- 子どもが「クラブチームにも入りたい」と言い出して、返事に迷っている
- 部活とクラブ、両方やって体が持つのか心配
- 大会の日が重なったとき、どちらを選べばいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
部活とクラブチームの掛け持ちは、やる気があればできるものではありません。続けられる家庭には、共通してそろっている条件があります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきましたが、学校の部活と両立しながら通ってくる選手は毎年います。
うまく回っている子と、途中で苦しくなる子の差は、能力ではなく「始める前に何を決めていたか」でした。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 掛け持ちが続く家庭にそろっている条件が分かる
- 決める前に確認しておく5つのポイントが分かる
- 大会や練習が重なったときの決め方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:掛け持ちは「3つの条件」がそろえば続けられる
結論からお伝えします。掛け持ちが続くかどうかは、体・時間・大人の合意という3つの条件がそろっているかで決まります。
このどれか1つが欠けたまま始めると、数か月後に無理が出ます。逆に3つが整っていれば、想像より静かに続いていくものです。
うさママ本人がやりたいと言っているなら、やらせてあげたいのですが。



気持ちは大事です。ただ、気持ちだけでは週7日は回りませんよ。
- 体:1週間のうち、完全に休む日が確保できる
- 時間:移動と帰宅の時間を足しても、睡眠と勉強が削られない
- 大人の合意:学校の顧問とクラブの指導者が、どちらも状況を知っている
3つ目を軽く見てしまう家庭が、いちばん多いように感じます。子どもが板ばさみになる場面は、たいてい大人同士が話せていないところから生まれます。
そして大前提として、掛け持ちは「やらないと乗り遅れる」ものではありません。片方に絞ってうまくなる選手も、同じくらいたくさんいます。



選択肢を増やす手段であって、正解の道ではないんです。
部活とクラブチームは、役割がそもそも違う
掛け持ちを考えるとき、まず整理したいのは「この2つは同じものの量違いではない」という点です。
役割が違うと分かると、両方やる意味があるのか、片方で足りるのかが見えてきます。
部活が担っているもの
学校の部活は、同じ学校の仲間と、決まった時間に、同じ目標へ向かう場です。
大会は学年ごとの区切りで進み、引退の時期もはっきりしています。人数が少ないチームでは、1人が抜けると試合が成立しないこともあります。
部活は「その学校のチームの一員」であることが前提の場所です。
だからこそ、休みが続くと居場所がなくなりやすい面もあります。
クラブチームが担っているもの
クラブチームは、学校の枠を越えて選手が集まります。同じ学年でも実力の幅が広く、上のレベルの相手と練習できる機会が増えます。
一方で、練習日が平日の夜に組まれることが多く、送迎と帰宅時間の負担は家庭にかかります。



強い相手とやれるのは、正直うれしいです。



うれしいのは分かるけれど、帰りが10時になる日が続くのは心配で。
どちらが優れているという話ではありません。目的が違う場所を2つ持つと考えるほうが、判断しやすくなります。
| 見る点 | 部活 | クラブチーム |
|---|---|---|
| 一緒にやる相手 | 同じ学校の仲間 | 学校を越えて集まった選手 |
| 練習の時間帯 | 放課後の決まった時間 | 平日の夜や週末が中心 |
| 抜けたときの影響 | 人数が少ないと試合が成立しない | 控えがいる場合が多い |
| 家庭の負担 | 送迎が少なく済む | 送迎と帰宅時間の負担が大きい |
| 得やすいもの | 学校生活とつながる居場所 | 上のレベルと当たる経験 |
表にすると、2つが埋め合う関係になっているのが見えてきます。逆に言えば、どちらか一方で足りている場合は、無理に増やす必要はありません。



部活だけでは物足りない、というわけでもないのですね。



何が足りないのかが言葉にできるなら、掛け持ちは意味を持ちますよ。
決める前に確認する5つのこと
始めてから「思っていたのと違った」となるのを防ぐために、先に確認しておきたいことがあります。
紙に書き出すだけで、判断はずいぶん楽になります。
学校とクラブの方針を先に聞く
学校によっては、部活動と外部チームの掛け持ちについて決まりを設けている場合があります。地域や学校ごとに扱いが違うため、まず顧問に確認してください。
クラブ側にも、練習の参加率や大会への出場条件があることがあります。「週に何回来られれば登録できるのか」を、入る前に聞いておきましょう。
両方に確認せずに始めると、あとから条件が食い違って子どもが困ります。
時間とお金は数字にして見る
1週間の予定を書き出すと、休みの日が何日残るかがはっきりします。ここで休みが0日になるなら、その時点で組み方を変える必要があります。
特に見落としやすいのが、練習そのものではなく前後の時間です。片道30分の送迎なら、往復で1時間が毎回消えていきます。
この1時間が週3回あれば、月に12時間になります。そのぶんは睡眠か勉強のどちらかから削られる、と考えておくほうが安全です。
費用も同じです。クラブの月謝だけでなく、遠征費・ユニフォーム代・交通費まで足すと、想定より大きくなることがあります。



書き出してみたら、木曜日しか空いていませんでした。



気づけたのが収穫です。始める前なら、いくらでも組み直せます。
体への負担は「合計の練習量」で見る
掛け持ちでいちばん見落とされやすいのが、体にかかる合計の量です。
部活の指導者はクラブの練習量を知らず、クラブの指導者は部活の練習量を知りません。両方を足した数字を持っているのは、家庭だけになります。
どちらの大人も「自分の練習だけ」を見ています。合計を管理できるのは保護者だけです。
成長期の体は、骨と筋肉が伸びる速さがそろっていない時期があります。この時期に跳ぶ量が急に増えると、膝やかかとに痛みが出やすくなります。
掛け持ちで怖いのは、量が増えることそのものではありません。増えたことに誰も気づかないまま、数か月が過ぎてしまう点です。
対策はひとつで、跳ぶ練習が入った日をカレンダーに印だけ付けておくことです。週に何日跳んでいるかが目で見えると、減らす判断がしやすくなります。
日本スポーツ協会も発育期のスポーツ活動ガイドで、成長期の休養と練習量の管理を重視しています。
- 朝起きたときに、まだ体の重さが残っている
- 膝の下やかかとを、練習後に触っている
- 好きだったはずの練習の話をしなくなる
- 食欲が落ちて、食べる量が減ってきた
このうち2つ以上が続くようなら、量を減らす判断をしてください。痛みが2週間ほど残る場合は、整形外科で診てもらうことをおすすめします。



休むと下手になりそうで、言い出せません。



逆です。休めなかった選手のほうが、結果的に長く抜けています。
痛みを我慢して続けた選手が、結果として長く休むことになる場面は、指導の現場で何度も見てきました。早く言えた子ほど、戻るのも早いものです。
大会や練習が重なったときの決め方
掛け持ちで必ず起きるのが、日程の重なりです。ここを当日に決めようとすると、いちばん苦しいのは子どもになります。
大事なのは、重なってから考えないことです。
先に順位を決めておく
シーズンが始まる前に、家庭とチームで優先順位を決めておきます。決め方は難しくありません。
- 代わりの選手がいるかどうか(人数が少ない側を優先しやすい)
- その大会が、学年の区切りになる大会かどうか
- 本人が、どちらのチームで役割を持っているか
たとえば部活が6人ぎりぎりで、クラブには控えがいるなら、部活を優先するほうが全体は回ります。基準を先に共有しておけば、当日は当てはめるだけで済みます。
重なった日をどう選ぶかより、選び方を先に決めておくほうが大事です。
大人への伝え方は「先に・短く」
顧問や指導者への連絡は、決まった時点でできるだけ早く伝えてください。理由を長く説明する必要はありません。
「この日はクラブの大会と重なるので、そちらに行かせます」と事実だけを伝えれば十分です。



言いにくくて、直前まで黙ってしまいそうです。



早いほど角が立ちません。直前になるほど、相手も動けなくなりますから。
そして、伝える役は大人が引き受けてください。中学生や高校生に大人同士の調整を背負わせると、どちらのチームにも居づらくなります。
続かないと感じたときの見直し方
始めたあとで苦しくなること自体は、失敗ではありません。組み方を変えれば戻せます。
見直すときは、いきなり「やめるかどうか」に飛ばないでください。段階があります。
- 週の練習回数を1回減らす
- 移動の負担が大きい日だけ休む
- 大会前の時期だけ、片方を優先する
- どちらかを一度お休みにする
上から順に試すと、多くの場合は3番までで落ち着きます。いきなり4番に飛ぶと、本人の中に「続けられなかった」という感覚だけが残ってしまいます。



やめるって言ったら、負けた気がします。



減らすのは、やめることとは違いますよ。戻ってきた選手も何人もいます。
判断の材料になるのは、成績ではありません。眠れているか、食べられているか、バレーの話をするかどうかです。



成績より、そっちを見ればいいんですね。
勉強との兼ね合いで悩む時期も来ます。そのときは、練習量より睡眠時間を先に守ってあげてください。
よくある質問
まとめ:決めるのは「始める前」
部活とクラブチームの掛け持ちは、体・時間・大人の合意という3つの条件がそろえば続けられます。
重なる日の決め方と、休む基準を先に決めておいてください。それだけで、途中で苦しくなる場面はかなり減ります。
| 場面 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 始める前 | 学校とクラブ両方に方針を確認する | 片方だけに聞いて始めない |
| 週の予定 | 完全に休む日を1日つくる | 移動時間を計算に入れる |
| 日程が重なる | 優先順位をシーズン前に決める | 当日その場で決めない |
| 伝えるとき | 大人が早めに短く伝える | 子どもに調整を任せない |
| 苦しいとき | 回数を減らして様子を見る | いきなりやめる判断をしない |
私はスクールで、部活と両立しながら通ってくる選手を毎年教えています。続いている子の家庭は、例外なく「始める前に決めていた」という共通点がありました。
やる気は十分にある子たちです。だからこそ、大人が枠を用意してあげてください。



まずは予定表を書き出すところからやってみます。



それがいちばん確実な一歩ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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