- 冬休みは練習日と休みが飛び飛びで、どう過ごせばいいかわからない
- 年末年始にまったく動かないと、体が戻らないのが心配
- 休み明けの初日に体が重くて、動きが鈍かった経験がある
こんな悩みを解決します。
冬休みで差がつく理由は、練習量ではなく「止まる日」と「動かす日」の置き方にあります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきて感じるのは、冬休み明けの初日に動けるかどうかは、休みの長さではなく休み方で決まるということです。
冬休みは2週間ほどですが、年末年始をはさむぶん、テスト期間よりも体が止まりやすい時期です。
しかも寒さで体が固まりやすく、久しぶりの練習でいきなり跳ぶと痛める場面をよく見てきました。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 冬休みの2週間で何が落ちて、何が落ちないのかがわかる
- 年末年始をはさんでも体を保つ、日ごとの過ごし方がわかる
- 練習が再開する初日を、怪我なく普段どおりに迎えられる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:冬休みは「完全オフ」と「短い刺激」を分けて置く
先に結論をお伝えします。冬休みの過ごし方は、次の3つに整理できます。
- 完全に休む日を先に決める(2〜3日でよい)
- それ以外の日は、短くても心拍が上がる時間を残す
- 起きる時間だけは、普段と1時間以上ずらさない
いちばん大事なのは、休む日をあいまいにしないことです。
「なんとなく動かない日」が続くと、体も気持ちもそのまま止まります。
逆に「今日は完全に休む」と決めた日は、罪悪感なく休めるので回復も進みます。
冬休みは学校の練習日程が飛び飛びになりやすく、部活がある日とない日の差が大きくなります。だからこそ、部活の予定表とは別に、自分の中で「休む日」と「動かす日」を先に振り分けておくと迷いません。
紙のカレンダーでもスマホのメモでも構いません。目に見える形で分けておくことが大事です。
サルくん休む日を決めるって、サボるみたいで気が引けます。



逆だよ。決めて休むのは回復の一部。ずるずる動かない方が体はなまるんだ。
もう1つの軸が、起きる時間です。冬休みは日が短く、朝が暗いぶん起きるのが遅くなりがちです。
睡眠時間を削る必要はありません。ただ、起きる時間が毎日ばらばらになると、体のリズムそのものが後ろにずれていきます。
眠るのが遅くなった日でも、起きる時間さえ守れていれば、翌日には自然と眠くなる時間が戻ってきます。



休む日と起きる時間。決めるのはこの2つだけでいいんですね。



そう。全部を管理しようとすると続かないからね。
冬休み明けに動けなくなる3つの理由
休み明けに体が重く感じるのには、はっきりした理由があります。
- 心拍が上がる時間がゼロの日が続いた
- 起きる時間が後ろにずれ、体のリズムが変わった
- 寒さで体が固まったまま、いきなり跳んだ
心拍が上がる時間がなくなる
まったく動かない日が数日続くと、体は少ない活動量に合わせて省エネの状態へ切り替わります。
これは怠けているわけではなく、体が環境に合わせているだけです。
ただ、その状態から急に普段の練習量へ戻すと、息が上がるのが早く、足も動かないと感じます。
短くてもいいので、心拍が上がる時間を残しておくと、この落差はかなり小さくなります。
大事なのは動く時間の長さではなく、ゼロの日を続けないことです。
生活のリズムが後ろにずれる
冬休みは夜が長く、遅くまで起きていても気づきにくい時期です。
寝る時間が1時間遅くなり、起きる時間が2時間遅くなると、体感としては時差のある場所へ移動したのと近い状態になります。
その状態のまま朝の練習に行くと、体は起きていても動きがついてきません。
冬休み明けの初日が朝練から始まるチームは、とくにこの影響を受けやすくなります。



冬休みは、つい昼まで寝てしまいます。



昼まで寝た日が3日続くと、体の中の時計はしっかり後ろにずれるよ。
寒さで固まった体でいきなり跳ぶ
冬の体育館は、外とほとんど同じ気温になることがあります。
寒いと筋肉も関節も動く範囲が狭くなり、普段と同じ感覚で踏み切ると、ふくらはぎやアキレス腱に負担が集中します。



久しぶりの練習でふくらはぎが張ったのは、それが理由だったんですね。



寒い日はウォームアップを普段より長めに。体が温まる前に全力で跳ばないのが鉄則だよ。
冬休みを乗り切る5つの過ごし方
ここからは、実際に何をするかです。難しいことはしません。
1. 完全オフを2〜3日、先に決める
まず、カレンダーに完全オフの日を書き込みます。
大みそかと元日など、家の予定が入りやすい日をそこに当てると無理がありません。
この日は動かないと決めているので、体も気持ちもしっかり休められます。



「決めて休む日」と「なんとなく動かない日」は、同じ1日でも中身がまったく違うよ。
反対に、決めずになんとなく休んだ日は「今日も何もしなかった」という気持ちだけが残り、休んだはずなのに疲れが抜けません。
私はスクールでも、長期休みの前に「完全に休む日を自分で決めておこう」と伝えています。
休養は指導の世界でも大切にされていて、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインでも、週あたりの休養日を設けることが示されています。
2. 動かす日は「15分の本気」を作る
オフ以外の日は、長い練習をしなくて構いません。
その場ジャンプ、ダッシュ、階段の上り下りなど、息が上がる動きを15分だけ入れます。
だらだら30分動くより、短く本気で動く方が体は保てます。頻度や時間が減っても、1回の強度を保っていれば体力の低下はゆるやかになると言われています。
- その場ジャンプ 20回×3セット
- 10メートルのダッシュ 10本
- 自重スクワットと片足バランス 各20回
3. ボールに触る時間を1日5分残す
体力とは別に、ボールの感覚は数日で鈍ります。
壁パスでも、家の中で軽く弾ませるだけでも構いません。
指と腕にボールの重さを思い出させておくと、再開初日のパスがまったく違います。
体力は数日では大きく落ちませんが、ボールの感覚は動かさないと数日で鈍るという点は覚えておいてください。
4. 起きる時間を固定する
寝る時間が遅くなる日はあっても、起きる時間はできるだけそろえます。
普段の起床が6時なら、冬休みは7時までに収める、という決め方で十分です。



寝る時間じゃなくて、起きる時間をそろえるんですね。



そう。起きる時間が動かなければ、夜のリズムは自然についてくるよ。
5. 食事の回数を減らさない
練習がない日は動く量が減るぶん、おなかが空きにくくなります。
そこで1食抜くと、体を作る材料が足りなくなり、休み明けの疲れが抜けにくくなります。
量は少なくてよいので、朝・昼・夕の3回は必ず口に入れることを優先してください。
とくに朝を抜くと、その日1日の体温が上がりにくくなり、寒い日はさらに動きが重く感じられます。
なお、体重の増減が気になる場合や、食べられない日が続く場合は、自己判断で食事を減らさず、保護者の方や医師に相談してください。
冬休みにやってはいけない3つ
よかれと思ってやったことが、休み明けの足を引っ張ることがあります。
- 休みの間に新しい筋トレを始める
- 「明日からやる」で7日以上まったく動かない
- 再開初日に、休み前と同じ本数を跳ぶ
時間ができると、普段できないトレーニングを増やしたくなります。けれども、見てくれる人がいない場所で新しい種目を始めると、フォームが崩れたまま回数だけ重なります。
冬休みは、いつもやっている自重トレの回数を保つくらいがちょうどよく、新しい種目は練習が再開してから指導者に見てもらう方が安全です。
新しいことを始めるより、いつもやっていることを止めない方が価値があります。
そして、いちばん多いのが「明日からやる」で終わってしまうパターンです。
1日休むのは問題ありません。ただ、動かない日が7日以上続くと、戻すのに同じくらいの日数がかかります。
冬休みは2週間ほどしかないので、7日止めてしまうと、残りの日数がまるごと「戻すための時間」に変わってしまいます。



去年の冬休み、気づいたら10日くらい何もしていませんでした。



気づけたなら大丈夫。今年は完全オフを2日だけ決めて、残りは15分でいこう。
年末年始と帰省をどう組むか
冬休みが夏休みと違うのは、年末年始という完全に動けない時期をはさむ点です。
多くの学校や公共の体育館は、年末から三が日にかけて使えなくなります。
さらに帰省が入ると、いつもの練習場所からも、いつもの生活リズムからも離れます。
- 朝に外を10分歩く、または軽く走る
- その場ジャンプと自重スクワットを各20回
- 起きる時間だけ普段に近づける
帰省先で本格的な練習をする必要はありません。
「体を完全に止めない」ことだけを目的にすれば、道具も場所もいりません。
親戚の集まりが続くと食事の時間もずれますが、そこは気にしすぎなくて大丈夫です。
数日のことなので、戻ってきた日から普段の時間に合わせ直せば十分です。
寒い地域へ帰省する場合は、外に出るときに首と足首を冷やさない工夫をしておくと、体が固まりにくくなります。
再開前の3日と、冬休みだから伸ばせること
練習が再開する前の3日でやること
休み明けの初日にいきなり合わせるのではなく、その前の3日を使って戻します。
この3日を入れるだけで、初日の重さがかなり減ります。
再開初日は、ウォームアップを普段より長くとってください。寒い体育館では、体が温まるまでに時間がかかります。
汗ばむくらいまで動いてから、ジャンプの練習へ入るのが安全です。
そして初日から全力を出さないことです。
休み前と同じ本数を跳ぼうとすると、着地の衝撃を受け止める力が戻っていないぶん、膝や足首に負担が集中します。
3日かけて元へ戻す、くらいの気持ちでちょうどいいです。



初日に飛ばして痛めるのが、いちばんもったいない。戻すのも練習のうちだよ。
動けない期間だからこそ伸ばせること
冬休みは、コートに立てない時間が長くなります。
ただ、この時間はマイナスばかりではありません。
普段は練習に追われて、自分のプレーを振り返る時間が取りにくいはずです。
冬休みは、次の3つに取り組む数少ないチャンスになります。
- 秋までの試合を振り返り、次に直したい点を1つに絞る
- 体の硬い場所を確かめ、毎日ストレッチする習慣を作る
- 新チームで自分がどう関わるかを考えておく
とくにストレッチは、冬休みのように毎日同じ時間が取れる時期に習慣化しやすい取り組みです。
股関節と足首が硬いままだと、低い姿勢もジャンプの踏み切りも力が逃げます。
1日5分でも、休みの間に続けておくと、再開したときに違いを感じられます。



走るのは寒くて苦手ですが、ストレッチなら続けられそうです。



それでいいよ。続けられることを1つ選ぶのが、冬休みの正解だよ。
体育館が使えない休みの日は、トップの試合を見る時間に充てるのも手です。高校生の全国大会は、ちょうどこの時期に行われます。
よくある質問
まとめ
冬休みは、休みの長さではなく休み方で差がつきます。
完全オフを先に決めて、それ以外の日は15分だけ本気で動く。この置き方だけで休み明けが変わります。
| 場面 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 完全オフの日 | 何もしない | 2〜3日 |
| それ以外の日 | 心拍を上げる運動 | 1日15分 |
| それ以外の日 | ボールに触る | 1日5分 |
| 冬休み全体 | 起きる時間をそろえる | 普段+1時間まで |
| 再開3日前〜前日 | 段階的に強度を上げる | 3日で元に戻す |
私は元日本代表として長く競技を続けてきましたが、シーズンの中で必ず動きを落とす時期がありました。大事なのは、落とす時期を自分で選び、戻す道筋を持っておくことです。



今年の冬休みは、休む日を先に決めてみます!



それができれば、休み明けの初日から気持ちよく動けるよ。いい年明けにしよう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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