ブロックの一人練習メニュー|ネットなしでできる5つのドリル

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ブロックの一人練習メニューのアイキャッチ画像
  • ブロックだけ苦手なのに、練習でネットを使える時間が短い
  • 相手のスパイカーがいないと、何を練習すればいいかわからない
  • 家でジャンプしてみたものの、上手くなった実感がない

こんな悩みを解決します。

ブロックの一人練習でやることは、立ち位置・手の出し方・移動の3つにしぼって構いません。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきましたが、ブロックが伸びない選手の多くは跳ぶ力ではなく、跳ぶ前の準備でつまずいていました。

準備の部分は、相手もネットもない場所でこそ落ち着いて作り直せます。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • ネットも相手もない状態で、ブロックの何を練習すればいいかがわかる
  • 家・壁・体育館それぞれでできる具体的なドリルの手順がわかる
  • 一人練習でやりがちな失敗と、15分で組む練習の順番がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:一人練習は立ち位置・手の出し方・移動にしぼる

相手のスパイクがない以上、一人でできることは限られます。だからこそ、何をやるかを先に決めておくことが上達の近道になります。

一人練習でしぼる3つのテーマ
  • 立ち位置:ネットからどれだけ離れて構えるかを、足のサイズで覚える
  • 手の出し方:脇を締めて、肘を体の前から通す形を固める
  • 移動:ボールを見たまま横へ動く足さばきを反復する

この3つ以外は、一人でやらなくて構いません。相手のトスを読む力やスパイカーとの駆け引きは、人がいる場面でしか身につかないからです。

一人の時間は「ネットの前に立ったときに迷わない体」を作る時間だと考えてください。

サルくん

相手がいないのに、ブロックの練習ってできるの?

あげば

できるよ。むしろ準備の部分は、一人のほうが直しやすいんです。

バボット

一人練習ハ準備ヲ作ル

一人練習がブロックに効く2つの理由

そもそも、なぜ相手のいない時間がブロックの上達につながるのでしょうか。理由は大きく2つあります。

立ち位置をゆっくり作り込める

ブロックの吸い込みは、跳び方ではなく構えたときの立ち位置でほぼ決まります。ネットから離れすぎれば体との間に空間ができ、近づきすぎれば手が頭の真上で完成してしまうからです。

コートに入ると、ボールもスパイカーも動いているので、自分の足元を見て確かめる余裕がありません。誰もいない場所なら、何度でも立ち直して距離を測れます。

足のサイズを基準にした距離感は、一度体に入ってしまえば試合中も再現できます。

サルくん

吸い込むのは、跳ぶのが下手だからだと思ってた…

あげば

原因のほとんどは、跳ぶ前の立ち位置にあります。

構えの細かい形は、こちらの記事で写真のように分解しています。

出し遅れを直すのは反復の回数

もう1つは回数です。部活のブロック練習では、順番待ちの列に並んでいる時間のほうが長くなりがちです。

一人なら、15分の間に100回以上手を出す動きを繰り返せます。手が出るのが遅い癖は、頭で理解しても消えず、体が覚えるまで繰り返してようやく直るものです。

ただし、間違った形のまま数を重ねると悪い癖も一緒に固まります。正しい形を知ってから始めることが欠かせません。

一人練習は、正しい形を知ってから始めて初めて効果が出るわけです。

家でできるブロックの一人練習3つ

ブロックの一人練習で壁に近すぎる悪い立ち位置と、壁から足2足分離れた正しい立ち位置を並べた比較図解

ここからが実践です。まずは、ボールもネットも使わずに家の中でできる3つを紹介します。

ドリル1:足2足分の立ち位置を作る

壁を1枚のネットだと考えて、壁に正対して立ちます。つま先が壁から足2足分だけ離れた位置が基準です。

足のサイズが25cmの人なら、つま先から壁まで約50cmになります。この距離が、近すぎず離れすぎない中間の立ち位置です。

構えるときは足幅を肩幅よりやや広くとり、母指球に体重を乗せます。膝と股関節を軽く曲げて、いつでも横へ動ける形を作ってください。

手は体の前にセットし、高さは肩を基準にします。

立ち位置で確認する3点
  • つま先が壁から足2足分の位置にあるか
  • 足幅は肩幅よりやや広く、母指球に体重が乗っているか
  • 手が体の前で、肩の高さにセットできているか

相手の攻撃が速いとわかっている場面では、手を顔の高さまで上げておきます。反対に、相手の1本目が乱れて二段トスになりそうな場面は胸の高さで構いません。

このあとクロスオーバーステップで移動し、腕を振り上げて跳ぶので、最初から高く上げておく必要がないからです。

バボット

基本ハ肩ノ高サ

立ち位置と吸い込みの関係は、こちらでさらに細かく整理しています。

ドリル2:壁の1点へ手を出す

2つ目は、手の出し方を固める練習です。壁の高いところに、目印としてテープを1本貼ります。

構えの形から、脇を締めてコンパクトに腕を後ろへ引き、肘が体の前を通るように振り上げます。肘の移動が最短距離になるほど、手は速く完成します。

このとき手首は返さず、まっすぐのまま手のひらを壁へ向けてください。目指す形は、両手が床と平行に近い角度で、壁の向こう側へ蓋をするように出ている状態です。

跳ばずに立ったまま、テープの少し上を狙って手を出します。

STEP
壁から足2足分の位置で、肩の高さに手を構える
STEP
脇を締めて、腕をコンパクトに後ろへ引く
STEP
肘を体の前から通して振り上げ、テープの上へ手を出す
STEP
手首はまっすぐのまま、手のひらを壁へ向けて止める

肘が体の横へ逃げると、引いた勢いが上へ伝わりません。ネットに近づきすぎたときに起きやすい形なので、立ち位置とセットで直していきます。

指は開いて、パーの形を保ったままにしてください。指を閉じたり力を抜いたりすると、実際の場面で突き指の原因になります。

サルくん

手首って、返さなくていいんだ!?

あげば

通常のブロックは、まっすぐのままで大丈夫です。

手の形そのものに不安がある人は、こちらもあわせて読んでみてください。

ドリル3:踏み込みから完成までを数える

3つ目は、自分の時間を知る練習です。最後の踏み込みをしてから手がネットの上で完成するまでに、どれくらいかかるかを体で覚えます。

やり方はシンプルです。構えから軽く沈み込み、跳んで手を出し切るまでを声に出して数えます。

「イチ」で沈み、「ニ」で手が完成する、という具合です。

この長さがわかると、相手の打点を見てからいつ跳べばよいかを逆算できます。ブロックは相手がヒットを迎える瞬間には、すでに壁ができている状態が理想だからです。

跳ぶ前に、自分の頭の上あたりへ相手の打点をイメージしてから始めると、実戦に近い形になります。

タイミングは相手に合わせる前に、まず自分の時間を知ることから始まると考えてください。

跳んだあとは、手を急いで下ろさずネットの上に残すつもりで止めます。相手は打点を早めたり遅らせたりできるので、壁を維持できる時間が長いほど有利になります。

体育館の空きスペースでできる一人練習2つ

ブロックの一人練習で床のラインに沿って正面を見たままサイドステップで横移動する図解

床にラインのある場所を使えるなら、ここから2つを足します。部活の前後や、コートが空いている時間で構いません。

ドリル4:ラインに沿って横へ動く

床のラインを1本のネットに見立てて、その手前を横へ移動します。短い距離はサイドステップ、大きく動くときはクロスオーバーステップを使います。

いちばん大事なのは目線です。動く先を見てしまうと、実際の試合ではトスの軌道もスパイカーの準備も見失います。

正面の壁に目印を1つ決めて、そこを見たまま横へ動いてください。胸はできるだけ正面に向けたままにし、真横まで向かないようにします。

止まったら、つま先を正面へまっすぐ向けて跳びます。つま先がまっすぐ向いていると、太ももの外側とおしりの筋肉を使って上方向へ跳べるので、空中で体が流れにくくなります。

横移動で確認する3点
  • 進行方向ではなく、正面の目印を見続けられているか
  • 胸が正面を向いたまま、真横を向いていないか
  • 止まったときに、つま先が正面へまっすぐ向いているか

移動しながら跳ぶと、どうしても体が横へ流れます。まずは止まる形を作り、止まってから跳ぶ順番を守ってください。

サルくん

動く方向を見ないと、こわいかも…

あげば

だから普段のうちに、見ないで動ける足を作っておくんですよ。

ステップの種類ごとの使い分けは、こちらで細かく分けています。

ドリル5:連続ブロックジャンプ

2つ目は、跳ぶ力と着地を作る練習です。同じ場所で、ブロックの形を作りながら3回続けて跳びます。

1回ごとに全力で跳ぼうとしなくて構いません。着地したらすぐ次へ移れるよう、膝を軽く曲げてクッションを作りながら跳ぶことを優先します。

3回とも同じ高さで手を出せるかを見てください。3回目だけ手が下がる人は、跳ぶ力より姿勢を保つ力が足りていない状態です。

STEP
立ち位置と構えを作って止まる
STEP
沈み込みから跳んで、手を床と平行に出す
STEP
両足で着地し、膝を曲げて衝撃を受け止める
STEP
間を空けずに、同じ形で3回繰り返す

本数の目安は3回を1セットとして、5セットまでにしておきます。跳ぶ回数を増やすより、1回ごとの形をそろえるほうが試合で使える力になります。

バボット

高サヨリ形ヲソロエル

一人練習でやりがちな3つの失敗

同じ時間を使っても、伸びる人と伸びない人がいます。差がつくのは、たいてい次の3つです。

失敗1:高さだけを追いかける

一人になると、つい高く跳ぶことばかりを試したくなります。ところが、いくら高く跳べても手が遅れて出れば、ボールはその横を通り過ぎていきます。

ブロックで先に直すべきは、高さよりも手が完成するまでの速さです。脇を締めて肘を体の前から通す形ができていれば、同じジャンプでも壁は早く立ち上がります。

私の指導現場でも、跳ぶ高さより先に肘の通り道を直します。

高さを伸ばすトレーニングは、形が固まってからで間に合います。

失敗2:跳ぶ回数を増やしすぎる

2つ目は、跳ぶ量です。ジャンプは達成感があるので、つい本数を重ねてしまいます。

成長期の膝や腰は、着地の衝撃を受け続けると痛みが出やすくなります。跳ぶドリルは1日20〜30本を目安にして、痛みがある日は跳ばない選択をしてください。

跳ぶ力は、跳んだ回数ではなく下半身と体幹の強さで伸びていきます。回数を増やすより休みを挟むほうが、結果的に高く跳べるようになるものです。

あげば

痛みが出た日は、跳ばない勇気をもってください。

失敗3:自分の形を見ないまま続ける

3つ目が、いちばんもったいない失敗です。感覚だけを頼りに繰り返すと、直したかった癖がそのまま固まってしまいます。

対策はシンプルで、スマホで自分の動きを撮ることになります。自分のイメージと実際の形は、想像以上にずれているものです。

撮った動画は、理想とする選手のブロックと並べて見比べます。肘の通り道・手のひらの向き・着地したときのつま先、この3点だけを見れば十分です。

週に1回でいいので、自分のブロックを撮って見比べる時間を作ると、一人練習の質が変わります。

サルくん

撮ってみたら、思ってたのと全然ちがった…

あげば

そのズレに気づけたことが、もう上達だよ。

15分で組む一人練習メニューの順番

最後に、15分で回す組み方を紹介します。時間が短い日は、前半だけでも構いません。

STEP
準備運動と肩回し:3分
STEP
立ち位置づくりと壁への手出し:5分
STEP
踏み込みから完成までを数える:2分
STEP
ラインに沿った横移動:3分
STEP
スマホで1本撮影して確認:2分

順番には意味があります。立ち位置と手の形を固めてから動きを足すほうが、遠回りに見えていちばん速い道だからです。

毎日やる必要はありません。週に2〜3回、部活が休みの日に取り入れるくらいがちょうどよい量になります。

きつい練習を我慢して続けた結果、バレーが嫌いになってしまうのが一番よくないことです。物足りないくらいで切り上げて、次の日も体を動かしたい状態を残しておいてください。

バボット

物足リナイ量デ続ケル

チーム全員でのブロック練習の組み立て方は、こちらで段階ごとに整理しています。

よくある質問

家の壁を使って手を出す練習をしてもいいですか?

壁を強く叩かなければ問題ありません。
手を出して止めるだけの練習なので音は出ませんが、家族に一言伝えてから、物のない壁を選んで行ってください。

ネットがないと、高さの感覚はつかめませんか?

高さそのものは体育館でしかつかめません。
ただし手が完成するまでの速さや立ち位置は高さと関係なく作れるので、家では準備の部分だけを固めます。

身長が低くても、一人練習で意味はありますか?

あります。
ブロックは高さだけで決まるプレーではなく、立ち位置と手が出る速さで触れる本数が変わるからです。

どれくらい続けると変化を感じますか?

週2〜3回で1か月ほどが目安になります。
正しい形で繰り返すことが前提なので、始める前と1か月後の動画を残しておくと変化がはっきりわかります。

まとめ:一人の時間は跳ぶ前の準備を作る時間

ブロックの一人練習は、立ち位置・手の出し方・移動の3つにしぼれば十分です。ネットも相手もない場所でできることは、思っているよりたくさんあります。

壁から足2足分で構え、脇を締めて肘を前から通し、正面を見たまま横へ動く。

場所できるドリル主な狙い
家の中立ち位置づくり・壁への手出し距離感と手の形を固める
家の中踏み込みから完成までを数える自分の跳ぶ時間を知る
体育館ラインに沿った横移動・連続ジャンプ移動と着地を作る

私は元日本代表として、そして指導者として、ブロックほど準備の差がそのまま結果に出るプレーはないと感じています。

サルくん

今日は壁の前で、立ち位置からやってみる!

あげば

それで十分。足元が決まれば、手はあとからついてくるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ブロックについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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