バレー選手の水分補給|練習中に飲む量とタイミング

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バレーの水分補給のアイキャッチ。体育館でサルくんがスクイズボトルで水分補給し、あげばが紙コップを手に親指を立てて見守る
  • 練習中にどれくらい水を飲めばいいのか分からない
  • 休憩のときに、つい一気にがぶ飲みしてしまう
  • 水とスポーツドリンクのどちらを飲めばいいか迷っている

こんな悩みを解決します。

練習中の水分補給は、15〜20分ごとに150〜250mlを目安に少しずつ飲み、汗で減る体重を2%以内に抑えるのが基本です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

この記事では、日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(第6版)や、アメリカスポーツ医学会(ACSM)などの共同声明をもとに解説します。

飲む量とタイミングに加えて、自分の汗の量を知る方法や、飲み物の選び方も紹介していきます。

読み終わるころには、次の練習で何をどれだけ飲めばいいか、自分で決められるようになるはずです。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 練習の前・中・後に飲む量の目安がわかる
  • 体重を測って、自分の汗の量を知る方法がわかる
  • 水とスポーツドリンクの使い分けがわかる
目次

結論:少しずつこまめに飲み、体重の減りを2%以内に

結論からお伝えします。水分補給の目標は、練習で汗をかいて減る体重を2%以内に抑えることです。

日本スポーツ協会のガイドブックでは、暑い中で運動するときは、15〜20分ごとに150〜250mlの飲み物を飲むことがすすめられています。

一気にたくさん飲むのではなく、少しずつ回数を分けるのがポイントです。

ただし、汗の量は人によって大きく違います。決まった量を守るより、自分の汗の量に合わせて飲むことが大切なんですよね。

サルくん

人によって、飲む量が違うんですね!

あげば

そう。だから自分の汗の量を知っておくと安心だよ。

この記事のポイント
  • 汗で減る体重は2%以内が目安(50kgの選手なら1kgまで)
  • 練習中は15〜20分ごとに150〜250mlを少しずつ
  • 練習前後に体重を測ると、自分の汗の量がわかる
  • 汗を多くかく日は、塩分と糖分を含む飲み物を選ぶ
  • 水の飲みすぎにも気をつける
バボット

スコシズツ コマメニ ノム

水分補給がバレー選手にとって大事な理由

バレーは、ジャンプやダッシュをくり返すスポーツです。体育館の中でも、練習が長くなれば汗の量は多くなります。

体重の2%を超える脱水で、動きが落ちる

ガイドブックによると、運動中の汗の量は、1時間に2リットルにもなることがあります。

そして、汗で失った水分が体重の2%を超えると、運動能力への影響が大きくなるとされています。

体重50kgの選手なら、2%は1kgです。練習の後で体重が1kg以上減っていたら、飲む量が足りていなかったサインといえます。

サルくん

1kgって、思ったより少ないかも…。

同じガイドブックでは、バレーやバスケット、サッカーなど運動量の多い種目では、スポーツ少年団の調査で、2時間半ほどの練習で1リットル以上の汗をかくことも紹介されています。

飲みすぎも体によくない

水分は多ければ多いほどよい、というわけではありません。

汗で減った分よりも多く水を飲み続けると、血液の中の塩分(ナトリウム)がうすくなる低ナトリウム血症が起こることがあります。

だるさや吐き気、こむら返りなどの症状が出て、重い場合は命にかかわることもあります。

ガイドブックでも、決められた量の水を無理に飲み続けることは避けるよう書かれています。

あげば

足りなくても、多すぎても体には負担になるんだ。

体重を測って自分の汗の量を知る

自分にちょうどよい量を知るいちばんの方法は、練習の前と後に体重を測ることです。

練習の前後に体重を測る手順

体重計があれば、次の手順で汗の量がわかります。

STEP
練習の前に、トイレをすませてから体重を測る
STEP
練習中に飲んだ量を覚えておく(500mlのボトル何本分かでOK)
STEP
練習の後に、汗をふいて同じ服装で体重を測る
STEP
「練習前の体重−練習後の体重+飲んだ量」を計算する

たとえば、練習前が50.0kg、練習後が49.4kgで、練習中に1Lを飲んでいたとします。この場合、汗の量はおよそ0.6kg+1.0kg=約1.6kgです。

1kgはおよそ1Lと考えてよいので、この練習では約1.6Lの汗をかいたことになります。練習時間で割れば、1時間あたりの汗の量もわかります。

サルくん

体重計に乗るだけで、汗の量がわかるんですね!

体重の減り方で飲む量を見直す

計算した結果は、次のように使います。

練習後の体重の減り考え方
2%以上減っている飲む量が足りていない。次は回数を増やす
0〜2%減っているちょうどよい範囲
練習前より増えている飲みすぎの可能性。量をひかえめに

暑い日と寒い日、練習の長さによっても汗の量は変わります。何回か測ってみると、自分の傾向が見えてくるでしょう。

ガイドブックでは、毎朝起きたときに体重を測る習慣も、体調管理に役立つとされています。

あげば

何回か記録すると、自分にちょうどいい量がわかってくるよ。

練習の前・中・後の飲み方

ここからは、練習の前・中・後に分けて、飲み方の目安を見ていきます。

練習前:2〜4時間前から少しずつ飲んでおく

ACSMなどの共同声明(2016年)では、運動の2〜4時間前に、体重1kgあたり5〜10mlの飲み物をとることが示されています。体重50kgなら250〜500mlです。

ただし、これは大人の選手を主な対象にした目安です。学校がある日は、昼ごはんや休み時間に水筒の飲み物を飲んでおくだけでも十分な準備になります。

おしっこの色がうすい黄色なら、体の水分は足りている目安になります。色が濃いときは、練習前に少し多めに飲んでおきましょう。

練習前の食事のとり方は、こちらの記事でまとめています。

練習中:15〜20分ごとに150〜250ml

練習中は、15〜20分ごとに150〜250mlが目安です。コップ1杯(約200ml)前後の量と考えると、イメージしやすいでしょう。

バレーの練習は、メニューの切りかえで少し時間があくことが多いはずです。メニューが変わるタイミングで、2〜3口ずつ飲むと決めておくと、飲み忘れが減ります。

試合の日は、タイムアウトやセット間が飲めるタイミングです。のどが渇いたと感じたら、がまんせずに飲みましょう。

サルくん

メニューが変わるたびに飲むなら、忘れなさそうです。

ガイドブックによると、1時間前後の短い運動なら、のどの渇きに合わせて自由に飲むだけでも、脱水は2%以内に抑えられます。

一方で、長い練習や強度の高い練習では、のどの渇きだけに頼らず、計画的に飲むことが必要です。

あげば

長い練習の日ほど、飲むタイミングを先に決めておこう。

練習後:減った体重の1.25〜1.5倍を食事と一緒に

練習の後は、汗で減った分を取り戻します。

共同声明では、減った体重1kgあたり1.25〜1.5Lの飲み物をとることが示されています。練習が終わった後も、汗やおしっこで水分は出ていくため、減った分より少し多めに飲む必要があるからです。

ただし、一気に飲む必要はありません。帰り道や夕ごはんの汁物、牛乳なども合わせて、寝るまでに少しずつ取り戻しましょう。

練習後の食事のタイミングは、こちらの記事でくわしく紹介しています。

水とスポーツドリンクの選び方

何を飲むかも、水分補給の大切なポイントです。

汗が多い日は塩分と糖分を含むものを

汗には、水分だけでなく塩分も含まれています。ガイドブックでは、0.1〜0.2%の食塩と、4〜8%の糖質を含む飲み物が効果的とされていて、一般のスポーツドリンクが使えます。

糖質が多すぎる飲み物は、胃にたまりやすくなります。ジュースや炭酸飲料は、水分補給のメインにしないほうがよいでしょう。

1時間前後の軽い練習なら、水やお茶でもかまいません。長い練習や暑い日、汗を多くかく日は、スポーツドリンクを用意しておくと安心です。

バボット

アセ ガ オオイ ヒ ハ エンブン モ

ラベルの食塩相当量を見る

スポーツドリンクを選ぶときは、ラベルの栄養成分表示を見てみましょう。

ガイドブックによると、100mlあたりの食塩相当量が0.1〜0.2gなら、0.1〜0.2%の食塩水と同じ濃さになります。

確かめるところ目安
食塩相当量(100mlあたり)0.1〜0.2g
炭水化物・糖質(100mlあたり)4〜8g
サルくん

ラベルを見れば、自分でも選べるんですね!

水筒やスクイズボトルの容量の決め方は、こちらの記事を参考にしてください。

冬や体育館で気をつけること

水分補給は、夏だけのものではありません。

冬はのどが渇きにくい

共同声明では、寒い中での運動は、のどの渇きを感じにくくなったり、トイレに行きたくないために飲む量をひかえたりして、水分が不足しやすいとされています。

冬の体育館でも、長袖や上着を着たまま動けば汗をかきます。冬も夏と同じように、練習の前後で体重を測ってみるのがおすすめです。

サルくん

冬は、ほとんど飲んでいなかったかも…。

暑い日は熱中症にも気をつける

夏の体育館は、風が通りにくく、暑さがこもりやすい場所です。水分補給だけでなく、練習の内容や休憩のとり方も変える必要があります。

体育館での熱中症の防ぎ方は、こちらの記事でまとめています。

頭が痛い、吐き気がする、ふらふらするなど、いつもと違う体のサインがあるときは、すぐに練習をやめて、まわりの大人や指導者に伝えてください。

水分補給でよくある失敗

最後に、練習の場面でよく見かける失敗と、その直し方を紹介します。

休憩のたびに一気にがぶ飲みする

長い時間がまんしてから一気に飲むと、お腹がたぷたぷして動きにくくなります。

少ない量を、回数を分けて飲むほうが体にやさしい飲み方です。のどが渇く前に、2〜3口ずつ飲むくせをつけましょう。

水筒が練習の途中で空になる

練習の後半で水筒が空になると、いちばん汗をかく時間に飲めなくなります。

体重を測って分かった汗の量をもとに、水筒の大きさを決めましょう。足りないときは、2本目を用意しておくと安心です。

汗をたくさんかく日も水だけを飲む

汗を多くかく日に水だけを大量に飲むと、体の中の塩分がうすくなってしまいます。足がつりやすい人は、水分と塩分の両方が足りていないことも考えられます。

足がつる原因と予防のしかたは、こちらの記事を参考にしてください。

あげば

汗の量に合わせて、飲む物も変えていこう。

バレー選手の水分補給についてよくある質問

練習中に飲む水は、冷たいほうがいいですか?

ガイドブックでは、飲みやすい温度の飲み物をとることがすすめられています。暑い日は、冷やした飲み物のほうが飲みやすく、体を内側から冷やす助けにもなります。お腹が冷えやすい人は、冷やしすぎないように調節しましょう。

麦茶でも水分補給になりますか?

麦茶も水分補給になります。1時間前後の練習や、汗が少ない日なら十分です。ただし、塩分や糖分はほとんど含まれていないので、汗を多くかく日はスポーツドリンクも合わせて用意しておくと安心です。

スポーツドリンクは、水でうすめて飲んでもいいですか?

うすめると、塩分や糖分の濃さも下がります。汗を多くかく日に、うすめたものだけを飲み続けると、塩分が足りなくなることがあります。甘さが気になるときは、ラベルの食塩相当量と炭水化物の量を見て、自分に合う商品を選んでみてください。

練習中にトイレに行きたくなるのが心配です。

一度にたくさん飲むと、トイレが近くなりやすくなります。少しずつ回数を分けて飲み、練習前の体重と練習後の体重を比べて、自分にちょうどよい量を見つけていきましょう。

まとめ:自分の汗の量に合わせて少しずつ飲む

この記事では、バレー選手の水分補給の量とタイミングを、日本スポーツ協会のガイドブックやスポーツ栄養の声明をもとに紹介しました。

練習中は15〜20分ごとに150〜250mlを少しずつ飲み、汗で減る体重を2%以内に抑える。

場面目安
練習前2〜4時間前から少しずつ。おしっこがうすい黄色ならOK
練習中15〜20分ごとに150〜250ml
練習後減った体重1kgあたり1.25〜1.5Lを、食事と一緒に
飲む物汗が多い日は食塩0.1〜0.2%・糖質4〜8%の飲み物

まずは次の練習で、練習の前と後に体重を測ってみてください。自分の汗の量が分かれば、水分補給はもっと簡単になります。

サルくん

次の練習から、体重を測ってみます!

あげば

汗の量がわかれば、最後まで動ける体を作れるよ。

参考にした資料

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

食事・栄養については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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