試合後の声かけで子どもは変わる|NGワードと正解例

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試合後の子どもへの声かけでNGワードと正解の一言を解説するアイキャッチ
  • 試合で負けた子に、何と声をかければいいかわからない
  • 励ましたつもりが、子どもの機嫌を悪くしてしまう
  • つい「なんでミスしたの」と責めて、あとで後悔する

こんな悩みを解決します。

試合後の声かけで大切なのは、アドバイスより先に気持ちを受けとめて、結果ではなくがんばりに目を向けることです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

多くの選手を見てきて感じるのは、試合後のたった一言で、子どもが次に前を向けるかどうかが大きく変わるということです。

うまく言おうとしなくて大丈夫です。順番と型さえ知っておけば、声かけはぐっと楽になります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 試合後にかけると逆効果なNGワードがわかる
  • 勝った日・負けた日それぞれの正解の声かけがわかる
  • 声をかける前に整えたい親自身の心構えがわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:試合後は「共感が先、助言はあと」

先に結論からお伝えします。試合後の声かけは、次の順番を守るだけで大きく変わります。

試合後の声かけ3ステップ
  • 共感する:まず気持ちを受けとめる
  • がんばりを認める:結果でなく取り組みをほめる
  • 待つ:アドバイスは求められてから

いちばんやってはいけないのは、子どもが悔しさで胸がいっぱいのときに、いきなりミスの分析を始めることです。

試合直後に一番効くのは、正しいアドバイスではなく、気持ちに寄り添う一言です。

負けた直後の子どもは、頭で理由がわかっていても、心が追いついていません。そこに正論を重ねても、追い打ちにしかなりません。

サルくん

自分でもわかってるのに言われると、もっとへこんじゃうんだよね…。

あげば

そうだよね。だから最初は「悔しかったね」って気持ちに寄り添うだけでいいんだ。

順番を逆にしないこと。これだけで、同じ言葉でも子どもへの届き方はまるで変わります。

なぜ試合後の一言がこれほど大切なのでしょうか。それは、感情が高ぶっている場面ほど、かけられた言葉が心に強く刻まれるからです。

嬉しいときも悔しいときも、そのときの言葉は記憶に残りやすくなります。だからこそ、試合後の声かけは、日常のどんな声かけよりも子どもに影響を与えます。

次の章から、やりがちなNGワードとその理由を見ていきましょう。

試合後に避けたいNGワード

良かれと思ってかけた言葉が、子どものやる気を奪うことがあります。とくに気をつけたいものを整理します。

どれも、子どもを思う気持ちから出た言葉ばかりです。決して悪気があるわけではありません。だからこそ、無意識に口をついて出やすく、注意が必要なのです。

NGワード子どもに伝わってしまうこと
なんであそこでミスしたの結果を責められている
もっと練習しないからだよ努力を否定された
〇〇ちゃんはできてたよ他人と比べられて劣等感
まあ次があるから(早すぎる)気持ちを流された
気にするな気にしている自分を否定された

「なんで」で始まる問い詰め

いちばん多いのが、「なんで」で始まる言葉です。理由を聞いているつもりでも、子どもには責められていると伝わります。

試合直後は、原因を冷静に語れる状態ではありません。「なんで」は、答えられない問いを突きつけることになります。

あげば

「なんで」は質問の形をした叱責になりやすいんだ。時間をおいてから聞こう。

他の子との比較

「〇〇ちゃんはできてたよ」という比較も禁物です。この一言は、やる気ではなく劣等感だけを子どもに残します。

比べる相手は、他の子ではなく過去のその子自身にしましょう。「前より粘れてたね」なら、同じ指摘でも前向きに響きます。

うさママ

つい他の子と比べる言い方をしていました…気をつけます。

あげば

大丈夫。比べる相手を「昨日のその子」に変えるだけでいいんだよ。

早すぎるフォロー

「まあ次があるから」も、タイミングを間違えると逆効果です。まだ悔しさの中にいる子には、気持ちを流されたように感じられます。

前を向かせる言葉は、共感で受けとめたあとに使うから効きます。順番が命です。

「気にするな」という励まし

意外に思われますが、「気にするな」も避けたい言葉のひとつです。優しさから出た言葉なのに、子どもを追い込むことがあります。

本人は気になって仕方がないから苦しんでいます。「気にするな」は、その気持ちにフタをするように響いてしまうのです。

サルくん

気にするなって言われても、頭から離れないんだよね…。

あげば

だよね。だから「気になるよね」って、まず気持ちを認めてあげる方がいいんだ。

気になる気持ちを否定せず、そのまま受けとめる。それだけで、子どもは安心して落ち込むことができます。安心して落ち込める子ほど、立ち直りが早いものです。

ここまで見てきたNGワードには、共通点があります。どれも、子どもの気持ちを飛ばして、いきなり結果や次の話に進もうとしている点です。

裏を返せば、まず気持ちを受けとめる一言をはさむだけで、これらの言葉は角が取れます。

「悔しかったね、でも最後まで走ってたね」のように、共感を先に置くのがコツです。

勝った日・負けた日の正解の声かけ

では、実際にどう声をかければいいのか。勝った日と負けた日に分けて、正解の型を紹介します。

負けた日:まず気持ちに寄り添う

負けた日は、共感からスタートします。「悔しかったね」「よくがんばったね」と、結果ではなく気持ちとがんばりを受けとめます。

具体的にほめられると、さらに届きます。「最後まで声が出てたね」「あの1本、拾おうとしてたね」と、結果に残らないプレーを拾ってあげましょう。

サルくん

負けたのに、がんばりを見ててくれたんだって思えると救われるよ。

あげば

そうなんだ。負けた日ほど、プロセスを見ていた言葉が心に残るんだよ。

反省やアドバイスは、この日はぐっとこらえます。本人から「どうすればよかったかな」と聞いてきたら、そのとき初めて一緒に考えれば十分です。

負けた日にかける言葉で気をつけたいのは、慰めと励ましを急ぎすぎないことです。

「大丈夫、次があるよ」と早く前を向かせたくなりますが、まだ悔しさの中にいる子には届きません。

悔しさは、次への大切な原動力です。無理に消そうとせず、悔しがっている姿ごと受けとめてあげる方が、子どもは自分のペースで立ち直っていきます。

勝った日:結果より中身をほめる

勝った日も、実はほめ方にコツがあります。「勝ってえらい」だけで終わらせず、勝ちにつながった取り組みをほめましょう。

「サーブを最後まで攻めてたね」「苦しい場面で声を出してたね」と中身をほめると、次も同じ努力を再現しようとします。

勝ち負けそのものより、その中身のがんばりに目を向けると、子どもは結果に振り回されなくなります。

結果だけをほめ続けると、子どもは勝てない日に自分の価値を見失います。勝敗と存在を切り離しておくことが、長く競技を楽しむ土台になります。

勝った日ほど、次への課題をつい伝えたくなるものです。ですが、その日はまず勝利を一緒に喜んであげてください。

課題の話は後日でも間に合います。喜びを分かち合う時間を先に取る方が、子どもは次のアドバイスも前向きに受けとめられます。

うさママ

勝った日は、まず一緒に喜ぶことを大事にします。

あげば

うん。喜びを共有した記憶が、また頑張る力になるんだよ。

どちらの日も使える魔法の一言

勝っても負けても使える言葉があります。それは「見てたよ、おつかれさま」です。

評価でも分析でもなく、ただ見守っていたと伝える一言。これだけで、子どもは自分の居場所を確認できます。

うさママ

難しく考えず、「見てたよ」でいいんですね。少し気が楽になりました。

あげば

うん。上手な講評より、その一言の方がずっと子どもの力になるんだよ。

声かけがうまくいかない日があっても、落ち込まないでください。毎回完璧な言葉をかけられる親はいません。

大切なのは、日々の積み重ねです。試合のたびに気持ちに寄り添う姿勢が続けば、子どもは「この人は自分の味方だ」と感じ、少々の失敗は自然と埋め合わされます。

声をかける前に整えたい親の心構え

正しい言葉を選ぶ前に、実は親自身の心の状態が声かけを左右します。ここも大切なので触れておきます。

親の感情をそのままぶつけない

親も、子どもの試合を見れば感情が動きます。勝てば嬉しく、負ければ悔しい。それ自体は自然なことです。

ただ、その感情をそのまま子どもにぶつけないことが大事です。親のため息や不機嫌は、言葉以上に子どもを追い込みます。

あげば

子どもは親の表情をよく見ているんだ。言葉より先に、顔で伝わってしまうことがあるよ。

一度深呼吸して、自分の気持ちを落ち着けてから声をかける。それだけで、口から出る言葉は変わります。

とくに車での帰り道は、逃げ場のない空間で反省会が始まりやすい場面です。

試合直後の車内では、まず好きな音楽をかけたり、他愛のない話をしたりして、気持ちをほぐしてあげましょう。

子どもが自分から試合の話を始めたら、そのときに耳を傾ければ十分です。話したくなさそうなら、無理に触れないのも思いやりです。

落ち込みが長引くときは抱え込まない

多くの場合、試合の落ち込みは時間とともに回復します。ですが、様子には目を向けておきましょう。

食欲がない、眠れていない、笑わなくなった、バレーの話を避ける。こうした状態が長く続くときは、無理に励まさず、まず話を聴いてあげてください。

気持ちの落ち込みが続いたり、生活に支障が出たりしている場合は、家庭だけで抱え込まないでください。学校のスクールカウンセラーや、医療機関など専門家に相談することも、大切な選択肢です。

うさママ

相談するほどでもない気がして、つい様子見にしてしまいます…。

あげば

早めに聞いてもらうのは、大げさなことじゃないよ。迷った時点で頼っていいんだ。

一人で抱え込まないことは、子どものためだけでなく、親自身を守ることでもあります。親に余裕がなければ、落ち着いた声かけは続けられません。

指導者や他の保護者と気持ちを分け合い、必要なときは専門家を頼る。そうやって支えの手を広げておくことが、結果として家庭に穏やかな空気をもたらします。

声かけは万能ではありません。心配な状態が続くときは、早めに専門家の力を借りましょう。

試合後の声かけまとめ

ここまでの内容を、最後に表で整理します。

場面かけたい言葉避けたい言葉
負けた直後悔しかったね/よくやったねなんでミスしたの
がんばりを認める最後まで声出てたねもっと練習しないから
勝った日あの粘り良かったね勝ってえらい(だけ)
いつでも見てたよ、おつかれさま〇〇ちゃんはできてた

共感が先、助言はあと。この順番を守るだけで、試合後の声かけは見違えます。

私は元日本代表として、勝った試合も負けた試合も数えきれないほど経験してきました。心に残っているのは、結果よりも、負けた日にかけてもらった一言です。

試合後の一言は、子どもの記憶に長く残ります。上手に言おうとせず、まずは気持ちに寄り添うところから始めてみてください。

今日の帰り道から、さっそく試せることがあります。それは、アドバイスをぐっと飲み込んで、「今日もおつかれさま」と笑顔で迎えることです。

小さな一言の積み重ねが、子どもにとっての安心になります。その安心が、次の試合に立ち向かう勇気を静かに支えていきます。

サルくん

次に仲間が負けたときは、ぼくもまず「悔しかったね」って言ってみる!

あげば

いいね。その一言が言える人は、まわりを元気にできるんだよ。

試合後の声かけでよくある質問

アドバイスは、いつ伝えればいいですか?

本人の気持ちが落ち着いてから、できれば求められたときに伝えるのがおすすめです。試合直後は共感に徹し、後日「あの場面どうだった?」と一緒にふり返る方が、素直に受けとめてもらえます。

負けて泣いている子に、何と声をかければいいですか?

無理に泣きやませようとせず、「悔しかったね」とそばで受けとめてあげてください。泣くのは本気で取り組んだ証拠です。言葉が見つからなければ、黙って隣にいるだけでも十分伝わります。

悔しがらず、けろっとしている子が心配です。

感じ方は子どもによってさまざまで、表に出さないだけのこともあります。無理に悔しがらせる必要はありません。楽しく続けられているかを大切に見てあげてください。

落ち込みが何日も続くときはどうすればいいですか?

食欲・睡眠・表情など生活面に変化が出ている場合は、家庭だけで抱えず、学校のスクールカウンセラーや医療機関など専門家に相談すると安心です。早めに頼ることは、決して大げさではありません。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

子育てとバレーの関わり方については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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