- 練習中にボールが天井に当たった時、そのまま続けていいのか迷う
- 試合で天井に当たったら、どちらのチームの得点になるのか知りたい
- 天井が低い体育館で、どこまで高く上げていいのか決められない
こんな疑問を解決します。
バレーボールでは、ボールが天井に触れた瞬間にアウトになり、相手チームの得点になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
天井の低い体育館では、レシーブが高く上がっただけでボールが天井に届いてしまいます。そのたびに続ける人と止まる人に分かれると、試合でも同じ迷いが出てしまうんですよね。
判定そのものは、競技規則に短く書かれているだけです。覚えることは多くありません。
決まりと、迷いやすい場面での判断を先に知っておけば、天井の低い会場でも落ち着いてプレーできます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 天井に当たったボールがアウトになる理由と、どちらの得点になるかがわかる
- サーブ・レシーブ・照明への接触など、迷いやすい5つの場面の判定がわかる
- 天井が低い体育館で練習する時の工夫と、試合前に確かめることがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:天井に触れた瞬間にアウトで、相手チームの得点になる

先に結論をお伝えします。
ボールが天井に触れたら、その時点でプレーは終わりです。ラリーは続かず、触れさせてしまったチームの失点になります。
今のバレーボールは、ラリーに勝ったチームがそのまま1点をとる方式です。つまり相手に1点が入り、サーブ権も相手に移ります。
サルくん落ちてきたボールを拾えば、続けられると思ってました!



触れた瞬間にもう終わりなんだ。拾っても点は戻らないよ。
迷いやすいのは、どちら側の天井かで変わるのかという点でしょう。判定の基本は次の3つです。
- 自分のコートの上でも、相手コートの上でも、触れたらアウト
- ボールに触れさせたチームの失点になり、相手に1点とサーブ権が入る
- 天井に当たってから落ちてきたボールを拾っても、プレーは続かない
天井は、コートの外にある壁やイスと同じ「プレーできない場所」としてあつかわれます。だから当たった側がどちらでも、判定は変わりません。
主審は、前腕を垂直に上げて手のひらを自分の方に向ける形で、ボールがアウトになったことを示します。この合図が見えたら、次のプレーへ切り替えましょう。



テンジョウニ フレタラ ソノバデ アウト
天井まわりの決まりを競技規則で確認しよう
この判定は、日本バレーボール協会の6人制競技規則にはっきり書かれています。
ここでは、中学生や高校生にも伝わる言葉に置きかえて、天井に関わる3つの決まりを見ていきます。
決まり1:天井に触れたボールはアウトになる
競技規則には、ボールがアウトになる場面が5つ並んでいます。その中の1つが、コートの外の物、天井、またはプレーしていない人に触れたときという項目です。
ここに天井がはっきり書かれているので、判定に解釈の余地はありません。ボールがフロアに落ちる前でも、触れた瞬間にアウトになります。



ルールにちゃんと書いてあるんですね。



そう。だから会場が違っても判定は同じだよ。
笛を吹くのは主審だけではありません。副審も、外の物への接触では笛を吹けます。
どちらの笛が鳴っても、判定の中身は変わりません。
決まり2:相手コートへ返すボールは天井の下の空間を通す
相手コートへ返すボールには、通ってよい空間が決められています。この空間は、下がネットの上端、左右が2本のアンテナ、そして上が天井で区切られます。
言いかえると、ネットの上を越えるボールは、天井に届かない高さで返さなければなりません。高く上げた3本目が天井をかすめた場合も、相手コートに入る前にアウトになります。



相手コートの中に落ちても、点にはならないんですね…。



天井に触れた時点で終わりだからね。高く返す時ほど注意しよう。
アンテナのまわりの判定は、こちらの記事でくわしく解説しています。
決まり3:コートの上には7mの高さの空間が必要とされている
競技規則では、コートの上に広がる空間についても基準が示されています。障害物が何もない空間が、フロアから最低でも7mの高さまで必要とされているのです。
つまり、天井が7mに届かない体育館は、この基準を満たしていないことになります。
学校の古い体育館でボールがよく天井に当たるのは、選手の力加減だけが理由ではないわけです。



コートノ ウエ ハ 7m イジョウ ガ キジュン
会場の高さが足りない時は、大会の要項でその会場に合わせた決まりを置いていることもあります。判定が気になる会場では、後で紹介する手順で試合前に確かめてください。
天井の高さと合わせて、ネットの高さも覚えておくと会場の見方が変わります。
天井に当たって判定に迷いやすい5つの場面
ここからは、試合や練習で実際に起こる場面を5つ取り上げます。どれも、コートの中で止まってよいのか迷いやすいケースです。
場面1:サーブが天井に当たった
打ったサーブが高く上がりすぎて、ネットを越える前に天井に触れた場面です。
この場合はサービスの失敗となり、相手チームに1点とサーブ権が入ります。トスが高すぎる時や、真上に近い角度で打ってしまった時に起こりやすいでしょう。
サーブにまつわる反則は、こちらの記事にまとめています。
場面2:レシーブが高く上がって天井に触れた
強いサーブやスパイクを受けた時、腕に当たったボールが真上へはね上がる場面です。天井の低い体育館では、これがいちばん多く起こります。
触れた時点でアウトなので、落ちてきたボールを拾ってつないでも得点は変わりません。1本目でも2本目でも、扱いは同じです。
はね上げないためには、速いボールほど当たる瞬間に少し力を抜き、面の角度でセッターの方へ返すことが助けになります。



強いサーブほど、上に跳ね上がっちゃうんです…。



当たる瞬間に少しだけ力を抜くと、跳ね方が変わるよ。
場面3:相手コートの上の天井に当たった
自分たちが返したボールが、相手コートの上にある天井に触れた場面です。
触れた時点でアウトになるため、相手コートのフロアに落ちても得点にはなりません。返した側の失点として進みます。
反対に、相手が返したボールが自分たちのコートの上で天井に触れたときは、こちらの得点になります。
見るところは、どちら側の天井かではありません。最後にボールに触れたのがどちらのチームかで決まります。



ドチラノ テンジョウデモ サワッタ チームノ シッテン
場面4:照明やバスケットゴール、梁に当たった
天井からつり下げられた照明や、たたまれたバスケットゴール、むき出しの梁にボールが当たる場面もあります。
これらもコートの外にある物と同じようにあつかわれ、触れたらアウトになるのが原則です。判定を分ける必要はありません。
ただし、当たりやすい位置に物がある会場では、大会の要項で別の決まりを置いていることがあります。気になる会場では試合前に確かめておきましょう。
場面5:ボールが天井や梁に挟まって落ちてこない
上げたボールが梁のすき間や照明の上に乗ってしまい、落ちてこない場面です。
判定そのものは変わらず、天井や梁に触れた時点でアウトになっています。ボールが戻ってこなくても、点の行方は決まっているので安心してください。
残ったボールを落とす作業は、選手だけで判断しないことが大切です。別のボールを投げ当てる方法は照明を割る危険があるので、先生や施設の管理の方に相談しましょう。
試合前に天井まわりの決まりを確かめる3つの手順
会場によっては、天井の高さがぎりぎりだったり、低い位置に梁があったりします。そんな会場でこそ、試合が始まる前の確認が効いてくるのです。
1つずつ見ていきます。
まず、大会の要項です。会場に合わせた決まりは要項に書かれていることが多いので、移動の時間などに目を通しておくと安心できます。
次に、試合前の練習です。アップの中で高いボールを1本上げてみると、余裕があるかどうかが体でわかります。
最後は、主審への確認です。主審には、試合が始まる前に会場や用具の状態を点検する責任があります。
要項に書かれていない点は、ゲームキャプテンを通して聞くのが正しい手順になります。



キクノハ ゲームキャプテン カラ
ゲームキャプテンが審判に頼めることは、こちらの記事で解説しています。
天井が低い体育館で練習する3つの工夫


天井の低さは、選手の力では変えられません。それでも、練習のやり方を少し変えるだけで、ボールが天井に当たる回数は減らせます。
ここでは、私が指導の現場で伝えている3つの工夫を紹介します。
工夫1:上げてよい高さの上限をチームで決める
最初にやることは、その体育館で上げてよい高さをチームで共有することです。梁の1本下まで、照明の高さまでといった具合に、目印になる物で決めると全員が同じ基準をもてます。
上限が決まっていれば、ボールが上がりすぎた時に自分で気づけます。「高すぎた」と声に出せる選手が増えると、天井に当たる回数は自然に減っていくでしょう。



梁を目印にすれば、みんな同じ高さで見られますね!



目印があると、声もかけやすくなるよ。
低いボールでつなぐくせをつけたいわけではありません。あくまで、その会場で安全につなげる高さの目安を共有しておくということです。
工夫2:高さを使わない練習に置きかえる
天井が低い日は、高さを使わない練習に置きかえるのも有効な方法です。壁パスや2人組の対人パスなら、ボールが上に抜ける心配がありません。
壁を使った練習は、面の作り方や体重移動を確かめるのにも向いています。天井を気にせず反復できるので、練習の密度も上がります。
壁を使ったパス練習のやり方は、こちらの記事で紹介しています。
工夫3:サーブは軌道の低いものを選ぶ
サーブ練習では、軌道の低いサーブを選びましょう。ネットの上を浅い弧で越えていくフローターサーブなら、天井の低い会場でも打つ場所に困りません。
反対に、高く上げて落とすスカイボール(天井サーブ)は、高さに余裕のある会場でだけ練習する種類です。天井が近い体育館で無理に打つと、ほとんどが天井に当たって練習になりません。



体育館に合わせて、練習するサーブを選べばいいんですね!



そのとおり。会場の高さを見て選べる選手は、試合でも困らないよ。
高く上げるサーブの打ち方は、こちらの記事で解説しています。
よくある質問
まとめ:天井に当たったら「その時点でアウト」と覚える
ボールが天井に触れたら、どちら側の天井でも、その瞬間にアウトです。触れさせたチームの失点となり、相手に1点とサーブ権が入ります。
① 天井・照明・梁に触れたらその時点でアウト。
② 落ちてきたボールを拾っても判定は戻らない。
③ 会場ごとの決まりは要項と主審への確認で先につかむ。
| 場面 | 判定 | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| サーブが天井に当たった | サービスの失敗 | 相手に1点とサーブ権が入る |
| レシーブが高く上がって触れた | その場でアウト | 拾っても点は戻らない |
| 相手コートの上の天井に触れた | 返した側の失点 | 相手コートに落ちても点にならない |
| 照明や梁に当たった | 原則アウト | 会場ごとの決まりは要項で確認 |
天井の高さは変えられませんが、決まりを知っていれば迷いはなくせます。会場に着いたら上を見上げて、その日のプレーできる空間を確かめてから始めてください。



これからは会場に入ったら、まず天井を見上げます!



いいね。上の空間まで見られる選手は、どんな会場でも力を出せるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーボールのルールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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