セッターの声出しとリーダーシップ|スパイカーを動かす指示

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セッターの声出しとリーダーシップでスパイカーを動かす指示
  • セッターになったけど、いつ・何を声に出せばいいのか分からない
  • 自分の声でスパイカーがうまく動いてくれず、攻撃がそろわない
  • 大事な場面で自分まで焦ってしまい、チームが落ち着かない

こんな悩みを解決します。

セッターの声出しで大事なのは、次の攻撃を先に決めて、伝えるタイミングを選ぶことです。声は大きさより、いつ・何を伝えるかで決まります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきましたが、頼れるセッターほど声が大きいわけではなく、伝える中身とタイミングが整理されています。

コート上で一番冷静でいられる選手が、チーム全体を落ち着かせます。声はその冷静さを伝える道具なんです。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • セッターが司令塔として果たす役割と、声を出す目的が分かる
  • スパイカーを動かす指示の中身と、伝えるタイミングが身につく
  • 大事な場面でも冷静でいるための、心の整え方が分かる

トスの基本フォームから知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

それでは、まず結論から見ていきましょう。

目次

結論:セッターの声は「次の攻撃を決めて伝える」道具

セッターがトスを上げた直後に短い指示の声を出しスパイカーが動き出す図解

先に結論からお伝えします。セッターの声出しは、気合いを入れるためのものではありません。

次にどう攻めるかを自分が先に決めて、それを短い言葉でチームに伝えるための道具です。声はあくまで、情報を共有するための技術。

声が大きいだけでは、チームは動きません。大事なのは、誰に・何を・いつ伝えるかが整理されていることです。

セッターはコート上の監督のような立場です。次の1本をどう組み立てるかを考え、味方が迷わず動けるように先回りして言葉をかけます。

つまりセッターの声は、自分の頭の中の作戦を、味方の体に届けるための橋なんです。

あげば

声は大きさより中身です。次の攻撃を先に決めておくと、自然と何を言えばいいか見えてきますよ。

このあと、セッターの役割・声をかけるタイミング・大事な場面での心の保ち方を、順番に見ていきます。

セッターの役割はコート上の監督

セッターはトスを上げる人、と思われがちです。でも本当の役割は、それだけではありません。

サルくん

セッターって、ボールを上げるだけじゃないの…?

トスを上げるのは仕事の一部です。もっと大きな役割は、次の1本をどう攻めるかを決めて、チームを動かすことにあります。コート上の監督のような立場なんです。

監督はベンチから試合の流れを読み、選手に指示を出します。セッターはコートの中で同じことをします。だから必要なのは、返ってきたボールに反応する力ではなく、先を読んで動く力。

あげば

トスは手段で、目的は得点です。どうやって点を取るかを考えるのがセッターの本当の仕事なんですよ。

次の攻撃を「先に」決めておく

司令塔として一番大事なのは、ボールが返ってくる前に次の攻撃を決めておくことです。

レシーブが上がってからどこに上げるか考えていては、間に合いません。相手のサーブやスパイクが来る前に、もしこう返ったら、ここに上げるという見通しを持っておきます。

先に決めておけるから、味方にも早く伝えられます。逆に、決めるのが遅いと声も遅れ、スパイカーは助走の準備ができません。

あげば

上手なセッターほど、ボールが来る前にもう次の絵が見えています。考える時間を前倒しするイメージですね。

アタッカーの調子を落とさないことを最優先にする

配球で迷ったとき、何を基準に決めればいいのか。答えはアタッカーの調子を落とさないことを最優先にする、です。

セッターはつい、相手のブロックばかり気にしてしまいます。でも私がスクールで最初に伝えるのは、味方のスパイカーが気持ちよく打てる状態を保つことの方が大事だ、という一点です。

調子のいいスパイカーには、そのリズムを崩さないトスを続ける。元気のない選手には、打ちやすいトスで自信を取り戻させる。こうした気配りも、声と配球で伝えていきます。

サルくん

セッターって、味方の調子まで見てるんだ! ただ上げるだけじゃないんだね。

決定率を数字で大まかにつかんでおくと、誰が今打ててどこに迷っていないかが見えてきます。監督が選手を見るのと同じ目線を、セッターも持ってみてください。

配球の考え方そのものを深く知りたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

ここまでが役割の話です。次は、その役割を声でどう届けるか、タイミングの話に入っていきます。

スパイカーを動かす声は「トスを上げてから」が基本

トスを上げる前に声を出す悪い例と上げてから声を出す良い例の比較図

ここが、この記事でいちばん大事なところです。スパイカーへ攻撃を指示する声は、トスを上げてから出すのが基本になります。

サルくん

え、上げる前に「レフト!」って言うんじゃないの!?

そう思いますよね。でも、トスを上げる前に行き先を口に出すと、相手にコースを読まれてしまいます。せっかくの攻撃が、ブロックに先回りされるんです。

だから攻撃の行き先を伝える声は、手からボールが離れたあと、トスが上がってから出します。これでスパイカーには伝わり、相手には読まれにくくなります。

あげば

攻撃の声は、上げてから。これだけで相手に読まれるリスクがぐっと減りますよ。

上げる前に出していい声・出してはいけない声

声には、上げる前に出していいものと、上げてから出すべきものがあります。ここを分けて考えると、整理しやすくなります。

声を出すタイミングの使い分け
  • 上げる前に出してよい声:誰がレシーブするか、自分が上げるという合図など、行き先を相手に教えない声
  • 上げてから出す声:レフト・ライトなど、攻撃のコースや行き先を伝える声

味方同士の連携を整える声は、上げる前でも問題ありません。むしろ早めに伝えた方が、チームは動きやすくなります。

一方で、攻撃のコースそのものを示す声は、トスを上げてからにします。行き先を先に言うと、相手のブロックがそこへ集まってしまうからです。

バボット

レンケイノコエ=アゲルマエ / コウゲキノコエ=アゲテカラ

この線引きを覚えておくと、いつ何を言えばいいか迷わなくなります。連携は早く、攻撃は上げてから、と整理しておきましょう。

短い言葉で伝える

声かけは気合いではなく、情報を共有する技術です。だからこそ、短い言葉で、相手が動ける情報だけを伝えることが大切です。

長い指示は、プレー中には届きません。一瞬で判断して動く場面で、何文も話している余裕はないからです。

レフト・ライト・速いトスでいく、といった一言で十分です。短いほど、スパイカーは聞いた瞬間に体を動かせます。

あげば

声は短く、はっきりと。相手が動くために必要な情報だけにしぼると、ちゃんと伝わりますよ。

伝えたい中身が多いときは、試合前やタイムアウトでまとめて話します。プレー中の声は、その場で動くための合図だけに絞るのがコツです。

サーブカット前にスパイカーの名前を呼んで確認する

声は攻撃のときだけのものではありません。実は、相手がサーブを打つ前のひと声が、攻撃の組み立てを大きく左右します。

相手のサーブが来る前に、セッターはスパイカーの名前を呼んで、攻撃に入れるかを確認しておきます。今この1本で誰が打てるのかを、先に把握しておくためです。

サルくん

打つ前に名前を呼ばれると、よし来た!って気持ちになるよね。

名前を呼ぶことには、もう1つ大事な意味があります。スパイカー本人に「君に上げるかもしれない」と準備をうながせること。呼ばれた選手は、助走の心構えができます。

誰が打てる状態かを先に把握する

サーブが来る前に確認しておきたいのは、それぞれのスパイカーが攻撃に入れる位置と状態にいるか、です。

レシーブに参加していて助走が間に合わない選手もいれば、フリーで打ちにいける選手もいます。これをボールが来る前に把握しておくと、トスの選択が速くなります。

把握できていないと、レシーブが上がってから慌てて行き先を探すことになります。これでは、せっかくのいい返球も生かせません。

あげば

誰が打てるかを先に知っておくだけで、迷う時間が消えます。準備の差が、そのままトスの速さになるんですよ。

自分が取る・任せるの声で連携を整える

サーブが来る瞬間には、もう1つ大事な声があります。レシーブを誰が取るのかをはっきりさせる声です。

どちらも取れるボールは、先に声を出して動き出した人が取るのが基本です。お見合いを防ぐために、相手がサーブを打った瞬間に、自分が取るのか任せるのかを声で伝え合います。

セッターも、自分のところへ来るボールなら早めに声を出します。逆に味方に任せるなら、はっきり譲る声を出して、レシーブに集中してもらいます。

バボット

ムゴンノオミアイ=シツテンノモト / サキニコエ=サキニウゴク

この一瞬の声かけがあるかないかで、お見合いによる失点はぐっと減ります。連携の声は、攻撃の声と同じくらい大事なんです。

司令塔は自分が一番冷静でいる

声出しや配球の土台になるのが、セッターの心の状態です。最後に、一番大事なことをお伝えしましょう。それは、コートの中で自分が一番冷静でいることです。

サルくん

でも大事な場面って、どうしても焦っちゃうよ…。

その気持ちはよく分かります。だからこそ、セッターが落ち着いていることに意味があるんです。司令塔が慌てると、その焦りはチーム全体に伝わってしまいます。

逆に、セッターが落ち着いていれば、味方も「大丈夫だ」と感じて自分のプレーに集中できます。冷静さそのものが、チームへの一番のメッセージ。

あげば

自分が落ち着いていることが、味方への一番の声かけになります。表情と声に、その冷静さがにじみ出るんですよ。

25点を取り切る展開を描いておく

冷静でいるためには、その場の1点に一喜一憂しすぎないことが大切です。セッターは、序盤・中盤・終盤の展開を頭に描いて、25点を取り切る組み立て役だからです。

序盤はいろいろな攻撃を試して、相手の反応を見ておきます。その情報をもとに、終盤に向けて決定率を上げていく。こうした見通しがあると、1本のミスで動じなくなります。

1点ごとに気持ちが上下すると、判断もブレます。だからこそ、試合全体の流れを先に描いておきましょう。

あげば

1点に一喜一憂するより、25点をどう取り切るか。大きな絵を持っていると、心が安定しますよ。

表情と声で安心感を伝える

冷静さは、心の中だけにとどめておくものではありません。表情と声に出して、味方に伝えることが大事です。

ミスが続いた味方には、責めるのではなく次に向かう一言をかけます。次いこう、切り替えよう、といった短い声が、チームの空気を立て直します。

サルくん

セッターが落ち着いてると、こっちまで安心して打てるんだよね!

セッターの表情と声は、チーム全体の鏡です。自分が落ち着いて、前向きな言葉をかける。それだけで、味方は自分の力を出しやすくなります。

最初はうまくいかなくて当然です。できなかったことを悔やむより、味方のいいプレーに声をかけるところから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

セッターはどのくらいの声の大きさで指示すればいいですか?

大きさより、相手に届く短さとはっきりした言葉が大切です。味方が聞き取れる範囲で、レフト・ライトなどの一言を明確に伝えれば十分です。声を張り上げることより、伝える中身とタイミングを意識してください。

攻撃の行き先は、本当にトスを上げる前に言ってはいけませんか?

行き先を相手に教えてしまうため、上げる前は避けるのが基本です。コースを伝える声はトスを上げてから出します。一方で、誰がレシーブするかなど連携の声は、上げる前に出して問題ありません。

声を出すのが苦手でも、セッターは務まりますか?

務まります。大声を出すより、次の攻撃を先に決めて短く伝える整理の方が大事です。まずは相手のサーブ前にスパイカーの名前を呼ぶ、レシーブで取る・任せるを伝える、この2つから始めてみてください。

大事な場面で焦らないようにするには、どうすればいいですか?

1点ごとに気持ちを上下させず、試合全体で25点を取り切る流れを頭に描いておくことです。序盤に攻撃を試して終盤に決定率を上げる、という見通しがあると、1本のミスで動じにくくなります。

まとめ

セッターの声出しは、気合いではなく次の攻撃を決めて伝えるための技術です。

連携の声は上げる前・攻撃のコースの声は上げてから・サーブ前に名前を呼んで確認する。この使い分けが、スパイカーを迷わせず動かします。

そして何より、司令塔である自分が一番冷静でいること。その落ち着きが、表情と声を通してチーム全体に伝わります。

サルくん

声は大きさじゃなくて、いつ・何を言うかなんだね! まずはサーブ前に名前を呼ぶところからやってみる!

あげば

その一歩で十分です。次の攻撃を先に決めて、短く伝える。それができれば、チームは自然とまとまっていきますよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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