- 先輩に話しかけるタイミングが分からず、コートで固まってしまう
- 後輩に直してほしいことがあるけれど、きつく思われないか不安になる
- 学年がひとつ違うだけで、練習中の会話がぎこちなくなる
こんな悩みを解決します。
バレー部の先輩・後輩は、上か下かではなく「その日のコートでの役割」で考えると、話しかけるハードルが一気に下がります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上、中学生から一般までさまざまな世代を指導してきましたが、選手から「先輩に声をかけられない」「後輩への言い方が分からない」という相談を受けることがあります。
そのときにいつもお伝えしているのが、仲良くなろうとするより先に、プレーの用件で話す回数を増やすということです。用件があれば、学年に関係なく口が動きます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 学年差で気まずくなる本当の原因が分かる
- 先輩にも後輩にも使える話しかけ方の型が分かる
- 合わない相手がいるときの距離の取り方が分かる
メンタル面の整え方をまとめて知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:上下ではなく「役割」で話す

結論からお伝えします。バレー部の先輩・後輩がうまくいくかどうかは、① 用件で話す回数を増やす。
② 学年ではなくコートの役割で呼びかける。この2つでほとんど決まります。
気まずさの正体は、仲の良し悪しではありません。話す用件がないまま、同じ体育館にいる時間が長いことです。
用件がないから沈黙が生まれ、沈黙が続くから話しかけにくくなっていきます。
バレーはネットをはさんで6人が並び、1本ごとに守る場所と役割が変わる競技です。つまり、話す用件はいくらでも転がっています。
サルくん先輩に話しかけるの、緊張します…。



世間話じゃなくて、プレーの用件から入れば大丈夫ですよ。
「次、真ん中お願いします」「サーブ、どっち狙いますか」。この一言が出るようになると、上下関係を意識する時間そのものが減っていきます。
- 話す用件がない時間が長い(移動・待機・片づけ)
- ミスの直後に何を言えばいいか分からない
- 注意する側とされる側が、学年で固定されている
3つ目は特に見落とされがちです。学年が上だから注意する、下だから黙って聞く、という形が固まると、上級生も下級生も同じだけ息苦しくなります。
コートでは、リベロが前衛の3人に守備位置を指示する場面が普通にあります。役割で話す関係が根づいているチームは、学年の壁が低いんです。
練習中に交わされる言葉のほとんどは、守る場所・トスの高さ・相手の攻撃に関することです。ここに学年は関係ありません。
用件で話す回数が増えるほど、学年を意識する時間は短くなります。仲の良さは、そのあとから自然についてきます。



ジョウゲ ヨリ ヤクワリ デ ハナス
チームとしての声の出し方はバレーの声かけ10選|コートで使える掛け声と必要性を解説にまとめました。
後輩から先輩へ、話しかけやすくなる4つの手順
まずは下級生側からです。緊張して固まってしまう人ほど、順番を決めておくと動きやすくなります。
①用件から入り、世間話はあとにする
いちばん多い失敗は、仲良くなろうとして話題を探すことです。共通の話題がないまま話しかけると、最初の一言で止まってしまいます。
入口は「お願いします」「ありがとうございます」「今のどう見えましたか」の3つで十分です。バレーの用件なら、相手も答える内容がはっきりしています。
3つ目の「結果を返す」が、いちばん効きます。教えた側は、自分の言葉が届いたかどうかを気にしているからです。



報告するだけでいいんですね。



教えた側は、それがいちばん嬉しいんです。
②片づけと準備で先に動く
用件を作る一番かんたんな方法が、準備と片づけです。ボールかごを出す、ネットを張る、モップをかける。ここは学年に関係なく手が必要になります。
一緒に動いていると、自然と短い会話が生まれます。話しかけるきっかけを探すより、同じ作業に入るほうが早いんです。
準備や球拾いの時間が長くてつらいと感じるときに、その時間を上達につなげる工夫は別の記事でまとめています。
③聞き方を「はい・いいえ」で終わらせない
「今の、大丈夫でしたか」と聞くと、「大丈夫」で会話が終わります。「今の、腕はもう少し下げたほうがいいですか」と聞けば、答えが具体的になります。
自分がどこを直そうとしているかを一緒に伝えると、先輩も答えやすくなります。質問の質は、そのまま返ってくる情報の質になります。
④敬語は無理にくずさない
親しくなろうとして急に言葉づかいを変えると、かえって距離ができることがあります。敬語のままでも、話す回数が多ければ関係は近づいていきます。
言葉づかいより、返事の速さと目を見ることのほうが伝わります。ここは大人になってからも同じです。



ケイゴノママ デ カイスウ ヲ フヤス
声が出ないこと自体に悩んでいる場合はバレーで声が出せない人へ|恥ずかしいを抜ける3ステップも参考になります。
先輩から後輩へ、伝わる言い方の型


次は上級生側です。後輩に何かを伝えるときは、言う内容よりも順番で伝わり方が変わります。
事実→やり方→理由の順で話す
避けたいのは、感想から入ることです。「やる気ある?」から始まると、内容が入る前に相手の耳が閉じてしまいます。
順番はいつも同じで大丈夫です。
事実から入ると、指摘ではなく共有になります。理由まで届くと、次の1本で自分から直せるようになります。



順番を変えるだけで、こんなに違うんだ!



同じ内容でも、届き方はまるで変わりますよ。
人前で強く言わない
もう1つは場所です。コート全体に聞こえる声で強く言われると、内容よりも恥ずかしさが残ります。
全員に関わることはみんなの前で、その人だけに関わることは横に呼んで短く。この使い分けだけで、後輩の受け取り方は大きく変わります。
できた時にこそ声をかける
注意するときだけ話しかけていると、声をかけられること自体が緊張の合図になってしまいます。
うまくいった1本、拾った1本、声を出した場面。ここで先に声をかけておくと、直してほしいことも届くようになります。
注意の回数より、声をかけた回数のほうが関係を作ります。伝わる相手になってもらう準備、と考えてみてください。
- 1回に伝えるのは1つだけ(2つ以上は残らない)
- ミスの直後より、ラリーが切れて落ち着いてから
- 直せたときは、その場で短く伝える
キャプテンや学年リーダーの立ち回りはバレー部のキャプテンの役割|信頼される5つの行動で解説しています。
気まずくなりやすい場面と、その場の直し方
気まずさは、決まった場面で生まれます。あらかじめ対応を決めておくと、その場で固まらずにすみます。
場面別の対応
| 場面 | 起きやすいこと | その場でやること |
|---|---|---|
| 先輩がミスをした直後 | 何も言えず沈黙する | ドンマイより「次いきましょう」と言う |
| 後輩がお見合いした | 学年が下の子だけが謝る | 「今の、自分が呼びます」と役割を決める |
| 練習の待ち時間 | 学年ごとに固まってしまう | 前後の学年に1つだけ用件を持っていく |
| 注意された後 | 気まずくて避けてしまう | その日のうちに、直した結果を報告する |
| 試合に出る学年が偏る | 出ない側が声を出せなくなる | ベンチの役割(記録・声・準備)を先に決める |
いちばん多いのが、4つ目の「注意されたあと避けてしまう」です。避けた時間が長いほど、次に話しかける難易度は上がっていきます。
その日のうちに短く話しておくと、翌日の練習が普通に始められます。



気まずいまま次の日を迎えるの、いちばんしんどいかも…。



だからこそ、その日のうちに一言だけでいいんです。
ミスの後は「次の1本」の話にする
学年に関係なく使えるのが、過去ではなく次の話をすることです。「なんで取れなかったの」ではなく「次、どっち寄る?」に変えます。
未来の話には、責める要素が入りません。ミスを引きずらせないまま、守り方の確認まで進められます。
お見合いの整理はお見合いを防ぐ声かけと優先順位ルール|2人の間に落とさないにまとめました。



スギタ 1ポン ヨリ ツギノ 1ポン
それでも合わない先輩・後輩がいるとき
全員と仲良くなる必要はありません。ここを目標にすると、うまくいかなかったときに自分を責めることになります。
距離は取っていい、ただし無視はしない
人が集まれば、相性が合わない相手は必ずいます。無理に近づこうとせず、必要な用件だけを普通のトーンで話す。これで十分に成立します。
やらないほうがいいのは、返事をしない・目を合わせないという形です。チームの守備は声でつながっているので、そこが切れるとプレーに直接ひびきます。
- 呼ばれたら返事をする
- 守備の声(お願いします・任せた)は普通に出す
- 悪口の輪には入らない
3つ目は自分を守るためでもあります。話が広がったとき、いちばん苦しくなるのは輪に入っていた人です。
そして、合わないと感じている相手も、同じように気をつかっていることが少なくありません。用件の会話が続くうちに、気づいたら普通に話せるようになっていた、というケースもよくあります。



距離を取ったら、冷たいと思われないかな…。



用件をきちんと返していれば、冷たくは映りませんよ。
つらいときは1人で抱えない
言葉がきつい、無視される、荷物を持たされ続ける。こうしたことが続いているなら、それは相性の問題ではありません。
顧問や指導者、保護者、学校の相談窓口に伝えてください。自分で解決しようとして黙っている時間が長くなるほど、バレーそのものが嫌になってしまいます。
私が相談を受けてきたなかでも、早く誰かに話せた選手ほど、その後もバレーを続けられていました。
気持ちが限界に近い場合はバレー部をやめたいと思ったら|決める前に整理する5つのことを読んでから決めても遅くありません。
よくある質問
まとめ:用件で話す回数を増やす
バレー部の先輩・後輩のつき合い方は、性格や相性の問題に見えて、実は話す用件の数の問題です。用件が増えれば、学年差を意識する時間は自然に減っていきます。
① 用件で話す回数を増やす。
② 学年ではなくコートの役割で呼びかける。
| 立場 | 意識すること | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 後輩 | 用件から入り、結果を報告する | 「今の、どう見えましたか」と1つ聞く |
| 先輩 | 事実→やり方→理由の順で伝える | できた1本に先に声をかける |
| 両方 | 過去ではなく次の1本を話す | 「次、どっち寄る?」に言い換える |
| 合わない相手 | 距離は取り、返事はする | 守備の声だけは普通に出す |
私が見てきたなかでも、学年の壁が低いチームほど、ラリー中の声が細かく、拾える範囲が広くなっていました。人間関係の話に見えて、これは守備力の話でもあります。
まずは次の練習で、ひとつ上の学年とひとつ下の学年に、それぞれ1回ずつ用件を持っていってみてください。



明日、先輩に守る場所を聞いてみます!



その一言から、コートの空気は変わりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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