- 試合中に隣のコートからボールが入ってきた時、止まっていいのかわからない
- 審判が両手の親指を立てて「やり直し」になったけれど、理由がわからなかった
- やり直しの後は、どちらのチームがサーブを打つのかはっきりさせたい
こんな疑問を解決します。
ラリーのやり直しになるのは、外からの妨害・両チームの同時の反則・プレー中の大きなけが・破れたネットの4つの場面です。やり直しでは点は入らず、同じチームのサーブからもう一度始めます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
大会の会場では、いくつものコートが並んで同時に試合をしています。隣のコートのボールが転がってきたり、主審が急に笛を吹いて試合を止めたりする場面は、決して珍しくありません。
どんな時にやり直しになるのかを知らないと、止まるべき場面で無理にプレーを続けたり、自分から止まって失点したりしてしまいます。
やり直しになる場面と、ならない場面の違いを先に押さえておけば、急な中断にも落ち着いて動けるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ラリーのやり直しになる4つの場面と、競技規則の決まりがわかる
- やり直しにならず、失点や反則になるまぎらわしい場面との違いがわかる
- 隣のコートからボールが入ってきた時の、安全な動き方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:やり直しになるのは4つの場面。点は入らずサーブから始め直す

先に結論をお伝えします。
バレーボールでは、ふつうはラリーが終わるたびに、どちらかのチームに1点が入ります。
けれど、競技規則には点を入れずに、そのラリーをなかったことにしてやり直す場面が決められています。
サルくん点が入らないで、もう一回やるラリーがあるんですね!



そうなんだ。どちらのチームのせいとも言えない出来事が起きた時に、やり直しになるんだよ。
やり直しになるのは、主に次の4つの場面です。
- 隣のコートのボールなど、外から妨害が入った
- 両チームの選手が同時に反則をした(ダブルフォルト)
- ボールがインプレー中に、大きなけがや事故が起きた
- ボールがネットを破ったり、引き裂いたりした
やり直しになった時は、どちらのチームにも点は入りません。サーブを打っていたチームが、もう一度サーブからラリーを始めます。
反対に、ふつうの反則やアウトのボールは、たとえ判定に不満があってもやり直しにはなりません。
やり直しは「特別な出来事が起きた時だけ」と覚えておくと、試合中に迷わなくなると私は考えています。



4ツノ バメンダケ ヤリナオシ
やり直しになる4つの場面を競技規則で確認しよう
ここからは、4つの場面を1つずつ確認していきます。
もとになっているのは、日本バレーボール協会の6人制競技規則です。中学生や高校生にもわかる言葉に置きかえて紹介します。
場面1:隣のコートからボールが入ってきた
いちばんよく起きるのが、隣のコートや練習中のボールが、試合をしているコートへ転がってくる場面です。
競技規則では、試合中に外部からなんらかの妨害があった場合はプレーを止め、ラリーはやり直しと決められています。
外部からの妨害には、ボールが入ってくる以外にも、観客や関係のない人がコートに入ってくるような場面も考えられます。どれも、選手が安全に、正しくプレーできない状態になるからです。
止めるかどうかを決めて笛を吹くのは主審です。選手の足元に転がってきた、プレーしている場所に入ってきたなど、プレーのじゃまになったと判断されればやり直しになります。
大会の進み方と、ボールが入ってきた時の基本の考え方は、こちらの記事でも紹介しています。
場面2:両チームが同時に反則をした(ダブルフォルト)
2つ目は、両チームの選手が同じタイミングで反則をした場面です。
競技規則では、2つ以上の反則が両チームの選手によって同時に起きた場合、ダブルフォルトを宣告してラリーをやり直すとされています。
たとえば、ネット際で両チームの選手が同時にネットに触れた場面が考えられます。どちらか一方だけに点を与えると不公平になるため、やり直しで決着をつけ直すわけです。



どっちも反則なら、どっちにも点をあげないってことですね!



そのとおり。ただし「同時」でないといけないんだ。これは後の章でくわしく話すね。
場面3:ラリー中に大きなけがや事故が起きた
3つ目は、ボールがインプレー中に、選手が大きなけがをした場面です。
競技規則では、重大な事故が起きた時は、レフェリーが直ちに試合を止めて医療担当者がコートに入れるようにしなければならない、とされています。そして、ラリーはその後やり直しになります。
プレーが続いている最中でも、けが人の手当てが最優先です。ボールの行方より、選手の安全を守ることが先に来る決まりだと考えてください。
けがをした選手の交代については、こちらの記事でくわしく解説しています。
場面4:ボールがネットを破った
4つ目は、めったに起きませんが、ボールがネットの網を破ったり引き裂いたりした場面です。
この場合、ラリーは無効となり、やり直しになります。破れたネットでは、ボールが正しく越えたかどうかを判断できないからです。
学校の体育館では、使い込んだネットがほつれていることもあります。試合の前にネットを張る時は、網に穴や切れ目がないかを見ておくと安心です。



ネットノ アナ シアイマエニ チェック
やり直しになった後の進み方
やり直しが決まった後は、試合がどう進むのでしょうか。
ここでは、主審の合図と、次のサーブの決まり方を確認します。流れを知っておけば、コートの中で落ち着いて次のラリーに備えられます。
主審は両手の親指を立てて合図する
やり直しになった時、主審は両方の親指を立てて、両腕を上げる合図を出します。これは、ダブルフォルトと、外部からの妨害によるやり直しで共通のハンドシグナルです。
笛が鳴って理由がわからない時は、まず主審の手を見てください。親指が2本とも上を向いていれば、どちらのチームにも点が入らない「やり直し」の合図です。



親指が2本上がったら、やり直しの合図って覚えます!



いいね。そのあと主審は、次にサーブを打つチームも手で示すよ。
ほかのハンドシグナルの意味は、こちらの記事で一覧にしています。
点は入らず、同じチームのサーブから始める
やり直しのラリーでは、どちらのチームにも得点は入りません。スコアはラリーが始まる前のままです。
点が動かないので、サーブ権もローテーションも変わりません。やり直しの前にサーブを打っていたチームの、同じ選手がもう一度サーブを打ちます。
サーブを打つ選手は、主審の笛を待ってから8秒以内に打つ決まりもそのままです。やり直しになった直後は気持ちが切れやすいので、深呼吸をしてからサーブの準備に入りましょう。
| 項目 | やり直しの後 |
|---|---|
| 得点 | どちらのチームにも入らない |
| サーブを打つチーム | やり直しの前と同じチーム |
| サーブを打つ選手 | やり直しの前と同じ選手 |
| ローテーション | 変わらない |
やり直しにならない、まぎらわしい4つの場面
ここからは、やり直しになりそうで、実はならない場面を4つ紹介します。
試合中に「今のはやり直しでは?」と思っても、決まりの上ではそのまま点が入るケースです。
まぎらわしい場面1:反則が続けて起きた
2つの反則が、同時ではなく続けて起きた場合は、ダブルフォルトになりません。競技規則では、反則が続けて起きた時は、最初に起きたものだけを反則とすると決められています。
たとえば、片方のチームがネットに触れた後に、相手チームの選手がセンターラインを大きく越えた場面です。先に起きたネットへの接触だけが反則になり、相手チームに1点が入ります。
「同時か、続けてか」を決めるのは主審です。同じくらいのタイミングに見えても、少しでも順番があれば先の反則だけが取られます。
まぎらわしい場面2:ボールが天井や記録席に触れた
ボールが体育館の天井や、コートの外にある記録席の机、プレーしていない人に触れた時も、やり直しにはなりません。
これはボールの「アウト」です。外部からの妨害とは違い、ボールを打ったチームの失点になります。
天井の低い体育館でも、大会によっては特別な決まりを作っていることがあります。試合の前の打ち合わせで確認しておきましょう。
イン・アウトの見分け方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
まぎらわしい場面3:主審の笛の前に、自分から止まってボールを落とした
競技規則では、ボールはレフェリーが笛を吹いた瞬間にアウトオブプレーになるとされています。つまり、笛が鳴るまでは、ラリーは続いているのです。
コートの外の遠くをボールが転がっているだけで、誰のプレーのじゃまにもなっていない場合は、主審が試合を止めないこともあります。
その間にプレーをやめてボールを落とすと、そのまま相手の得点になる場合があります。
一方で、足元やコートの中に入ってきた危ないボールは、無理に続けずに止まってかまいません。けがを防ぐことが何より大切です。



止まっていい時と、続けなきゃいけない時があるんですね…。



迷ったら安全を選んでいいんだ。ただ、遠くのボールを理由に自分から止まるのはやめておこう。
まぎらわしい場面4:ラリーが終わった後にけがをした
やり直しになるのは、ボールがインプレー中に大きなけがが起きた場合です。
ラリーが終わって点が入った後に、着地で足をひねるなどのけがが起きても、すでに入った点は取り消されません。けがをした選手は手当てを受け、必要なら選手交代で試合を続けます。
どうしても交代ができない時には、その選手に回復のための時間が与えられる決まりもあります。けがの場面では、ベンチと審判に早めに知らせることを優先してください。
隣のコートからボールが入ってきた時の動き方


最後に、試合中や練習試合で、隣のコートからボールが入ってきた時の動き方の目安を紹介します。
どれも、自分と周りの選手のけがを防ぎながら、試合をスムーズに再開するための基本的な考え方です。
1つずつ見ていきます。
コツ1:危ないボールは無理に追わず、止まって知らせる
足元にボールが転がってきたら、踏んで転ばないよう、その場で動きを止めます。
止まったら、片手を挙げたり「ボール!」と声を出したりして、主審や周りの選手に知らせましょう。自分だけが気づいていても、ボールを追っている選手は足元が見えていないことが多いからです。



ボールに気づいたら、大きな声で「ボール!」って叫びます!



それが大事なんだ。1人の声で、仲間のけがを防げるよ。
コツ2:主審の笛と合図を見て、次のプレーに備える
止まった後は、判定を自分で決めつけず、主審の笛と手の合図を確認します。
両方の親指が上がればやり直しです。入ってきたボールはコートの外へ出し、ボール係や近くの人に返してもらいましょう。
判定の理由がわからない時は、ボールがアウトオブプレーの間に、ゲームキャプテンが主審に説明を求められます。選手がそれぞれ審判に聞きに行くのは避けてください。
ゲームキャプテンにできることは、こちらの記事でまとめています。
コツ3:自分たちのボールも隣のコートに入れない
隣のコートのボールでやり直しになるのと同じように、自分たちのボールが隣の試合を止めてしまうこともあります。
特に気をつけたいのは、公式練習や試合前のウォーミングアップの時間です。スパイク練習で強く打ったボールや、はじいたレシーブが、隣のコートまで飛んでいきやすくなります。
打つ方向を隣のコートに向けないこと、転がったボールはすぐに拾いに行くことをチームで決めておきましょう。周りの試合への気配りも、大会で信頼されるチームの大切な力です。



トメテ シラセテ シュシンヲ ミル
よくある質問
まとめ:やり直しは4つの場面だけ。笛と親指の合図を見て動こう
ラリーのやり直しになるのは、外からの妨害・ダブルフォルト・インプレー中の大きなけが・破れたネットの4つの場面です。
やり直しでは点は入らず、同じチームの同じ選手のサーブから始め直します。
① 隣のコートのボールなど、外からの妨害があればやり直し。
② 両チームの反則が同時ならダブルフォルトでやり直し。
③ 笛が鳴るまでは、ラリーは続いている。
| 場面 | 判定 | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| 隣のコートからボールが入ってきた | やり直し | 危ない時は止まって知らせる |
| 両チームが同時に反則をした | やり直し | 続けて起きたら最初の反則だけ |
| ボールが天井や記録席に触れた | アウト | 外部からの妨害とは違う |
| 遠くのボールを見て自分から止まった | 相手の得点になることがある | 主審の笛を待つ |
やり直しの決まりは、選手の安全と、試合を公平に進めるためにあります。急に試合が止まっても慌てず、主審の合図を見て、次のラリーに気持ちを切り替えてください。



隣のコートのボールが来ても、止まって知らせて、主審を見て落ち着いて動きます!



いいね。決まりを知っていれば、どんな中断が起きても慌てずにすむよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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