- 部活が終わる時間が日によって違い、門限を何時にすればいいか決められない
- 遅くなるたびに叱ってしまい、家の空気が悪くなっている
- 暗い時間の帰り道が心配だが、うるさく言うと反発される
こんな悩みを解決します。
部活をしている子の門限でもめるかどうかは、時刻の数字ではなく、予定どおりにいかなかった日の扱いが先に決まっているかで分かれます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生を指導していますが、家庭でもめている選手の話を聞くと、遅れた理由そのものより「連絡がなかったこと」で叱られている場合がほとんどでした。
逆に、家との関係が安定している選手は、遅れそうな時点で一報を入れる形が習慣になっていました。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 部活の子の帰宅が遅くなる場面と、その理由がわかる
- 家庭で門限を決める手順と、決めるときの目安がわかる
- 守れなかった日にどう対応すればいいかがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:門限は「何時か」より「遅れる日の連絡」で決まる
先に結論をお伝えします。部活の子の門限で大事なのは、何時に帰るかではなく、その時刻を過ぎそうなときにどう伝えるかを先に決めておくことです。
部活は、終わる時刻が毎日きっちり同じにはなりません。練習が延びる日もあれば、片づけや当番で最後まで残る日もあります。
つまり「19時30分」と決めた瞬間から、守れない日が必ず出てきます。そこで叱る形にしてしまうと、子どもは遅れた事実を隠すようになります。
隠されるといちばん困るのは、家庭のほうです。どこにいるのか分からない時間ができてしまいます。
うさママ帰りが遅い日は、連絡もないので気が気じゃなくて…。



遅れること自体より、分からない時間が長いことが不安の正体ですよね。
だから、門限の話し合いは「何時にするか」から入らないでください。最初に決めるのは、遅れそうだと分かった時点で一報を入れる、という一点です。
これが先にあると、時刻のほうは意外とすんなり決まります。連絡さえあれば、多少前後しても家庭は動けるからです。
もうひとつ知っておきたいのは、門限は罰のための線ではないということです。
夜の時間をどう使うかは、翌日の練習の質にそのままつながります。帰宅が遅くなるほど、食事も入浴も就寝もうしろへずれていきます。
門限は、子どもを縛るためではなく、翌日に体を残すための線。この位置づけを親子で共有できていると、話し合いの雰囲気が変わります。



シバル線デハナク 明日ヲ守ル線
部活の子の帰宅が遅くなる3つの場面
門限を決める前に、どこで遅くなるのかを整理しておきます。ここがあいまいなままだと、決めた時刻がすぐ形だけのものになります。
練習が延びる日と、片づけの当番
1つ目が、練習そのものが延びる日です。大会前や新チームの立ち上がりの時期は、予定より30分ほど長くなることがあります。
さらに、体育館の片づけやモップがけの当番に当たった日は、最後の一人になることもあります。この時間は本人の意思では短くできません。
当番が回ってくる曜日が分かっているなら、その日だけ門限を別に決めておくと現実的です。



当番の日は、どうしても遅くなっちゃうんだよね。



その日だけ別扱いにしておけば、お互いに気をつかわずにすみますよ。
練習試合や遠征で解散時刻が読めない
2つ目は、練習試合や遠征のある日です。試合の進み方や交通の状況で、解散の時刻は当日にならないと分かりません。
ここを平日と同じ門限で縛ると、ほぼ毎回破ることになります。守れない前提の決まりは、あるだけで家の空気を悪くします。
試合のある日は「解散した時点で連絡する」という形に変えてください。時刻ではなく、連絡のタイミングを決めるほうが実際に機能します。
保護者が車を出す日と、公共交通で帰る日でも条件は変わります。帰り方まで含めて確認しておくと安心です。
練習後の買い食いと寄り道
3つ目が、練習のあとの寄り道です。おなかが空いた状態で解散するので、コンビニに寄る流れは自然に生まれます。
ここを頭ごなしに禁止すると、隠れて寄るようになります。そのほうが帰宅は遅くなりますし、何を食べたのかも分からなくなります。
寄ってもいい店と、使ってもいい金額を決めておくほうが現実的です。空腹のまま1時間以上を過ごすより、補食を入れてから帰ったほうが夕食のリズムも整います。



寄り道を全部だめにするのは、たしかに無理がありますね。



範囲を決めておけば、寄り道は補食の時間として使えますよ。
門限を決める5つの手順
ここからが本題です。次の順番で決めていくと、無理のない線に落ち着きます。
いちばん大事なのは1つ目です。感覚で「最近遅い」と話し始めると、そこで話がこじれます。
実際に書き出してみると、遅い日は週に1回か2回だったというケースが少なくありません。数字が見えると、話し合いが冷静になります。
2つ目の「15分足す」は、余白をあらかじめ渡しておくという考え方です。ぴったりの時刻にすると、少しの遅れが毎回もめる材料になります。
3つ目の例外は、あとから増やさないでください。先に決めた例外だけを別扱いにする形にしておくと、線があいまいになりません。
4つ目の連絡は、手段を1つに絞るのがコツです。電話とメッセージの両方を許すと、「送ったつもり」が起きやすくなります。



メッセージ1本でいいなら、そんなに面倒じゃないかも。



面倒でない形にしておくのが、続けるためのポイントですよ。
5つ目については、次の見出しでくわしくお伝えします。
もめやすい決め方3つと、その直し方
同じ門限でも、決め方によって続くかどうかが変わります。よくある3つのつまずきを見ておきましょう。
親が一人で決めて通達する
1つ目が、親だけで決めて伝える形です。理由が伝わらないので、子どもの側には納得が残りません。
反発が出るのはここです。時刻そのものより、決め方に反応しています。
書き出した記録を一緒に見ながら決めると、同じ時刻でも受け取り方が変わります。決める作業に本人を入れてください。



つい先に決めてから伝えていました…。



記録を一緒に見るところから始めれば、それだけで空気が変わりますよ。
破ったときの罰を先に決める
2つ目は、罰から入る決め方です。「破ったらスマホを取り上げる」という形にすると、遅れた日に連絡が来なくなります。
連絡した瞬間に罰が決まるなら、黙って帰ったほうが得だと考えるからです。これでは門限の目的から外れてしまいます。
罰ではなく、翌週の予定を見直す時間に変えてください。遅くなった原因が続くものなら、そもそも予定のほうを直す必要があります。
学年が上がっても同じままにする
3つ目が、線を見直さないことです。中学1年と3年では、練習量も帰り道の慣れも変わります。
同じ時刻のままにしておくと、成長に合わない決まりだけが残ります。学期の変わり目に一度見直す、と決めておくのがおすすめです。
見直すと約束してあれば、子どもの側も「今は守っておこう」と考えやすくなります。



学期ゴトニ 線ヲ引キ直ス
守れなかった日にやること
決めた門限は、必ず破られる日が来ます。そのときの対応で、次からの連絡が来るかどうかが決まります。
まず、帰ってきた直後に問い詰めないでください。移動してきた直後は、本人も落ち着いていません。
私は選手にも、遅くなった日ほど先に一報を入れるように伝えています。連絡があった日は家の空気が荒れない、と本人が実感できると習慣になります。
やることは1つだけです。連絡があったかどうかだけを確認してください。連絡があったなら、まずそこを認める言葉を先に渡します。
遅れたことより、連絡できたことを先に認める。この順番を守るだけで、次の日からの伝え方が変わります。



連絡したことをちゃんと見てもらえるなら、次もするよ。



その積み重ねが、いちばん大きい安心につながりますね。
連絡がなかった場合も、責める前に理由を聞いてください。手が離せなかった、電池が切れていた、単純に忘れていた。どれも中学生には起こります。
そのうえで、次にどうするかを1つだけ決めます。たとえば、解散したら真っ先に送る、という順番にしておく形です。
同じことが3回続くようなら、連絡の形そのものが本人に合っていない可能性があります。手段を変えることも考えてください。
- 帰宅直後に問い詰めず、まず落ち着かせる
- 連絡の有無だけを確認し、あった場合は先に認める
- 次にどうするかを1つだけ決めて終わりにする
夜の使い方全体が崩れているときは、門限だけを直しても戻りません。スマホの使い方まで含めて、一度整理してみてください。
帰り道の安全と、翌日に残す体
最後に、門限を考えるうえで外せない2つの視点をお伝えします。
1つ目が、帰り道の安全です。秋から冬にかけては、部活が終わる時刻にはもう暗くなっています。
自転車のライトが点いているか、反射材が付いているかを、季節の変わり目に一度確認してください。夜道は、明るい時間の同じ道とは別ものです。
人通りの少ない区間がある場合は、遠回りでも明るい道を通るように決めておくほうが安心できます。



暗い道を一人で帰ってくるのが、いちばん心配です。



通る道まで決めておけば、時間より先に安心が確保できますよ。
2つ目が、翌日に体を残すことです。帰宅が遅い日ほど、夕食と入浴、就寝が後ろにずれていきます。
成長期の体づくりは、食事と睡眠が土台になります。寝る時刻が毎日ずれる状態が続くと、練習量を増やしても伸びにくくなります。
帰宅が遅くなる日は、夕食を軽めにして先に入浴をすませるなど、順番を入れ替えるだけでも就寝時刻を守りやすくなります。
疲れが抜けない日が続くときや、朝起きられない状態が長引くときは、練習量の見直しもふくめて医師に相談してください。
よくある質問
まとめ
部活の子の門限は、時刻の数字を厳しくすれば守られるものではありません。守られるのは、遅れる日の扱いが先に決まっているときです。
遅れそうな時点で一報を入れる。この1つが決まっていれば、時刻は多少前後しても家庭は回ります。
| 場面 | 決めておくこと |
|---|---|
| 平日の練習 | 記録した時刻に15分足した基準の時間 |
| 片づけ当番の日 | その曜日だけ別の時刻にしておく |
| 練習試合・遠征 | 時刻ではなく「解散したら連絡」に変える |
| 練習後の寄り道 | 寄ってよい店と使ってよい金額 |
| 遅れそうなとき | 誰に・どの手段で伝えるかを1つに絞る |
| 守れなかった日 | 連絡の有無を確認し、次の1つを決める |
| 帰り道 | 通る道とライト・反射材の確認 |
| 帰宅が遅い日 | 夕食を軽めにして入浴を先にする |
私は指導者として多くの家庭の相談を受けてきましたが、門限でこじれている家庭に共通していたのは、時刻の話しかしていないことでした。
連絡の形が決まると、時刻の話はほとんど出てこなくなります。もめごとの正体は、分からない時間の長さのほうにあったからです。



今日から、遅くなりそうな時点で連絡してみる!



それだけで、家の空気はずいぶん変わりますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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