- 大事な試合の前の夜にかぎって、布団に入っても目が冴えてしまう
- 眠れないまま朝を迎えて、当日の動きが悪くなるのが怖い
- 早く寝ようとするほど、かえって眠れなくなる
こんな悩みを解決します。
試合前に眠れないときは、眠ろうと頑張るのをやめて、体を休める姿勢に切り替えるのがいちばん早い解決です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、前の夜に眠れなかったと言う選手が、その日いちばん良いプレーをすることは何度もありました。
眠れなかったこと自体より、眠れないと焦った気持ちのほうが、当日の動きに響きます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 試合前に眠れなくなる理由が分かって、焦らなくなる
- 前の夜にやることと、やらないことがはっきりする
- 眠れないまま朝を迎えた日の立て直し方が分かる
気持ちの整え方全体は、こちらの記事でまとめています。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:眠ろうとせず、横になって目を閉じるだけでいい
先に結論をお伝えします。試合前に眠れない夜は、眠ることをあきらめて、暗い部屋で横になって目を閉じているだけでいいです。
体を横にして目を閉じている間、筋肉はしっかり休んでいます。眠りに入れていなくても、立って動き回っているときとは回復の度合いがまるで違うんです。
つまり、眠れないこと自体は試合の失敗に直結しません。ここを知っているだけで、布団の中の焦りはかなり小さくなるでしょう。
- 時計を見るのをやめる
- 部屋を暗くして、横になったまま目を閉じる
- 眠れなくても布団から出ず、体を休ませ続ける
- 明日の試合の段取りは、考えずに紙に書いて置いておく
やってはいけないのは、眠れないからと起き上がってスマホを見ることです。画面の光は目を覚まさせる方向に働きます。
眠れない時間を、体を休める時間として使い切る。この切り替えができると、布団の中の過ごし方が変わってきます。
サルくん眠れないと、明日ぜんぜん動けない気がします…。



1晩くらいなら平気ですよ。横になっているだけでも体は休まります。
ここからは、眠れなくなる理由・前の夜の5つの手順・当日の朝の立て直し方・やってはいけないことの順に見ていきます。
試合前に眠れなくなる2つの理由
まず、体に何が起きているのかを知っておきましょう。理由が分かると、自分を責めずに済みます。
理由①:体が「戦う準備」に入っている
大事な試合が近づくと、心臓の動きが速くなり、体が熱っぽくなります。これは体が明日に備えて準備をしている合図です。
眠るためには、体温が下がって心拍がゆっくりになる必要があります。ところが試合前の体は逆の方向に向かうので、眠りに入りにくくなるわけです。
眠れないのは、体がちゃんと試合に向かっている証拠でもあります。おかしなことが起きているわけではありません。



眠レナイノハ 準備完了ノ合図
緊張そのものへの向き合い方は、次の記事にまとめています。
理由②:いつもより早く布団に入っている
もう1つが、生活のリズムとのズレです。明日は早いからと、いつもより2時間早く布団に入る選手はとても多いです。
体はまだ眠る準備ができていないので、当然のように目が冴えます。そこで焦って、余計に眠れなくなるという流れに入っていきます。
早く寝ようとするほど眠れなくなるのは、意志が弱いからではありません。体の時計が、まだ眠る時間だと思っていないからです。
私のスクールでも、試合前日だけ極端に早く寝ようとする選手には、いつもの就寝時刻から30分だけ前倒しにするよう伝えています。
30分なら体の時計もついてきます。1時間・2時間と動かそうとすると、布団の中で目が冴える時間が増えるだけなんです。



早く寝なきゃ、と思うほど目が冴えてました…。



みんなそうですよ。体はまだ起きている時間だと思っていますからね。
前の夜にやる5つの手順
ここからが本題です。やることは5つに絞れます。
手順①:寝る時刻はいつもより30分前までにする
まず決めるのが就寝時刻です。いつもの時刻から前倒しするのは、30分までにしてください。
それ以上早めても、布団の中で目が冴えている時間が伸びるだけです。試合の日は自然と早く目が覚めるので、睡眠時間の心配はそれほどいりません。
どうしても起きる時刻が早い日は、前日ではなく2日前の夜を早めておくほうが効きます。前日1晩でリズムを動かすのは難しいからです。



早く寝れば寝るほどいい、じゃないんですね?



はい。布団の中で焦る時間が増えるだけですよ。
手順②:持ち物の準備を寝る前に終わらせる
次が準備です。布団に入ってから思い出すことがあると、そこから頭が動き出してしまいます。
ユニフォーム・シューズ・飲み物・集合時刻。これらを寝る前にすべて玄関に置いて、確認を終わらせてください。
思い出したことがあれば、頭の中に置かずに紙に書きます。書いて目の前から外に出すだけで、考えが同じところをぐるぐる回るのが止まります。
紙はスマホのメモではなく、本物の紙を使ってください。画面を開くと、別の通知が目に入ってしまうからです。
手順③:お風呂は寝る1時間前に出る
体温の使い方も手順のうちです。お風呂で上がった体温が下がっていくときに、眠気が出てきます。
寝る直前に熱いお湯に入ると、体温が高いまま布団に入ることになります。ぬるめのお湯に10分ほど入って、寝る1時間前には出ておくのがおすすめです。
入浴の温度と時間は、疲れの残り方にも関わってきます。
手順④:布団の中でスマホを見ない
いちばん崩れやすいのがここです。眠れないと感じた瞬間に、多くの人がスマホに手を伸ばします。
画面の光と、そこから入ってくる情報の両方が、眠気を遠ざけてしまいます。動画を1本見るつもりが30分たっていた、ということも起きるでしょう。
対策はかんたんで、充電器を布団から手の届かない場所に置くだけです。意志で我慢するより、手が届かない形を作るほうが確実に効きます。
アラームをスマホで使っている場合も、枕元ではなく部屋の反対側に置いてください。朝に起き上がる理由にもなるので、一石二鳥になります。



我慢スルヨリ 遠クニ置ク
手順⑤:明日のプレーを1つだけ思い浮かべる
最後が頭の使い方です。何も考えないようにするのは、かえって難しいものです。
おすすめは、明日やることを1つだけ決めて、その場面を思い浮かべることです。サーブを打つ前の呼吸でも、レシーブの構えでもかまいません。
うまくいく場面を思い浮かべながら目を閉じていると、余計な考えが入ってくる余地が減ります。眠れなくても、そのまま体は休んでいる状態です。
ここで気をつけたいのが、思い浮かべる場面を増やしすぎないことです。あれもこれもと考え始めると、頭が動き出してしまいます。



思イ浮カベルノハ 1ツダケ
眠れないまま朝を迎えたときの立て直し方
ここまでやっても眠れない夜はあります。大事なのは、その朝をどう立て直すかです。
朝は「寝不足」と口に出さない
まず気をつけたいのが言葉です。眠れなかった、と口に出した瞬間から、その日のうまくいかないことすべてが寝不足のせいになります。
体は思ったより動きます。実際、眠れなかったと言っていた選手が、いつもどおりのプレーをする場面を私は何度も見てきました。
言わないと決めるだけで、体の感じ方が変わってきます。まわりの仲間にも余計な心配をかけずに済むでしょう。



つい「寝てない」って言っちゃいます…。



言うと、自分で言い訳を作ることになりますからね。今日は黙っておきましょう。
朝にやる3つのこと
朝の行動を決めておくと、体が起きてきます。順番はこのとおりです。
光を浴びることで、体が朝だと認識します。朝食を抜くと動けなくなるので、食べる量はいつもと同じにしてください。
食欲がわかない日は、おにぎり1個とバナナだけでもかまいません。まったく入れないまま会場に向かうのが、いちばん避けたい形です。
移動中に眠くなったら、目を閉じるだけにとどめます。深く眠ると、会場についてから体が重くなります。
やってはいけない3つのこと
最後に、眠れない夜にやりがちで、逆効果になることをまとめます。
①時計を何度も見る
あと4時間しか眠れない、と数え始めると焦りが増していきます。焦りは体を起こす方向に働くので、ますます眠れません。
対策は、時計を見えない場所に置くことです。起きる時刻はアラームが教えてくれるので、自分で数える必要はありません。
数字を見ないだけで、頭の中の計算が止まります。眠れているかどうかを確かめる作業そのものが、眠りを遠ざけているからです。
②眠れないからと起きて体を動かす
眠れないので腹筋をした、という話を聞くことがあります。体を動かすと心拍が上がり、眠りからさらに遠ざかります。
前の夜にやることは、もうありません。練習で積み上げてきたものは、1晩で増えも減りもしないからです。
不安を消そうとして体を動かすのは、じつは準備ではなく気晴らしです。気晴らしなら、紙に書き出すほうが静かで確実でしょう。
③眠るためにいつもと違うものを口にする
眠くなるという飲み物やサプリメントを、試合前夜に初めて試すのは避けてください。体に合うかどうかが分からないまま、本番を迎えることになります。
食べ物や飲み物を変えるのは、試合のない日に試すのが原則です。試合前日は、いつもどおりを崩さない。これが安全な選び方になります。
眠れない日が何日も続いて、日中もつらい状態が抜けない場合は、医師に相談してください。試合前だけの一時的なものとは、分けて考える必要があります。



何かしなきゃ、と思うほど逆効果なんですね。



そうなんです。今日は何もしないのが、いちばんの準備ですよ。
よくある質問
まとめ:眠れない夜は、休むほうへ切り替える
試合前に眠れないときは、眠ろうと頑張らず、暗い部屋で横になって目を閉じる。これだけで十分です。
前の夜は準備を終わらせ、スマホを遠ざけて、明日のプレーを1つだけ思い浮かべてください。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 寝る時刻 | いつもより前倒しは30分まで |
| 寝る前 | 持ち物をそろえ、気になることは紙に書く |
| 布団の中 | 時計を見ない・スマホに触らない |
| 眠れない時 | 起き上がらず、目を閉じたまま体を休める |
| 当日の朝 | 光を浴びる・いつもどおり食べる・寝不足と言わない |
私は元日本代表として長く競技に関わってきましたが、本番で力を出す選手ほど、前の夜に特別なことをしていません。
まずは今夜、充電器を布団から離れた場所に置くところから始めてみてください。



今日は時計を見ないで寝てみます!



それでいいんです。眠れなくても大丈夫、と思えたら勝ちですよ♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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