- 最後の大会の前に、子どもへ手紙を書きたいけれど何を書けばいいか分からない
- 励ますつもりの言葉が、かえってプレッシャーにならないか心配
- 前の日に渡すのか、試合のあとに渡すのか、タイミングに迷っている
こんな悩みを解決します。
最後の大会前の手紙は、結果には触れず、がんばってきた過程と感謝を短く書き、子どもが落ち着いて読める時間に渡す。この形にすると、子どもの力になる手紙になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
大会の前の選手は、口に出さなくても緊張や不安をかかえています。私は、そんなときに家族からの言葉が「背中を押すもの」になるか「重たいもの」になるかは、書き方と渡し方で決まると考えています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 大会前の手紙が、力にもプレッシャーにもなる理由が分かる
- 親が手紙を書くときの5つのコツと、書く順番が分かる
- 前日・当日・試合のあとなど、渡すタイミングごとの伝え方が分かる
部活の子への親の関わり方を全体から知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:結果ではなく「過程と感謝」を短く伝える
先に結論をお伝えします。最後の大会の前に子どもへ手紙を書くときに、大切にしたいのは次の3つです。
- 勝ち負けや結果には触れず、ここまでがんばってきた過程を書く
- 送り迎えや練習を続けてきた日々への、感謝と労いを伝える
- 長く書きすぎず、子どもが落ち着いて読めるタイミングで渡す
親としては、伝えたいことがたくさんあるはずです。けれど、大会を前にした子どもにとっては、短くて気持ちがまっすぐ伝わる手紙のほうが、心に残りやすいものです。
うさママ書きたいことが多すぎて、何から書けばいいのか迷ってしまいます。



伝えたいことを1つにしぼると、手紙がぐっと読みやすくなりますよ。
手紙の目的は、子どもに「見てくれていた」と感じてもらうことです。上手な文章を書くことではありません。
大会前の手紙が力にもプレッシャーにもなる3つの理由
手紙は、書き方によって子どもの力にもなれば、重荷にもなります。その理由を知っておくと、どんな言葉を選べばよいかが見えてきます。
大会前の子どもは気持ちが張りつめている
最後の大会は、3年間や6年間の部活のしめくくりです。子どもは「負けたら終わり」という気持ちをかかえて、ふだんより敏感になっています。
そんなときに「期待しているよ」と書かれると、応援のつもりでも、背負うものが増えたように感じてしまうことがあります。



期待されると、うれしいけど、ちょっと怖くなるんだよね。
親の言葉は、ほかの人の言葉より重く届く
子どもにとって、いちばん身近で見てきた親の言葉は、先生や友だちの言葉よりも深く届きます。だからこそ、あたたかい言葉は大きな支えになります。
反対に、「後悔しないように」「ここまでお金も時間もかけてきたんだから」のような言葉は、親が思う以上に重く受け止められることがあります。
文字は何度も読み返される
話した言葉はその場で消えますが、手紙の文字は何度も読み返されます。試合の直前や、負けたあとに読み返すこともあるはずです。
どんな結果になっても、読み返したときに子どもを支えられる言葉を選びましょう。勝っても負けても、同じ気持ちで読める手紙にしておくことが大切です。



結果が出たあとに読んでも支えになる言葉かどうか、書いたあとに確かめてみてください。
親が手紙を書くときの5つのコツ
ここからは、最後の大会前の手紙を書くときのコツを5つ紹介します。全部を入れる必要はありません。書きやすいものから取り入れてみてください。
| コツ | 書くこと | ねらい |
|---|---|---|
| コツ1 | 結果には触れない | プレッシャーにしない |
| コツ2 | 印象に残っている場面を1つ書く | 見てくれていたと伝わる |
| コツ3 | 感謝と労いの言葉を入れる | がんばりを認める |
| コツ4 | 便箋1枚におさめる | 大会前でも読みやすくする |
| コツ5 | いつでも味方だと伝えて終わる | 安心して試合に向かえる |
コツ1:勝ち負けや結果には触れない
1つめは、「勝ってね」「優勝してね」など、結果に関する言葉を入れないことです。結果は、子どもが自分の力だけで決められるものではありません。
結果の代わりに、「いつもどおりのプレーを楽しんできてね」のように、子どもが自分で決められることを応援する言葉にしましょう。



「勝ってね」は、つい書いてしまいそうな言葉です。
コツ2:印象に残っている場面を1つ書く
2つめは、これまでの部活の中で、親として印象に残っている場面を1つだけ書くことです。場面が入ると、「ちゃんと見てくれていたんだ」という気持ちが伝わります。
たとえば、入部したばかりのころにボールを持って帰ってきた日のことや、けがで休んだあとに練習へ戻った日のことなど、小さな場面で十分です。



初めて試合に出た日の顔は、今でもよく覚えています。



その場面こそ、子どもにとってうれしい一文になりますよ。
コツ3:感謝と労いの言葉を入れる
3つめは、子どもへの感謝と労いの言葉を入れることです。「毎日の朝練、よく続けたね」「家族を楽しませてくれてありがとう」のように、がんばってきたことそのものを認める言葉を選びましょう。
「ありがとう」の一言は、結果に関係なく子どもの心に残ります。照れくさくても、手紙だからこそ書ける言葉です。



ありがとうって書かれていたら、ちょっと照れるけどうれしいな。
コツ4:便箋1枚におさめる
4つめは、手紙を長く書きすぎないことです。大会の前は、子どもも気持ちに余裕がありません。何枚にもわたる手紙は、読むこと自体が負担になることがあります。
便箋1枚、5〜10行くらいを目安にしましょう。書きたいことが多いときは、大会が終わってから、もう一度ゆっくり伝える機会をつくればよいのです。



気持ちが入りすぎて、3枚も書いてしまうところでした…。
コツ5:いつでも味方だと伝えて終わる
5つめは、手紙の最後を「どんな結果でも、ずっと応援しているよ」のような、変わらない味方であることを伝える言葉で終えることです。
この一文があると、子どもは結果への不安を少し手放して、試合に向かいやすくなります。負けてしまったあとに読み返したときも、支えになる言葉です。
渡すタイミング別の伝え方
手紙は、いつ渡すかによって、子どもの受け取り方が変わります。家庭の状況や子どもの性格に合わせて、タイミングを選びましょう。
| 渡すタイミング | 向いている子 | 伝え方のポイント |
|---|---|---|
| 大会の前日の夜 | 前の日に気持ちを整えたい子 | 寝る前に落ち着いて読めるよう短くする |
| 大会の当日の朝 | 朝に気持ちを切りかえる子 | 「読むのはあとでいいよ」と一言そえる |
| お弁当に入れる | 手紙を照れくさがる子 | 小さなメモ1枚にして、ひと言だけにする |
| 大会が終わったあと | 試合前は集中したい子 | 結果が出てから、労いを中心に書く |
前日の夜や当日の朝に渡すとき
前日の夜や当日の朝に渡すときは、試合に向かう気持ちを後押しする内容にします。長い思い出話よりも、「いつもどおりでいいよ」と気持ちを軽くする言葉が向いています。
当日の朝は、子どもが準備で忙しい時間です。その場で読ませようとせず、「会場に着いて落ち着いたら読んでね」と伝えて渡すと、負担になりません。



朝に長い手紙を読むと、泣きそうになっちゃうかも。
試合のあとに渡すとき
緊張しやすい子や、試合前は余計なことを考えたくない子には、大会が終わってから渡す方法もあります。結果が出たあとなので、労いと感謝を中心に書けます。
負けて落ちこんでいるときは、その日のうちに渡さず、少し気持ちが落ち着いてからにするのもよいでしょう。試合のあとの声のかけ方は、次の記事でくわしく紹介しています。
手紙に書かないほうがいい3つの言葉
子どもを思って書いた言葉でも、受け取り方によっては重荷になってしまうことがあります。とくに気をつけたい言葉を3つ見ていきましょう。
言葉1:「勝ってね」「絶対に勝てる」
「勝ってね」「あなたなら絶対に勝てる」という言葉は、はげましのつもりでも、勝たなければいけないという気持ちを強めてしまいます。
代わりに、「楽しんでおいで」「自分のプレーを出しきってね」のような、子どもが自分で向き合える言葉に置きかえましょう。



結果の言葉を、行動の言葉に置きかえるだけで、手紙の印象は大きく変わります。
言葉2:「後悔しないように」
「後悔しないようにがんばってね」という言葉も、よく使われるぶん注意したい言葉です。子どもによっては「負けたら後悔することになる」と受け取ってしまうことがあります。
どんな結果になっても、それまでの努力は変わりません。後悔を持ち出すより、「ここまで続けてきたことを誇りに思っているよ」と伝えるほうが、子どもは前を向きやすくなります。
言葉3:支えてきた苦労やお金の話
「毎日の送り迎えは大変だったけど」「ここまでお金をかけてきたんだから」のように、親が支えてきた苦労を書くのも避けたい言葉です。
親としては感謝してほしいわけではなくても、子どもには「その分、結果を出さなければ」という重さとして伝わります。
苦労の話は手紙に入れず、子どもへの感謝を中心に書くようにしましょう。



つい「送り迎えも大変だったけど」と書いてしまうところでした…。
子どものやる気を支える関わり方は、次の記事も参考にしてください。
手紙を書き上げるまでの手順
いきなり便箋に書き始めると、途中で手が止まりやすくなります。次の順番で進めると、落ち着いて書き上げられます。
下書きをしてから清書すると、言葉を選び直す余裕が生まれます。書き上げたあとに少し時間をおいてから読み返すと、重たい言葉に気づきやすくなります。



まずは思い出の場面を3つ書き出すところから始めてみます!
大会の日に仕事などで会場へ行けない場合は、手紙が応援の代わりになることもあります。行けない日の関わり方は、次の記事で紹介しています。
よくある質問
まとめ:どんな結果でも支えになる手紙を渡す
最後の大会前の手紙は、結果に触れず、印象に残っている場面と感謝の言葉を短く書き、子どもが落ち着いて読めるタイミングで渡すことで、子どもの力になります。
手紙で伝えたいのは「期待」ではなく「ずっと見ていたよ」という気持ちです。
| コツ | 手紙に書くこと |
|---|---|
| 結果 | 勝ち負けには触れず、自分のプレーを応援する |
| 場面 | 印象に残っている場面を1つだけ書く |
| 感謝 | がんばってきたことへの「ありがとう」を入れる |
| 長さ | 便箋1枚・5〜10行を目安にする |
| 終わり方 | どんな結果でも味方だと伝えて終える |
まずは今夜、部活を始めてから印象に残っている場面を3つ、メモに書き出してみてください。



どんな手紙でも、きっと大会の前に読み返すと思う!



最後の大会は、家族にとっても大切な節目です。あたたかい言葉で送り出してあげてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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