- 低く構えなさいと言われるが、深くしゃがむとかかとが浮いてしまう
- 着地のたびに膝やすねに衝撃が残る感じがする
- 足首を回すストレッチはしているのに、動きが変わった実感がない
こんな悩みを解決します。
バレーで足りなくなりやすいのは足首の全体的な柔らかさではなく、すねを前に倒す方向の動きです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
指導現場で構えが高い選手を見ると、やる気ではなく足首で止まっているケースがかなりあります。
足首が深く曲がる選手は、同じ体格でも低い姿勢を長く保てて、着地の衝撃も上手に逃がせます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 足首の硬さがバレーのどの動きを止めているかがわかる
- 自分の足首が硬いかどうかを3つのチェックで確かめられる
- 練習前と練習後で、やるべきストレッチが分かれる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:かかとをつけて深くしゃがめれば足りる

先に結論からお伝えします。バレーで必要な足首の柔らかさは、かかとを床につけたまま深くしゃがめるかどうかで判断できます。
新体操のような特別な柔軟性はいりません。ここが基準になるのは、バレーの構えも着地も、すねを前に倒した姿勢の上に成り立っているからです。
足首の動きには、つま先を上げてすねへ近づける動き(背屈)と、つま先を伸ばす動き(底屈)の2つがあります。
このうち、バレーで足りなくなるのは前者です。ジャンプで地面を蹴る動きは毎日くり返しているので、つま先を伸ばす側は放っておいても固まりません。
サルくん足首を回すストレッチなら、練習前にやっています。それでは足りないんですか?



回すだけだと、いちばん使う前へ倒す方向はあまり伸びないんだよ。



足首デ足リナクナルノハ「スネヲ前ヘ倒ス動キ」
ここからは、硬いままだと何が起きるか、自分の硬さの確かめ方、そして5つのストレッチの順に進みます。
足首が硬いとバレーの動きに何が起きるか
足首の硬さは、痛みが出るまで気づきにくい部分です。ところが実際には、構え・着地・1歩目という土台の部分に毎回きいています。
低い構えが作れない
いちばん多いのが、しゃがむと後ろへ倒れそうになるパターンです。足首が曲がらない分を、かかとを浮かせることで逃がしている状態になります。
かかとが浮くと、体重は母指球より前に乗ります。この位置からは横へ動き出せないので、レシーブの守備範囲がそのまま狭くなります。



低くしているつもりで、届く範囲が狭くなっていたんですね…。



構えの深さは、見た目ではなくかかとで決まりますよ。
上体を前へ倒して低く見せる選手もいますが、これも背中が丸まって面が安定しません。低い姿勢は、上体ではなく足首と股関節で作るものです。
着地の衝撃が膝とすねに残る
足首は着地でいちばん最初に衝撃を受ける関節です。ここが曲がって沈むことで、力は膝・股関節へ順番に分散されます。
曲がる範囲が狭いと、その分を膝から上が引き受けます。ジャンプの回数が多い選手ほど、膝の下やすねの内側に張りが出やすくなるのはこのためです。



足首が原因で、膝がつらくなることもあるんですね!?



痛みが出ている場所と、原因の場所は違うことが多いですよ。
痛みが続いている場合は、伸ばすより先に休むかどうかの判断が必要になります。
1歩目が遅れる
反応の速さは、筋力よりも沈み込みの深さで決まる部分があります。動き出す直前に軽く沈むと、その反動をそのまま横への移動に使えるからです。
足首が硬いと、この沈む動きが浅くなります。ひざ下が前へ倒れないので、体だけが先に傾いて足がついてこない形になりがちです。
反応が遅いと悩む選手の多くは、目や判断ではなく、動き出す準備の姿勢で差がついています。
自分の硬さを確かめる3つのチェック
やみくもに伸ばす前に、今の状態を確かめます。どれも1人でできて、道具もいりません。
1つ目で膝が壁に届かない人は、すねを前に倒す動きが足りていません。この状態では、低い構えも柔らかい着地も形だけになります。
2つ目でかかとが浮く、または後ろへ倒れそうになる人は、足首と股関節の両方を見直す段階です。両方が同時に硬い選手は珍しくありません。



壁ニ膝ガ届カナイナラ足首ガ最優先
3つ目で左右差が出た場合は、過去に捻挫した側が硬くなっていることがよくあります。痛みは消えても、動く範囲は自然には戻りません。



月に1回、同じチェックをやると変化がわかるよ。
足首を広げる5つのストレッチ


ここからは実際の方法です。どれも動く範囲を広げることが目的なので、痛みが出る手前で止めることを守ってください。
①壁に手をついてふくらはぎを伸ばす
壁に両手をつき、伸ばす側の足を後ろへ引きます。かかとを床につけたまま、後ろ足の膝を伸ばして体を前へ預けてください。かかとが浮いた時点で、伸びる場所が変わってしまいます。
ふくらはぎの上のほう(腓腹筋)が伸びれば正解です。20〜30秒を左右2回ずつ行います。
つま先が外へ逃げると伸びが弱くなるので、まっすぐ前に向けたまま行ってください。
②後ろ足の膝を曲げて伸ばす
同じ姿勢から、後ろ足の膝を軽く曲げます。かかとは床につけたままにしてください。
今度はアキレス腱に近い深い部分(ヒラメ筋)が伸びます。しゃがむ動作で使われるのはこちら側なので、①とセットで行う価値があります。
膝を曲げるとかかとが浮きやすくなります。浮くようなら足の位置を少し前へ戻してください。
③膝をつま先の先へ送る
片足を大きく前へ出し、前足のかかとを床につけたまま、膝をつま先より前へゆっくり送ります。足首を曲げる動きを直接広げる方法です。
膝が内側へ入るとひざを痛めるので、膝はつま先と同じ向きに保ってください。前後にゆらすように10往復を目安にします。
チェック①で膝が壁に届かなかった人は、この種目を最優先にしてください。



しゃがむ形にいちばん近い動きですね!



そう、実際に使う角度で広げるのがいちばん近道だよ。
④段差にかかとを下ろす
階段や台の端につま先側を乗せ、かかとをゆっくり下へ下ろします。体重がかかる分、強く伸ばせるのが利点です。
反動をつけず、下ろした位置で20秒ほど止めてください。手すりや壁に手を添えると安全です。
痛みが出る場合は、体重をかけすぎています。手で支える割合を増やして調整してください。
⑤足の裏と足の指をほぐす
座って足を組み、足の指を手で反らせたり、土踏まずを親指で押したりします。足裏が硬いままだと、足首だけ伸ばしても沈み込みは深くなりません。
床にタオルを置いて足の指でたぐり寄せる運動も、同じ目的で使えます。左右1分ずつで十分です。
ふくらはぎを鍛える種目とセットにすると、広がった範囲を使い切る力もついてきます。
練習前と練習後でやり方を変える
同じストレッチでも、いつやるかでやり方が変わります。ここを分けないと、練習前に体が重く感じることがあります。
| タイミング | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| 練習前 | 動かしながら伸ばす(③を中心に反復) | 各10往復 |
| 練習後 | 止めてじっくり伸ばす(①②④を中心に) | 各20〜30秒 |
| 家での時間 | 止めてじっくり伸ばす+足裏をほぐす | 入浴後が伸ばしやすい |
練習前に長く止めて伸ばすと、力が出にくくなることがあります。動かしながら温める形にしてください。



練習前ハ動カシテ伸バス・練習後ハ止メテ伸バス
練習前後の全体の流れは、こちらの記事も参考になります。
やりがちな3つの失敗
伸ばし方をまちがえると、動く範囲が広がらないどころか痛みの原因になります。指導現場でよく見かける3つをあげておきます。
失敗①:足首を回すだけで終える
もっとも多いのが、練習前にぐるぐる回して終わりにするパターンです。回す動きは関節を温めますが、すねを前に倒す方向はほとんど伸びません。
回す運動は準備、伸ばす運動は仕上げ、と役割を分けて考えてください。
失敗②:反動をつけて押し込む
2つ目は、勢いをつけて可動域の外まで押し込む失敗です。筋肉は急に引き伸ばされると、逆に縮んで守ろうとします。
伸ばす時はゆっくり、息を吐きながら動かします。狙うのは痛みではなく、伸びている感覚です。
失敗③:サポーターで固めたままにする
3つ目は、捻挫のあとサポーターをつけ続けて、動く範囲を戻さないまま過ごす失敗です。守ることと動かさないことは同じではありません。
痛みが引いたら、支えながら少しずつ動かす段階に切り替えます。判断に迷う時は、自己判断せず病院で相談してください。
硬くなる原因を知って続ける
そもそも足首が硬くなるのは、体質だけが理由ではありません。バレーの練習内容そのものが、硬さを作る側に働いています。
ジャンプと着地をくり返すと、ふくらはぎは縮む方向にばかり使われます。使った分だけ伸ばさないと、少しずつ範囲が狭くなっていきます。
成長期は、骨が伸びる速さに筋肉が追いつかない時期でもあります。身長が伸びている最中の選手ほど、一時的に硬さが出やすくなります。



原因ハ「使イッパナシ」ト「成長期ノ伸ビ」
つまり、練習量が多い選手ほど硬くなりやすいということです。だからこそ、伸ばす時間を練習の一部として組み込んでおく必要があります。
柔軟性は1回で大きく変わるものではありません。短くても続けられる形にするのが、結局は近道になります。
毎日30分やる計画より、3分を続ける方が結果につながります。時間が取れない日は、壁を使う①だけでもかまいません。



練習後の3分なら続けられそうです!



それでいいんです。体は続けた分だけ変わりますよ。
足首と同じく、低い姿勢を作るうえで欠かせないのが股関節です。両方そろって、はじめて構えが深くなります。
よくある質問
まとめ:足首が沈めば構えも着地も変わる
最後に要点をふり返ります。足首で見るのは回る柔らかさではなく、かかとをつけたまま、すねを前に倒せるかです。
| 症状 | 止まっている動き | まずやること |
|---|---|---|
| 構えると後ろへ倒れそうになる | すねを前に倒す動き | ③膝をつま先の先へ送る |
| 着地で膝やすねに衝撃が残る | 沈み込みの深さ | ①②ふくらはぎを伸ばす |
| 沈み込みが浅く1歩目が遅い | 足裏と足首の連動 | ⑤足の裏と指をほぐす |
私は元日本代表として多くの選手を見てきましたが、構えが変わる選手ほど、地味な3分を続けていました。派手な筋トレより先に、沈める足首を作ってみてください。



今日の練習後から、壁のストレッチをやってみます!



いいですね。1か月後にもう一度チェックしてみましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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