- 体が細い我が子に、プロテインを飲ませたほうがいいのか迷っている
- 成長期に飲ませて、体に影響が出ないか心配
- 種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない
こんな悩みを解決します。
先に大事なところをお伝えします。プロテインは飲めば体が変わる魔法の粉ではなく、食事で足りない分をあとから足すための道具です。
だから「必要かどうか」は、今の食事が足りているかどうかで決まります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導するなかで、保護者の方から「プロテインは飲ませたほうがいいですか」という相談を、季節を問わず受けてきました。
この記事では、専門的な栄養学の話ではなく、家庭で判断するときの考え方と順番をまとめます。
ぜひ参考にしてみてください。
- プロテインを足す前に確かめるべき食事のポイントがわかる
- 我が家に必要かどうかを判断する5つの目安がわかる
- 選び方と飲ませ方で気をつけることがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:食事が先、プロテインは足りない分を補う道具
結論からお伝えします。3食と補食でたんぱく質がとれているなら、プロテインを足す必要はありません。
プロテインは英語で「たんぱく質」という意味です。商品として売られているプロテインは、たんぱく質を粉にして飲みやすくした食品であり、薬ではありません。
つまり、肉や魚や卵や牛乳から同じたんぱく質がとれているなら、わざわざ粉で足す理由はないということになります。
逆に言えば、食事が追いついていない家庭にとっては、便利な選択肢のひとつになります。判断が分かれるのは「必要か不要か」ではなく「今のうちの食事はどうか」という一点です。
うさママまわりの子が飲んでいると、うちだけ遅れている気がして…。



気持ちはわかります。でも順番を逆にすると、お金も手間もむだになりますよ。
私が中高生を見てきて感じるのは、伸びる時期の選手が最初につまずくのは、サプリの有無ではなく食事の量と回数だということです。
練習量が増えたのに、食べる量が去年のままになっている。その状態でプロテインだけを足しても、土台が足りないまま上に一枚のせるだけになってしまいます。
- ①1日3食を、練習量に合わせた量で食べられているか
- ②練習前後に補食をとれているか
- ③それでも足りない分だけを、プロテインで補う
この順番だけは、どのご家庭でも変わりません。
バレー部の子にプロテインを考えたくなる3つの場面
とはいえ「うちは足りている」と言い切れる家庭のほうが少ないと思います。実際に相談を受けるのは、だいたい次の3つの場面です。
練習後に食欲が落ちて、夕食が入らない
激しく動いたあとは、体温が上がったままで食欲が落ちることがあります。特に夏場や、大会前で練習が長引いた日に起こりやすい状態です。
本人は疲れて食べたくない、親としては食べさせたい。この綱引きが毎晩続くと、家の空気まで重くなってしまいます。
固形物が入らない日に、飲み物なら入るという子は少なくありません。こういう日に一時的に使うのは、現実的な選択だと思います。
食が細い状態そのものへの向き合い方は、こちらの記事にまとめています。
帰宅が遅く、夕食の時間がばらばら
部活が終わって、移動して、家に着くのが21時を過ぎる。翌朝は朝練で6時台に家を出る。こうなると、1日のうちで食べられる時間そのものが短くなります。
夜遅い食事は、量を増やすほど睡眠にひびきます。だからといって減らせば、練習で使ったエネルギーが戻りません。



帰ってすぐは、正直あんまり食べられないんだよね。



その日は分けて食べる作戦にしましょう。夜に全部詰め込まなくていいんです。
体が細くて、当たり負けしている
中学から高校へ上がる時期は、体格差がプレーの差になって出やすくなります。ブロックで押し負ける、レシーブではじかれる。本人がいちばん先に気づきます。
ただし、ここで気をつけたいことがあります。体を大きくしたいときに最初に足すべきなのは、たんぱく質ではなくご飯の量です。
エネルギーが足りない状態では、せっかくとったたんぱく質が体づくりではなく活動のために使われてしまいます。
炭水化物の役割については、こちらで詳しく説明しています。
成長期に必要なたんぱく質は、食事でどこまで足りるのか
次に、量の考え方を整理しておきます。ここを飛ばすと、足りているのに足してしまう、あるいは足りないのに気づかないという事故が起こります。
成長期は「大人並み」に必要になる時期がある
厚生労働省が示している日本人の食事摂取基準では、年齢と性別ごとにたんぱく質の推奨量が決められています。
中学生から高校生にかけての時期は、体の大きさのわりに必要量が多く設定されています。時期によっては、大人と同じか、それ以上の量が示されています。
体が急に大きくなる時期であることに加えて、部活で動く量も一年で最も増えるころです。必要量は上がる一方なのに、食べる習慣は小学生のころのままということが起こりやすくなります。
具体的な数値は年齢と性別で変わるので、上のページで我が子に当てはまる欄を確かめてみてください。



数字を見ると、思っていたより多いですね。



そうなんです。だから「食べているつもり」で足りていないことが起きます。
1食に1品、たんぱく質のおかずを置けているか
とはいえ、毎食グラム数を計算するのは現実的ではありません。家庭で見るなら、次のような目安で十分だと思います。
| 場面 | 目安 | 足りないサイン |
|---|---|---|
| 朝食 | 卵・納豆・牛乳のどれかが入っている | パンとお茶だけで出ていく |
| 昼食 | 弁当か給食に主菜がある | 主食ばかりでおかずを残す |
| 夕食 | 肉か魚のおかずが1品ある | 汁物と主食で終わっている |
| 補食 | 練習前後に何か口に入れている | 帰宅までの5時間、何も食べない |
この表で空欄が2つ以上あるなら、プロテインを買う前に埋められる場所がまだ残っています。
食事全体の組み立て方は、こちらの記事で説明しています。
親が判断する5つの目安
ここまでを踏まえて、家庭で判断する手順にまとめます。上から順に見ていってください。
1つめは、朝食を抜いている日や、夕食が主食だけで終わっている日が週に何度もないかを見ることです。
ここを埋めるほうが、粉を足すより体に届く量が増えますし、費用もかかりません。



朝は時間がなくて、パンだけの日が多いです…。



そこに卵か牛乳を1つ足すだけでも、1日の合計は変わりますよ。
2つめの補食は、おにぎり、バナナ、乳製品など、口に入れやすいものを1つ用意しておくことです。ここが空いている家庭が、相談のなかではいちばん多く見つかります。



練習前って、食べたら気持ち悪くなりそうで避けてた。



量を減らして、消化のいいものにすれば大丈夫ですよ。
3つめで、それでも足りない日を数えます。「今日は入らなかった」という日が週に3回以上あるなら、補う道具を検討する段階です。
感覚で「足りていない気がする」と決めてしまうと、必要のないものまで買うことになります。1週間だけでいいので、実際に数えてみてください。
4つめは本人の納得です。飲むのは本人なので、味が合わなければ続きません。買う前に少量で試せる形を選ぶと、失敗が減ります。



味が苦手なやつは、正直そのまま残っちゃうんだよね。
5つめが、いちばん大切な確認です。アレルギー、腎臓や消化器の持病、体調に不安がある場合は、自己判断で始めず、医師や管理栄養士にご相談ください。
この5つを上から通ったときにだけ、プロテインは意味を持ちます。
順番を飛ばして5番目だけ気にする、あるいは1番目を飛ばして3番目から始める。どちらもよくある失敗です。



数えてみたら、うちは補食が抜けているだけでした。



そこが埋まれば、それでいいんです。無理に足すものではありませんから。
選び方と飲ませ方で気をつけること
必要だと判断した場合の、選び方と続け方についてもふれておきます。
成長期向けか、大人向けかを見る
いわゆるジュニア向けの商品は、たんぱく質の量を抑えて、成長期に不足しやすい他の栄養素を組み合わせているものが多くなっています。
大人向けの商品は、たんぱく質の量が多めに設計されているのが一般的です。
中高生が飲んではいけないわけではありませんが、1回に飲む量を減らすなど、体格に合わせた使い方が前提になります。
どちらを選ぶにしても、パッケージの表示を見て、1回あたりの量と原材料を確かめてから決めてください。
特定の商品を飲めば背が伸びる、けがをしなくなるといった話は、そもそも食品に期待するものではありません。



「飲むだけで変わる」って書いてあるものは、いったん疑っていいんだよ。
飲むタイミングと量を決めておく
飲む場面をあらかじめ決めておくと、量が増えすぎるのを防げます。多くの家庭で扱いやすいのは、次の2つの場面です。
- 練習後、夕食までに時間があく日
- 夕食が入らなかった日の、寝る前ではない時間帯
たくさん飲めばそのぶん体が大きくなる、というものではありません。使われなかった分は体の外に出るか、余分なエネルギーとして残るだけです。
また、粉で満腹になって夕食が入らなくなっては本末転倒です。食事を減らしてまで飲むものではない、という線だけは家庭で共有しておきたいところです。
補食全体の考え方は、こちらの記事にまとめています。
やめどきも決めておく
始めるときに、やめる条件も一緒に決めておくと家計が守れます。食欲が戻った、練習量が落ち着いた、体重が目標まで戻った。そうなったら止めていい、と最初に話しておくだけで十分です。
プロテインは、ずっと飲み続けることが前提の食品ではありません。
部活にかかるお金全体をどう抑えるかは、こちらでも取り上げています。
よくある質問
まとめ:買う前に、食卓に空いている場所を探す
バレー部の子にプロテインが必要かどうかは、商品を比べても答えが出ません。今の食事に空いている場所があるかどうかで決まります。
3食の量、練習前後の補食。この2つが埋まっていれば、多くの場合はそれで足ります。埋めても届かない日が続くときに、初めて足りない分を補う道具として検討する。この順番を守ってください。
先に道具を買って、食事をあとから直すという順番だけは、遠回りになります。
私は元日本代表として活動したあと、10年以上スクールで中高生を指導してきました。伸びていく選手に共通しているのは、特別なものを口にしていることではなく、食べる量と回数が練習量に追いついていることです。
まずは、この1週間の食卓を思い出してみてください。埋められる場所が見つかったら、そこから手をつけるのがいちばん確実です。



買う前にやることがあるって、わかって安心しました。



順番さえ間違えなければ大丈夫です。焦らずいきましょう♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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