- 選手交代の組み合わせを間違えたら、どんな罰があるのか知りたい
- 交代を間違えたまま試合が進んだ時、取った点がどうなるのか不安
- 「不当な要求」と「不法な選手交代」の違いがよくわからない
こんな疑問を解決します。
決まりに合わない交代のまま試合が再開すると、相手チームに1点とサーブが与えられ、その交代から後に自分たちが取った得点は取り消されます。交代を求めた時点で見つかれば、交代は認められず遅延行為の罰則になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
選手交代は、試合の流れを変えるための大切な作戦です。一方で、交代の決まりは細かく、慣れていないベンチほど組み合わせを間違えやすいところでもあります。
間違いに気づかないまま試合が進むと、せっかく取った点が消えてしまうこともあります。
どんな交代が「不法」になり、見つかった時にどう扱われるのかを知っておけば、ベンチで落ち着いて交代を進められるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 不法な選手交代になる場面と、競技規則の決まりがわかる
- 間違いが見つかった時の、得点と罰則の扱いがわかる
- 交代の間違いを防ぐための、ベンチの準備がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:間違えた交代のまま再開すると、1点とその後の得点を失う

先に結論をお伝えします。
競技規則では、決められた組み合わせや、1セットに出入りできる回数を超えた交代や、登録されていない選手が入る交代を「不法な選手交代」と呼びます。
不法な選手交代をしたまま試合が再開された場合、相手チームに1点とサーブが与えられ、その交代から後に自分たちが取った得点は取り消されます。
サルくん取った点まで消えちゃうんですか!?



そうなんだ。ただし、消えるのは間違えたチームの得点だけで、相手の得点はそのまま残るよ。
不法な選手交代になるのは、主に次の2つのケースです。
- 交代の組み合わせや、1セットに出入りできる回数の決まりを超えた
- スコアシートに書かれていない選手を入れた
見つかったタイミングによって、扱いは変わります。
交代を求めた時点で見つかれば、交代は認められずに遅延行為の罰則になります。試合が再開した後に見つかると、得点の取り消しまで起こります。
交代の決まりは、ベンチが正しく管理すれば防げる反則です。だからこそ、試合の前に仕組みを理解しておく価値があると私は考えています。



マチガイ サイカイ → イッテン ト トクテン ショウシツ
不法な選手交代になる場面を競技規則で確認しよう
ここからは、不法な選手交代になる場面を具体的に見ていきます。
もとにしているのは、日本バレーボール協会の6人制競技規則です。中学生や高校生にもわかる言葉に置きかえて紹介します。
場面1:決められた組み合わせ以外の選手と入れ替わった
いちばん起きやすいのが、交代の組み合わせの間違いです。
競技規則では、スターティングの選手は1セットに1回だけコートを離れ、1回だけ元のポジションに戻ることができます。
交代で入った選手は、1セットに1回だけ出場でき、ベンチに戻る時は、先に入れ替わったスターティングの選手とだけ代われます。
たとえば、スターティングの4番に代わって8番が入ったとします。この後、8番と代われるのは4番だけです。
8番をベンチの9番と代えると、組み合わせが違うため不法な選手交代になります。



8番が疲れていても、9番とは代われないんですね…。



そのセットの中ではね。交代の「ペア」が決まっている、と覚えておくといいよ。
場面2:1セットに2回目の出入りをしようとした
2つ目は、1セットの中で出入りできる回数を超える場面です。
スターティングの選手が一度ベンチに下がり、同じセットの中でコートに戻ったとします。この選手は、そのセットの中でもう一度ベンチに下がって、また戻ってくることはできません。
同じように、交代で入った選手も、一度ベンチに戻った後は、そのセットの中で再びコートには入れません。
交代の組み合わせと回数の基本は、こちらの記事で図にしてくわしく解説しています。
場面3:スコアシートに書いていない選手を入れた
3つ目は、スコアシートに名前が書かれていない選手をコートに入れる場面です。
競技規則では、スコアシートに記入された選手だけがコートに入り、試合でプレーできるとされています。監督とチームキャプテンがサインした後は、記入された選手を変えることもできません。
会場に来ている部員でも、登録されていなければ試合には出られません。人数に余裕がある時ほど、メンバー表の書き漏れがないか確認しておきましょう。
回数の6回を超えた要求は「不当な要求」になる
ここで1つ、間違えやすい点があります。
1セット6回までの交代の回数を使い切った後に、さらに交代を求めるのは、不法な選手交代ではなく「不当な要求」として扱われます。
試合で1回目の不当な要求は、試合に影響がなければ断られるだけで、罰則はありません。
組み合わせや出入りの回数の決まりに合わない交代は、求めた時点で遅延行為の罰則の対象になります。同じ「交代のミス」でも、扱いが違うと覚えておきましょう。
不当な要求になる場面と、その後の扱いは、こちらの記事でくわしく解説しています。
試合が再開した後に見つかった時の3つの手続き
不法な選手交代に気づかず、そのまま試合が再開されてしまった場合は、次の3つの手続きがとられます。
1つずつ確認していきます。
手続き1:相手チームに1点とサーブが与えられる
まず、反則として相手チームに1点が入り、次のサーブは相手チームが打ちます。
これは、ほかの反則で失点した時と同じ扱いです。
相手チームがレシーブ側だった場合は、サーブ権が移るので、ローテーションを1つ回してからサーブを打ちます。
手続き2:選手交代を正しくやり直す
次に、間違って入った選手はコートから出て、決まりどおりの形に直します。
組み合わせを間違えていた場合は、正しいペアの選手に入れ替えます。コートに立つ6人とローテーションの順番を、決まりに合う状態に戻してから試合を再開するわけです。



間違った選手は下がって、正しい選手に入れ替えるんですね!



そのとおり。ここでまた慌てて間違えないよう、ベンチで番号を確かめてから動こう。
手続き3:不法な交代の後に取った得点を取り消す
最後に、不法な選手交代が行われた時点から後に、そのチームが取った得点が取り消されます。一方で、相手チームが取った得点はそのまま有効です。
たとえば、15対12の場面で不法な選手交代をして、そのまま試合が進み、18対14になってから見つかったとします。
| 項目 | 自分たちのチーム | 相手チーム |
|---|---|---|
| 不法な交代をした時点 | 15点 | 12点 |
| 見つかった時点 | 18点 | 14点 |
| 得点の取り消し | 15点に戻る | 14点のまま |
| 反則の1点を加える | 15点 | 15点 |
この例では、18対14でリードしていたはずが、15対15の同点で、しかも相手のサーブから再開することになります。
リードしていた3点が消え、相手に1点が入るため、試合の流れに大きく響きます。交代の間違いが「小さなミス」では済まない理由がここにあります。



コウタイノ マチガイ ハ サンテンブン ノ ソン モ
見つかるタイミングで扱いが変わる3つの場面
不法な選手交代は、いつ見つかるかによって扱いが変わります。
ここでは、試合が再開する前に見つかった場合や、リベロの入れ替わりを間違えた場合など、まぎらわしい3つの場面を紹介します。
まぎらわしい場面1:交代を求めた時点で見つかった
交代を求めた段階で、組み合わせの間違いに気づいてもらえることもあります。
この場合、不法な交代は認められず、チームには遅延行為の罰則が適用されます。
試合で最初の遅延行為は「ディレイウォーニング」という警告で、2回目からは「ディレイペナルティ」として相手チームに1点とサーブが与えられます。
2組以上を同時に交代しようとして、そのうち1組だけが不法だった時は、正しい交代は認められ、不法な交代だけが断られて遅延行為の罰則を受けます。
遅延行為の罰則とカードの違いは、こちらの記事でまとめています。
まぎらわしい場面2:リベロの入れ替わりを間違えた
リベロが入れ替われる相手を間違えた場合も、不法な選手交代と同じように扱われます。
たとえば、リベロと入れ替わってコートを出た選手とは別の選手と、リベロが入れ替わってしまう場面です。
また、リベロが入れ替わってから、ラリーが1回も終わらないうちに、もう一度入れ替わるのも不法です。
次のラリーが始まる前に見つかれば、審判によって正しく直され、チームには遅延行為の罰則が適用されます。サーブが打たれた後に見つかった場合は、不法な選手交代と同じ手続きになります。



リベロの出入りは交代に数えないのに、間違えると同じ扱いなんですね。



そうなんだ。回数に制限がないぶん、誰と入れ替わっているかをベンチでしっかり見ておこう。
リベロの入れ替わりの決まりは、こちらの記事でくわしく解説しています。
まぎらわしい場面3:記録員とセカンドレフェリーが確認している
選手交代の要求を受け付けて記録するのは、記録席に座るスコアラー(記録員)の役目です。スコアラーは交代とタイムアウトの回数を管理し、決まりに合わない要求があれば、ブザーなどでレフェリーに知らせます。
交代を許可するのはセカンドレフェリーです。セカンドレフェリーは、それぞれのチームの交代の回数を管理し、5回目と6回目の交代を監督に伝えます。
つまり、交代の間違いは、ベンチ・記録員・セカンドレフェリーの三者で防ぐ仕組みになっています。



記録席の人も、交代の回数を数えてくれているんですね!



そうだよ。でも頼りきりにせず、まずはベンチで正しく管理するのが基本なんだ。
練習試合で生徒が記録や副審を担当する時も、この役割を知っておくと、間違いに気づきやすくなります。
副審の役割や、スコアシートへの交代の書き方は、こちらの記事で紹介しています。
不法な選手交代を防ぐベンチの準備


最後に、不法な選手交代を防ぐために、ベンチでできる準備を紹介します。
どれも特別な道具はいりません。交代の管理を監督1人に任せきりにしないことが、間違いを防ぐいちばんの近道です。
準備1:交代の組み合わせを書き込む表をベンチに用意する
試合中に「誰と誰が入れ替わったか」を頭だけで覚えておくのは、とても難しいことです。
スターティングの6人の番号を並べた表を作り、交代するたびに、入った選手の番号と回数を書き込んでおきましょう。セットが変わったら、新しい表に切り替えます。
記録係はベンチの選手やマネージャーに任せ、監督と声に出して確認し合うと、書き間違いも減らせます。



ベンチにいる時は、ぼくが交代の表を書く係をやります!



助かるよ。コートの外から試合を支える、大事な役割なんだ。
準備2:交代ゾーンに入る前に、下がる選手の番号を確認する
交代で入る選手は、交代ゾーンに向かう前に「誰と代わるのか」を監督と確認します。
特に、同じポジションの選手が何人もいるチームは、番号の取り違えが起きやすくなります。入る選手自身が、表で下がる選手の番号を確かめる習慣をつけておくと安心です。
ゲームキャプテンにも交代の予定を伝えておけば、コートの中からも間違いに気づきやすくなります。
準備3:交代する選手は準備を整えてから交代ゾーンに入る
交代の要求は、プレーする準備のできた交代選手が、中断の間に交代ゾーンに入ることで行われます。
要求した時に選手の準備ができていないと、交代は認められず、遅延行為の罰則になります。
上着を脱ぐ、番号の付いたユニフォームを確認するなど、試合に出る準備はベンチにいる間に済ませておきましょう。
準備が整っていれば、慌てることが減り、組み合わせの間違いも起きにくくなります。



ヒョウニ カク バンゴウ カクニン ジュンビ カンリョウ
よくある質問
まとめ:交代のペアと回数を表で管理し、不法な交代を防ごう
不法な選手交代とは、決められた組み合わせや出入りの回数を超えた交代や、登録されていない選手が入る交代のことです。
そのまま試合が再開されると、相手チームに1点とサーブが与えられ、交代の後に取った自分たちの得点は取り消されます。
① 交代で入った選手と代われるのは、元のスターティングの選手だけ。
② 再開後に見つかると、1点とその後の得点を失う。
③ 交代を求めた時点で見つかれば、遅延行為の罰則になる。
| 場面 | 扱い | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| 交代を求めた時点で見つかった | 交代は認められず遅延行為の罰則 | 1回目はディレイウォーニング |
| 試合が再開した後に見つかった | 相手に1点とサーブ・自チームの得点取り消し | 相手の得点はそのまま |
| 6回を超えて交代を求めた | 不当な要求として断られる | 1回目は罰則なし |
| リベロの入れ替わりを間違えた | 不法な選手交代と同じ扱い | サーブの前なら直して遅延行為の罰則 |
交代の決まりは、ベンチの準備しだいで確実に防げる反則です。交代の表と番号の確認を習慣にして、せっかく取った得点を大切に守ってください。



交代のペアを表で確認して、間違えないように支えます!



いいね。ベンチの確認が、コートの選手の得点を守ることにつながるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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