- 試合中に体育館が停電したら、それまでの点数はどうなるのか知りたい
- 雨漏りや設備の故障で別のコートに移ったら、試合はどこから再開するのか気になる
- 長く待たされた後、選手やベンチは何をしておけばいいのかわからない
こんな疑問を解決します。
停電などで試合が長く止まった時は、主審や大会主催者が再開の方法を決めます。中断の合計が4時間以内なら、同じコートでは中断した時の得点から続け、別のコートではそのセットだけをやり直します。4時間を超えたら試合全体のやり直しです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
体育館の試合では、照明が急に消えたり、屋根から雨漏りがして床が濡れたりと、選手にはどうにもならない出来事が起こることがあります。
そんな時に再開の決まりを知らないと、「今までの点はなくなるの?」と不安になり、気持ちも体も切れてしまいます。
中断の決まりと、待っている間にできることを先に知っておけば、再開した1本目から落ち着いてプレーに戻れるはずです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 停電や雨漏りなどで試合が止まった時の、再開の決まりがわかる
- 同じコート・別のコート・4時間を超えた時の違いがわかる
- 中断している間に、選手とベンチがしておきたいことがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:再開の仕方は「4時間」と「同じコートかどうか」で決まる
先に結論をお伝えします。
バレーボールの試合は、ふつうはタイムアウトや選手交代で少し止まるだけです。
けれど、停電や設備の故障のように、誰のせいでもない出来事で試合が長く止まることがあります。
競技規則では、こうした場面を「中断の延長」と呼び、再開の仕方を決めています。
サルくん停電で止まっても、ちゃんと決まりがあるんですね!



そうなんだ。大事なのは「止まっていた時間の合計」と「どのコートで再開するか」の2つだよ。
再開の仕方は、次の3つのパターンに分かれます。
- 合計4時間以内で、同じコートで再開する → 中断した時の得点から続ける
- 合計4時間以内で、別のコートで再開する → 中断したセットだけやり直す
- 合計4時間を超えた → 試合をすべてやり直す
どのパターンでも、すでに終わったセットの結果が消えるのは、4時間を超えた時だけです。
「今までの点が全部なくなる」と慌てる必要はほとんどない、と覚えておくと安心だと私は考えています。



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試合が止まる「不測の事態」とは
ここからは、どんな場面が「中断の延長」にあたるのかを確認していきます。
もとになっているのは、日本バレーボール協会の6人制競技規則です。中学生や高校生にもわかる言葉に置きかえて紹介します。
誰のせいでもない出来事で、試合が続けられなくなった時
競技規則では、試合がなんらかの不測の事態で中断された時の扱いが決められています。不測の事態とは、前もって予想できない出来事のことです。



急に電気が消えたら、どうしていいかわからなくなりそうです…。



まずは慌てずに、審判の指示を待つことが大切だよ。
たとえば、次のような場面が考えられます。
- 停電や照明の故障で、コートが暗くなった
- 雨漏りで床が濡れ、安全にプレーできなくなった
- 地震や火災報知器などで、会場から避難が必要になった
- ネットの支柱や床など、コートの設備が壊れた
どれも、選手やチームの反則ではありません。だから、どちらかのチームに点を与えたり、罰則を出したりする場面とは考え方が違います。
再開の方法を決めるのは主審と大会主催者
試合が止まった時、再開のための処置を決めるのは主審・大会主催者・コントロール委員会です。
コントロール委員会とは、大きな大会で試合の運営を見守る役員の集まりのことです。
選手やベンチが「このセットはやり直しにしよう」と自分たちで決めることはできません。
止まっていた時間や再開の場所は、記録員がスコアシートに書き残します。後から「どこまで進んでいたか」を確かめられるように、記録が大切になるわけです。
スコアシートの見方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
再開の3つのパターンを競技規則で確認しよう
ここからは、再開の3つのパターンを1つずつ見ていきます。
どのパターンになるかで、得点やコートに立つ選手の扱いが変わります。ベンチにいる選手やマネージャーも、流れを知っておくと役に立ちます。
パターン1:4時間以内で、同じコートで再開する
停電がすぐに直ったなど、同じコートで試合を再開できる場合です。
中断されたセットは、中断した時と同じ得点・同じ選手・同じポジションで続けます。
たとえば18対15で止まったなら、18対15のまま、同じローテーションから始まります。
すでに終わったセットの得点も、そのまま有効です。



止まる前の続きから始まるなら、ほとんど何も変わらないですね!



そうだね。ただし、退場や失格になった選手は戻れないから、そこだけ注意しよう。
パターン2:4時間以内で、別のコートで再開する
雨漏りがひどいなど、同じコートが使えずに、別のコートへ移って再開する場合です。
この時は、中断されたセットは取り消しになります。
退場や失格の選手を除いた同じチームメンバーで、そのセットの最初のスターティングラインアップからやり直します。
一方で、すでに終わったセットの得点は有効のままです。たとえば1セット目を取って、2セット目の途中で止まったなら、2セット目だけを0対0から始めます。
イエローカードなど、それまでの罰則の記録は引き継がれます。セットをやり直しても、罰則まではなかったことにならない点に気をつけてください。
パターン3:合計4時間を超えたら、試合をすべてやり直す
中断が1回でも、何回かに分かれていても、その合計が4時間を超えた時は、試合がすべてやり直しになります。
この場合は、終わったセットの結果も含めて、最初から試合をし直します。4時間も止まるのは珍しいことですが、決まりとして知っておきましょう。



1セット取っていても、最初からになっちゃうんですか…。



4時間を超えた時だけだよ。それより短ければ、終わったセットは消えないから安心して。
3つのパターンを表にまとめると、次のとおりです。
| パターン | 中断されたセット | 終わったセット |
|---|---|---|
| 4時間以内・同じコート | 中断時の得点から続ける | 有効 |
| 4時間以内・別のコート | 取り消して0対0から | 有効 |
| 合計4時間を超えた | 試合をすべてやり直す | 取り消し |



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ほかの「試合が止まる場面」との違い
試合が止まる場面は、停電や雨漏りだけではありません。ここでは、よく似ていても扱いが違う3つの場面を整理します。
タイムアウトと選手交代は「正規の中断」
競技規則では、タイムアウトと選手交代を「正規の試合中断」と呼びます。監督やゲームキャプテンが求めて、試合を短く止める仕組みです。
今回の「中断の延長」は、チームが求めたものではなく、会場や設備の事情で止まる点が大きく違います。
試合がなかなか進まない時の決まりは、こちらの記事でも紹介しています。
ラリー中のけがや外からの妨害は「ラリーのやり直し」
ボールがインプレー中に大きなけがが起きた時や、隣のコートのボールが入ってきた時は、そのラリーがやり直しになります。
こちらは試合全体の再開方法ではなく、1本のラリーをやり直すための決まりです。くわしくは、こちらの記事を参考にしてください。
汗で床が濡れた時は、ゲームキャプテンが伝える
汗で床が少し濡れた程度なら、試合を長く止める必要はありません。ボールがアウトオブプレーの間に、ゲームキャプテンが審判に伝えて床を拭いてもらいます。
雨漏りのように、拭いてもすぐに濡れてしまう場合は、主審や大会主催者が試合を止めるかどうかを判断します。
試合が中断した時に、選手とベンチがすること
最後に、試合が長く止まった時に、選手とベンチがしておきたいことを紹介します。
ここで紹介するのは、競技規則の決まりではなく、再開に向けて体と気持ちを整えるための基本的な考え方です。
1つずつ見ていきます。
コツ1:安全を最優先に、審判と大会の指示に従う
停電や地震の時は、まず自分と周りの人の安全を守ることが先です。暗い中でボールを追ったり、濡れた床を走ったりするのはやめましょう。
コートから出るのか、その場で待つのかは、審判や大会の役員の指示に従います。避難が必要な時は、道具を持ち出すよりも、落ち着いて移動することを優先してください。
コツ2:体を冷やさず、水分をとって待つ
中断が長くなると、汗をかいた体が冷えていきます。
上着を羽織る、タオルで汗を拭くなどして、体を冷やさないようにしましょう。のどが渇いていなくても、少しずつ水分をとっておくと安心です。



待っている間も、ジャージを着て体を冷やさないようにします!



いいね。止まっている時間も、試合の準備の一部なんだ。
コツ3:再開の得点とローテーションを確認する
再開の方法が決まったら、ベンチで得点とローテーションを確かめておきます。
同じコートなら中断時の得点とポジションから、別のコートならそのセットのスターティングラインアップからです。どちらになったかで、コートに入る選手の並びが変わります。
わからないことがあれば、ボールがアウトオブプレーの時に、ゲームキャプテンが審判に確認するようにしましょう。
コツ4:再開の前に、体を少しずつ温め直す
長く止まった後に、いきなり全力でジャンプやダッシュをするのは体への負担が大きくなります。
再開までの時間がわかったら、その場でできる範囲で、軽く体を動かしておきましょう。セット間の過ごし方と同じように、気持ちを切り替える時間にもなります。



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よくある質問
まとめ:止まっても慌てず、再開の決まりを知っておこう
停電や雨漏りなどで試合が長く止まった時は、主審や大会主催者が再開の方法を決めます。
中断の合計が4時間以内なら、終わったセットの結果は消えません。再開の仕方は、同じコートか別のコートかで変わります。
① 同じコートなら、中断した時の得点・選手・ポジションから続ける。
② 別のコートなら、中断したセットだけを0対0からやり直す。
③ 合計4時間を超えたら、試合をすべてやり直す。
| 場面 | 再開の仕方 | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| 停電がすぐ直った | 同じ得点から続ける | 退場・失格の選手は戻れない |
| 別のコートへ移った | そのセットだけやり直し | 罰則の記録は引き継ぐ |
| 合計4時間を超えた | 試合をすべてやり直し | 終わったセットも取り消し |
中断の決まりは、選手の安全と、試合を公平に進めるためにあります。急に試合が止まっても慌てず、体を冷やさずに、再開の1本目に集中してください。



試合が止まっても、得点とローテーションを確かめて、落ち着いて再開します!



いいね。決まりを知っていれば、どんな中断が起きても慌てずにすむよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーボールのルールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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