睡眠時間の目安は、こちらの記事で年代ごとに整理しています。
【手順③】午前に机の時間を1つ入れる
3つ目は、勉強の置き場所です。
午後練の日は、朝の時間がまるごと空きます。ここに机の時間を置いておくと、練習後の疲れた頭で宿題に向かう必要がなくなります。
長さは30分でも1時間でもかまいません。大事なのは、何時にやるかを毎日おなじにしておくことです。
【手順④】帰宅後の30分を回復にあてる
4つ目は、練習から帰ったあとの使い方です。
帰ってすぐ入浴と食事をすませてしまうと、そのあとの時間がまるごと自由時間になります。この自由時間が、そのまま夜更かしに変わっていきます。
帰宅から30分は、着替えと洗濯物出し、飲み物、軽い補食、ストレッチまでをひとまとまりにしておく。この型があると、夜の流れが崩れにくくなります。



帰ッテカラノ30分ガ夜ヲ決メル
洗濯物が一気に増える時期でもあるので、回し方はこちらにまとめています。
【手順⑤】週1日は完全な休養日をつくる
5つ目は、休みの入れ方です。
夏休みは練習日数が増えるぶん、意識して休みを入れないと連続で動き続けることになります。成長期のからだは、練習した日ではなく休んだ日に強くなっていきます。
休養日の考え方は、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインにも示されています。
学期中は週2日以上の休養日を設け、長期休業中はこれに準じたうえで、ある程度まとまったオフの期間をつくることが望ましいとされています。



休ませることに、後ろめたさを感じていました。



休養も練習のうちですよ。公の指針でもそう示されています。
私はスクールの選手にも、練習を1日休んだくらいで技術は落ちないと伝えています。落ちるのは感覚ではなく、疲れが抜けないまま続けたときの精度のほうなんです。
家庭でできるのは、最低でも週に1日、部活も宿題も予定を入れない日を先にカレンダーへ書き込んでおくことです。
あとから空きを探そうとすると、その日は永遠にやってきません。
休養日は、練習を休む日ではなく、次の1週間を動ける体に戻す日です。
ここを削ると、8月の後半でまとめて返ってくることになります。
家族の予定と重ねておくと守りやすくなります。出かける予定がある日を休養日にしてしまえば、迷う余地がなくなるからです。
練習が増える時期に体を守る4つのこと
型ができたら、次は中身です。夏は体育館の環境そのものが厳しくなるので、守る側の準備が要ります。
- 練習の前から水分をとっておく
- 汗で失われた分を補食で戻す
- 帰宅後に体を冷やしすぎない
- 痛みが出たら練習量を先に減らす
体育館は外より風が通らず、日中は想像以上に気温が上がります。のどが渇いてから飲むのでは追いつかないので、家を出る前から少しずつ入れておくことが前提になります。



水筒を大きくすればいいでしょうか?



量も大事ですが、練習前に飲んでおくことのほうが効きますよ。
飲み方の具体的な目安は、こちらの記事にまとめています。
食事も、夏休みは回数の設計が変わります。練習が長い日は3食だけでは間隔が空きすぎるので、練習前後の補食で埋めるかたちが基本になります。
ただし、暑さで食が細くなる時期でもあります。無理に量を増やそうとせず、食べられるものを回数で分けるほうが続きます。
夜の過ごし方も、夏だけは別に考えてください。寝室が暑いまま布団に入ると、体温が下がりきらず眠りが浅くなります。
エアコンを切って寝るより、設定温度を上げたままつけておくほうが、翌日の動きは軽くなります。電気代が気になる時期ですが、ここは削らないところです。



夜中に暑くて起きてしまう日があります。



それは睡眠時間が足りていても疲れが残る形ですね。
体の痛みについては、我慢して続ける判断だけは避けてください。とくに膝やかかとに出る痛みは、練習量を減らすことで落ち着く場合があります。
腫れや強い痛みが続くときは、自己判断せず整形外科で診てもらいましょう。
宿題と部活を最後まで両立させる進め方
夏休みの相談でいちばん多いのが、宿題が最後に残るという話です。
原因はやる気の問題ではなく、量が見えていないことにあります。全体像が分からないまま毎日少しずつ進めても、終わりが近づいている実感が出てこないんですよね。
最初の2日で、教科ごとの残り量を1枚に書き出してください。そのうえで、練習が休みの日に重い課題を寄せていきます。
書き出す作業そのものは30分ほどで終わります。それだけで「あと何日ぶん残っているのか」が数字になり、毎日の判断が要らなくなります。
- 初日に全部の課題を1枚に書き出す
- 手のかかる課題(自由研究・作文・読書感想文)を先に日付へ置く
- ドリル系は1日あたりのページ数に割る
- 練習が休みの日に重い課題を寄せる
- 最終週は予備日として空けておく



自由研究を最初に片づけます!



それが終われば、あとは毎日の作業になりますからね。
勉強と部活の時間の組み方そのものに悩んでいる場合は、学期中も含めてこちらで整理しています。
夏休みにやりがちな3つの失敗
最後に、毎年くり返されやすい3つを挙げておきます。
【失敗①】休みの日に一気に取り戻そうとする
練習がない日に、宿題も自主練もまとめて詰め込む形です。
その日は進んだ気持ちになりますが、翌日以降の反動が大きくなります。休みの日ほど、いつもの型どおりに過ごすほうが結果的に量は稼げます。
【失敗②】自主練を練習日に足してしまう
2つ目は、練習のあった日の夜に自主練を足すやり方です。
体が動くうちは続けられますが、夏の後半で一気に効いてきます。自主練を入れるなら、練習が休みの日の午前に短く置くほうが安全です。
やる気のある選手ほどここでつまずきます。本人は前向きに増やしているつもりなので、周りが止めないと歯止めがかかりません。



疲レハ後カラ来ル
練習を足すより回復を増やすことを先に考える、夏休みの体づくりの進め方は別の記事でまとめています。
【失敗③】最終週に生活を戻し忘れる
3つ目は、2学期の直前まで夏の生活のまま過ごしてしまうことです。
起床時間を固定していれば大きくは崩れませんが、それでも最後の1週間は、登校日と同じ時間の流れに戻しておくと初日が楽になります。
朝練がある学校なら、その時間に体を合わせておく準備も必要です。
保護者が持つとよい役割
夏休みは家にいる時間が長いぶん、声をかける回数も増えます。ここで管理する側に回りすぎると、かえって本人の動きが止まります。
私が保護者の方に伝えているのは、決めた型を思い出させる役割にまわってほしい、ということです。
中身に口を出すのではなく、「何時に寝る予定だったっけ」と両端だけを確認する形にしておくと、衝突がぐっと減ります。



つい宿題の進み具合を聞いてしまいます…。



進み具合より、書き出した紙を一緒に見るほうが早いですよ。
もうひとつ、保護者にしかできないのが体調のサインを拾うことです。本人は練習に集中しているぶん、疲れの積み重なりに自分では気づきにくくなります。
食欲・睡眠・痛みの3つだけ見ておけば十分です。ここに変化が出ているときは、練習量そのものを見直す合図になります。



食欲ト睡眠ト痛ミヲ見ル
40日を1人で設計するのは、中学生にはまだ難しい作業です。最初の紙1枚をつくるところだけ一緒にやって、あとは本人に渡す。この形がいちばん長く続きます。
よくある質問
まとめ
バレー部の夏休みは、練習量や宿題の量で決まるものではありません。40日間ずっと同じ骨組みで過ごせたかどうかで、2学期の入り方が変わります。
起きる時間と寝る時間だけを固定して、あいだの中身は日によって入れ替える。この形をつくれば、練習が多い日も休みの日も体は同じリズムのまま進めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決めること | 起床時間と就寝時間の2つだけ |
| 起床 | いちばん早い集合日に合わせて休日も統一 |
| 就寝 | 30分前にスマホを置く時刻も一緒に決める |
| 勉強 | 午前に毎日おなじ時刻で1コマ |
| 帰宅後 | 30分を回復のひとまとまりにする |
| 休養 | 週1日は部活も宿題も入れない日 |
| 体を守る | 練習前からの水分・補食・痛みが出たら量を減らす |
| 宿題 | 初日に全体を書き出し、重い課題を休みの日へ |
| 最終週 | 登校日と同じ時間の流れに戻す |
私は元日本代表として、また指導者として多くの中学生の夏を見てきましたが、夏休み明けに伸びている選手は、特別な練習をしていたわけではありませんでした。
40日間、生活の骨組みを崩さなかっただけなんです。



起きる時間だけは決めてみます!



それが決まれば、残りは自然とついてきますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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