バレーのチャレンジシステムとは|対象プレーと回数の決まり

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バレーのチャレンジシステムは1セット2回まで使えることを示す図解
  • 試合中に監督が手でサインを出して映像が流れる、あの場面の意味がわからない
  • チャレンジが何回まで使えるのか、誰が言えるのかを説明できない
  • どのプレーならビデオ判定をしてもらえるのかがわからない

こんな疑問を解決します。

チャレンジシステムは、監督かキャプテンが5秒以内に申し出て、映像で判定をもう一度確かめてもらう仕組みです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、テレビで見た場面をそのまま部活に持ち込んで混乱する選手が毎年います。

仕組みと、使える試合の範囲。この2つをセットで知っておくと、判定への向き合い方まで変わります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • チャレンジの回数・要求できる人・制限時間がまとめてわかる
  • どのプレーが対象で、どのプレーが対象外なのかを見分けられる
  • 部活の試合で判定に納得できないときの向き合い方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:チャレンジは映像で判定を確かめ直す仕組み

先に結論からお伝えします。チャレンジシステムは、審判の判定に疑問があるとき、チーム側から映像での確認を申し出られる制度です。

判定をくつがえすための特別な権利ではありません。

人の目では追いきれない一瞬を、機械の助けを借りて確かめ直すための仕組みだと考えてください。

まずは全体像を、4つの項目で整理します。

項目決まりの内容
要求できる人監督(不在ならコート上のキャプテン)
回数1セットにつき2回まで
制限時間対象のプレーからおよそ5秒以内
成功したとき回数は減らず、続けて使える

この4つを押さえておけば、試合中に何が起きているのかはほぼ読めます。

サルくん

何回でも使えるわけじゃないんですね?

あげば

うん、1セット2回まで。だから使いどころの判断がすごく大事なんだ。

ここからは、この仕組みがなぜ生まれたのか、そして自分たちの試合ではどう考えればいいのかまで順番に見ていきます。

チャレンジシステムとは|判定を映像で確かめ直す制度

チャレンジシステムは、コートのまわりに置かれたカメラの映像を使って、審判の判定をもう一度確認する制度です。

要求が認められると、審判はいったん試合を止めて映像を確認します。その結果によって、最初の判定がそのまま残ることもあれば、くつがえることもあります。

生まれた理由は「一瞬の判定を人の目だけに背負わせないため」

バレーボールは、ボールの速さが時速100kmを超える場面もある競技です。

ラインぎりぎりに落ちたのか、ブロックの指先にかすったのか。この判断を、人の目だけで毎回正確に下すのはとても難しいことなんですよね。

そこで映像の力を借りて、誤った判定のまま試合が進むことを減らすために作られたのがこの制度です。

審判を疑うための仕組みではありません。むしろ、判定の重さを審判ひとりに背負わせない仕組みだと私は考えています。

バボット

目ノ限界ヲ機械デ補ウ制度ダ

使われるのはトップリーグや国際大会が中心

チャレンジシステムには、複数のカメラと専用の機材、それを操作する担当者が必要になります。

そのため、導入されているのは国際大会や国内のトップリーグなど、設備の整った大会が中心です。中学や高校の大会では、ほとんどの会場で導入されていません。

サルくん

うちの大会では使えないんですね…。

テレビで見た場面と、自分たちが立つコートは別のものだと知っておいてください。ここを混同すると、次に説明する心構えのところでつまずきます。

この制度がどんなルールで動いているのかは、競技を統括する公益財団法人日本バレーボール協会が出している競技規則や大会要項で確認できます。

チャレンジを要求できる人と回数の決まり

ここからは、実際の決まりを1つずつ見ていきます。細かい運用は大会によって変わることがありますが、骨組みはどこもほぼ同じです。

要求できるのは監督、いなければコート上のキャプテン

チャレンジを申し出られるのは、原則として監督です。

監督がベンチにいないときは、コートに立っているキャプテンが代わりに要求できます。選手が個々に審判へ詰め寄る形は認められていません。

だからこそ、選手には「今のはワンタッチだった」とベンチへ伝える役目が生まれます。判断する人は1人でも、材料を集めるのはチーム全員というわけですね。

あげば

見えたことを声にできる選手は、ベンチからも信頼されるよ。

1セット2回まで、成功すれば回数は減らない

回数は、1チームにつき1セット2回までが基本です。

大事なのは、要求が通って判定が変わった場合には回数が減らないという点になります。逆に、判定が変わらなかったときだけ1回分を使ったことになります。

つまり、確信があるときに使えば実質的に何度でも使える設計です。あいまいな場面で連発すると、本当に必要な終盤で手札がなくなります。

サルくん

当たっていれば減らないんですか!?

あげば

そう。だから自信がない場面で使うのは、もったいないんだ。

要求は5秒以内、プレーが切れた直後に

要求できるのは、対象のプレーが終わってからおよそ5秒以内です。

次のサーブが打たれたあとに「さっきのは違った」と言っても受けつけられません。判断のスピードも、この制度の一部だと考えてください。

ベンチはこの数秒で、選手の反応と自分の目を頼りに決断することになります。

バボット

5秒ヲ過ギタラ要求ハ通ラナイ

チャレンジの対象になるプレー

バレーのチャレンジの対象になるラインぎわのボールを確認する図解

すべての判定に使えるわけではありません。対象になるのは、映像ではっきり白黒をつけられるプレーに限られます。

ボールのイン・アウトとアンテナまわり

もっとも多いのが、ボールがラインの内側に落ちたかどうかの確認です。

サイドラインやエンドラインを踏んでいればイン、完全に外へ出ていればアウトになります。この境目は数cmの世界なので、映像の出番がいちばん多い場面です。

アンテナに当たったかどうか、アンテナの外側を通過したかどうかも対象になります。

イン・アウトの見分け方そのものは、次の記事でくわしく解説しています。

ブロックのワンタッチ

ブロックの指先にボールがかすったかどうかも、対象のプレーです。

ワンタッチがあればそのチームのタッチ回数が1つ増え、無ければ相手のアウトになります。試合の流れが大きく変わる一瞬なんですよね。

肉眼ではほとんど見えないため、映像で音や指の動きを確認して判断されます。

サルくん

だから指先の一瞬まで映すんですね。

ネットタッチとラインの踏み越し

ネットに体が触れたかどうか、サーブのときにラインを踏み越したかどうかも確認できます。

どちらも反則につながる場面で、しかも一瞬で終わるプレーです。審判の位置からは死角になることもあります。

タッチネットがどこまで反則になるのかは、判断に迷いやすいところです。

バボット

対象ハ「映像デ白黒ガツク」プレーダケ

一方で、ホールディングのように審判の感覚で判断するプレーは対象になりません。映像を見ても人によって意見が分かれるからです。

要求してから結果が出るまでの流れ

実際の試合では、次のような順番で進みます。観戦しているときも、この流れを知っていると何を待っている時間なのかがわかります。

STEP
プレーが終わった直後に、監督かキャプテンが手で合図して要求する
STEP
審判が要求を受け付け、対象のプレーと内容を確認する
STEP
映像を確認する担当者が、複数のカメラの映像をチェックする
STEP
審判が結果を受け取り、あらためて判定を示す
STEP
判定が変わらなければ要求した側の回数が1つ減る

時間にすると、1回あたり1分もかからないことがほとんどです。

会場では大きな画面に映像が流れ、観客も一緒に結果を見られるようになっています。ここは観戦の楽しみのひとつでもありますね。

あげば

会場で見ていると、この時間がいちばん盛り上がるんだよ。

審判がどんな手順で試合を進めているのかを知っておくと、この待ち時間の意味もつかみやすくなります。

部活の試合にチャレンジはない|判定と向き合う3つの心構え

部活の試合で判定を引きずらず次のプレーへ切り替える場面の図解

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。中学や高校の大会に、映像で確かめ直す仕組みはありません。

判定を下すのは、いつでも人です。だからこそ、納得できない判定に出会ったときの態度が、そのまま選手としての評価につながります。

判定に納得できないときの3つの心構え
  • 審判に詰め寄らず、伝えたいことはベンチと主将に集める
  • 判定の是非ではなく、次のサーブで何をするかに頭を切り替える
  • ぎりぎりを狙わなくてよい場面では、余白を残して打つ

判定を引きずらないほうが結局は強い

判定に気持ちを持っていかれると、次のプレーの1歩目が遅れます。

私が現役のころも、判定に文句を言っている時間にラリーが1本進んでいました。取り返せるのはコートの中だけなんですよね。

引きずらない選手は、失点のあとの1本目から同じ強さでプレーできます。これは技術と同じくらい、練習で身につく力です。

あげば

判定が終わった瞬間に、顔を次のサーブへ向けよう。

ぎりぎりを狙わない選択肢ももっておく

ラインぎりぎりを狙えば、判定に運を預けることになります。

もちろん、そこを狙うべき場面もあります。ただ、相手が崩れているときまでラインを削る必要はありません。

コートの内側30cmを狙っても、決まる場面はたくさんあります。判定に左右されない範囲で勝ち切るという考え方も、もっておいてください。

サルくん

自分でコントロールできるところに集中するんですね。

あげば

そのとおり。判定は相手じゃない、次の1本が相手だよ。

観戦でチャレンジを見るときの注目点

トップリーグや国際大会を見に行くと、この制度の面白さがよくわかります。

注目してほしいのは、監督が要求するまでの数秒です。選手の反応を見て決めているのか、自分の目で決めているのかが伝わってきます。

残り回数にも目を向けてみてください。2回とも残っているチームは強気に使え、使い切ったチームは終盤の競り合いで我慢を強いられます。

こうした駆け引きが見えてくると、1本の判定がただの結果ではなく、戦い方の一部として見えてきます。

よくある質問

チャレンジは選手が自分で要求できますか?

できません。要求できるのは監督が原則で、監督がベンチにいないときはコート上のキャプテンが代わりに申し出ます。選手が審判に直接抗議する行為は認められていないため、気づいたことはベンチやキャプテンへ声で伝えるのが正しい動き方になります。

チャレンジは1試合に何回まで使えますか?

1セットにつき2回までが基本です。要求が通って判定が変わった場合は回数が減らないため、判定が変わり続ける限りは使い続けられます。判定が変わらなかったときだけ1回分を消費します。セットが変われば回数はリセットされます。

どんなプレーでもチャレンジできますか?

できません。ボールのイン・アウト、アンテナへの接触、ブロックのワンタッチ、ネットタッチ、サーブ時のラインの踏み越しなど、映像ではっきり確認できるプレーが対象です。ホールディングのように審判の判断で決まるプレーは対象外とされています。

中学や高校の大会にもチャレンジはありますか?

ほとんどの大会では導入されていません。複数のカメラと専用の機材、担当者が必要になるためです。部活動の試合では審判の判定が最終になるので、判定に納得できないときも抗議ではなく、次のプレーへの切り替えを優先してください。

まとめ:仕組みを知れば判定の見え方が変わる

最後に要点を振り返ります。チャレンジシステムの骨組みは、次の表のとおりです。

覚えておきたい点内容
目的一瞬の判定を映像で確かめ直す
要求できる人監督、不在ならコート上のキャプテン
回数1セット2回まで(成功すれば減らない)
制限時間プレー後およそ5秒以内
対象イン・アウト、ワンタッチ、ネットタッチなど

そして、自分たちの試合に映像はないという事実も忘れないでください。

私は元日本代表として国際大会も経験してきましたが、判定に強い選手ほど、切り替えの速さで差をつけていました。制度を知ることは、判定に振り回されないための準備でもあります。

サルくん

次の1本に集中します!

あげば

それが答えだね。ルールを知っている選手は、気持ちの立て直しも早いよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーボールのルールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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