- 大会が終わったのに、子どもが受験モードに切り替わらない
- 部活がなくなった途端、生活リズムが崩れてしまった
- 「勉強しなさい」と言うたびに、家の空気が悪くなる
こんな悩みを解決します。
引退直後の子は、やる気がないのではありません。急に空いた時間の使い方が分からないだけです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を指導してきましたが、引退の時期になると、選手たちが目に見えて落ち着かなくなるのを毎年見ています。
だからこそ、気持ちを切り替えさせようとするより先に、生活の型を作ってあげるほうが早いんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 引退直後に子どもの中で何が起きているかが分かる
- 最初の2週間でやることの順番が分かる
- 保護者の声かけで避けたほうがいいことが分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:気持ちより先に「生活の型」を作る
結論からお伝えします。引退後の切り替えでいちばん効くのは、やる気を出させることではなく、1日の時間の使い方を先に決めてしまうことです。
部活があった時期の子どもは、実はかなり整った生活を送っています。何時に帰って、何時にご飯で、何時に寝るかが自動的に決まっていました。
その枠がなくなると、時間はあるのに何も進まない状態になります。これは意志の問題ではなく、単純に枠がなくなっただけです。
うさママ時間はできたはずなのに、机に向かわないんです。



時間が余ったからこそ、動けなくなるんですよ。
だから最初にやることは、勉強の量を決めることではありません。何時から何時までを勉強の時間にするか、その枠だけを決めることです。
- 起きる時間と寝る時間をもとに戻す
- 勉強にあてる時間帯を1つだけ決める
- 決めた枠を1週間続けてみる
量を増やすのはそのあとです。順番を逆にすると、たいてい3日でうまくいかなくなります。
引退直後の子どもに起きている3つの変化
まず、子どもの中で何が起きているのかを知ってください。ここが分かると、声のかけ方が変わります。
引退直後には、大きく3つの変化が同時に起きています。
①時間が急に余る
これまで放課後の数時間はバレーで埋まっていました。その時間がまるごと空きます。
大人でも、急に予定が空くと何もできないまま夕方になることがありますよね。中学生ならなおさらです。
しかも本人には「時間はたっぷりある」という感覚があるので、後回しにしても平気だと感じます。そのまま数週間が過ぎてから焦り出す、という流れが起きがちです。
②生活のリズムが崩れる
練習で疲れて眠くなっていた子が、疲れないので夜更かしをするようになります。そのまま朝が起きられなくなり、日中もぼんやりします。
夜更かしは意志の弱さではなく、体を疲れさせていた練習がなくなったからです。



夜、なかなか眠くならないんです。



体が余っているだけです。日中に少し動かしましょう。
ここを放っておくと、朝起きられない状態が数か月続いてしまいます。学校の授業が頭に入らなくなると、家庭学習でいくら取り返そうとしても追いつきません。
崩れてから直すより、崩れる前に戻すほうがずっと簡単です。
③打ち込む対象を失う
いちばん大きいのがこれです。毎日追いかけていた目標が、ある日を境になくなります。
引退のあと数週間、気持ちが落ちる子はめずらしくありません。これは自然な反応で、むしろ真剣にやってきた証拠です。
体育館で見ていても、引退したばかりの選手はどこか手持ち無沙汰な顔をしています。ここで「気持ちを切り替えろ」と言っても、切り替える先がないので届きません。
先に次の予定を用意してあげるほうが、ずっと早く落ち着きます。
最初の2週間でやること
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。最初の2週間の過ごし方で、そのあとの数か月が決まります。
やることは多くありません。次の4つを順番に進めてください。
順番に補足していきます。
起きる時間から先に戻す
寝る時間を早めるより、起きる時間をそろえるほうが先です。朝が決まると、夜は自然に整っていきます。
休日も、平日との差を2時間以内に収められると理想的です。ここが崩れると月曜日がつらくなります。



起きる時間からなんですね。



そこが土台です。夜から直そうとすると、たいてい失敗します。
勉強の枠は1つだけ決める
「毎日3時間」のような目標は、最初の2週間には向きません。続かないと自信をなくすからです。
まずは「帰ってすぐの30分」のように、時間帯と長さを1つだけ決めてください。短くていいので、毎日同じ時間にやることが大切です。
同じ時間に机に向かうと、体のほうが先に慣れていきます。部活で、練習の始まりに自然と体が動き出したのと同じ仕組みです。
やる内容も、最初は易しいもので構いません。手が止まらないことを優先してください。
体を動かす習慣を残す
これは特にお伝えしたいことです。運動をぱたりとやめると、体力が落ちて集中力も続かなくなります。
週に2〜3回、軽く走る・ストレッチをする程度でかまいません。バレー部の友だちと体育館で軽く遊ぶのでも十分です。
受験期こそ、体を動かす時間を完全にゼロにしないでください。



少し動いたほうが、頭がすっきりします。



そうなんです。動かすと切り替えが早くなりますよ。
バレーで身につけた力は受験でも使える
引退した子に、私がよく伝えていることがあります。バレーで身につけた力は、そのまま勉強にも使えるということです。
まったく別のことをゼロから始めるわけではありません。
| バレーでやっていたこと | 受験での使い方 |
|---|---|
| 練習ノートで振り返る | 間違えた問題をノートにまとめる |
| 大会から逆算して練習を組む | 試験日から逆算して計画を立てる |
| 苦手なプレーを分けて練習する | 苦手な単元だけを取り出して解く |
| 本番前のルーティンを持つ | 試験前に同じ準備の流れを作る |
特に「逆算して組み立てる」経験は、部活をやりきった子ほど身についています。



本人は気づいていないと思います。



だから、言葉にして伝えてあげてください。
本人にとっては当たり前になっているので、周りが指摘してあげないと気づきません。ここを伝えるだけで、目つきが変わる子もいます。
保護者がやりがちな3つのことと、代わりにできること
ここからは保護者の関わり方です。よかれと思ってやったことが、逆に足を引っ張ることがあります。
①「もう部活はないんだから」と言ってしまう
いちばん言いがちで、いちばん効かない言葉です。本人にとって部活は3年間の中心だったので、それを軽く扱われると心を閉じます。
代わりに、部活での取り組みを認める言葉から入ってください。過去を肯定されたほうが、次に進みやすくなります。
「3年間よく続けたね」の一言があるかないかで、そのあとの話の通り方がまったく変わります。順番として、認めるのが先で、次の話はそのあとです。



終わったことを軽く扱うのは、いちばんの逆効果です。
②勉強時間を細かく管理する
何時間やったかを毎日聞くと、子どもは数字をごまかすようになります。中身ではなく時間を報告する習慣がついてしまいます。
管理するより、環境を整えるほうが効果的です。机の上を片付ける、静かな時間を作る、夜食を用意する。この程度で十分です。
- 決まった時間に食事を出す
- 家族のテレビや会話の時間をずらす
- 質問されたときだけ答える
- できた日を数えず、続いた週を認める
③他の子と比べて話す
「◯◯くんはもう塾に行っている」という言い方は、焦りではなく反発を生みます。
比べるなら、他人ではなく先週の本人と比べてください。バレーの上達と同じで、伸びは他人との差では測れません。



つい口に出してしまいます。



比べる相手を、先週の本人に変えてみてください。
高校でもバレーを続けたい場合
引退後も競技を続けたい子の場合、進路の選び方が受験勉強のやる気そのものになります。
行きたい高校が決まると、勉強する理由がはっきりします。ここは早めに家庭で話しておいてください。
志望校の候補を早めに3つほどに絞る
バレーを続けたい子の場合、練習環境も学校選びの条件になります。通学時間・練習日数・入部のしやすさを見ておいてください。
候補が多すぎると比べきれないので、早い段階で3つほどに絞るのがおすすめです。数が減ると、必要な学力の目安もはっきりします。



部活のことまで見て選んでいいんですね。



もちろんです。3年間通う場所ですから。
練習の再開時期を先に決めておく
合格してから体を動かし始めると、入部までに間が空きすぎます。週に1〜2回でいいので、体を動かす日を残しておいてください。
高校のバレー部は、中学より練習量が上がることが多いです。体力が落ちきった状態で入ると、最初の数か月がかなりきつくなります。



完全にやめないほうがいいんですね。



はい。細くてもつないでおくと、あとがぐっと楽です。
よくある質問
まとめ:切り替えは気合ではなく手順でできる
引退後の切り替えは、やる気の問題ではありません。空いた時間に新しい枠を作り直す作業です。
起きる時間を戻す。勉強の枠を1つ決める。体を動かす習慣を残す。この3つからです。
| 時期 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 引退〜1週間 | 起床・就寝の時間を戻す | 勉強量をいきなり求めない |
| 1〜2週間 | 勉強の枠を1つ決めて続ける | 時間の長さを競わせない |
| 2週間以降 | 続いた枠から少しずつ増やす | 他の子と比べて話さない |
| 受験期を通して | 週2〜3回、体を動かす | 運動をゼロにしない |
私は指導者として、引退した選手たちがそのあとどう歩いていくかを毎年見ています。うまく切り替えられた子に共通しているのは、意志の強さではなく、生活の型が早く戻ったことでした。
3年間続けてきた子には、続ける力がすでにあります。あとは向ける先を変えるだけです。



まずは朝の時間から整えてみます。



それで十分です。あとは本人が思い出していきますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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