- 週2回しか体育館が取れず、何から手をつけるか毎回迷ってしまう
- メニューは用意しているのに、時間が足りずゲーム形式まで届かない
- 中学生向けの練習を、そのまま小学生にやらせていいのか不安
こんな悩みを解決します。
小学生の練習メニューは、やる順番を固定して、基礎とゲーム形式の配分を先に決めるだけで形になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を指導してきましたが、以前は小学生も教えていました。
育成年代でいちばんもったいないのは、時間切れで毎回同じところまでしか進まないことです。
先に配分を決めておけば、その日いちばんやりたい練習まで必ず届きます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 週2回・2時間の練習をそのまま組める時間配分が手に入る
- 小学生の体に合わせて練習量を決める基準がわかる
- 人数が少ない日・多い日の回し方に迷わなくなる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:順番を固定し、基礎7割・ゲーム形式3割で配る

先に結論からお伝えします。
小学生の練習メニューは、アップ→基礎→対人→ゲーム形式→片付けの順を毎回固定し、ボールを触る90分を基礎7割・ゲーム形式3割で配ると決まります。
順番を固定するのは、選手が次にやることを覚えられるからです。説明にかかっていた時間が、そのままボールに触る時間に変わります。
- アップ・体づくり:20分
- 基礎練習(パス・サーブ):40分
- 対人・3人組:25分
- ゲーム形式:25分
- 片付け・ふり返り:10分
アップと片付けを除いた90分のうち、基礎と対人で65分・ゲーム形式で25分。これがおよそ7対3の配分になります。
れおコーチメニューは作るんですが、毎回時間が足りなくなってしまって…。



足りなくなるのは、配分を決める前に始めているからだよ。
小学生は1つの練習を長く続けるほど、動きが雑になっていきます。短く区切って種目を変えるほうが、同じ時間でも身につきやすいんですよね。



シュウ2カイナラ 基礎ヲ削ラナイ
では、中学生のメニューとの違いから順に見ていきます。
小学生の練習メニューが中学生と違う3つの理由
中学生のメニューをそのまま短くすると、いちばん大事なところから削れてしまいます。理由を先に知っておくと、削る場所を間違えません。
理由①:体がまだできあがっていない
小学生は骨が伸びている途中の時期です。筋肉や腱が引っ張られやすく、同じジャンプでも膝やかかとに負担が残りやすくなります。
だから跳ぶ・走るを長く続ける練習は、時間で区切って入れるのが安全です。
重い器具を使ったトレーニングも、この年代ではいりません。自分の体重を支えて動けるようになれば十分です。
理由②:集中が続く時間が短い
1つのドリルを20分続けると、後半は体だけ動いている状態になりがちです。数だけこなして、狙いが頭から消えてしまいます。
数を数えたり種目を変えたりして、10分から15分で区切ってみてください。同じ時間でも、中身が濃くなります。



同じ練習が続くと、だんだん何をしてるか分からなくなる…。



だよね。だから短く区切って、そのたびに狙いを言い直すよ。
理由③:力が弱く、道具が合わないと動きが崩れる
ボールが重いと、腕を振って無理に飛ばそうとします。せっかく教えたフォームが、道具のせいで崩れてしまうんです。
小学生は軽量4号球が基本になります。腕が痛くならないので、こわがらずに面を作って待てるようになります。
使うボールで迷っているときは、こちらの記事が参考になります。
2時間の練習メニュー|アップから片付けまでの流れ
ここからは、2時間をそのまま埋められる形にしていきます。
| 時間 | 内容 | その時間の狙い |
|---|---|---|
| 20分 | アップ・体づくり | 体を温め、止まる・向きを変える動きを出す |
| 40分 | 基礎練習(パス・サーブ) | その日いちばん伸ばしたい1つを終わらせる |
| 25分 | 対人・3人組 | 止まって返す形を、動きながらでも出せるようにする |
| 25分 | ゲーム形式 | 練習した動きが、ラリーの中で出るかを見る |
| 10分 | 片付け・ふり返り | できたことを言葉にして、次回につなぐ |
前半60分:土台を作る時間にする
前半はアップと基礎で60分です。ここでその日にいちばん伸ばしたい1つを必ず終わらせると決めてください。
後半に回すと、人数や進み具合で削られてしまいます。大事なものほど前に置くのが安全です。
アップ20分は、走るだけにしないのがコツになります。鬼ごっこを3分ほど入れ、ステップを5分、2人組の軽いパスを10分。これだけで体も気持ちも練習に入ります。
基礎の40分は、アンダーパス15分・オーバーパス10分・サーブ15分あたりが標準です。その日のテーマにしたものだけ、5分多く取ります。
後半60分:実際のラリーへ近づける
後半は対人とゲーム形式で50分、最後の10分を片付けとふり返りにあてます。
対人の25分では、止まって返す練習と、動いて返す練習を分けてください。いきなり動かすと、面が崩れたまま本数だけが増えていきます。
ゲーム形式は3対3か4対4で十分です。勝ち負けよりも、今日やった動きが出たかどうかを見てあげてください。



最後の10分、つい片付けだけで終わってしまいます。



1人1つ、できたことを言ってから帰るだけで十分だよ。
年代や目的に合わせた組み立て方は、こちらでまとめています。
週2回で伸ばす基礎の順番|パス・サーブ・スパイク
週2回だと、あれもこれもは入りません。伸びる順番に並べておくことが、そのまま時間の節約になります。
おすすめは、2回の練習でテーマを分ける組み方です。1回目はパスを中心に、2回目はサーブとスパイクを中心に。こうすると1週間で3つとも触れます。
①パス:アンダーの面から作る
最初に作るのはアンダーパスの面です。核になるのは、両手の親指が揃っているか。
親指が揃うと面が揃い、ボールが真っすぐ返ります。組み方は、まずオーソドックスな形(指を重ねる組み方)から入ってください。
見るのは、組んだ瞬間ではなくボールを触った後です。触った後も親指が残っていれば合格にしましょう。
私がスクールで最初に見るのも、この触った後の親指です。



触ったあとも親指が並んでるか、を見ればいいんだ!



そう。組んだ瞬間だけキレイでも、そこは見ないからね。
強く握ると腕が痛くなります。組むのは軽く、指は触れているだけで十分だと伝えてください。
1人でできる壁パスを宿題にしておくと、週2回のすき間が埋まります。
②サーブ:フローターサーブから入る
サーブはフローターサーブから取り組みます。体のひねり戻しで打つ形が、そのままスパイクにつながるからです。
どうしても入らない子にだけ、アンダーハンドサーブを使ってください。体重移動でボールを運ぶ感覚を、先に覚えられます。
アンダーハンドサーブは片手で打つサーブで、両手を組むアンダーパスとは別物です。ここを混ぜたまま教えないよう気をつけてください。
③スパイク:立った形から作る
スパイクは、いきなり助走をつけないほうが早く形になります。
跳びながら腕も振ろうとすると、どちらも中途半端になります。動かない状態でフォームを固めてから、下半身の動きを足していく順番です。



立位デ形 → 助走 → 着地
小学生の体を守る3つの決めごと
小学生の練習で怖いのは、量そのものより、同じ動きだけが積み重なることです。
- 膝・かかと:ジャンプの着地をくり返したとき
- 肩・ひじ:サーブやスパイクの打ち込みが続いたとき
- 腰:低い姿勢と、体を反る動きを長く続けたとき
決めごと①:跳ぶ量は本数ではなく時間で区切る
ジャンプを使う練習は、本数ではなく時間で区切ってください。本数だと、疲れた選手が最後まで無理をして合わせてしまうからです。
連続で跳ぶ練習は長くても10分ほどにして、次は跳ばない種目を入れる。この交互の組み方が、いちばん簡単な予防になります。
決めごと②:同じ動作を続けてくり返さない
打ち込みだけを30分続けるより、10分ずつ3種目に分けたほうが、体にも集中にもやさしくなります。
同じ動きが続くと、疲れた場所をかばって別の場所が痛くなることもあります。
決めごと③:痛みが出た子は、その日の練習から外す
痛いと言った子には、その日はその動きをさせないと決めておきましょう。
腫れや内出血がある場合、痛みが続く場合は、期間にかかわらず整形外科に相談してください。がんばらせることと、痛みを我慢させることは別です。



少し痛いくらいなら、と続けさせてしまったことがあります…。



そこは止めよう。休ませるのも指導者の仕事だよ。
練習が最後まで続く3つの工夫


小学生の練習でいちばん避けたいのは、きつすぎてバレーボールが嫌いになってしまうことです。
走り込みを増やせば強くなる、というものではありません。楽しく続いたチームのほうが、結果として長く伸びます。
- アップを鬼ごっこやしっぽ取りにして、遊びから入る
- 何回続いたかを数えて、前回の記録と比べる
- できなかったところより、できたところを先に伝える
鬼ごっこは遊びに見えて、止まる・向きを変えるという守備の動きそのものです。楽しんでいるうちに、必要な動きが入っていきます。
記録を数えるのも効きます。勝ち負けだけだと同じ子が勝ち続けますが、記録なら全員が自分の前回と比べられるからです。



前より続いた!って分かると、もう1回やりたくなる。



その気持ちが、いちばん強い練習になるんだよね。
最初はできないところばかりで当たり前です。私もスクールの選手たちには、できなかった点より先にできた点を伝えるようにしています。
できたところを先に伝える指導から入ると、次の週もまた体育館に来てくれます。
人数が少ない日・多い日の回し方
週2回のチームほど、その日の人数が読めません。先に2つの型を持っておくと、朝の点呼で慌てずにすみます。
6人に満たない日:ボールを止めない形にする
人数が少ない日は、並んで待つ練習をやめます。2人1組・3人1組にして、全員が同時にボールを触る形にしてください。
待っている時間が長いほど、人数の少なさが不利に変わります。裏を返せば、止めずに回せた日は1人あたりの本数で勝てます。
ボールは部員1人につき1球あるのが理想です。そろわないうちは、少ない球を2か所・3か所で同時に回して、止まる時間をなくしましょう。
少人数のチームの組み立ては、こちらでくわしく書いています。
20人を超える日:待ち時間に役割を持たせる
人数が多い日は、コートに入れない子が必ず出ます。その子たちに、数を数える・ボールを渡す・気づいたことを伝えるといった役割を渡してください。
見る役は、ただ立っている時間とは別物になります。人のフォームを見た経験は、自分の番で効いてくるからです。
何を見るかを1つだけ決めてあげると、さらに効きます。今日は親指、今日は膝の高さ、という具合に1点にしぼってください。



見る係も練習のうち、と伝えればいいんですね。



うん。見る場所を1つ決めると、戻ってきた時の動きが変わるよ。
まとめ:配分を決めれば、週2回でも伸びる
週2回でも、順番と配分を先に決めておけば、やりたい練習まで必ず届きます。
順番を固定し、前半で基礎を終わらせ、跳ぶ量は時間で区切る。この3つだけで、練習の中身は変わります。
| 場面 | 決めておくこと |
|---|---|
| 2時間の流れ | アップ20分→基礎40分→対人25分→ゲーム形式25分→片付け10分 |
| 基礎の順番 | アンダーの面→フローターサーブ→立った形からのスパイク |
| 体を守る | 跳ぶ量は時間で区切る・同じ動作を続けない・痛みが出たら外す |
| 人数が少ない日 | 2人1組・3人1組にして、ボールを止めない |
| 人数が多い日 | 待つ子に、数える・見る・渡すの役割を渡す |



順番が同じだと、次に何やるか分かって動きやすい!



その分だけボールに触れるからね。まずは配分から決めてみよう。
私は元日本代表として活動してきましたが、育成年代で効くのは派手な裏技ではなく、この地味な配分です。
次の練習で、まず時間配分だけ紙に書いてみてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーボールの練習メニューについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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