- 汗で腕がぬれて、レシーブのたびにボールがあらぬ方向へ飛ぶ
- 手汗で指先が滑って、トスやサーブが安定しない
- 夏場や試合の終盤になると、急にミスが増える
こんな悩みを解決します。
汗で滑る悩みは、汗をボールに移さない工夫と、こまめに拭く習慣で大きく減らせます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
現役時代も、夏場の体育館はとても暑く、汗との戦いは毎日のことでした。
汗の対策は根性ではなく、準備と段取りで差がつく部分です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- なぜ汗でボールや手が滑るのかがわかる
- 試合中すぐにできる、汗の即時対処がわかる
- 道具と環境づくりで根本から汗対策ができる
レシーブの基本そのものを見直したい方は、下の記事もどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:汗対策は「移さない・拭く・乾かす」の3つ
汗で滑るのを防ぐポイントは、シンプルに3つです。
- 腕や手の汗をボールに移さない
- ラリーの合間にこまめに拭く
- 汗を堰き止める道具で流れをコントロールする
特別な道具がなくても、この3つを意識するだけで滑りはかなり減ります。
汗そのものを止めることはできませんが、「どこを通って」「どこに移るか」はコントロールできるんです。汗をかくこと自体は、体が頑張っている証拠です。問題なのは、その汗がボールや手に移って、プレーの邪魔をすること。だから、汗を「敵」だと思うのではなく、「移さないように付き合うもの」と考えると気持ちが楽になります。
この記事では、試合中すぐにできる対処から、道具を使った根本対策まで、順番に紹介していきます。どれも今日から始められるものばかりです。
サルくん拭いても拭いても、すぐ汗が出てきちゃうよ…。



全部止めようとしなくて大丈夫。ボールに移る分だけ減らせばいいんだ。
なぜ汗でボールが滑るのか


汗で滑るのには、ちゃんとした理由があります。場所によって原因がちがうので、分けて考えましょう。
そもそも、ボールの表面は乾いた手や腕でこそ、しっかりグリップできるように作られています。そこに汗という水分が入りこむと、手とボールの間に薄い水の膜ができて、ツルッと滑ってしまうんです。これは技術の問題ではなく、物理的に起きてしまう現象です。
だから、「もっと集中すれば滑らない」と根性で乗りきろうとしても、なかなか解決しません。汗という原因に、まっすぐ手を打つことが大切です。
腕の汗がボールに移る
レシーブのとき、前腕にたまった汗がボールに移ると、ボールの表面がぬれて滑りやすくなります。
すると、せっかくいい面を作っても、当たった瞬間にボールがツルッと横へ逃げてしまいます。本人は正しく構えているのに結果だけが乱れる、とても直しにくい悩み。
「フォームは合っているのに、なぜか飛ぶ方向が安定しない」という時は、汗を疑ってみてください。フォームをいくら直しても直らない乱れは、原因が汗にあることが少なくありません。
手汗で指先のコントロールが落ちる
トスやサーブでは、指先のわずかな感覚が頼りです。
手汗で指がぬれると、ボールを押し出す瞬間に滑り、回転や方向が乱れます。とくに手汗が多い子は、人より早めの対策が必要になります。



アセ ガ ボールニ ウツルト メン ガ クルウ
汗の量には個人差がある
同じ練習をしていても、汗の量は人それぞれ大きく違います。
汗をたくさんかく子は、まわりと同じ対策では追いつかないことがあります。「自分は人より汗が多い」と気づいたら、恥ずかしがらずに、人より多めにタオルを用意する、こまめに拭く回数を増やす、といった工夫をしてください。汗が多いのは体質であって、努力不足ではありません。
試合中すぐにできる汗の即時対処


ここがいちばん実戦で役立つ部分です。汗は出続けるものなので、「出たら拭く」をルーティンにしてしまうのが効きます。
ポイントは、拭くタイミングを決めておくことです。気づいたときに拭くのではなく、決まった場面で必ず拭くようにします。
汗は、いつの間にかたまっていくものです。「滑った」と気づいたときには、もうボールがぬれた後です。だからこそ、滑る前に拭く習慣が大切になります。プレーの区切りごとに拭くと決めておけば、汗がたまる前にリセットできます。
拭くのは「気づいたら」ではなく「決めた場面で必ず」、これだけでミスの波がぐっと減ります。
ボールがぬれたら交換を頼む
大会や審判の判断にもよりますが、明らかにぬれて滑るボールは、交換をお願いできます。
自分のボールが明らかにぬれていると感じたら、無理にそのまま使わず、審判に交換を申し出て大丈夫です。がまんしてミスをするより、ずっと建設的な判断です。
サーブを打つ前にボールを受け取ったとき、表面がぬれていると感じたら、その時点で交換を頼むのが賢い選択です。ぬれたボールはサーブが滑って大きく狂うので、1点を失う前に動きましょう。遠慮していい場面ではありません。
汗の通り道を断つ
額や髪から流れる汗が、首や腕をつたってボールに届くこともあります。
ヘアバンドやリストバンドで汗の流れをせき止めると、腕やボールに届く汗を減らせます。汗を「拭く」だけでなく「流れを設計する」発想が大切です。
たとえば、額にヘアバンドをすると、顔から首、腕へと流れていく汗の量がぐっと減ります。手首にリストバンドをすれば、腕を伝った汗が手のひらに届く前に吸い取ってくれます。汗が通る道に、あらかじめ「関所」を置いておくイメージです。
こうした道具は安価で、部活のお小遣いでも手に入ります。1つあるだけで、試合中の滑りの悩みがずいぶん減るので、汗で困っている人はぜひ試してみてください。
道具で根本から汗を防ぐ


拭くだけでは追いつかないほど汗が多い場合は、道具の力を借りましょう。
リストバンド・アームカバー
リストバンドは、手首まで流れてくる汗を吸い取り、手のひらへ汗が届くのを防いでくれます。
アームカバーは、前腕の汗がそのままボールに移るのを防ぐ一助になります。多くの選手が、汗対策とすり傷予防のために使っています。
汗の量が多い選手は、吸水性のよい綿混タイプや、ずれにくいフィット感のものを選ぶと使いやすくなります。手首まわりがゆるいとすぐにずり落ちて、かえってプレーの邪魔になってしまうため、少しきつめのフィット感を目安にしてみてください。洗い替えを2〜3枚そろえておくと、汗を吸ったものをすぐに交換でき、いつも乾いた状態でプレーを続けられます。
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
道具の選び方や、初心者がそろえたい用品は下の記事も参考にしてください。
暑さと熱中症には注意
アームカバーは便利ですが、真夏に体温がこもりすぎると熱中症のリスクが上がります。
通気性のよいタイプを選び、こまめな水分・塩分の補給をセットにしてください。汗対策と体調管理は、いつも一緒に考えることが大切です。
汗対策と熱中症対策は、必ずセットで考えるようにしてください。涼しい時期は問題なくても、真夏の体育館では話が変わります。体調が一番、その上での汗対策、という優先順位を忘れないでください。
また、汗の量そのものを減らすには、ふだんの水分のとり方も関係します。練習前から少しずつ水分をとっておくと、体温の上がり方がゆるやかになり、急に大量の汗が噴き出すのを防ぎやすくなります。のどが渇く前に飲むのが基本です。
やってはいけない汗対策


良かれと思ってやったことが、かえってトラブルになる場合があります。
滑り止め剤をボールに使う
手や指の滑り止めとして、粉や松ヤニのようなものをボールに使うのはやめましょう。
ボールがベタついたり、表面の状態が変わったりして、相手や審判に迷惑がかかることがあります。使う道具はリストバンドやタオルなど、自分の体側にとどめておくのが安全です。
床が滑る問題と混同しない
汗で床が滑るのは、ボールが滑るのとは別の問題です。
床が滑るときは、シューズの裏を拭く、モップをかける、といった対策が中心になります。混同すると対策がちぐはぐになるので、「ボールの滑り」と「床の滑り」は分けて考えてください。
シューズの裏に汗やほこりがつくと、踏ん張りがきかなくなり、急な動き出しで足が滑ります。プレーの合間に手で靴底を軽く拭くだけでも、グリップはかなり戻ります。床が滑ると感じたら、まず自分の靴底をチェックしてみてください。小さな習慣ですが、ケガの予防にもつながります。



ボールと床で、やることが違うんだね!
手汗が多い人と、保護者ができること
最後に、人より汗が多くて悩む選手と、それを支える保護者の方へ向けた工夫を紹介します。
手汗が多い人の工夫
手汗が多いと、トスやサーブのたびに指が滑り、自信をなくしてしまうことがあります。
まずは、サーブやトスの直前に、手のひらをユニフォームでしっかり拭く習慣をつけましょう。乾いたタオルをベンチに用意しておき、コートを出るたびに拭くのも効果的です。
それでも気になる場合は、汗を抑えるケア用品を使う方法もあります。ただし、肌に合わないこともあるので、いきなり試合で使わず、練習で試してから取り入れてください。
手汗が多いと、トスを上げるセッターや、サーブを打つ場面で特に困ります。そういう選手は、自分の番が近づいたら早めに手を拭いておく、という先回りの準備が効きます。打つ瞬間に慌てて拭くのではなく、余裕のあるうちに乾いた状態を作っておきましょう。
手汗は体質なので、上手につき合う工夫をする、という考え方が大切です。なくそうと焦るより、こまめに拭いてリセットする方が、ずっと現実的で効果があります。
保護者ができるサポート
汗対策は、家庭の準備でも差がつきます。保護者の方ができることもたくさんあります。
- 汗を拭くタオルを多めに持たせる
- 吸汗・速乾タイプのユニフォームやインナーを選ぶ
- 水分と塩分の補給をこまめにできるよう準備する
とくに夏場は、汗対策と熱中症対策が表裏一体です。冷たい飲み物や替えのタオルを用意してあげるだけで、子どもは安心してプレーに集中できます。



タオルを多めに用意するだけでも、子どもはぐっと安心してプレーできるよ。
よくある質問
まとめ:汗は止められないが、移し方は変えられる
汗で滑る悩みは、汗をボールに移さず、決めた場面でこまめに拭くことで大きく減らせます。
最後に、場面別の対策を表で整理します。
| 困りごと | おもな対策 |
|---|---|
| 腕の汗でレシーブが乱れる | アームカバー・ラリー間に拭く |
| 手汗でトス・サーブが滑る | リストバンド・サーブ前に拭く |
| ボールがぬれて滑る | 審判に交換を頼む |
| 汗が顔から流れてくる | ヘアバンドで流れをせき止める |
私は元日本代表として、暑い体育館でも安定したプレーを続ける選手は、例外なく汗対策が上手だと感じてきました。小さな段取りの差が、終盤のミスを減らします。



サーブの前に拭く! まずはそこからやってみる!



いいね。汗対策も立派な技術だよ。準備で差をつけよう♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーボールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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