- ベンチにいる間、何をしていればいいのか分からない
- 急に呼ばれて入ったら、体が動かずミスをした
- 応援しているだけの自分に、意味があるのか不安になる
こんな悩みを解決します。
控えの時間は待つ時間ではなく、コートを見て情報を集め、いつでも入れる体を作っておく時間です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上、中学生から一般までさまざまな世代を指導してきましたが、交代で入ってすぐ活躍できる選手には共通点があります。
それは、呼ばれる前から相手のサーブと自分の入る場所を見ていることです。
やることが決まっていれば、ベンチの時間は不安な時間ではなくなります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ベンチにいる間に見ておくべきものが分かる
- 出番が来たときに動ける体の作り方が分かる
- 控えの時間をどう受け止めればいいかが分かる
気持ちの整え方をまとめて知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:控えの時間は「見る」と「温める」に使う
結論からお伝えします。控えのときにやることは、次の2つです。
① 相手の攻撃と自分の入る場所を、コートを見て頭に入れる。
② 体を冷やさず、いつ呼ばれても動ける状態にしておく。
この2つができていれば、交代で入った1本目から仕事ができます。逆に、この2つがないまま入ると、状況が分からないまま1本目を迎えることになります。
サルくん呼ばれてから、あわてて準備していました…。



呼ばれる前から準備しておくのが、控えの仕事ですよ。
もう1つ知っておいてほしいのが、ベンチはコート全体がいちばんよく見える場所だということです。
プレーしている選手は、目の前の1本で精いっぱい。相手の攻撃の傾向や、味方の並びの弱点は、外から見ているほうがよく分かります。



ベンチ ハ イチバン ヨク ミエル セキ
だから、控えの時間は情報を集める時間として使えます。
控えのときに何をすべきか分からなくなる理由
やることが決まっていないと、時間は不安に変わります。ここを先に整理しておきましょう。
「応援だけ」だと役割が見えなくなる
声を出して応援するのは大切です。ただ、それだけを役割だと思っていると、自分の出番との結びつきが見えません。
応援は、チームのためにやること。情報を集めて体を温めるのは、自分の出番のためにやること。この2つは別のものだと分けて考えてください。
応援と準備は別の仕事です。両方をやるつもりでベンチに座ってください。
出番があるか分からないから、準備をやめてしまう
出番が来ない日もあります。そこで準備をやめてしまうと、いざ呼ばれたときに動けません。
呼ばれるかどうかは自分では決められません。決められるのは、呼ばれたときに動ける状態でいるかどうかだけです。



出番がない日は、気が抜けていました。



決められるところだけに手をかければいいんです。
出番と気持ちの関係で悩んでいるなら、こちらの記事も参考になります。
交代が来る場面を知らないから、心の準備ができない
交代には流れがあります。連続で点を取られたとき、サーブの順番が回ってきたとき、前衛と後衛が入れ替わるとき。この3つは、監督が動きを考えやすい場面です。
自分がどの役割で呼ばれる可能性があるかを知っておくと、その場面が近づいたときに構えられます。
サーブで流れを変える役割なのか、守備を固める役割なのか。ここは自分で決められないので、練習のときに指導者へ聞いておくのが早いです。



自分がどの役で呼ばれるのか、考えたことがなかったです。



聞いておくと、準備するものが決まりますよ。
ベンチでやる5つの手順


ここからは、試合が始まってからの具体的な流れです。上から順にやってみてください。
順番の意味は、頭から体へという流れです。まず見て考え、そのあとに体を動かします。
見ているだけでも、交代したときの1本目はまったく違います。何も知らずに入るのと、相手のサーバーの癖を知って入るのとでは、レシーブの構えから変わります。



見るのも仕事なんですね!



いちばん大事な仕事ですよ。
見るポイントは3つに絞る
コート全体をぼんやり見ても、頭に残りません。見るところを決めておくと、情報として残ります。
| 見るもの | 具体的に見ること | 出番で使えること |
|---|---|---|
| 相手のサーバー | 誰が強い球を打つか・どこへ打つか | レシーブの立ち位置を先に決められる |
| 相手のよく決める攻撃 | どの選手が何本決めているか | ブロックとレシーブの準備ができる |
| 自分の入る場所 | 今の並びで自分はどこに入るか | 交代直後に迷わない |
3つとも、外から見ているからこそ気づけるものです。コートにいる選手には見えていないことも多くあります。
見て気づいたことは、短い言葉でコートへ伝えてください。
声のかけ方に迷うときは、こちらの記事が参考になります。
体は「温めっぱなし」にしない
ずっと動き続けると、出番が来る前に疲れてしまいます。かといって座りっぱなしでは、体が冷えて動けません。
セットの合間や、大きく点が動いた場面で軽く動かす。この程度で十分です。
- 足首を回す:片足20回ずつ、座ったままでもできる
- 肩を回す:前後10回ずつ、腕を大きく動かす
- その場で軽く跳ぶ:5回ほど、音を立てずに小さく
大会によって、ベンチの外で動ける範囲は決められています。使える場所は大会要項で決まっているので、顧問や指導者に確認しておいてください。
出番が来たときに固くならない入り方


交代を告げられてから、コートに立つまでは短い時間です。この短い時間の使い方で、1本目のプレーが変わります。
交代のルールを知っておく
選手交代は1セット6回までと決まっています。回数に限りがあるからこそ、監督は場面を選んで交代を使います。
交代のときは、選手交代ゾーンに準備して入ります。要求できるのはラリーが終わってから、次のサーブの笛が鳴るまでの間です。



コウタイ ハ 1セット 6カイ マデ
ルールを知っていれば、呼ばれてからの動きに迷いません。くわしくは、こちらで解説しています。
入る前に、やることを1つだけ決める
コートに入るとき、あれもこれもと考えると体が固まります。決めるのは1つだけにしてください。
サーブで入るなら、まず入れること。レシーブで入るなら、上に高く上げること。1つに絞れば、迷いがなくなります。
入る前に決めるのは「今日の1本目でやること」1つだけです。
自分の型を持っておくと、この切り替えが早くなります。
1本目のミスは引きずらない
交代で入った1本目でミスをすると、そのまま交代で戻される気がして焦ります。ですが、監督が見ているのは1本の結果より、そのあとの動きです。
ミスをしたら、次のプレーで大きく声を出す。それだけで印象は変わります。
固くなる原因は、うまくやろうとしすぎることにもあります。ベンチから見ていた時間が長いほど、ここで結果を出したいという気持ちが強くなるからです。
そこで狙うのは、決めることではなく、つなぐことです。無理に決めにいって失点するより、上げて味方に回すほうが、チームにとっても自分にとっても得になります。



ミスをしたら、すぐ代えられそうで怖いです…。



次の1本で動けるかを見ていますよ。
控えの選手がチームに与えているもの
出ていない時間にも、できることはあります。ここを知っているかどうかで、控えの時間の重さが変わります。
ベンチの空気は、コートに伝わる
コートの選手は、点を取られた直後にベンチを見ます。そのときにベンチが黙り込んでいるか、声が出ているかで、次の1本の入り方が変わります。
派手に盛り上げる必要はありません。次のプレーに向けた短い言葉が出ていれば十分です。
効くのは、起きたことを言い直す言葉ではなく、これからやることを指す言葉です。ミスを責める言葉も、なぐさめる言葉も、次の1本には結びつきません。
サーブが回ってくるなら「次1本」、相手の攻撃が続いているなら「後ろ上げよう」。この長さで十分に伝わります。



短いほうが届くんですね。



長い言葉は、プレー中には入りませんからね。
練習では、レギュラーの相手役になる
チームが強くなるかどうかは、練習でどれだけ本気の球を受けられるかで決まります。その相手役を務めているのが控えの選手です。
手を抜いた球ばかりを出していると、チーム全体が伸びません。逆に、練習で厳しい球を出せる選手は、自分の力も上がっていきます。



レンシュウ ノ アイテヤク モ シゴト
ここは、実力がそのまま自分に返ってくるところでもあります。
記録を残しておくと、次につながる
見ていて気づいたことを書き残しておくと、自分の課題も見えてきます。相手の傾向でも、自分ならどう動くかでもかまいません。
書き方に迷うときは、こちらの記事が参考になります。
やってはいけない控えの過ごし方
反対に、避けてほしい過ごし方もあります。どれも直せるものばかりです。
コートを見ていない
友達と関係のない話をしていたり、下を向いていたりすると、情報が入りません。呼ばれたときに、いちばん困るのは自分です。
自分と誰かを比べ続ける
出ている選手と自分を比べ続けると、応援もできなくなります。比べるなら、先週の自分と比べてください。
- 先週の自分:できるようになったことを1つ探す
- 今日の目標:出番が来たらやることを1つ決める
- チームの勝ち:自分が今できる貢献を1つ選ぶ
比べ方を変えるだけで、ベンチにいる時間の重さは変わります。
人と比べてしまう気持ちそのものを、練習の中身に変えていく手順は別の記事でまとめています。
出番がない日を、無駄な日にしてしまう
1日中ベンチだった日でも、見て覚えたことは残ります。その日に見た相手の攻撃は、次に対戦したときの材料になります。
気持ちが落ちてしまうときは、こちらの記事も読んでみてください。
よくある質問
まとめ:控えの時間は、出番のための準備の時間
控えでいる時間は、待つ時間ではありません。コートを見て情報を集め、いつ呼ばれても動ける体を作っておく時間です。
① 相手の攻撃と自分の入る場所を、コートを見て頭に入れる。
② 体を冷やさず、いつ呼ばれても動ける状態にしておく。
| 場面 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 試合が始まったら | 相手のサーバーと攻撃を見る | ぼんやり見ずに3つに絞る |
| セットの合間 | 足首と肩を回して体を起こす | 動きすぎて疲れない |
| 交代を告げられたら | やることを1つだけ決める | あれこれ考えない |
| 入って1本目 | ミスしても次で声を出す | 1本で止まらない |
| 出番がなかった日 | 見て気づいたことを書き残す | 無駄な日にしない |
私は指導のなかで、ベンチでいちばん先に相手の傾向に気づく選手を何人も見てきました。そういう選手は、出番が来たときに必ず何かを残します。
次の試合では、まず相手のサーバーを1人ずつ見るところから始めてみてください。



明日は相手のサーブを全部見ます!



それが分かっていれば、入った1本目から動けますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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