- 野菜をよけて食べるので、栄養がかたよっていないか心配になる
- 体を大きくしてほしいのに、肉か白いごはんしか食べてくれない
- 好き嫌いを直そうとして声をかけるたび、食卓の空気が悪くなる
こんな悩みを解決します。
部活の子の好き嫌いは、苦手な食材を食べさせることより、その食材が担っていた栄養を別の食品で埋めるほうが先になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、保護者の方から「うちの子は野菜を食べません」と相談されることは本当に多いです。
そのとき私がお伝えするのは、練習量が多い時期に食卓が戦いの場になると、食べる量そのものが落ちてしまうということです。
なお、成長期の栄養は食事からとることが基本になります。この記事は家庭で試しやすい工夫の整理であり、体調や体重の変化が気になる場合は医師や管理栄養士など専門家にご相談ください。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 苦手な食材の代わりに何を出せばいいかが決まる
- 好き嫌いを責めずに、食べられる量を増やす進め方が分かる
- 食卓のやり取りが減って、練習後に食べる量を守れる
保護者ができる食事サポートの全体像は、こちらの記事でまとめています。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:好き嫌いは直す前に、栄養の抜けを埋めるほうが先
好き嫌いの相談を受けたとき、私が最初にお願いしているのは順番を変えることです。苦手な食材を食べさせる工夫より前に、その食材が担っていた栄養をどこで埋めるかを決めてしまいます。
理由は単純で、好き嫌いが減るには時間がかかるのに、練習は毎日あるからです。
苦手を克服する取り組みは、数か月から年単位の話になります。その間ずっと栄養が抜けたままだと、体づくりのほうが遅れてしまいます。
そこで、家庭でやることを次の3つに分けて考えてみてください。
この順番なら、栄養は今日から埋まります。好き嫌いのほうは、あせらず時間をかけて減らしていけばよくなります。
うさママ苦手なものを食べさせるのが先じゃないの?



逆です。栄養を先に埋めて、苦手はゆっくり進めましょう。
部活の子の好き嫌いを、無理に直そうとしないほうがいい理由
好き嫌いをすぐ直したくなる気持ちは、指導の現場でもよく分かります。ただ、部活の子の場合は、そこに力を入れすぎると別の問題が起きやすくなります。
練習量が多い時期は、食べる量が落ちるほうが困る
中学生や高校生のバレー部は、練習と移動で疲れて帰ってきます。そこに苦手なものが並ぶと、食卓に向かう気持ちそのものが下がってしまいます。
食べる量が落ちれば、練習で使ったエネルギーを取り戻せません。翌日の動きが重くなり、疲れが抜けにくい状態が続きます。
野菜を1口食べさせることより、主食をしっかり食べ切ってもらうほうが、体づくりへの影響は大きいです。
まずは、ごはんやパンなどの主食と、肉・魚・卵・大豆製品といった主菜が足りているかを見てください。この2つが確保できていれば、当面の土台は守れます。



エネルギー不足ハ 疲レガ抜ケナイ原因ニナル
食べる量そのものが少ない場合は、好き嫌いより先にそちらから整えたほうが早いです。
無理強いは、その食材をさらに遠ざける
苦手なものを食べるまで席を立たせない、という関わり方をすると、多くの場合は逆の結果になります。食材そのものに、嫌な記憶が結びついてしまうからです。
一度そうなると、調理法を変えても手が伸びなくなります。時間が経つほど、選択肢が減っていきます。
大切なのは、食べなかったことを責めない態度を続けることです。食卓に出ているけれど、食べても食べなくても何も言われない状態が、いちばん再挑戦しやすくなります。



つい、ひと口だけでもって言っちゃうのよね…



その言葉が続くと、食卓が交渉の場になってしまいます。
苦手の中身を分ける|何が苦手なのかを書き出す
好き嫌いへの対応が空回りするのは、苦手を1つのかたまりとして扱っているときです。野菜が嫌いという言い方には、実はいくつもの違う理由が混ざっています。
まずは紙に、食べないものを具体的に書き出してみてください。それだけで、打つ手が見えてきます。
苦手の理由は、味・におい・食感・見た目に分かれる
同じピーマンでも、苦みが苦手な子と、においが苦手な子では対応が変わります。食感が理由なら、加熱時間を変えるだけで食べられることもあります。
理由ごとに、試す方向はおおよそ決まってきます。
| 苦手の理由 | よくある食材 | 試してみる方向 |
|---|---|---|
| 味(苦み・酸味) | ピーマン・ゴーヤ・トマト | 加熱して甘みを出す・油と合わせる |
| におい | 魚・レバー・きのこ | しょうがや香味野菜を使う・味を濃いめにする |
| 食感 | なす・きのこ・トマト | 細かく刻む・しっかり火を通す |
| 見た目 | 緑の野菜全般 | 混ぜ込む・見た目の面積を小さくする |
理由が分かると、当てずっぽうで作り直す回数を減らせます。
家庭の負担が軽くなるぶん、続けやすくもなります。
全部だめなのか、調理法しだいで食べられるのかを見分ける
書き出した中には、生では無理でも火を通せば食べられるものが混ざっています。この見分けがつくと、無理なく出せる料理が増えていきます。
たとえば、生のトマトは食べないけれど、煮込んだトマトソースは食べる子は少なくありません。にんじんも、細切りは苦手でもすりおろしなら気づかずに食べることがあります。



見た目が野菜だと、それだけで身構えちゃうんだよね…



だからこそ、形と加熱の仕方を変えて試す価値があります。
本当に何をしても食べないものだけを、代わりの食品で埋める対象として残してください。
栄養の抜けを埋める|苦手な食材の代わりを決めておく
ここが、この記事でいちばん大事なところです。苦手な食材を無理に食べさせなくても、同じはたらきをする食品に置き換えれば、栄養はある程度まで埋められます。
食品ごとの役割を大まかにつかんでおくと、置き換えの判断が早くなります。
野菜が苦手なら、いも類・果物・汁物で補う
野菜が担っているのは、主にビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらは野菜だけでなく、いも類や果物からもとることができます。
じゃがいもやさつまいもは、主食にもなりながらビタミンCを含みます。果物なら、朝食に添えるだけで手間が増えません。
汁物にすると、量を食べやすくなります。細かく刻んだ野菜をみそ汁やスープに入れると、かさが減って食べる負担が軽くなります。



具だくさんのみそ汁なら、うちの子も飲んでくれるかも!



いいですね。汁物は無理なく量を増やせる方法です。
魚が苦手なら、卵・肉・大豆製品でタンパク質を確保する
魚を食べない子は多いですが、タンパク質という点では、卵・肉・大豆製品で代わりになります。体づくりの材料としては、まず量を確保することが優先になります。
大豆製品なら、豆腐・納豆・厚揚げなど、味の主張が少ないものから試しやすいです。卵は調理の幅が広く、練習後の1品を足したいときにも便利になります。
タンパク質をどれくらい食べればいいかの目安は、こちらの記事で整理しています。
牛乳が苦手なら、小魚・大豆製品・チーズでカルシウムを足す
牛乳が飲めない子は、カルシウムの取りこぼしが起きやすくなります。成長期は骨が伸びる時期なので、ここは埋めておきたいところです。
牛乳の代わりになるのは、チーズ・ヨーグルト・小魚・木綿豆腐・小松菜などです。牛乳が苦手でも、ヨーグルトやチーズなら食べられる場合があります。
| 苦手な食材 | 主に抜ける栄養 | 代わりに出せる食品 |
|---|---|---|
| 緑の野菜 | ビタミン・ミネラル・食物繊維 | いも類・果物・具だくさんの汁物 |
| 魚 | タンパク質 | 卵・肉・豆腐・納豆 |
| 牛乳 | カルシウム | ヨーグルト・チーズ・小魚・木綿豆腐 |
| 肉 | タンパク質・鉄 | 卵・大豆製品・赤身の魚 |
骨を強くする食べ方については、こちらの記事でくわしく書いています。
なお、栄養補助食品を使うかどうかは、食事で足りない分をどう考えるかによって変わります。判断に迷うときは、管理栄養士や医師に相談してみてください。
食べられる量を少しずつ増やす、家庭での進め方
栄養の抜けを埋めたら、苦手そのものへの取り組みは、あせらずゆっくり進めていきます。ここで大事なのは、1回で食べさせようとしないことです。
進め方はシンプルで、次の順番になります。
これを続けると、食材に対する構えが少しずつやわらいでいきます。
切り方と味つけを変えて、1口分だけ出す
同じ食材でも、切り方を変えると別の食べ物のように感じられます。細かく刻む、すりおろす、薄く切る、この3つは試す価値があります。
味つけでは、油と組み合わせると苦みがやわらぐことがあります。いためる、チーズと合わせる、といった方法から始めてみてください。
量は、はじめから1口分で十分です。皿に山盛りにすると、それだけで食べる気持ちがなくなってしまいます。



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食べるものを本人に選ばせて、理由を自分でもたせる
中学生以上になると、言われて食べるより、自分で決めたほうが続きます。買い物や調理に少し関わってもらうのは、そのきっかけになります。
私がスクールの選手に伝えているのは、食事は練習の一部だということです。今日食べたものが、明日の練習を支えると分かると、選手の見方は変わってきます。



自分で選んだやつなら、ちょっと食べてみようかな。



その気持ちが出てきたら、もう半分は進んでいます。
食事を自分ごととして考えられるようになる流れは、こちらの記事でも触れています。
買い出しや調理の負担が重い時期は、食材宅配などの手も使えます。
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
うまくいかないときの立て直し方
好き嫌いへの対応は、途中で行き詰まることがあります。よくあるつまずき方は3つで、どれも立て直せます。
失敗1:栄養バランスを気にして、品数を増やしすぎる
心配になると、皿の数が増えていきます。ところが、苦手なものが並ぶ面積が広がるほど、食卓に向かう気持ちは下がります。
品数より、確実に食べ切れる組み合わせを優先してください。主食・主菜・汁物の3つがそろっていれば、形としては十分になります。
失敗2:食べたかどうかを、毎回たずねてしまう
食べられた日をよろこびたくなりますが、毎回の確認は監視のように受け取られます。中学生以上の年代では特に、そこから会話がぎくしゃくしがちです。
声をかけるのは、食べられた日に1回だけで足ります。食べなかった日は、何も言わずに片づけてください。
失敗3:短い期間で結果を求めてしまう
好き嫌いは、1週間や2週間で変わるものではありません。数か月かけて、少しずつ食べられるものが増えていく形が現実的です。
途中で変化が見えなくても、それは失敗ではありません。出し続けているという事実そのものが、次に食べられる下地になります。



何か月も変わらないと、不安になっちゃう…



栄養は代わりの食品で埋まっています。あせらなくて大丈夫です。
体重が減り続ける、極端に食べられるものが減っていくといった場合は、家庭で抱え込まずに医師や管理栄養士へ相談してください。
よくある質問
まとめ:好き嫌いは、時間をかけて減らしていくもの
好き嫌いは、家庭の努力が足りないから起きているわけではありません。順番を変えるだけで、家庭の負担はぐっと軽くなります。
苦手な食材の代わりを先に決める。苦手そのものは、量を減らして出し続ける。この2つだけです。
| 決めること | 具体的な中身 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 順番 | 栄養の抜けを埋めてから、苦手に取り組む | 苦手を克服してから栄養を考える |
| 代わりの食品 | 野菜→いも類・果物・汁物/魚→卵・肉・大豆製品 | 代わりを決めずに心配だけが続く |
| 苦手の出し方 | 1口分に減らして、何も言わずに出す | 山盛りにして、食べるまで待つ |
| 声かけ | 食べられた日に1回だけ | 毎食たずねて確認する |
| 見る期間 | 数か月単位で、ゆっくり見ていく | 1〜2週間で結果を求める |
私は元日本代表として、そして指導者として、食事は次の練習の準備そのものだと考えています。
まずは今日の夕食で、苦手な1品を小皿に少しだけ盛るところから始めてみてください。



少しだけなら、食べてみようって思えるかも!



その積み重ねが、いちばん確実な近道です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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