- アスリートは油物をできるだけ避けたほうがいいの?
- 脂質をとると太りそうで、なんとなく不安…
- 同じ脂質でも、いい油と悪い油って何がちがうの?
こんな悩みを解決します。
アスリートにとって脂質は敵ではなく、大切なエネルギー源であり、大事なのは量より「質」です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、脂質を悪者あつかいして極端に減らし、かえってバテやすくなる選手をよく見かけます。
魚やナッツ・植物油から良質な脂質をとり、揚げ物や加工食品にかたよった脂質を減らす。この意識だけで、体の整い方は変わってきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 脂質がアスリートに欠かせない理由がわかる
- 一般的に良質とされる脂質と、減らしたい脂質の見分け方がわかる
- 脂質を「適量」とるための具体的な工夫が身につく
コンディショニング全体の流れは、こちらの記事でまとめています。
脂質はアスリートの敵ではない

「脂質はとらないほうがいい」と思っている選手は、本当に多く見かけます。
でも、これは大きな誤解です。
サルくん油って太るイメージだから、できるだけ減らしてたよ…。



気持ちはわかるよ。でも脂質を減らしすぎると、かえって動けない体になっちゃうんだ。
脂質は、3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)の1つです。
体を動かすエネルギーになるだけでなく、体を作る材料としても欠かせない栄養なんです。
脂質は減らすものではなく、質を選んでとるものだと考えてください。



シシツハ テキデハナイ エラブモノ
問題なのは「脂質をとること」そのものではありません。
気をつけたいのは、揚げ物やお菓子にかたよって、質の悪い脂質ばかりになってしまうことです。
だからこそ、これから紹介する「脂質の質」という考え方が役に立ちます。
アスリートにとって脂質が果たす役割


そもそも脂質は、体の中でどんな働きをしているのでしょうか。
ここを知っておくと、「なぜ減らしすぎてはいけないのか」が腹落ちします。



脂質の役割がわかると、こわがらずに付き合えるようになるよ。
脂質には、大きく分けて2つの大事な役割があります。
1つはエネルギー源としての役割、もう1つは体を作る材料としての役割です。
長く動くためのエネルギー源になる
脂質は、少ない量でたくさんのエネルギーを生み出せる栄養です。
同じ重さで比べると、炭水化物やたんぱく質の倍以上のエネルギーになります。



少しの量で、たくさんのパワーになるってこと?



そうなんだ。だから長い練習や試合で、後半までスタミナを保つのに役立つんだよ。
バレーボールのように、長い時間プレーが続くスポーツでは、後半のスタミナがとても大切です。
その粘りを支えるエネルギー源の1つが、脂質なんですよね。
炭水化物が瞬発的に使われるエネルギーだとすると、脂質はじっくり長く使われるエネルギーだとイメージしてください。
練習の前半は炭水化物のエネルギーで動き、後半は脂質のエネルギーも使いながら粘る。こんなふうに、2つのエネルギー源が役割を分けて働いています。
だから脂質が不足していると、長い試合の後半で足が止まりやすくなります。
体を作る材料としても欠かせない
脂質は、エネルギーになるだけではありません。
体のいろいろな部分を作る、大切な材料にもなっています。
- 体をつくる細胞の材料になる
- 体の調子を整えるもとになる
- 一部のビタミンの吸収を助ける
たとえば、緑黄色野菜などに多いビタミンの中には、脂質と一緒にとることで吸収されやすくなるものがあります。
油をまったくとらないと、こうした栄養をうまく活かせないことも覚えておいてください。
脂質を極端に減らすと、エネルギー不足だけでなく体づくりにも影響することがあります。
だからこそ、脂質は「減らす」のではなく「質を選ぶ」という発想に切り替えていきましょう。
一般的に良質とされる脂質とは


ここからが、この記事のいちばん大事なところです。
ひとことで脂質といっても、その「質」にはちがいがあります。



同じ油でも、体にとっての働き方がちがうんだ。ここを知るだけで選び方が変わるよ。
一般的に良質とされる脂質は、自然に近い食材から無理なくとれるものが多いです。
ここでは代表的なものを2つのグループに分けて紹介します。
魚に多い脂質
良質な脂質の代表としてよく挙げられるのが、魚に多くふくまれる脂質です。
特に、さばやいわし、さんまなどの青魚に多いとされています。



魚って、なんとなく体によさそうなイメージあるかも!



いいイメージだね。青魚の脂は、一般的に良質とされる脂質の代表なんだよ。
毎日たくさん食べる必要はありません。
焼き魚や煮魚を、ふだんの食事に少しずつ取り入れるだけで十分です。
肉ばかりにかたよりがちな人は、週に何回か魚の日を作るくらいの意識から始めてみてください。
缶詰のさば缶やいわし缶も、手軽に取り入れられて便利です。骨までやわらかく、忙しい日の1品としても役立ちます。
「魚は調理がめんどう」と感じる人ほど、こうした手軽なものから始めると続けやすくなります。
ナッツや植物油に多い脂質
もう1つのグループが、ナッツや植物油に多くふくまれる脂質です。
くるみやアーモンドなどのナッツ類、オリーブオイルやえごま油などの植物油が代表的です。
- 青魚(さば・いわし・さんまなど)
- ナッツ類(くるみ・アーモンドなど)
- 植物油(オリーブオイル・えごま油など)
ナッツは、おやつや補食として少しつまむのに向いています。
ただし、エネルギーは高めなので、ひとつかみ程度を目安にしてください。



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植物油は、サラダにかけたり料理に使ったりと、毎日の調理に取り入れやすいです。
良質とされる脂質は、こうして「いつもの食事に少し足す」くらいの感覚でとるのがちょうどよいんです。
アスリートが避けたい脂質の摂り方


良質な脂質がわかったところで、次は「減らしたい摂り方」です。
ここで大事なのは、特定の食べ物を「悪い」と決めつけることではありません。



揚げ物が絶対ダメ、という話じゃないんだ。問題はかたより方なんだよ。
避けたいのは、ある種類の脂質にばかりかたよってしまう食べ方です。
具体的には、揚げ物や加工食品にかたよった脂質のとり方に気をつけたいところです。
揚げ物や加工食品にかたよる
からあげやフライ、スナック菓子などは、子どもも大人も大好きなメニューですよね。
これらが好きなこと自体は、まったく問題ありません。



揚げ物、大好きなんだけど…食べちゃダメなのかな?



ダメじゃないよ。ただ、そればかりにかたよると脂質の質が悪くなりやすいんだ。
問題は、こうした食べ物が中心になって、魚や野菜が減ってしまうことです。
揚げ物や加工食品にかたよると、とりすぎになりやすく、良質な脂質が不足しがちになります。
避けたいのは「揚げ物そのもの」ではなく、それにかたよった食生活だと考えてください。
たとえば揚げ物を食べる日は、副菜に野菜を足したり、別の食事で魚を取り入れたりして、全体のバランスをとってあげましょう。
調理のしかたを少し変えるのも、手軽で続けやすい工夫です。同じ食材でも、揚げるより焼く・蒸すほうが、余分な脂質を抑えられるからです。
から揚げをグリルで焼いた鶏肉に置きかえる。それだけでも、1食分の脂質のとり方は変わってきます。毎食で徹底する必要はないので、週に何回か選べる範囲から試してみてください。
同じ脂質に決めつけは禁物
ここで1つ、気をつけてほしいことがあります。
「この油は体にいい」「この食べ物は体に悪い」と、白黒はっきり決めつけすぎないことです。



食べ物に完全な善悪はないんだ。大事なのは全体のバランスなんだよ。
良質とされる脂質も、とりすぎれば当然エネルギーのとりすぎになります。
逆に、揚げ物も「たまの楽しみ」として上手に付き合えば、食事の満足感を高めてくれます。



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大切なのは、1つの食べ物の善悪を細かく気にすることではありません。
1日や1週間という単位で見たときに、脂質の種類がかたよっていないかを見ることなんですよね。
神経質になりすぎると、食事そのものが楽しくなくなってしまいます。それでは長続きしません。
「最近ちょっと揚げ物が続いているな」と気づけるくらいのゆるさで十分です。その気づきがあれば、自然とバランスは戻っていきます。
脂質を「適量」とるための考え方
脂質は減らしすぎても、とりすぎてもよくありません。
ちょうどいい「適量」を保つことが、いちばん大切になります。



適量って言われても、どれくらいかわからないよ…。



むずかしく計算しなくて大丈夫。考え方さえつかめば、自然と整っていくよ。
ここでは、脂質を細かく計算しなくても適量に近づける考え方をお伝えします。
ポイントは、極端をやめることと、ふだんの食事で見分けることの2つです。
減らしすぎ・とりすぎの両方を避ける
まず避けたいのは、脂質を極端にゼロに近づけようとすることです。
油を完全に抜くと、エネルギー不足になり、練習中にバテやすくなることがあります。
脂質を極端に避けると、スタミナ切れや体づくりの停滞につながることがあります。
反対に、揚げ物やお菓子でとりすぎるのも、もちろんよくありません。



「ゼロにする」も「とりすぎる」も、どちらも避けたい両極端だよ。
目指したいのは、その真ん中です。
良質な脂質をほどよく取り入れつつ、揚げ物や加工食品にかたよらない。この「ほどほど」を続けることが、いちばん現実的なんですよね。
ふだんの食事で脂質の質を見分ける
適量を保つコツは、毎食の中で脂質の質を意識することです。
むずかしい栄養計算は必要ありません。
- 肉が続いたら、魚の日を意識して入れる
- 揚げ物の日は、野菜の副菜を1品足す
- おやつをナッツや果物に置きかえてみる
こうした小さな工夫を積み重ねるだけで、脂質の質は少しずつ整っていきます。



これなら、今日からでもできそう!
完ぺきにやろうとしなくて大丈夫です。
「今日は揚げ物が多かったから、明日は魚にしよう」くらいの感覚で、ゆるく調整していきましょう。
外食やコンビニが続く時期も、選び方しだいで脂質のバランスは整えられます。丼ものや揚げ物中心の弁当より、焼き魚や鶏肉がメインの定食型を選ぶ。それだけでも、かたよりはずいぶんやわらぎます。
成長期の選手は、エネルギーをたくさん必要とします。脂質をこわがって減らしすぎるより、良質なものをきちんととるほうが、体づくりにはプラスに働きます。
特に練習量の多い時期は、しっかり食べることが先です。脂質の質を整えるのは、その土台ができてからで十分だと考えてください。
脂質は1食で完ぺきにせず、数日単位で整えればOKだと考えてください。
なお、ここで紹介した内容は、あくまで一般的な目安です。
体質・アレルギー・持病がある場合や、特定の食事制限が必要な場合は、自己判断せず医師や管理栄養士に相談してください。
食事全体の組み立て方は、こちらの記事でまとめています。
よくある質問
まとめ:脂質は質を選んで適量とる
アスリートにとって脂質は敵ではなく、質を選んで適量とるべき大切なエネルギー源です。
魚やナッツ・植物油から良質とされる脂質をとり、揚げ物や加工食品にかたよらない。そして極端に減らさず、数日単位でバランスを整える。この3つを意識するだけで十分です。



まずは肉ばかりにせず、魚の日を作ってみます!



その意識が第一歩だよ。脂質をこわがらず、上手に付き合っていこうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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