- 負けた試合のことが頭から離れず、夜も思い出してしまう
- 自分のミスでチームが負けた気がして、体育館に行くのが重い
- 悔しいのに、次に何をすればいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
負けたあとにまずやることは、原因を探すことではありません。悔しさを、そのまま感じきる時間を取ることです。順番を間違えると、立て直しはかえって遅くなります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上、中学生から一般まで幅広い世代を指導してきましたが、負けた直後に無理に前を向こうとして、そのあと長く沈んでしまう選手を何人も見てきました。
そのときにお伝えしているのは、感情の整理と原因の整理は別の作業だということです。同時にやろうとすると、どちらも中途半端に終わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 負けた直後の2日間で、やること・やらないことが分かる
- 悔しさを次の練習に変える振り返りの手順が分かる
- 最後の試合で負けたときの受け止め方が分かる
メンタル面の整え方をまとめて知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:感情の整理と原因の整理を分ける
結論からお伝えします。
負けたあとの立て直し方は、① 2日間は悔しさを感じきることだけに使う。
② 3日目から、原因を3つに分けて振り返る。この順番です。
負けた直後は、頭の中がぐるぐる回ります。あの1本を決めていれば、あそこで声を出していれば、という考えが止まらなくなります。
この状態で原因を探しても、出てくるのは自分を責める言葉ばかりです。冷静な分析にはなりません。
サルくん負けた日は、ずっと自分のミスばかり思い出しました…。



その日は思い出すだけで十分です。分析は少し後でいいんです。
もう1つ大事なのが、悔しさそのものは悪いものではないということです。悔しいと感じるのは、その試合に本気で向かっていた証拠です。
すぐに消そうとしなくてかまいません。感じきったほうが、あとで薄くなっていきます。



クヤシサ ハ ホンキ ノ アカシ
負けた直後の2日間の過ごし方
ここでやることは多くありません。むしろ、やらないことを決めておくほうが役に立ちます。
この2日間でやること・やらないこと
負けた直後に何をするかで、その後の戻り方が変わります。
| 時期 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 当日 | 悔しさをそのまま感じる・よく食べて早く寝る | 動画を何度も見返す・原因を探す |
| 当日 | 家族やチームメイトに気持ちを話す | 誰が悪かったかを決める |
| 2日目 | 体を軽く動かす・普通の生活に戻す | 「もう忘れよう」と無理に区切る |
| 2日目 | 覚えている場面を1つだけメモする | 長い反省文を書く |
いちばん避けたいのは、当日に試合の動画を何度も見返すことです。冷静でない状態で見ると、自分の失敗だけが目に焼きつきます。



負けた日に何回も見返していました。



見るのは3日目からで十分です。逃げではありませんよ。
泣いてもいい・話してもいい
体育館や会場で涙が出ることは、恥ずかしいことではありません。感情を出したほうが、体の緊張も早くほどけます。
我慢して飲み込むと、あとから体の重さとして残ります。眠れない、食べられないという形で出てくることもあります。
話す相手は、チームメイトでも家族でも指導者でもかまいません。解決してもらう必要はなく、聞いてもらうだけで整理が進みます。
負けた日は、結論を出さないことがいちばん大事な仕事です。
睡眠と食事だけは崩さない
気持ちが沈むと、食欲も睡眠も落ちます。ここが崩れると、立て直しはさらに時間がかかります。
その日は食べられる物だけでかまいません。早く寝て、次の日の体を作ることを優先してください。
眠れない日が続くときの考え方はバレーのやる気が出ないとき|モチベーションを戻す5つの手順にもまとめています。
3日目からの振り返りのやり方
気持ちが少し落ち着いてから、原因の整理に入ります。ここで大事なのは、分けて考えることです。
原因を3つに分けて書く
負けた原因は、たいてい1つではありません。混ぜて考えると、全部が自分のせいに見えてきます。
- 自分で直せること:サーブの精度・構えの高さ・声の出し方
- チームで決めること:サーブの狙う場所・攻撃の組み立て・守りの位置
- どうにもならないこと:相手の実力・体育館の環境・その日の組み合わせ
書き出すと、自分で直せることは思っていたより少ないと気づきます。そして、少ないからこそ、次の練習でやることがはっきりします。



全部自分のせいだと思っていました。



分けてみると、直せるところは意外と絞られるんです。
次の練習でやることを1つに絞る
振り返りの出口は、必ず「次の練習でやること」にします。気づいたことをたくさん並べても、練習は1つずつしか進みません。
サーブの2本目を狙う場所を決める、レシーブの構えを1段低くする。そのくらいの大きさが、いちばん動きやすいサイズです。
振り返りは、次の練習で試すことを1つ決めた時点で終わりにします。
書き方の型はバレーノートの書き方|伸びる選手の振り返り3項目が参考になります。
動画は3日目に1回だけ見る
3日目になったら、試合の動画を見てみてください。当日とは違って、自分以外の動きも見えるようになっています。
見るときは、失点の場面だけでなく、うまくいった場面も同じ数だけ探します。できていたことを残しておかないと、記憶からは消えていきます。



デキタ バメン モ オナジ カズ サガス
練習では出せるのに試合で出せない、という悩みが残る場合は練習ではできるのに試合でできない|バレーで直す5つの順番も読んでみてください。
次の試合までの練習の組み立て方
振り返りで決めた1つを、練習の形に落とし込みます。ここを決めておくと、体育館に入ってから迷いません。
負けたあとに練習量をいきなり増やす選手は多いのですが、量を足しても不安は消えません。消えるのは、決めたことができるようになったときです。
量を増やすより、中身を1つ入れ替える。そのほうが、次の試合までの日数が短くても間に合います。
決めた1つは、口に出して周りに伝えておく
決めたことを自分の中だけに置いておくと、練習が始まった途端に流れてしまいます。今日はこれをやる、と声に出しておくのがおすすめです。
伝える相手は、チームメイトでも指導者でもかまいません。見ていてくれる人が1人いるだけで、その練習の集中は変わります。
指導者に伝えておくと、球出しの本数や順番を合わせてもらえることもあります。自分から言わないと、周りは何を直したいのか分かりません。



言っておけば、見てもらえるんですね!



ええ。伝えるところまでが準備ですよ。
チームで話すのは4日目以降がいい
チーム全体の反省会は、少し間を置いたほうが実りがあります。直後に集まると、感情が混ざって誰かを責める場になりやすいからです。
数日置くと、同じ場面でも別の見え方が出てきます。話す内容も「誰が」ではなく「次はどうするか」に向きやすくなります。
チームの話し合いは、感情が落ち着いてからのほうが次につながります。
自信が落ちたままのときはバレーで自信をつける方法|自信がないを変える習慣が参考になります。
やってしまいがちな3つの失敗
負けたあとの行動には、決まった落とし穴があります。私が現場でよく見る順に挙げます。
失敗1:すぐに前を向こうとする
負けた直後に「切り替えよう」と口にすると、気持ちに蓋をしただけになります。蓋をした感情は、次の試合の大事な場面で出てきます。
切り替えは、感じきったあとに自然と起きるものです。無理に急がなくてかまいません。
試合中のミスを引きずらない方法はバレーでミスを引きずらない切り替えのコツで解説しています。
失敗2:誰かのせいにする・自分だけを責める
負けの原因を1人に集めると、チームは次の試合までに弱くなります。責められた選手は動きが縮み、責めた側も気持ちが晴れません。
反対に、全部自分が悪いと決めるのも同じです。どちらも、直せる場所を見つける作業からは遠ざかります。



自分を責めるのも、よくないんですね。



責めても直りません。分けて考えるほうが早いんです。
失敗3:練習量だけを増やす
不安を消そうとして、いきなり自主練を倍にする選手がいます。数日は気持ちが落ち着きますが、体の疲れが先に来ます。
疲れた体で試合に入ると、判断が遅れます。負けた原因が疲れだった場合は、さらに悪くなります。
量を足す前に、中身を1つ入れ替えます。疲れが残った体では判断が落ちます。
強く怒られてつらいときの受け止め方はバレーで怒られてつらいとき|受け止め方と立て直す5つにまとめました。
最後の試合で負けたときの考え方
引退のかかった試合で負けたときは、次の試合がありません。ここは切り替えの話とは分けて考えます。
結果は変えられないが、意味は自分で決められる
最後の試合の結果は、もう動きません。ですが、その試合に何の意味を置くかは、これから自分で決められます。
続けてきた時間、乗り越えた練習、一緒にやった仲間。残るものは、勝敗の欄には書かれていません。
私が関わってきた選手たちを見ても、負けて終わった経験が、そのあとの進路や仕事で効いていたという話を何度も聞いてきました。



ノコル モノ ハ ケッカ ダケ デハ ナイ
しばらく思い出して当然
数か月たっても、ふとした瞬間に試合を思い出すことがあります。それは異常ではありません。
本気で向き合ったことほど、長く残ります。忘れられないことを、うまく立ち直れていない証拠だと考えなくて大丈夫です。
引退後の過ごし方はバレー部を引退した3年生がやること|切り替えと体力の保ち方にまとめています。
眠れない・食べられないが続くときは相談する
悔しさとは別に、眠れない、食欲がない、涙が止まらないという状態が2週間以上続くときは、練習の話とは切り離してください。
保護者や学校の先生、スクールカウンセラー、かかりつけの医療機関に早めに相談することをおすすめします。ここは我慢して乗り切る場面ではありません。



無理をしなくていいんですね。



ええ。早めに人に頼るほうが、回復も早いですよ。
調子そのものが戻らないときはバレーのスランプから抜け出すコツ|調子を取り戻す方法が参考になります。
よくある質問
まとめ:順番を守れば、悔しさは次の力になる
負けたあとは、感情の整理と原因の整理を分けて進めます。先に悔しさを感じきって、そのあとで原因を3つに分けると、やることが見えてきます。
① 2日間は悔しさを感じきることだけに使う。
② 3日目から、原因を3つに分けて振り返る。
| 時期 | やること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 当日 | 悔しさを感じきる・早く寝る | 動画を見返していないか |
| 2日目 | 普通の生活に戻す・体を軽く動かす | 無理に区切ろうとしていないか |
| 3日目 | 原因を3つに分けて書く | 直せること1つに絞れたか |
| 4〜6日目 | 決めた1つを練習に入れる | 量だけ増やしていないか |
| 7日目 | 紅白戦や練習試合で試す | 狙いを1つに絞って入ったか |
私自身も現役時代、負けた夜に何度も同じ場面を思い出しました。次につながったのは、気持ちが落ち着いてから、直せることを1つだけ決めたときでした。
まずは今日、悔しさを誰かに話すところから始めてみてください。



3日目に、直すところを1つだけ決めてみます!



その1つが、次の試合の1本につながりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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