- 高校からバレー部に入ったが、経験者との差に焦っている
- 何から練習すればいいのか順番がわからない
- 今から始めて試合に出られるのか不安になっている
こんな悩みを解決します。
結論からお伝えすると、高校からバレーボールを始めるのは、まったく遅くありません。ただし、練習する順番を間違えると差が縮まりません。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきましたが、部活動に入ってからバレーボールを始めた選手が、1年後にコートに立っている姿は何度も見てきました。
反対に、経験者と同じ練習を最初から追いかけて、途中で自信をなくしてしまう選手もいました。
差が出るのは才能ではなく、最初の1年をどんな順番で使ったかです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 高校から始めても遅くない理由がわかる
- 1年間で何をどの順番で身につけるかがわかる
- 経験者との差を縮める時間の使い方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:遅くはない。ただし「順番」を間違えないこと
先に結論をお伝えします。高校から始める人が最短で試合に近づく道は、スパイクから入らず、構えとサーブから固めることです。
バレーボールは、他の球技と比べて「最初にできること」が少ない競技です。
サッカーならボールを蹴れますし、バスケットボールならシュートを打てます。しかしバレーボールは、ボールを止められないルールなので、初心者がラリーに入るまでに少し時間がかかります。
だからこそ、順番が効いてきます。
- 低い構えと一歩目(すべてのプレーの土台になる)
- サーブ(1人で完結し、試合で最初に任される役割になる)
- サーブレシーブ(コートに立つための入場券になる)
この3つは、経験者との差が比較的つきにくい部分です。反対にスパイクは、助走・跳躍・打点の3つが噛み合う必要があるので、時間がかかります。
サルくん周りはもう打てているのに、自分だけ何もできない気がして焦ります。



焦る必要はありません。先に固めるべきものが、みんなとは違うだけですよ。
私が見てきた中で、1年目で試合に絡めるようになった選手は、ほとんどがサーブかサーブレシーブのどちらかで信頼を得ていました。
この記事では、つまずきやすい点、1年間の練習の順番、時間の使い方、初心者だからこその強み、そして続けるための心の整え方の順にお伝えします。
高校から始める人がつまずく3つのポイント
順番の話に入る前に、つまずきやすい場所を先に知っておきましょう。ここを避けるだけで、1年の進み方が変わります。
私がよく相談を受けるのは、次の3つのどれかに当てはまるケースです。
つまずき①:いきなりスパイクを打ちたくなる
バレーボールでいちばん目立つプレーはスパイクです。始めたばかりの人が憧れるのは自然なことです。
ただ、スパイクは助走のリズム、踏み切り、空中での姿勢、ミートの4つが同時に必要になります。
土台ができていない状態で強く打とうとすると、フォームが固まる前に変な癖がついてしまいます。
スパイクは順番でいえば後半です。焦って前に持ってこないことが、結果的に近道になります。
つまずき②:経験者と同じ練習をして自信をなくす
部活動では、初心者も経験者も同じ練習に入ることが多くなります。
そこで同じ球を受けようとすると、当然うまくいきません。うまくいかない経験が続くと、技術以前に気持ちが折れてしまいます。
大切なのは、同じメニューの中でも自分の課題を1つに絞ることです。



同じ練習なのに、自分だけ全然できなくて落ち込みました。



同じメニューでも、見るところを変えていいんです。今日は構えだけ、と決めてください。
つまずき③:体と道具の準備が後回しになる
意外と多いのがこれです。シューズが合っていない、膝サポーターを着けていない、といった状態で無理に飛び込むと、早い段階でケガをします。
初心者は体の使い方がまだできていないぶん、着地や転倒で負担がかかりやすくなります。
最初にそろえるものは多くありません。用具の選び方は、次の記事を参考にしてください。
1年で試合に出るための練習の順番
ここからが本題です。1年間を4つの段階に分けて考えます。
大事なのは、前の段階が固まってから次に進むことです。同時に全部やろうとすると、どれも中途半端になります。
第1段階:低い構えと一歩目(最初の1〜2か月)
最初にやることは、ボールを使わない部分です。
低い姿勢を保てるか、合図で一歩目が出るか。この2つができていないと、どんなに良いフォームを覚えても間に合いません。
地味に見えますが、ここが最後まで効いてきます。構えの作り方は次の記事にまとめています。
第2段階:サーブを「入る形」で覚える
構えと並行して進めたいのがサーブです。理由は2つあります。
1つは、相手がいなくても1人で練習できること。もう1つは、試合でいちばん最初に任される役割になりやすいことです。
最初はアンダーハンドサーブから入るのが確実です。重心が低く動きがシンプルなので、安定して入れやすくなります。
慣れてきたら、オーバーハンドサーブへ進みます。焦って強く打つ必要はありません。入る形を先に作ってください。
サーブに関わるルールは、日本バレーボール協会(JVA)が公開している競技規則で確認できます。始めたばかりの時期に一度目を通しておくと安心です。



アンダーサーブは、初心者っぽく見えて恥ずかしくないですか?



入らないサーブの方が、チームにとってはずっと困りますよ。
第3段階:サーブレシーブでラリーに入る
サーブが入るようになったら、次はサーブレシーブです。
ここができるようになると、試合に出る可能性が一気に上がります。守れる人はコートに立てるからです。
腕の形を覚えることも大切ですが、それ以上に大切なのは足を動かしてボールの正面に入ることです。腕だけで合わせにいくと、方向が安定しません。
- 足から動いて、ボールの正面に体を持っていく
- 腕を振らずに、面を作って当てる
- 上げる高さを決めておく(セッターの頭より高く)
基礎練習のメニューは、次の記事にまとめています。
第4段階:スパイクと自分の役割を作る
ここまで来て、ようやくスパイクです。順番としては最後になりますが、遅いわけではありません。
構えができていれば助走の一歩目が出ますし、ボールを見る目も育っています。土台がある状態で始めるほうが、結果的に早く形になります。
助走は3歩から入るのが基本です。リズムをつかみやすく、初心者が身につけやすい形です。



やっと打てるところまで来ました!



ここまでの積み重ねがあるから、上達も早いですよ。
1年目の到達の目安を知っておく
自分がどこまで来ているのかが分かると、焦りは減ります。目安を持っておきましょう。
私がスクールで示している、初心者の1年目の目安をお伝えします。部活動に入って本格的に練習を始めた選手を想定したものです。
| 時期 | 到達の目安 |
|---|---|
| 入部して最初の1か月 | 壁パスがオーバー・アンダー各10回続く |
| 2か月目ごろ | 壁パスがオーバー・アンダー各20回続く |
| 夏の大会の時期 | 緩いフローターサーブが10本中9本入る |
| 同じ時期 | 低い姿勢で動く基礎的なフットワークができている |
| 同じ時期 | 壁パスがオーバー・アンダー各50回続く |
| 同じ時期 | スパイクの助走が確立している |
この目安は、週5回の部活動で、そのうち体育館が使えるのが週2〜3回という環境を想定しています。
環境によって進み方は変わるので、遅れていても落ち込む必要はありません。大切なのは順番どおりに積み上がっているかどうかで、日付そのものではありません。
壁パスは1人でできて、しかも回数で成長が見えます。初心者にとって、いちばん分かりやすい物差しです。



目安に届いていないと、やっぱりまずいですか?



環境で差が出る部分なので、そこは気にしなくて大丈夫です。順番さえ合っていれば追いつきます。
経験者との差を縮める時間の使い方
同じ練習時間の中では、差は縮まりにくいものです。差を縮めるのは、練習時間の外側です。
やることは難しくありません。次の3つを続けるだけで、1年後の位置は変わります。
練習の前後10分を自分の時間にする
全体練習が始まる前と終わったあとに、10分ずつ自分の課題に使います。
内容は1つに絞ってください。今週はサーブのトス、来週は構えの高さ、というように決めます。
1日20分でも、週5回で100分になります。1年続ければかなりの時間です。
1人でできる練習を持っておく
体育館が使えない日や、家にいる時間にできることを持っておくと、練習量の差が埋まっていきます。
壁パス、直上パス、サーブのトスだけの反復など、道具が少なくてもできるものを選びましょう。



家でもできることが、こんなにあるんですね。



差がつくのは、体育館の外の時間ですよ。
体づくりを並行して進める
初心者は技術に目が行きがちですが、体の準備も同時に進めてください。
跳ぶ力も、低い姿勢を保つ力も、体ができていないと出てきません。
ただし、いきなり重い負荷をかけるのは避けてください。自分の体重を使った運動から始めるのが安全です。
高校から始める人が持っている3つの強み
最後に、初心者だからこその強みをお伝えします。ここを自覚しているかどうかで、伸び方が変わります。
経験が長いことは、良いことばかりではありません。始めたばかりの人にしかない利点があります。
強み①:変な癖がついていない
経験者ほど、直したいのに直らない癖を持っているものです。長く続けたぶん、体に染み込んでいるからです。
初心者は、最初から正しい形で覚えられます。これは大きな利点です。
だからこそ、最初に教わったことを丁寧にやってください。急いで自己流にしないことが、そのまま強みになります。
強み②:伸びしろが大きく、変化が見えやすい
始めたばかりの時期は、できなかったことができるようになる回数がいちばん多い時期です。
昨日入らなかったサーブが今日入る、という変化が続きます。この感覚は、練習を続ける力になります。
強み③:他競技の経験が土台になる
中学まで別の競技をしていた人は、その動きが必ず生きます。
走る、跳ぶ、体をひねる、相手を見て判断する。どれもバレーボールで使う動作です。



前は違う競技だったので、全部やり直しかと思っていました。



やり直しではありません。土台があるぶん、動きの覚えは早いですよ。
続けるための気持ちの整え方
技術の話をしてきましたが、最後は気持ちの話です。ここが折れると、順番も何も進みません。
初心者の時期は、できないことのほうが多くて当たり前です。そこで自分を責めないでください。
比べる相手は、経験者ではなく先週の自分にします。壁パスの回数やサーブの成功本数を記録しておくと、比べる材料が手元に残ります。
数字が残っていれば、伸びていることが自分で分かります。気持ちが落ちた日の支えにもなります。
- 今週できるようになったことを1つ書き出す
- 今日の課題を1つだけに絞る
- 記録を見返して、始めた頃と比べる
- 誰かに聞く(1人で抱え込まない)
比べる相手を間違えないことが、続けるいちばんのコツです。
よくある質問
まとめ
高校からバレーボールを始めるのは、遅くありません。順番を間違えないことが、いちばんの近道です。
構えと一歩目 → サーブ → サーブレシーブ → スパイクの順に積み上げれば、1年で試合に絡む位置まで来られます。
避けたいのは、いきなりスパイクを追いかけることと、経験者と同じ土俵で比べてしまうことの2つです。
差がつくのは、練習時間の外側です。前後10分と、1人でできる練習を持っているかどうかで1年後が変わります。
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、始めた時期が遅かったから伸びなかった選手はいませんでした。
比べる相手を先週の自分にして、1つずつ積み上げていってください。



まずは構えとサーブから固めます!



その順番なら大丈夫です。1年後が楽しみですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
基本動作については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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