バレーボール練習メニュー大全|年代別・目的別の組み立て方

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バレーボールの練習メニューを年代別・目的別に組み立てる方法の解説アイキャッチ
  • 練習メニューがいつも同じで、マンネリになっている
  • 何を優先して練習させればいいのか、自信がない
  • 時間も人数も限られていて、メニューの組み方に迷う

こんな悩みを解決します。

では、何から決めればいいのでしょうか。答えはシンプルで、「試合で勝つために今いちばん足りないもの」から逆算して組み立てることに尽きます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきて感じるのは、伸びるチームと伸び悩むチームの差が、練習量よりも「メニューの目的がはっきりしているか」に表れるということ。

同じ60分でも、目的から逆算したメニューに変えるだけで、選手の集中も上達のスピードも大きく変わります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  1. 練習メニューを組み立てる3つの原則がわかる
  2. 年代別・目的別のメニューの考え方がわかる
  3. 平日60分・休日3時間のモデル例をそのまま使える

なお、指導者としての関わり方全体を一度整理したい方は、学習マップにあたる次の記事から読み進めるとつながりが見えやすくなります。

それでは、詳しく見ていきましょう。

目次

結論:練習メニューは「試合からの逆算」で組み立てる

先に結論からお伝えします。練習メニューは、思いつきや伝統ではなく、直近の試合で見えた課題から逆算して組み立てます。

メニューづくりの3原則
  1. 試合の失点を数えて、いちばん多い原因から練習する
  2. サーブとサーブレシーブを最優先に時間を割く
  3. 1人あたりのボールに触る回数をできるだけ増やす
れおコーチ

メニューって、正直いつも何から決めればいいか迷うんですよね…

あげば

まずは前の試合を思い出して、失点の種類を数えることから始めるといいよ。

サーブミスで何点あげたか、サーブレシーブが返らず崩れた失点が何点か。数えてみると、練習すべきことは自然と見えてきます。

中学・高校の試合は、サーブとサーブレシーブの質で勝敗の大半が決まる。

だからこそ、私の指導現場では、どの時期でもサーブとサーブレシーブの時間を削らないことを軸にしています。

もう1つ大切なのが、待ち時間を減らすことです。列に並んで1人が打つのを見ている時間は、上達にほとんどつながらないからです。

ちょっとした運営の工夫だけで、同じ60分でも触球数は2倍近く変わります。

待ち時間を減らす3つの工夫
  1. コートを分割して、同時に動くグループを増やす
  2. ボールカゴを増やして、球拾いで練習が止まらないようにする
  3. 球出し役をあらかじめ決めておく

指導者が1人しかいない場合は、上級生に球出しを任せる形でも構いません。任された選手は打点や返球の質をよく見るようになるため、待っている時間そのものが学びに変わります。

バボット

シッキュウスウ ガ ジョウタツ ノ モト

時期による配分の目安も持っておくと、年間を通してメニューに迷いにくくなります。

時期実戦形式:基礎練習ねらい
大会前7:3試合の判断と連携を仕上げる
通常期5:5基礎と実戦をバランスよく
冬場・オフ期4:6フォームと体づくりをやり直す

年代別の練習メニューの考え方

同じバレーボールでも、年代によって練習の目的はまったく違います。年代に合わないメニューは、上達を遅らせるだけでなく怪我のもとになります。

小学生:楽しさとボール慣れを最優先

小学生は、技術の完成度よりも「バレーボールって楽しい」という気持ちを育てる時期です。

ゲーム性のある練習を多めにして、壁パスやキャッチ遊びでボールに慣れる時間をたっぷり取りましょう。

練習がきつくてバレーボールを嫌いになってしまうのが、いちばん良くない。

使うボールは軽量4号球です。重いボールで痛い思いをさせないことも、楽しさを守る大切な工夫のひとつです。

中学生:正しいフォームの習得期

中学生は、正しいフォームを身につけることを最優先にする時期です。正しいフォームからはミスが起きにくく、その後の伸びも大きく変わります。

れおコーチ

中学生には筋トレもやらせた方がいいんでしょうか?

あげば

重いダンベルやバーベルは、中学年代にはいらないよ。

成長期は骨や関節がまだ育ちきっていないため、重い器具を使った筋力トレーニングは高校年代からで十分です。

中学生には、自分の体重を使った運動や、短い時間で心拍数を上げるトレーニングを選んであげてください。ボールは4号球を使います。

また、ジャンプ系の練習は上りよりも下り(着地)で膝に負担がかかります。跳ぶ本数を管理し、膝やかかとの痛みを訴えた選手はためらわず休ませてください。

高校生以上:強度と戦術理解を上げる

高校生以上は、5号球を使い、プレーの強度と戦術理解を一段引き上げる時期です。

器具を使った筋力トレーニングを段階的に取り入れつつ、ローテーションごとの約束事や相手の分析など、頭を使う練習の比率を増やしていきます。

あげば

年代が上がるほど、体だけじゃなく頭を鍛える練習が効いてくるんだ。

目的別メニューの実例

ここからは、目的別の具体的なメニューを紹介します。どれも私の指導現場で実際に使っている形です。

サーブとサーブレシーブを強化する

サーブ練習は、ただ本数を打つのではなく、1本ずつコースを決めて狙うのが基本です。

STEP
的(タオルやカゴ)を置き、狙うゾーンを宣言してから打つ
STEP
10本中何本入ったかを毎回記録する
STEP
ネットにかかる選手には、逆にアウトを目指して打たせる

ミスの直し方は「極端に振ってみる」が効果的です。少しずつ加減させるより、本人が「今これを変えている」と自覚できるからです。

サーブレシーブは、返球の質を3段階で数えると目標がはっきりします。

サーブレシーブはAパス2本・Bパス2本・Cパス1本、5本中5本を攻撃につなげるのが理想。

Aパスはセッターが定位置で上げられる返球、Bパスは動かされてもクイックが使える返球、Cパスは二段トスで攻撃できる返球です。

サーブレシーブから直接失点しないことを、チームの共通目標にしましょう。

れおコーチ

数で目標を決めると、選手にも伝えやすいですね!

練習の形としては、サーバー3人対レシーバー3人+セッター1人の「3対3+1」がおすすめです。

サーバーはコースを宣言して打ち、レシーバー側はAパスが2本続いたら交代、という約束にすると、両方の練習が同時に成立します。

レシーバーには、サーブが打たれた瞬間に「オッケー!」「任せた!」と、取るか任せるかの声を出させましょう。声の習慣は試合でそのまま生きます。

スパイクを強化する

スパイクは、跳びながら腕の振りも覚えようとすると、どちらも中途半端になります。順番を分けて練習しましょう。

STEP
立ったまま体のひねりとスイングを反復する
STEP
2歩助走と踏み切りを合わせる
STEP
着地までを通して行い、両足で安定して降りる

トスに合わせるのが難しい初心者には、ゴムチューブでボールを吊り下げ、助走からのヒットを反復させると打点とタイミングが安定します。

レシーブとつなぎを強化する

レシーブ練習の土台は壁パスです。オーバーとアンダーを毎日続けるだけで、面の安定がまるで変わります。

2人1組の対人パスでは、オーバー10本・アンダー10本・交互10本のように種類を区切りましょう。区切りがあるほど、選手の集中は切れにくくなります。

強い球をいきなり受けさせるのは怪我と恐怖心のもとです。軽いボールから段階的に強くしていきましょう。

ディグ(スパイクレシーブ)の練習も同じで、最初は台上からの軽い打球で面を作る感覚を固め、慣れてから床上のスパイクへと強度を上げていきます。

つなぎの練習では、お見合いを防ぐ約束事をチームで共有します。

お見合いを防ぐ2つの約束
  1. どちらも取れるボールは、先に声を出して動き出した人が取る
  2. 迷ったら、ボールが近づいてくる側の人が取る
あげば

声かけは気合いじゃなくて、情報を伝える技術なんだよ。

時間別モデルメニュー(そのまま使える実例)

考え方がわかったら、あとは時間の器に入れるだけです。ここでは2つのモデルを紹介します。

平日60分の基本モデル

放課後の短い練習では、欲張らずテーマを1つにしぼるのがコツです。

時間内容
0〜10分ウォーミングアップ・体づくり
10〜20分壁パス・対人パス
20〜40分サーブとサーブレシーブ(毎日固定)
40〜55分その日のテーマ練習(週替わり)
55〜60分片付け・振り返りの声かけ

テーマ練習の枠だけを週替わりにすれば、マンネリを防ぎながら、土台の時間は削らずにすみます。

れおコーチ

サーブ系に20分も使うんですね!?

あげば

そこが試合の失点にいちばん直結するからね。毎日やる価値があるよ。

休日3時間の基本モデル

時間がある日は、基礎から実戦への流れを1本の川のようにつなげます。

時間内容
0〜30分アップ・体づくり・壁パス
30〜60分サーブとサーブレシーブ
60〜100分目的別のテーマ練習(スパイクなど)
100〜150分ゲーム形式(テーマを意識させる)
150〜180分サーブ勝負・整理体操・振り返り

ゲーム形式では、その日のテーマがどれだけ出せたかを見ます。練習のための練習で終わらせず、試合につなげる意識が大切です。

バボット

レンシュウ ハ シアイ ノ ヨシュウ

部員が多くてコートが1面しかない場合は、コートを縦半分に割って2グループで回す・コート外に壁パスと体づくりの班を作る、という3班ローテーションが有効です。

1つの班に指導者がつけない時間は、班長を決めて回数と目標だけを紙で渡しておくと、練習の密度が落ちません。

1年生・初心者のメニューと到達目安

初心者には、いつまでに何ができれば順調なのかという目安を持っておくと、あせらず段階的に育てられます。

私のスクール運営の実例(部活週5回・うち体育館練習週2〜3回)をもとにした目安がこちらです。

時期到達目安
4月(仮入部)数値目標なし。入部決定者は壁パス各10回
5月末壁パスをオーバー20回・アンダー20回
7月末緩いサーブが10本中9本・壁パス各50回・助走からのヒット

7月末の「助走からのヒット」は、吊り下げたボールを助走から確実に打てる状態のことです。トスに完璧に合わせられなくても大丈夫です。

初心者の夏までの合言葉は「壁パス各50回・緩いサーブ10本中9本」。

この2つがそろえば、秋からのチーム練習に無理なく合流できます。数字で示すと、本人も保護者も成長を実感しやすくなります。

あわせて7月末までに身につけておきたいのが、低い姿勢のまま動ける基礎的なフットワーク。ボール技術の数値目標ばかりを追いかけていると、この土台がすっぽり抜け落ちてしまうからです。

膝を軽く曲げた高さを保ったまま前後左右へ動く、その姿勢のままボールの下へ入る。ボールを使わない時間にこれを毎日少しずつ入れておくと、秋以降のレシーブ練習の伸び方がはっきり変わってきます。

あげば

姿勢の低さは才能じゃなくて、毎日の積み重ねで身につく技術なんだよ。

サーブはフローターサーブから教えましょう。どうしても入らない子には、アンダーハンドサーブで体重移動の感覚から覚えさせると、遠回りに見えて近道になります。

1年生だけの時間を1日15分でも確保できると、理想的です。上級生の練習の球拾いだけで終わる日が続くと、上達も気持ちも止まってしまうからです。

れおコーチ

初心者にいきなり全部教えようとして、空回りしていました…

あげば

目安があれば、今は壁パスだけでいいと割り切れるよ。段階を踏むのがいちばん早いんだ。

練習メニューで失敗しないための注意点

最後に、メニューづくりでやってしまいがちな失敗を2つに絞ってお伝えします。

走り込みすぎでバレー嫌いにさせない

体力づくりは大切ですが、目的のない走り込みの積み重ねは、選手の心をすり減らします。

きつさに耐えることではなく、ボールがうまくなることが練習の目的。

心肺機能を上げたい場合は、心拍数が上がった状態(おおむね140前後)で一定時間動き続けるラントレーニングのように、目的をしぼって短く行いましょう。

国が示している部活動の指針でも、練習は長さではなく効率と質で考えることが求められています。

長時間の練習が当たり前になっているチームほど、まず「この時間で何を伸ばすのか」を書き出すところから見直してみてください。

出典:運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(スポーツ庁)

できるところを褒めることから始める

初心者は、できないところばかりなのが当然です。できていない点を並べるより、できるところを見つけて褒める方が、結果的に早く伸びます。

あげば

褒めるのは甘やかしじゃなくて、正しい動きを教える手段なんだよ。

同じメニューでも、伝え方が変わるだけで選手の取り組み方は変わります。褒め方の配分や、答えを渡さずに考えさせる問いかけの作り方は、次の記事でくわしく解説しています。

なお、ボールカゴや作戦ボードなど練習を回すための道具は、ネットでそろえると種類も価格も比べやすいです。

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まとめ:目的がはっきりした練習がチームを伸ばす

練習メニューは、試合からの逆算・サーブとサーブレシーブの優先・触球数の最大化という3原則で組み立てれば、大きく外れることはありません。

年代重点使うボール
小学生楽しさとボール慣れ軽量4号
中学生正しいフォームの習得4号
高校生以上強度と戦術理解5号

メニューの正解はチームの数だけある。ただし「目的から逆算する」という原則は変わらない。

私は元日本代表として、目的のはっきりした練習を積むチームが、限られた時間でも着実に強くなっていく姿を何度も見てきました。

れおコーチ

まずは次の練習から、失点の種類を数えるところから始めてみます!

あげば

その一歩が、チームがいちばん変わるきっかけになるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コーチングやチーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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