- バレー部に入ったのに、練習の時間はほとんど球拾いばかり
- 早くボールに触りたいのに、このままで上手くなれるのか不安
- 同じ1年生の中で、自分だけ置いていかれている気がする
こんな悩みを解決します。
球拾いの時間は、ただ待つだけの時間ではありません。ボールの行き先を読む・足で動く・上手い人の動きを見る練習に変えられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、ボールに触る前の時間をどう使ったかで、あとの伸び方は変わると感じています。コートの外にいる時間にも、バレーの力はつけられるからです。
もちろん、つらいと感じる気持ちも自然なことです。この記事では、その気持ちを置いておかずに、時間の使い方を変える方法をお伝えします。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 1年生の球拾いが多くなる理由が分かる
- 球拾いの時間を上達につなげる5つの工夫が分かる
- つらいときの考え方と、相談したほうがいい場面が分かる
気持ちの整え方を全体から知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:球拾いは「読む・動く・見る」の練習に変えられる
先に結論をお伝えします。球拾いの時間を上達に変えるポイントは、次の3つです。
① 飛んできたボールの行き先を、早めに読んで動く。
② 手を伸ばすより先に、足でボールの近くまで行く。
③ 拾いながら、上手い人の動きを1か所だけ見る。
この3つは、レシーブやパスで使う力と同じです。ボールがどこに落ちるかを読む、足で入る、見て真似する。どれもコートの中で必要になります。
球拾いを「やらされている時間」と感じるか、「自分の練習」と決めるかで、同じ30分の中身が変わります。
サルくん毎日ボール拾いばかりで、上手くなれる気がしません…。



拾い方を変えれば、その時間も練習になりますよ。
もう1つ大事なのは、つらいと感じる気持ちを無理に消そうとしないことです。気持ちは認めたうえで、やることを決めたほうが前に進めます。
なぜ1年生は球拾いが多くなるのか
まずは、なぜ1年生の球拾いが多くなるのかを知っておきます。理由が分かると、自分が悪いから外にいるわけではないと分かります。
コートと練習の時間に限りがある
体育館のコートの数は限られていて、ほかの部と分けて使うことも多くあります。部員が多いと、全員が同時にボールを使うのは難しくなります。
大会が近い時期は、試合に出る上級生の練習を優先するチームもあります。その間、1年生がボールを集めてテンポを保つ役を受け持つ形です。



自分が下手だから外にいるわけではないんですね。



ええ。多くは、コートと時間の都合なんです。
上級生も、1年生のころは同じように球拾いをしてきたことが多いものです。今コートの中にいる先輩も、外から見る時間を経てそこに立っています。
安全に動けるかを見られている
もう1つの理由が安全です。スパイクやサーブの球は速く、コートの中の動き方を知らないとぶつかる危険があります。
球拾いの時間は、ボールがどこから飛んでくるか、どこに立つと危ないかを覚える時間にもなっています。この感覚が身につくと、コートに入ったときにも周りが見えるようになります。



どこに立つと危ないか、見て覚える時間でもあるんですね。



ええ。周りを見る目は、コートの中でも役に立ちますよ。
周りの動きが見えていると、コートに入ってからも安心して練習に加われます。
球拾いを上達に変える5つのこと
ここからは、今日から試せる具体的な工夫です。全部を同時にやる必要はなく、1日1つ意識するだけでも変わります。
1:ボールの落ちる場所を予想する
ボールが打たれたら、どこに飛んで、どこに落ちるかを先に予想します。当たったかどうかを確かめながら続けると、読む力がついてきます。
この読む力は、レシーブでボールの下に入るときにそのまま使います。球拾いは、ボールの軌道を毎日何十本も見られる時間なのです。
1本ごとに予想して、当たったか外れたかを確かめる。これだけで読む練習になります。
予想するときは、打った人の体の向きや腕の振りも一緒に見てみてください。打つ前の形とボールの行き先を結びつけて覚えると、予想が当たる回数が増えていきます。
落下点を読むコツは、レシーブの記事でもくわしくまとめています。
2:足でボールの近くまで動く
転がったボールに手だけ伸ばして拾うのではなく、先に足でボールの近くまで行きます。低い姿勢で近づき、体の正面で拾うのが基本です。
足で先に動く習慣は、レシーブやパスで「足で入る」動きの土台になります。ダラダラ歩いて拾うのと、足を運んで拾うのでは、同じ球拾いでも中身がまったく違います。



拾うときに足を動かすだけでも、練習になるんですね!



そうです。足で入るクセは、そこから作れますよ。
近づくときは、目の高さをできるだけ上下させないように意識します。頭が大きく上下すると、ボールの見え方がぶれてしまうからです。
膝を軽く曲げたまま動くと、頭の高さがそろいやすくなります。
3:上手い先輩の動きを1か所見る
拾いながら、上手い先輩の動きを見ます。ただし全体をぼんやり見るのではなく、見る場所を1か所に決めてください。
構えたときの膝の曲がり方、ボールが来る前の足の位置、打つ前の目線。1日1か所に絞ると、真似できる形になって頭に残ります。
見た1か所は、自分がボールに触れる時間に試してみます。見るだけで終わらせず、試すところまでつなげるのがコツです。
練習が終わったら、今日見た1か所と試した結果を1行だけメモしておきます。次の日に読み返すと、見る場所を変えるか続けるかを決めやすくなります。
4:相手が取りやすい球を返す
集めたボールを渡すときは、相手が取りやすい高さと速さで返します。投げっぱなしにせず、受け取る人の胸のあたりに届けるイメージです。
相手の取りやすさを考えて返すのは、パスでつなぐときの考え方と同じです。練習のテンポが上がると、先輩からも声をかけてもらいやすくなります。



トリヤスイ タマ ハ パス ノ キホン
ボールを渡すときに「お願いします」とひと言そえるのも効果があります。声を出すことに慣れておくと、コートの中で声をかけ合うときにも自然に出るようになります。
5:空いた時間に小さな練習をする
練習の合間や、コートが空いたわずかな時間に、ボールに触る小さな練習をします。その場でのパス、壁パス、手でボールをつかむ感覚の確認などです。
長い時間は要りません。数分でも毎日続けると、ボールに触れたときの感覚がそろってきます。家や外でできる練習は、別の記事にまとめています。
つらいと感じたときの考え方
工夫をしても、つらい日はあります。そんなときに持っておきたい考え方を2つお伝えします。
自分だけ遅れていると感じたら
同じ1年生が先にコートに入っていると、自分だけ遅れているように感じます。ですが、入る順番とあとの伸び方は、同じとは限りません。
比べる相手は、ほかの1年生ではなく先週の自分にします。落下点の予想が何回当たったか、足で先に動けたか。自分の変化を数えておくと、焦りが少し落ち着きます。



先週より予想が当たるようになったか、数えてみます。



いいですね。数えると、自分の伸びが見えてきます。
先輩との関わり方で悩んでいるときは、こちらの記事も参考にしてみてください。
練習がほとんどない状態が続くなら
球拾いだけで、ボールに触る時間がほとんどない状態が何か月も続く場合は、1人で抱えないでください。まずは顧問の先生に、自分がどんな練習をすればいいか聞いてみます。
聞くときは不満を伝える形ではなく、「空いた時間に何を練習すればいいですか」と質問の形にすると伝わりやすくなります。
先生も、1年生1人ひとりの気持ちまでは見えていないことがあります。聞いてみて初めて、空き時間にできる練習を教えてもらえることもあります。
体に痛みがあるのに休めない、強い言葉で責められ続けるといった場合は、家族や学校の先生に早めに相談してください。
つらさを1人で抱え込まず、質問や相談の形で言葉にすることも大事な行動です。
やってしまいがちな3つの失敗
球拾いの時間に、遠回りになりやすい行動があります。よく見る順に3つ挙げます。
失敗1:ボールを見ずにおしゃべりする
球拾いの間に、ボールから目を離して話し込んでしまう失敗です。速い球が飛んでくることがあるので、ケガの危険もあります。
プレー中はボールから目を離さない。これは球拾いでもコートの中でも同じ、安全の基本です。
失敗2:プレー中にコートへ入って拾う
足元のボールを早く拾おうとして、プレーが続いているコートに入ってしまうことがあります。選手とぶつかったり、ボールを踏んだりする危険があります。
コートの中のボールは、プレーが止まってから拾います。周りを見て入るタイミングを選べることも、チームで練習する力の1つです。



早く拾わなきゃと思って、コートに入ってしまっていました…。



急ぐより、止まるまで待つほうが安全ですよ。
失敗3:不満を口ぐせにする
「どうせ球拾いだし」と口にすると、その時間を練習に変える意識が消えてしまいます。周りの1年生の気持ちも下がりやすくなります。
不満が出そうなときは、今日見る1か所を決め直してみてください。やることが決まると、同じ時間の感じ方が変わります。



つい「どうせ」と言ってしまっていました…。



今日見る場所を決めれば、言葉も変わっていきますよ。
よくある質問
まとめ:球拾いの時間を、自分の練習にする
1年生の球拾いが多いのは、コートや時間の都合と、安全に動く力を身につける時期だからです。その時間は、使い方しだいで練習に変わります。
ボールの行き先を読み、足で動き、上手い人を1か所見る。この3つで、球拾いは自分の練習になります。
| 球拾い中にやること | つながる力 |
|---|---|
| 落ちる場所を予想する | レシーブで落下点に入る力 |
| 足でボールに近づく | 足で入ってパスする力 |
| 先輩の動きを1か所見る | フォームを真似する力 |
| 取りやすい球を返す | パスでつなぐ考え方 |
| 空いた時間にボールに触る | ボールの感覚 |
私は元日本代表として多くの選手とプレーしてきましたが、ボールに触れない時間の過ごし方も、その選手の伸び方にあらわれると感じています。



明日は、落ちる場所の予想を10回やってみます!



いいですね。当たった数を数えておきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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