バレー部の子が反抗期に入ったら|話さない時期の関わり方

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バレー部の子の反抗期に親ができる関わり方を示すアイキャッチ
  • 部活の話をまったくしてくれなくなった
  • 声をかけると、うるさいと返されてしまう
  • 応援に行っていいのかどうかも聞けない

こんな悩みを解決します。

反抗期に入ったバレー部の子には、話を引き出そうとせず、バレーの周辺にある時間から関わるのがおすすめです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中学生を指導していると、家で話さなくなったという相談を保護者の方から受けることがあります。

そういう時期の選手も、体育館では驚くほど普通に話します。つまり、話す力がなくなったわけではなく、家で話す形が合わなくなっただけなんですよね。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 反抗期にバレーの話をしなくなる理由がわかる
  • 話しかけるより効く3つの場面がわかる
  • 見守りで済ませないほうがよいサインがわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:正面から聞かず、周辺の時間から関わる

先に結論をお伝えします。反抗期の時期は、バレーの話を正面から聞き出そうとせず、送迎や食事といった周辺の時間に一緒にいることが近道です。

反抗期は、自分のことを自分で決めたい気持ちが強くなる時期です。親から質問が飛んでくると、それだけで管理されているように感じてしまいます。

しかも部活は、本人が自分で選んで入った場所です。その領域に踏み込まれることには、他のどんな話題よりも敏感になります。

だからといって、関わりを断つ必要はありません。関わり方の形を変えるだけです。

STEP
質問を減らし、同じ場所で同じ時間を過ごす
STEP
部活の中身ではなく、体調と生活のことだけ聞く
STEP
相手から話し始めたら、口をはさまずに聞く
うさママ

話しかけないほうがいいということでしょうか?

あげば

話しかけていいんですよ。聞き出そうとしないだけです。

この違いは小さく見えて、受け取る側にはかなり大きく届きます。

聞き出そうとする言葉は、答えを求めています。ただそこにいる言葉は、答えを求めていません。

反抗期にバレーの話をしなくなる3つの理由

まず、話さない理由を知っておくと気持ちが楽になります。多くの場合、親を嫌っているから話さないわけではありません。

理由①:部活で気を張っていて、家では休みたい

中学・高校の部活は、思っている以上に神経を使う場所です。技術のことだけでなく、先輩や仲間との距離のとり方にも気を配っています。

その状態で帰ってきた子に、玄関先で質問が続くとどうなるでしょうか。答えるだけの余力が残っていないことがほとんどです。

体育館では元気に見えても、家では電池が切れている。この落差は、成長期の子にはよくあることでしょう。

しかも、中学・高校の年代は体が急に大きくなる時期と重なります。同じ練習量でも、疲れの出方が去年とはまったく違っていることがあります。

本人にもその自覚がないまま、ただ機嫌が悪いように見えてしまう。そこで理由を問いつめると、さらに口を閉じてしまいます。

サルくん

今日はもう、しゃべる気力がない…。

あげば

それだけ本気でやってきた証拠ですよ。

理由②:親の言葉が評価に聞こえる時期になる

同じ言葉でも、受け取り方は年齢で変わります。小さいころは応援に聞こえていた言葉が、この時期は評価や採点に聞こえることがあります。

たとえば、今日どうだったという一言です。親は近況を聞いただけでも、本人は結果を確認されたと感じることがあります。

うまくいかなかった日ほど、この差は大きくなります。話したくないのではなく、いま話すと責められている気持ちになる、というのが本当のところです。

そして、こうした受け取り方は本人にもコントロールできません。落ち着いてから振り返れば、親が心配していただけだと分かっていることも多いものです。

つまり、この時期の反応をそのまま本音として受け取らなくて大丈夫です。

評価に聞こえやすい聞き方
  • 今日は試合どうだったの
  • ちゃんと練習できたの
  • レギュラーの話はどうなったの

理由③:自分で決めたい気持ちが強くなる

反抗期は、自立の入り口でもあります。自分の部活は自分のもの、という感覚が強くなる時期です。

だから、親が先に動くことを嫌がります。応援に来ないでと言うのも、親が嫌いだからではなく、自分の場所に踏み込まれたくないからであることが多いんですよね。

この気持ちを認めてしまうほうが、結果として関係は落ち着きます。

バボット

反抗デハナク自立ノ入口

話しかけるより効く3つの場面

会話を増やそうとするより、一緒にいる時間を確保するほうがうまくいきます。バレー部の生活には、ちょうどよい場面が3つあります。

場面①:送り迎えの車の中

車の中は、向かい合わずに並んで座る場所です。目を合わせずに話せるので、気まずさが出にくくなります。

沈黙が続いても気にしないでください。音楽をかけたまま、何も話さずに帰る日があってもかまいません。

何度か続けているうちに、向こうから短い話が出てくることがあります。そのとき質問を重ねないことが、いちばんのコツになります。

そうなんだ、と受けて終わらせる。もっと聞きたい気持ちをこらえるだけで、次の日も話してくれる確率が上がります。

うさママ

黙っていてもいいんですね。

あげば

同じ時間を過ごしていれば十分ですよ。

場面②:練習から帰ったあとの食事

疲れて帰ってきた子にとって、食事はいちばん安心できる時間です。ここで部活の話を持ち出さないと決めておくと、食卓が休憩の場所になります。

栄養や食べる量の話も、この時期は控えめでよいでしょう。食べる量を管理されることも、本人にとっては踏み込まれた感覚になります。

食事の内容で支えたいときは、言葉ではなく中身で調整するほうが伝わります。

場面③:道具を整える時間

シューズを洗う、ボールの空気を入れる、ユニフォームをたたむ。こうした作業は、会話がなくても成り立ちます。

黙って手を動かしている横に、そっと並ぶ。それだけで、味方でいることは十分に伝わるものです。

道具の話は、成績の話と違って評価を含みません。だから、この時期でも比較的話題にしやすい領域になります。

シューズがそろそろ減ってきたね、くらいの一言なら、返事が短くても会話として成立します。買い替えの相談なら、本人から話しかけてくることもあるでしょう。

道具は、親が関わっても踏み込みすぎにならない数少ない入口です。

サルくん

シューズの話なら、まあ普通に話せる。

あげば

評価が入らない話題は、気が楽なんですよ。

つい言ってしまう言葉と、言い換え方

同じことを伝えたいときでも、言い方を変えるだけで受け取り方が変わります。反抗期はその差が特に大きく出る時期です。

つい言ってしまう言葉言い換え方
今日の試合どうだった?おかえり、おなかすいた?
もっと練習したら?何か手伝えることある?
先生はなんて言ってたの?今日は疲れてる?
あなたのためを思って言ってるの話したくなったら聞くね

左の言葉が悪いわけではありません。落ち着いている時期なら、どれも普通のやりとりです。同じ家庭でも、去年までは自然に交わせていた言葉であることがほとんどでしょう。

ただ、この時期は答えを求められること自体が負担になります。だから、返事が短くて済む言葉に置き換えるのがおすすめです。

結果について触れないと決める

いちばん効果があるのは、勝ち負けや出番について自分からは触れないと決めてしまうことです。

本人が話し始めたときだけ聞く。この線引きがはっきりしていると、子どもの側も安心して話せるようになります。

やめた言葉のぶんだけ、行動で伝える

言葉を減らすと、支えていないような気持ちになるかもしれません。そこは行動で埋めれば十分です。

洗濯を早めに回す、水筒を大きいものに替える、帰宅時間に合わせて食事を用意する。こうした準備は、言葉より確実に届きます。

本人が気づいているかどうかは、あまり気にしなくて大丈夫です。気づいていなくても、生活が回っているという安心感は残ります。

反抗期が落ち着いたころに、あのときは助かったと言われることもあるでしょう。

うさママ

何も言わないのは、放っておくようで不安です…。

あげば

言葉を減らすことと、放っておくことは別ですよ。

見守りで済ませないほうがよいサイン

反抗期の多くは、時間の経過とともに落ち着いていきます。ただし、見守りだけで済ませないほうがよい状態もあります。

生活のリズムが崩れ続けているときは、反抗期という言葉で片づけないでください。

大人が動いたほうがよい状態
  • 部活のある日だけ、朝起きられない日が続いている
  • 食事の量が急に減り、体重が落ちている
  • 眠れない、あるいは眠りすぎる状態が続いている
  • 部活だけでなく、学校にも行きたがらなくなっている

こうした変化が2週間ほど続くようなら、家庭だけで抱えないほうが安全です。学校の担任やスクールカウンセラーに、様子を伝えておきましょう。

体調面の変化が続いているときは、医療機関にも相談してください。成長期の心身の不調は、素人判断で見極められるものではありません。

燃え尽きに近い状態のときは、休ませる判断も必要になります。見分け方は次の記事にまとめてあります。

部活と家庭は役割を分けて考える

最後に、親の側の心構えについてです。反抗期のあいだは、家庭の役割をひとつに絞ってしまうと楽になります。

技術を伸ばすのは指導者の役割です。仲間との関係をつくるのは本人の役割になります。

家庭の役割は、安心して帰れる場所を保つこと。それだけで十分です。

この線引きがあると、口を出したくなる場面が減ります。減った分だけ、子どもの側も距離を詰めやすくなるものでしょう。

指導者との関係についても、同じ考え方で整理できます。練習内容や起用について気になることがあっても、まずは本人と指導者のあいだで解決する余地を残しておきます。

親が先に動くと、本人が自分で言う機会を失ってしまいます。どうしても伝える必要があるときだけ、大人の窓口として動けば十分です。

そして、この時期は永遠には続きません。

多くの選手は、学年が上がって自分の立ち位置が定まってくると、また普通に話すようになります。

サルくん

あのころは、なんであんなに突っかかってたんだろう。

あげば

みんな通る道ですよ。

自己肯定感を保つ声かけについては、こちらも参考になります。

よくある質問

応援に来ないでと言われました。行かないほうがいいですか?

本人の希望に合わせるのがおすすめです。
行かない代わりに、結果を聞かずに帰りを待つ形にすると、本人も気を張らずにすみます。学年が上がると、また来てほしいと言われることもよくあります。

部活をやめると言い出しました。反抗期の一時的なものでしょうか?

一時的な場合もありますが、その場で判断しないほうが安全です。
理由を聞き出そうとせず、まず数日ようすを見てください。生活のリズムまで崩れているなら、別の要因を疑う段階です。

送迎を断られたら、どうすればいいですか?

無理に続けなくてかまいません。
自分で行き帰りしたい気持ちのあらわれです。安全面だけ確認して、帰宅時間を共有してもらう形に切り替えてください。

父親と母親で対応がそろわないときはどうしますか?

触れない話題だけを先にそろえておくと混乱が減ります。
勝ち負けや出番の話には自分から触れない、という1点だけ決めておけば、あとは多少ちがっても問題ありません。

まとめ:関わりを減らさず、形だけ変える

反抗期のバレー部の子には、関わりの量ではなく、関わりの形を変えることが効きます。

場面やること避けること
帰宅直後体調だけ確認する試合や練習の中身を聞く
送迎の車内黙って隣にいる沈黙を埋めようとする
食事のとき中身で支える食べる量を管理する

私は元日本代表として活動したあと、10年以上スクールで中学生を指導してきました。

家で話さなくなったと聞いていた選手が、体育館では笑って冗談を言っているのは珍しい光景ではありません。

うさママ

話さない=心配、ではないんですね。

あげば

ええ。帰る場所があれば、それで大丈夫です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

保護者向けの内容については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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