- 子どものバレーに、どこまで口を出していいか迷う
- つい試合の結果や失敗を責めてしまい、あとで後悔する
- 頑張ってほしいのに、逆にやる気を奪っていないか不安
こんな悩みを解決します。
子どもの才能を潰さない関わり方の核心は、成長を親の期待でなく本人のペースで見守り、結果ではなく取り組みを認めることにあります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
トップの舞台まで行った選手や、途中で伸び悩んだ選手を数多く見てきました。そして保護者の方から相談を受けるなかで感じるのは、伸びていく子ほど、家での過ごし方に共通する話が出てくるということです。
才能そのものより、家庭がその才能をどう扱うかで、子どもが競技を続けられるかどうかは大きく変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 伸びる家庭と潰れる家庭に共通する「関わり方の差」がわかる
- 子どものやる気を奪わない声かけと距離感が具体的にわかる
- 親が抱えがちな不安との向き合い方がわかる
指導者と保護者がそれぞれ何を担うのか、全体像はこちらの記事で解説しています。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:才能は「見守る家庭」で伸びる
先に結論からお伝えします。子どもの才能を潰さないために親ができるのは、次の3つです。
- 結果ではなく、取り組みを認める
- 主役を子ども本人にして、親は伴走に回る
- 競技の外に、安心できる居場所を用意する
いちばんやってはいけないのは、子どもの成績を親の期待どおりに動かそうとして、失敗を責め続けることです。
才能を潰す家庭の多くは、能力ではなく「関わり方の熱さ」でつまずいています。
熱心さは悪いことではありません。むしろ応援してくれる大人がいる子は幸せです。ただ、その熱が本人の意思を追い越したときに、歯車が狂い始めます。
うさママ応援しているつもりが、プレッシャーになっていないか心配なんです…。



その心配ができている時点で大丈夫。あとは「主役は誰か」を思い出すだけだよ。
長く競技を楽しんで伸びていく選手ほど、家に帰れば勝ち負けの話から解放されていると話してくれることが多かったです。
反対に、家でも試合の反省会が続くと打ち明けてくれた選手は、どこかで急にバレーへの熱を失っていくことが少なくありませんでした。
次の章から、伸びる家庭と潰れる家庭の違いを具体的に見ていきましょう。
伸びる家庭と潰れる家庭は、ここが違う
同じように熱心でも、子どもが伸びる家庭とそうでない家庭には、はっきりした違いがあります。私の指導経験から見えてきた傾向を整理します。
なお、ここでお伝えするのは特定のご家庭の話ではなく、多くの選手と保護者に接してきた中で感じた一般的な傾向です。
伸びる家庭:プロセスを見ている
伸びる家庭の親は、勝ち負けよりも子どもの取り組みを見ています。
「今日は最後まで声が出てたね」「あの拾おうとした一歩、良かったよ」というように、結果に表れない努力を言葉にするのが上手なんです。
こうした声かけを受けた子は、失敗を恐れずに挑戦を続けられます。ミスしても人格を否定されないとわかっているからです。



認められるのが「勝ち」だけだと、子どもは挑戦より安全なプレーを選ぶようになるんだ。
潰れる家庭:結果だけで一喜一憂する
一方で、子どもの熱が冷めていく家庭は、結果だけに反応しがちです。
勝てば機嫌が良く、負ければ表情が曇る。子どもは親の顔色を敏感に読み取り、いつしかバレーを親を喜ばせるための道具のように感じ始めます。



言われてみると、試合の勝ち負けで私の気分も上下していたかもしれません…。



自然な感情だよ。ただ、それを子どもにそのままぶつけないだけで、空気は変わるんだ。
親の一喜一憂が激しいほど、子どもは失敗を隠したり、挑戦を避けたりするようになります。これが、才能が伸びきる前に止まってしまう典型的なパターンです。
とくに難しいのが、親自身に競技の経験がある場合です。自分の知識がある分、つい細かいところまで口を出したくなります。
ですが、家庭は指導の場ではありません。技術を教える役割は指導者に任せ、家では応援と安心を担う。この線引きができている家庭ほど、子どもは伸びていきます。
差を生むのは「誰のためのバレーか」
伸びる家庭と潰れる家庭を分ける根っこは、シンプルです。そのバレーが誰のものになっているか、という一点に尽きます。
本人が主役の家庭では、子どもは自分の意思で続けます。親が主役になった家庭では、子どもは親のために続け、どこかで力尽きます。
「勝ってほしい」より「続けてほしい」を土台に置くと、家庭の空気は自然と伸びる側に寄っていきます。
才能を潰さない声かけの基本
関わり方の差は、日々の声かけに一番よく表れます。ここでは、そのまま使える基本の型を紹介します。
- 取り組みを具体的に認める言葉
- 質問で本人に考えさせる言葉
- プレー以外の存在を肯定する言葉
型①:取り組みを具体的に認める
まず、結果ではなく取り組みそのものを、具体的にほめます。
「すごいね」だけで終わらせず、「最後まで走って拾いにいってたね」と、何が良かったかまで言葉にします。具体的にほめられた子は、次も同じ努力を再現しようとします。
抽象的なほめ言葉は、子どもの心にあまり残りません。何をほめられたのかがわからないからです。
型②:質問で本人に考えさせる
次に、答えを与える前に問いかけます。
「今日はどうだった?」「次はどこを良くしたい?」と聞くと、子どもは自分でふり返る習慣を持ちます。
指示ばかりされて育った子より、自分で考える子の方が、長い目で見て伸びます。



自分で考えた方が、次にやってみようって気持ちになるかも!



そうなんだ。人は自分で決めたことの方が、ずっと頑張れるものだからね。
ここで大事なのは、返ってきた答えを否定しないことです。的外れに聞こえても、まずは受けとめる。それだけで、子どもは安心して考え続けられます。
問いかけは、答えを引き出すためだけのものではありません。親が自分の話に耳を傾けてくれているという実感が、そのまま子どもの安心につながります。
すぐに良い答えが返ってこなくても、焦らないでください。
考える時間を待ってあげること自体が、子どもを信じているというメッセージになります。
型③:プレー以外の存在を肯定する
最後に、バレーの調子と関係なく、子どもの存在そのものを認める言葉をかけます。
「今日も一日おつかれさま」「ごはん、しっかり食べな」で十分です。競技の成績と自分の価値が結びつきすぎると、子どもは負けた日に居場所を失います。



勝っても負けても変わらず迎えてあげる、ということですね。



うん。家が安全地帯だと、子どもは思い切って外で挑戦できるんだよ。
親がやりがちなNGな関わり方
良かれと思った行動が、かえって子どものやる気を奪うことがあります。とくに気をつけたいものを整理します。
| やりがちなNG | 子どもに伝わってしまうこと |
|---|---|
| 試合後すぐの反省会 | 失敗を責められている・家でも気が抜けない |
| 他の子との比較 | 自分はダメだという劣等感 |
| 監督の指導への口出し | 誰の言うことを聞けばいいか混乱する |
| プレー中の大声の指示 | 集中が切れる・自分で判断できなくなる |
| 結果への過度な一喜一憂 | バレーは親を喜ばせる道具だという感覚 |
とくに多いのが、試合直後の反省会です。子どもが一番悔しく、気持ちが整理できていないタイミングで欠点を並べても、素直には入りません。



悔しさが冷めていないうちの指摘は、アドバイスじゃなくて追い打ちになってしまうんだ。



自分でもわかってるのに言われると、もっとつらくなるんだよね…。
比較も要注意です。「〇〇ちゃんはできてるのに」という言葉は、やる気ではなく劣等感だけを子どもに残します。比べる相手は、他人ではなく過去のその子自身にしましょう。
なお、監督の指導方針に疑問があっても、子どもの前で指導者を否定するのは避けたいところです。子どもが誰を信じればいいかわからなくなり、練習に集中できなくなります。
伝え方さえ工夫すれば、親と監督は同じチームになれます。
保護者と指導者の距離感や、保護者どうしの役割分担については、こちらの記事が参考になります。
親自身の不安との向き合い方
ここまで関わり方の話をしてきましたが、そもそも親が不安を抱えたままだと、冷静な声かけは難しいものです。親自身の心の整え方にも触れておきます。
レギュラーや身長で焦らない
試合に出られない、身長が伸びないと、親はつい焦ります。ですが、成長のスピードには個人差が大きく、早く伸びた子が最後まで伸びるとは限りません。
身長については、成長には個人差があり、遺伝や生活習慣などさまざまな要素が関わります。
過度に心配な場合や気になる症状がある場合は、自己判断せず、小児科など専門の医師に相談すると安心です。家庭でできる範囲としては、まず食事と睡眠のリズムを整えることが土台になります。



まわりの子がどんどん大きくなると、つい比べてしまって…。



気持ちはよくわかるよ。でも、伸びる時期は本当に人それぞれなんだ。
大切なのは、今出ている結果だけで子どもの可能性を決めつけないことです。焦りは、知らないうちに子どもへのプレッシャーに変わります。
親が「今のままで大丈夫」と構えていると、その安心感は子どもにも伝わります。逆に親がそわそわしていると、子どもも自分の現在地に不安を感じ始めます。
競技の成長は、右肩上がりの直線ではありません。
停滞しているように見える時期に、次の伸びるための土台がつくられていることも多いのです。
心のサインを見逃さない
一方で、見守ると放置は違います。子どもの様子には、いつも目を向けておきましょう。
食欲がない、眠れていない、笑わなくなった、バレーの話を避けるようになった。こうした変化が続くときは、無理に励まさず、まず話を聴くことが大切です。
気持ちの落ち込みが長く続いたり、生活に支障が出たりしている場合は、家庭だけで抱え込まないでください。
学校のスクールカウンセラーや、医療機関など専門家に相談することも、大切な選択肢です。
文部科学省も生徒指導等についてのページで、子どものSOSへの対応や相談窓口の情報をまとめています。迷ったときの入り口として知っておくと安心です。
見守るとは放置ではなく、いつでも戻れる場所を用意して、変化に気づける距離にいることです。
親が一人で抱え込まないことも大事です。指導者や他の保護者、専門家と分担することで、家庭にゆとりが生まれ、それが子どもへの落ち着いた関わりにつながります。
才能を潰さない関わり方まとめ
ここまでの内容を、最後に表で整理します。
| 場面 | 意識したいこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 試合後 | まず気持ちを受けとめる | すぐに反省会を始める |
| ほめるとき | 取り組みを具体的に認める | 勝ち負けだけで反応する |
| 迷ったとき | 質問して本人に考えさせる | 答えや指示を先に与える |
| 不安なとき | 個人差を前提に長い目で見る | 他の子や身長で焦る |
| 変化を感じたら | 話を聴き、専門家も頼る | 家庭だけで抱え込む |
認める・任せる・見守る。この3つがそろった家庭で、子どもの才能は伸びていきます。
私は元日本代表として、たくさんの選手と、その保護者の方の相談に向き合ってきました。
トップまで届いた選手が口をそろえて話してくれたのは、特別な才能のことではありません。失敗しても帰れる家があった、ということでした。
親にできる一番のサポートは、上手にさせることではなく、バレーを好きでい続けられる環境を守ることだと私は考えています。



見守ってくれる人がいると思うと、もっと頑張れる気がする!



その気持ちを引き出すのが、いちばんのサポートなんだよ。
保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
よくある質問
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
子育てとバレーの関わり方については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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