- 試合になると緊張で体がガチガチになり、力を出せない
- 一度ミスをすると引きずって、立て直せない
- 自分に自信が持てず、勝負どころで思い切ってプレーできない
こんな悩みを解決します。
メンタルは生まれつきの性格ではなく、技術と同じように練習で鍛えられる「スキル」です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
大きな舞台では、技術よりもメンタルで勝負が決まる場面を何度も見てきました。整え方を知っているかどうかで、同じ実力でも結果は大きく変わります。
このページでは、バレーのメンタルの全体像を一通り整理します。気になるテーマは、それぞれの詳しい記事へリンクしているので、あわせて読んでみてください。
- バレーで多い3つのメンタルの悩みと、その向き合い方
- 緊張・ミス・自信・集中を整える具体的な考え方
- 試合前後の整え方と、チームの雰囲気づくりの基本
それでは、メンタルの基本を順番に見ていきましょう。
バレーで多いメンタルの3つの悩み
まず、選手が抱えるメンタルの悩みは、大きく3つに分けられます。
- 緊張:本番でガチガチになり、いつもの力が出ない
- ミスの引きずり:1本のミスを引きずって、連鎖してしまう
- 自信のなさ:思い切ってプレーできず、消極的になる
サルくん全部当てはまります…。メンタルって、性格だから直せないですよね?



そんなことないよ。緊張も切り替えも、やり方を覚えれば誰でも整えられるんだ。
この3つは、実はつながっています。自信がないと緊張しやすく、緊張するとミスが増え、ミスを引きずるとさらに自信を失う——という悪い流れに入りやすいのです。
逆に言えば、どれか1つを整えるだけでも、この流れを良い方向に変えられます。たとえば切り替えが上手くなれば、ミスを引きずらなくなり、自信も保ちやすくなります。
大切なのは、この3つを「気合い」や「根性」で何とかしようとしないことです。気合いは長続きせず、本番では崩れます。
それぞれに、整えるための具体的なやり方があるので、それを練習で身につけていきましょう。次の章から、1つずつ見ていきます。
試合の緊張・プレッシャーをほぐす
1つ目は、本番の緊張です。緊張そのものは悪いものではなく、体が「本気の準備」をしているサインでもあります。
問題は、緊張しすぎて体が固まり、いつもの動きができなくなることです。緊張すると呼吸が浅く速くなり、肩に力が入って、視野も狭くなります。
緊張をゼロにしようとすると、かえって「緊張してはいけない」という別のプレッシャーが生まれます。
大切なのは、緊張を受け入れたうえで、体を動ける状態に戻してあげることです。
緊張はゼロにするのではなく、「ちょうどいい状態」に整えるのがコツです。深い呼吸で心拍を落ち着け、「やるべきこと」に意識を向けると、固さがほぐれていきます。
具体的には、息をゆっくり長く吐くことを意識します。吐く息を長くすると、自然と体の力が抜けていきます。
あわせて「最初の1本はレシーブを丁寧に」など、やることを1つに絞ると、頭の中の不安が減ります。



「緊張するな」より「いつも通りの呼吸をしよう」のほうが、体はほぐれるよ。
試合の緊張をほぐす具体的な方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ミスを引きずらない「切り替え」の技術
2つ目は、ミスの引きずりです。バレーはミスが続くスポーツで、ミスをしない選手はいません。
差がつくのは、ミスのあと「次の1本」にどれだけ早く気持ちを戻せるかです。強い選手は、ミスをしないのではなく、ミスからの立ち直りが速いのです。
ミスを引きずったまま次のプレーに入ると、判断が遅れて二次的なミスを招きます。だからこそ、切り替えはメンタルの中でも特に大事な技術になります。
ミスを引きずってしまうのは、終わったプレーを何度も思い返して、次への不安につなげてしまうからです。すると体が縮こまり、また同じようなミスを呼んでしまいます。
そして切り替えにも、技術があります。
- 決まった動作(手を叩く・深呼吸する)で気持ちをリセットする
- 「終わったプレーは変えられない」と割り切る
- 「ドンマイ、次」と短く声に出し、意識を次の1本へ向ける
この3つを習慣にするだけで、連鎖ミスはかなり止まります。特に効くのが3つ目で、口に出すと意識が過去から未来へ切り替わるからです。
反省は試合後にまとめてすれば十分。プレー中は、次の1本だけを考えましょう。
コート上で長く考え込む時間はありません。だからこそ、悩む代わりに動作と言葉で切り替える形を先に決めておくことが大事になります。決めた動作は練習から使い、本番だけ特別にしないでください。



ミスは消せないけど、次を変えることはできるんですね!



その通り。切り替えが早い選手ほど、試合の終盤に強いんだ。
ミスを引きずらない切り替えの具体的なやり方は、こちらの記事で解説しています。
自信のつけ方
3つ目は、自信のなさです。自信は「もともとある・ない」ではなく、小さな成功体験を積み重ねて育てるものです。
自信がない選手ほど、できなかったことばかりに目を向けてしまいます。すると「自分はダメだ」という気持ちが強くなり、思い切ったプレーができなくなります。
できたことに目を向けて記録すると、自信は少しずつ育っていくものです。「今日はサーブが3本入った」のように、できた事実を数えるクセをつけましょう。
他人と比べる必要はありません。比べるのは「昨日の自分」です。
昨日できなかったことが今日できれば、それは確かな成長で、自信の材料になります。小さな前進を見つけて、自分を認めてあげることが大切です。



できないことより、できたことを数える。これだけで、自分の見え方が変わるよ。
自信のつけ方を、具体的なステップで知りたい方はこちらの記事へどうぞ。
集中力を高めてプレーに入り込む
メンタルが整うと、自然と集中力も上がります。集中とは「目の前の1本だけ」に意識を向けられている状態のことです。
過去のミスや、まだ起きていない結果を考えていると、集中は途切れます。「今、自分がやること」に意識を戻す練習が、集中力を育てます。
集中力は、ずっと最大で保ち続けるものではありません。
ラリーが終わった一瞬は力を抜き、次のサーブの前にまた集中を高める——この「オン・オフの切り替え」ができると、最後まで集中が続きます。
ボールがデッドになっている時間に深呼吸をして、サーブが打たれる前に「来い」と意識を戻す。この習慣をつけるだけでも、集中の質は変わります。



集中=今ノ1本ダケニ意識ヲ向ケル状態。
集中力を高める考え方や練習は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
自分のルーティンを作る
緊張をほぐすのも、切り替えるのも、集中するのも、「ルーティン」があると安定します。
ルーティンとは、プレーの前に決まった動作を行うことです。サーブの前にボールを2回ついて深呼吸する、といった一定の手順が、心を「いつも通り」に戻してくれます。
ルーティンの良いところは、緊張している本番でも「同じ動作」を入り口にできることです。
いつもと同じ動きをすると、体が「いつもの自分」を思い出し、自然と落ち着いていきます。
複雑にする必要はありません。短く、毎回必ずできる動作にするのがコツです。決めたルーティンは、練習のサーブからも必ず行い、本番だけ特別にしないことが大切です。



自分だけの決まった動きを作れば、本番でも落ち着けるんですね!
自分に合ったルーティンの作り方は、こちらの記事で解説しています。
試合当日のメンタルの整え方
試合本番で力を出すには、当日の過ごし方も大切です。早く会場に入り、いつもの準備を淡々とこなすことで、心は落ち着いていきます。
前日の夜更かしや、当日の急な食べ慣れないものは避け、いつもの生活リズムを守ります。
会場では、アップの内容も練習と同じ流れにすると、体も心も「いつものモード」に入りやすくなります。
試合当日は「特別なこと」をせず、いつも通りを徹底するのが、力を出すいちばんのコツです。
緊張してきたら、それは「準備ができている証拠」と前向きに受け取りましょう。緊張を敵だと思わず、味方だと思えると、本番の固さがずいぶん和らぎます。



緊張する日ほど、いつも通り。これが本番に強い選手の共通点だよ。
試合当日の心の整え方や過ごし方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
イメージトレーニングとスランプ脱出
頭の中で成功するプレーを思い描く「イメージトレーニング」は、体を動かさずにメンタルと動きを整える方法です。
トップ選手の多くが、本番前に成功する場面を頭の中で再生しています。脳は、実際にやったことと強くイメージしたことを近いものとして処理すると言われるからです。
うまくいったプレーを具体的に思い描くほど、本番でも体が動きやすくなります。寝る前の数分でもできる、手軽な方法です。
思い描くときは、できるだけ細かくしてみてください。助走の歩数、ボールの見え方、打ったあとの音まで思い出せると、本番での再現度が上がります。
また、調子が出ない「スランプ」も、誰にでも訪れます。あせって基本を崩すより、できることに立ち返って少しずつ感覚を取り戻すのが近道です。
- 新しいことを足さず、いったん引き算で考える
- 一番得意なプレーと基本の動きだけに絞って練習する
- 「できる感覚」が戻ってから、少しずつ元のメニューに戻す
調子の波は、上手い選手にも必ずあるものです。落ちている時期を「終わり」と受け取らず、整え直す期間だと考えられると、抜け出すまでの時間はぐっと短くなります。



スランプになると、何をしてもダメな気がして焦っちゃいます。



焦らなくて大丈夫。基本に戻って、できることを1つずつ取り戻していこう。
イメージトレーニングのやり方と、スランプからの抜け出し方は、それぞれの記事で解説しています。
チームのメンタル(声・雰囲気)
メンタルは個人だけのものではありません。チームの雰囲気が良いと、一人ひとりも力を出しやすくなります。
ミスを責めず、ワンタッチやナイスカバーを声に出して褒め合うチームは、苦しい場面でも粘り強く戦えます。声を掛け合うこと自体が、チーム全体のメンタルを支える技術なのです。
- ワンタッチやカバーなど、結果に出ない働きを口に出して認める
- ミスのあとは「ドンマイ」より先に「次いこう」と前を向かせる
- 苦しい場面ほど、短く・明るく・全員で声を出す
逆に、ミスをした選手を責める雰囲気のチームは、全員が「ミスを怖がる」ようになり、思い切ったプレーが消えていきます。
一人のミスをみんなでカバーする空気が、チームを強くします。
雰囲気づくりは、キャプテンや上級生だけの仕事ではありません。誰か一人が声を出し始めれば、その空気は必ず周りに広がっていきます。だからこそ、自分から動くことに意味があるのです。
ミスを責めるより、良いプレーを声に出して認め合うチームが強い——これは年代を問わず変わりません。



まず自分から「ナイス!」って声を出してみます!



声でチームの空気は変えられる。空気が良いと、メンタルも勝手に整うんだ。
まとめ
バレーのメンタルは、技術と同じように練習で鍛えられるスキルです。最後にポイントを振り返りましょう。
- 緊張はゼロにせず、呼吸と「やること」で整える
- ミスは切り替えの技術で止め、次の1本に集中する
- できたことを記録して自信を育て、ルーティンで安定させる
メンタルは、一度に全部を変えようとしなくて大丈夫です。気になる悩みの記事から1つずつ取り入れて、少しずつ整えていきましょう。
技術の練習を毎日続けるように、メンタルも毎日の小さな習慣で鍛えられます。
今日の練習や試合で「できたこと」を1つ書き出す、サーブの前に深呼吸を入れる——そんな小さな一歩の積み重ねが、本番で力を出せる強い心を作っていきます。
メンタルが整えば、緊張する大事な場面も、自分を成長させるチャンスに変えられます。技術の練習と同じように、心の準備もコツコツ続けていきましょう。



まずは切り替えの練習から始めてみます!



いいね。メンタルが整うと、バレーはもっと楽しくなるよ。一緒に強くなろうね♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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