- ラインに乗ったボールがインなのかアウトなのか、はっきり言えない
- 線審を頼まれたけれど、どこを見ればいいのかわからない
- 自分ではアウトに見えたのに、インと言われて納得できなかった
こんな悩みを解決します。
イン・アウトの判定は、ボールが床に触れた部分がラインに少しでもかかっていればインという1つの基準で決まります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、選手がもめる場面のほとんどは、ルールを知らないからではありませんでした。
多いのは、見ている場所と角度が違うだけというケースです。同じボールを見ていても、立っている位置が違えば見え方は変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- インとアウトを分ける基準が、3つに整理してわかる
- 判定を間違えやすい場面と、その理由がわかる
- 線審を任されたときに、どこを見ればよいかが決まる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ラインに触れていればイン
先に結論をお伝えします。ラインはコートの一部なので、ボールが線に触れていればインです。
線の外側にはみ出していても、床に触れた部分が線にかかっていればインになります。反対に、床に触れた部分が完全に線の外側にあるときだけアウトです。
サルくん半分くらい外に出ていても、インなんですか!?



インですよ。見るのは、はみ出した量ではなく線に触れたかどうかです。
ボールは落ちた瞬間につぶれて広がります。真上から見るとかなり大きな円になるので、思ったよりインになる場面は多くなります。
このつぶれた部分こそが、判定で見るところです。空中でどこを飛んでいたかではなく、床のどこに触れたかで決まります。



ミルノハ クウチュウデハナク ユカニ フレタ ブブン
つまり、迷ったときの考え方はシンプルです。線とボールの間にすき間があったかどうか、それだけを見ればよいということになります。
なお、この基準は競技規則で定められているものです(日本バレーボール協会の競技規則より)。
インとアウトを分ける3つの基準
判定の材料になるのは、次の3つだけです。順番に見ていきましょう。
基準①:床に触れた場所が線にかかっているか
1つ目は、いちばん基本になる床への接地です。
ボールが床に触れた瞬間の、その触れた部分だけを見ます。空中を飛んでいるときにコートの外を通っていても、判定には関係ありません。
線の幅も、コートの内側として扱われます。線の外側のふちに少しでも触れていれば、そこはまだコートの中です。
サイドラインもエンドラインも、扱いは同じです。コーナーの部分は2本の線が交わるので、どちらかにかかっていればインになります。



コーナーは、線が2本あるぶん助かるんですね!
基準②:アンテナに当たっていないか
2つ目は、ネットの両端に立っている棒(アンテナ)です。
ボールがアンテナに当たった瞬間に、そのボールはアウトになります。アンテナより外側のネットやロープ、支柱に当たった場合も同じ扱いです。
ボールが相手コートへ入ってよいのは、両方のアンテナの間の空間だけです。この空間の外を通って相手コートに入っても、得点にはなりません。



アンテナニ アタッタ シュンカン ソノボールハ アウト
サーブがアンテナに触れた場合や、アンテナの外を通った場合も、そのままサーブの失敗になります。
基準③:最後に触ったのはどちらのチームか
3つ目は、外へ出たボールを最後に触ったのが誰かという点です。
ボールがコートの外に落ちたとき、失点するのは最後に触ったチームです。相手が打ったボールでも、味方の指先がかすっていれば、失点になります。
この最後の接触が、判定でいちばんもめるところです。触れた本人が気づかないことも多いので、見え方が分かれます。



自分が触ったかどうか、意外とわからないものなんですね。
反対に、味方が触っていなければ、外に落ちた時点で相手の失点になります。だから、外へ出そうなボールを見送る判断はそのまま得点につながります。
次の章で、こうしたもめやすい場面を具体的に見ていきましょう。
判定を間違えやすい4つの場面
ここからは、実際にもめやすい場面を4つ取り上げます。どれも、ルールを知らないから起きるものではありません。
場面①:斜めから見ると、すき間があるように見える
いちばん多いのがこれです。線から離れた位置や、高い場所から斜めに見ると、線とボールの間にすき間があるように見えます。
これは、目の位置が違うと物の重なり方が変わるために起きます。斜めから見た人にはアウト、真横から見た人にはインと見えることは、めずらしくありません。
だから、判定は線の延長線上に立っている人が担当します。同じボールでも、正しい角度から見た人の見え方を採用するという考え方です。



どちらかが嘘をついているわけではないんです。立っている場所が違うだけですよ。
自分の席から見えた形と判定が違ったときは、まずこの角度の差を思い出してみてください。
線から離れて見るほど、ボールは外に見えます。応援席からアウトに見えたのに判定がインだった、という場面はここから生まれます。
確かめたいときは、練習でボールをライン際に落としてみるのがおすすめです。真横から見た人と斜めから見た人で、見え方がどれだけ違うかがすぐわかります。
場面②:ブロックにワンタッチして外へ出た
2つ目は、ブロックの手に当たってから外へ飛んだボールです。
音が小さく、当たった選手も気づかないことがあります。触れていればブロックしたチームの失点、触れていなければ打ったチームの失点と、結果が正反対になります。
判断の材料になるのは、音とボールの変化です。当たった瞬間に音が鳴り、飛ぶ方向や回転が変わります。
後ろで守っている選手は、この変化がいちばんよく見える位置にいます。気づいた人が声に出すと、味方の準備も早くなります。
なお、ブロックでの接触はチームの3回のヒットには数えません。触ったあと、あらためて3回使って返すことができます。
場面③:天井や照明に当たった
3つ目は、体育館の天井や照明に当たった場合です。
競技規則では、天井などプレーの空間の外にあるものに触れたボールはアウトになります。ただし、体育館の高さは会場ごとに違います。
そのため、大会によっては特別な決まりが設けられることがあります。試合の前に、その日の申し合わせを確認しておくと安心です。
確認するのは、キャプテンや引率の先生が集まる試合前の打ち合わせです。そこで決まった内容は、コートに立つ全員で共有しておきましょう。



天井が低い会場では、その日の決まりを先に聞いておくと落ち着いて動けますよ。
場面④:アウトになりそうな球を触ってしまった
4つ目は、外へ出るはずのボールを触ってしまう場面です。
守っている選手が反射的に手を出すと、そのボールは自分たちが最後に触ったことになります。落ちるまで見送っていれば相手の失点だったのに、触ったことで自分の失点に変わります。
見送る判断は、練習で身につけられる技術です。ボールの回転と落ちる速さを見て、線の外に落ちるかどうかを早めに決めます。
迷ったまま手を出すのがいちばんもったいない形です。とるなら早く決めて体ごと入る、見送るなら手を引く、このどちらかに寄せていきましょう。
線審を任されたときに見る場所
試合では、選手やマネージャーが線審(ラインジャッジ)を任されることがあります。ここでは、その日にすぐ使える見方をまとめます。
見るのはボールではなくライン
多くの人がやってしまうのが、ボールを目で追いかけることです。追いかけると、落ちる瞬間に目線が動いてしまいます。
線審が見るのは、自分の担当するラインです。線を見たまま待っていれば、ボールが線の内側に落ちたか外側に落ちたかがそのまま目に入ります。



ボールを追わないほうが、かえって見えるんですね!
担当するラインを試合前に決めておく
線審が2人で行う場合は、対角のコーナーに1人ずつ立ちます。1人が2本の線を受け持つので、どちらを見るのかを試合前にはっきりさせておきます。
コーナーに落ちたボールは、両方の線にかかわります。自分の担当がどこまでかを決めておくと、旗を上げるタイミングで迷いません。
迷ったときは、そのまま主審に伝える
もう1つ大事なのが、迷ったときの伝え方です。無理に断定しないほうが試合は止まりません。
見えなかったときは、見えなかったと主審へ伝えます。合図の意味は決まっているので、覚えておくと落ち着いて対応できます。
無理に旗を上げると、そのあとの試合で自分の判定が信じてもらえなくなります。見えたものだけを伝えるほうが、結果として信頼されます。



ミエナカッタトキハ ミエナカッタト ツタエル
上のカテゴリーの試合では、映像で確認する仕組みが使われることもあります。ただ、中学や高校の大会では、人の目による判定が基本になります。
判定に納得できないときの向き合い方
最後に、選手としての向き合い方にも触れておきます。ここは技術と同じくらい、勝敗に影響します。
判定に抗議できるのは、コート上ではキャプテンだけです。それも、判定そのものではなくルールの適用について確認する場合に限られます。
つまり、インかアウトかの見え方をめぐって言い合っても、結果は変わりません。変わらないものに使った時間の分だけ、次の1本の準備が遅れていきます。



判定は結果です。結果を変えようとするより、次の1本に入るほうが早いですよ。
私が試合中に選手へ伝えているのは、判定が出た瞬間に、自分の立ち位置へ戻るという約束だけです。
このくり返しができるチームは、判定が続けて重なった場面でも崩れませんでした。逆に、1本ごとに止まるチームは、そのまま流れを渡してしまいます。



納得できないときは、どうすればいいですか…?



気持ちは持っていて大丈夫です。ただ、体だけは先に次の位置へ戻しましょう。
判定に不満が残る日は、必ずあります。それでも、動き出しを止めない選手がいるチームは、最後まで戦える形を保てました。
よくある質問
まとめ
イン・アウトの判定は、覚えることが多い分野ではありません。見る場所さえ決まれば、その場で判断できます。
床に触れた部分が線にかかっていればイン。アンテナに当たったらアウト。この2つで大半は決まります。
| 場面 | 判定 | 見るところ |
|---|---|---|
| ラインの上に落ちた | イン | 床に触れた部分が線にかかっているか |
| 線の外側に完全に落ちた | アウト | 線とボールの間のすき間 |
| アンテナに当たった | アウト | 当たった瞬間の音と揺れ |
| ブロックに触れて外へ出た | 触ったチームの失点 | 手とボールの接触 |
| 天井や照明に当たった | アウト | 大会ごとの申し合わせも確認 |
線審を任されたときは、ボールではなくラインを見て待つ。これだけで、判定の迷いはかなり減ります。



次の試合では、線を見て待ってみます!



それでいいですよ。判定が早く出るチームは、試合そのものもテンポよく進みます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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