- ブロックだけ苦手なのに、練習でネットを使える時間が短い
- 相手のスパイカーがいないと、何を練習すればいいかわからない
- 家でジャンプしてみたものの、上手くなった実感がない
こんな悩みを解決します。
ブロックの一人練習でやることは、立ち位置・手の出し方・移動の3つにしぼって構いません。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、ブロックが伸びない選手の多くは跳ぶ力ではなく、跳ぶ前の準備でつまずいていました。
準備の部分は、相手もネットもない場所でこそ落ち着いて作り直せます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ネットも相手もない状態で、ブロックの何を練習すればいいかがわかる
- 家・壁・体育館それぞれでできる具体的なドリルの手順がわかる
- 一人練習でやりがちな失敗と、15分で組む練習の順番がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:一人練習は立ち位置・手の出し方・移動にしぼる
相手のスパイクがない以上、一人でできることは限られます。だからこそ、何をやるかを先に決めておくことが上達の近道になります。
- 立ち位置:ネットからどれだけ離れて構えるかを、足のサイズで覚える
- 手の出し方:脇を締めて、肘を体の前から通す形を固める
- 移動:ボールを見たまま横へ動く足さばきを反復する
この3つ以外は、一人でやらなくて構いません。相手のトスを読む力やスパイカーとの駆け引きは、人がいる場面でしか身につかないからです。
一人の時間は「ネットの前に立ったときに迷わない体」を作る時間だと考えてください。
サルくん相手がいないのに、ブロックの練習ってできるの?



できるよ。むしろ準備の部分は、一人のほうが直しやすいんです。



一人練習ハ準備ヲ作ル
一人練習がブロックに効く2つの理由
そもそも、なぜ相手のいない時間がブロックの上達につながるのでしょうか。理由は大きく2つあります。
立ち位置をゆっくり作り込める
ブロックの吸い込みは、跳び方ではなく構えたときの立ち位置でほぼ決まります。ネットから離れすぎれば体との間に空間ができ、近づきすぎれば手が頭の真上で完成してしまうからです。
コートに入ると、ボールもスパイカーも動いているので、自分の足元を見て確かめる余裕がありません。誰もいない場所なら、何度でも立ち直して距離を測れます。
足のサイズを基準にした距離感は、一度体に入ってしまえば試合中も再現できます。



吸い込むのは、跳ぶのが下手だからだと思ってた…



原因のほとんどは、跳ぶ前の立ち位置にあります。
構えの細かい形は、こちらの記事で写真のように分解しています。
出し遅れを直すのは反復の回数
もう1つは回数です。部活のブロック練習では、順番待ちの列に並んでいる時間のほうが長くなりがちです。
一人なら、15分の間に100回以上手を出す動きを繰り返せます。手が出るのが遅い癖は、頭で理解しても消えず、体が覚えるまで繰り返してようやく直るものです。
ただし、間違った形のまま数を重ねると悪い癖も一緒に固まります。正しい形を知ってから始めることが欠かせません。
一人練習は、正しい形を知ってから始めて初めて効果が出るわけです。
家でできるブロックの一人練習3つ


ここからが実践です。まずは、ボールもネットも使わずに家の中でできる3つを紹介します。
ドリル1:足2足分の立ち位置を作る
壁を1枚のネットだと考えて、壁に正対して立ちます。つま先が壁から足2足分だけ離れた位置が基準です。
足のサイズが25cmの人なら、つま先から壁まで約50cmになります。この距離が、近すぎず離れすぎない中間の立ち位置です。
構えるときは足幅を肩幅よりやや広くとり、母指球に体重を乗せます。膝と股関節を軽く曲げて、いつでも横へ動ける形を作ってください。
手は体の前にセットし、高さは肩を基準にします。
- つま先が壁から足2足分の位置にあるか
- 足幅は肩幅よりやや広く、母指球に体重が乗っているか
- 手が体の前で、肩の高さにセットできているか
相手の攻撃が速いとわかっている場面では、手を顔の高さまで上げておきます。反対に、相手の1本目が乱れて二段トスになりそうな場面は胸の高さで構いません。
このあとクロスオーバーステップで移動し、腕を振り上げて跳ぶので、最初から高く上げておく必要がないからです。



基本ハ肩ノ高サ
立ち位置と吸い込みの関係は、こちらでさらに細かく整理しています。
ドリル2:壁の1点へ手を出す
2つ目は、手の出し方を固める練習です。壁の高いところに、目印としてテープを1本貼ります。
構えの形から、脇を締めてコンパクトに腕を後ろへ引き、肘が体の前を通るように振り上げます。肘の移動が最短距離になるほど、手は速く完成します。
このとき手首は返さず、まっすぐのまま手のひらを壁へ向けてください。目指す形は、両手が床と平行に近い角度で、壁の向こう側へ蓋をするように出ている状態です。
跳ばずに立ったまま、テープの少し上を狙って手を出します。
肘が体の横へ逃げると、引いた勢いが上へ伝わりません。ネットに近づきすぎたときに起きやすい形なので、立ち位置とセットで直していきます。
指は開いて、パーの形を保ったままにしてください。指を閉じたり力を抜いたりすると、実際の場面で突き指の原因になります。



手首って、返さなくていいんだ!?



通常のブロックは、まっすぐのままで大丈夫です。
手の形そのものに不安がある人は、こちらもあわせて読んでみてください。
ドリル3:踏み込みから完成までを数える
3つ目は、自分の時間を知る練習です。最後の踏み込みをしてから手がネットの上で完成するまでに、どれくらいかかるかを体で覚えます。
やり方はシンプルです。構えから軽く沈み込み、跳んで手を出し切るまでを声に出して数えます。
「イチ」で沈み、「ニ」で手が完成する、という具合です。
この長さがわかると、相手の打点を見てからいつ跳べばよいかを逆算できます。ブロックは相手がヒットを迎える瞬間には、すでに壁ができている状態が理想だからです。
跳ぶ前に、自分の頭の上あたりへ相手の打点をイメージしてから始めると、実戦に近い形になります。
タイミングは相手に合わせる前に、まず自分の時間を知ることから始まると考えてください。
跳んだあとは、手を急いで下ろさずネットの上に残すつもりで止めます。相手は打点を早めたり遅らせたりできるので、壁を維持できる時間が長いほど有利になります。
体育館の空きスペースでできる一人練習2つ


床にラインのある場所を使えるなら、ここから2つを足します。部活の前後や、コートが空いている時間で構いません。
ドリル4:ラインに沿って横へ動く
床のラインを1本のネットに見立てて、その手前を横へ移動します。短い距離はサイドステップ、大きく動くときはクロスオーバーステップを使います。
いちばん大事なのは目線です。動く先を見てしまうと、実際の試合ではトスの軌道もスパイカーの準備も見失います。
正面の壁に目印を1つ決めて、そこを見たまま横へ動いてください。胸はできるだけ正面に向けたままにし、真横まで向かないようにします。
止まったら、つま先を正面へまっすぐ向けて跳びます。つま先がまっすぐ向いていると、太ももの外側とおしりの筋肉を使って上方向へ跳べるので、空中で体が流れにくくなります。
- 進行方向ではなく、正面の目印を見続けられているか
- 胸が正面を向いたまま、真横を向いていないか
- 止まったときに、つま先が正面へまっすぐ向いているか
移動しながら跳ぶと、どうしても体が横へ流れます。まずは止まる形を作り、止まってから跳ぶ順番を守ってください。



動く方向を見ないと、こわいかも…



だから普段のうちに、見ないで動ける足を作っておくんですよ。
ステップの種類ごとの使い分けは、こちらで細かく分けています。
ドリル5:連続ブロックジャンプ
2つ目は、跳ぶ力と着地を作る練習です。同じ場所で、ブロックの形を作りながら3回続けて跳びます。
1回ごとに全力で跳ぼうとしなくて構いません。着地したらすぐ次へ移れるよう、膝を軽く曲げてクッションを作りながら跳ぶことを優先します。
3回とも同じ高さで手を出せるかを見てください。3回目だけ手が下がる人は、跳ぶ力より姿勢を保つ力が足りていない状態です。
本数の目安は3回を1セットとして、5セットまでにしておきます。跳ぶ回数を増やすより、1回ごとの形をそろえるほうが試合で使える力になります。



高サヨリ形ヲソロエル
一人練習でやりがちな3つの失敗
同じ時間を使っても、伸びる人と伸びない人がいます。差がつくのは、たいてい次の3つです。
失敗1:高さだけを追いかける
一人になると、つい高く跳ぶことばかりを試したくなります。ところが、いくら高く跳べても手が遅れて出れば、ボールはその横を通り過ぎていきます。
ブロックで先に直すべきは、高さよりも手が完成するまでの速さです。脇を締めて肘を体の前から通す形ができていれば、同じジャンプでも壁は早く立ち上がります。
私の指導現場でも、跳ぶ高さより先に肘の通り道を直します。
高さを伸ばすトレーニングは、形が固まってからで間に合います。
失敗2:跳ぶ回数を増やしすぎる
2つ目は、跳ぶ量です。ジャンプは達成感があるので、つい本数を重ねてしまいます。
成長期の膝や腰は、着地の衝撃を受け続けると痛みが出やすくなります。跳ぶドリルは1日20〜30本を目安にして、痛みがある日は跳ばない選択をしてください。
跳ぶ力は、跳んだ回数ではなく下半身と体幹の強さで伸びていきます。回数を増やすより休みを挟むほうが、結果的に高く跳べるようになるものです。



痛みが出た日は、跳ばない勇気をもってください。
失敗3:自分の形を見ないまま続ける
3つ目が、いちばんもったいない失敗です。感覚だけを頼りに繰り返すと、直したかった癖がそのまま固まってしまいます。
対策はシンプルで、スマホで自分の動きを撮ることになります。自分のイメージと実際の形は、想像以上にずれているものです。
撮った動画は、理想とする選手のブロックと並べて見比べます。肘の通り道・手のひらの向き・着地したときのつま先、この3点だけを見れば十分です。
週に1回でいいので、自分のブロックを撮って見比べる時間を作ると、一人練習の質が変わります。



撮ってみたら、思ってたのと全然ちがった…



そのズレに気づけたことが、もう上達だよ。
15分で組む一人練習メニューの順番
最後に、15分で回す組み方を紹介します。時間が短い日は、前半だけでも構いません。
順番には意味があります。立ち位置と手の形を固めてから動きを足すほうが、遠回りに見えていちばん速い道だからです。
毎日やる必要はありません。週に2〜3回、部活が休みの日に取り入れるくらいがちょうどよい量になります。
きつい練習を我慢して続けた結果、バレーが嫌いになってしまうのが一番よくないことです。物足りないくらいで切り上げて、次の日も体を動かしたい状態を残しておいてください。



物足リナイ量デ続ケル
チーム全員でのブロック練習の組み立て方は、こちらで段階ごとに整理しています。
よくある質問
まとめ:一人の時間は跳ぶ前の準備を作る時間
ブロックの一人練習は、立ち位置・手の出し方・移動の3つにしぼれば十分です。ネットも相手もない場所でできることは、思っているよりたくさんあります。
壁から足2足分で構え、脇を締めて肘を前から通し、正面を見たまま横へ動く。
| 場所 | できるドリル | 主な狙い |
|---|---|---|
| 家の中 | 立ち位置づくり・壁への手出し | 距離感と手の形を固める |
| 家の中 | 踏み込みから完成までを数える | 自分の跳ぶ時間を知る |
| 体育館 | ラインに沿った横移動・連続ジャンプ | 移動と着地を作る |
私は元日本代表として、そして指導者として、ブロックほど準備の差がそのまま結果に出るプレーはないと感じています。



今日は壁の前で、立ち位置からやってみる!



それで十分。足元が決まれば、手はあとからついてくるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ブロックについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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