バレーは試合中に5人になったら負け?|不完全チームの決まり

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バレーの試合中に5人になったら負けかを解説する不完全チームの決まりのアイキャッチ
  • 部員がぎりぎりの人数で、試合中にけが人が出たらどうなるのか不安
  • 5人になったら、その場で試合に負けてしまうのか知りたい
  • 交代を使い切った後に選手が動けなくなった時の手順を確認しておきたい

こんな疑問を解決します。

試合中にコートへ6人をそろえられなくなると、チームは「不完全」を宣告され、そのセットや試合を失います。ただし、その前に正規の交代・例外的な交代・3分間の回復時間という手当てが用意されています。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

部員が7人や8人のチームにとって、試合中のけがは大きな心配ごとです。

1人が動けなくなっただけで、その後の試合がどうなるのか、わからないまま大会に出ているチームも少なくありません。

決まりを知らないと、まだ使える手当てがあるのに慌ててしまったり、反対にベンチの準備不足で本当に試合を失ったりしてしまいます。

「不完全」になる条件と、その前にできることを順番に押さえておけば、いざという時も落ち着いて判断できるようになります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 試合中に5人になった時、セットや試合がどう扱われるのかがわかる
  • 不完全にならないために使える3つの手当てと、その順番がわかる
  • 人数の少ないチームが、試合の前にしておきたい準備がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:6人をそろえられなくなったら「不完全」でセットを失う

バレーの試合中にけが人が出て6人をそろえられず不完全チームになるか心配する場面

先に結論をお伝えします。

6人制のバレーボールは、その名前のとおり、試合中はいつでも1チーム6人でプレーしなければならないと競技規則で決められています。

けがや病気、退場などでコートに立てる選手が5人になり、代わりの選手も入れられない時、チームは「不完全」を宣告されます。

サルくん

5人になったら、その瞬間に試合が終わっちゃうんですか!?

あげば

すぐに終わるわけじゃないんだ。その前に使える手当てがちゃんと用意されているよ。

不完全になるまでの流れは、次のとおりです。

不完全を宣告されるまでの流れ
  • 選手がけがや退場でプレーを続けられなくなる
  • 正規の選手交代で代わりの選手を入れる
  • 正規の交代ができなければ、例外的な選手交代を使う
  • けがや病気でどちらもできなければ、3分間の回復時間をとる
  • それでも6人そろわなければ、不完全を宣告される

不完全を宣告されたチームは、そのセット、場合によってはその試合を失います。ただし、それまでに取った得点やセットは消えずに残ります。

つまり、5人になった時にまず考えるべきなのは「負けたかどうか」ではなく「まだ使える手当てが残っているか」です。

この順番を覚えておくだけでも、ベンチの動きは大きく変わると私は考えています。

バボット

ロクニン ソロワナイ → フカンゼン

「いつでも6人」の決まりと、不完全の扱い

ここからは、もとになる決まりを1つずつ確認していきます。

もとにしているのは、日本バレーボール協会の6人制競技規則です。中学生や高校生にもわかる言葉に置きかえて紹介します。

試合中はいつでも6人でプレーする

競技規則には、いかなるときも1チーム6人でプレーしなければならない、と書かれています。

チームにリベロを含めて7人以上の選手がいても、コートでプレーするのは常に6人です。そして、この6人のローテーションの順番は、そのセットの間は変えられません。

1人欠けたまま5人でラリーを続けることは、どんな理由があっても認められていません。人数が減った状態で試合を続けるという選択肢は、決まりの上では存在しないのです。

サルくん

5人のままでがんばって続ける、というのはできないんですね…。

あげば

そうなんだ。だからこそ、6人をそろえ直す手当てを知っておくことが大事なんだよ。

不完全になると、そのセットや試合を失う

セットや試合の途中で不完全を宣告されたチームは、そのセット、あるいはその試合を失います

相手チームには、そのセットを取るために必要な得点、または試合に勝つために必要な得点とセットが与えられます。

一方で、不完全になったチームがそれまでに取っていた得点とセットは、そのまま生かされます。

たとえば、第2セットの途中、18対20の場面で不完全になったとします。この場合、相手チームに25点目までの得点が与えられ、そのセットは18対25で終わる形になります。

サルくん

自分たちが取った18点は、消えずに残るんですね!

あげば

そうなんだ。リーグ戦の順位を決める時の得点率にも、その点数が使われるよ。

リーグ戦の順位の決め方は、こちらの記事でくわしく解説しています。

棄権・没収試合とは扱いが違う

不完全とよく似た言葉に「棄権」があります。

棄権は、プレーするよう求められても拒否したチームや、正当な理由なく時間どおりにコートに現れなかったチームに宣告されます。この場合は没収試合となり、各セット0対25、セットカウント0対3の敗戦です。

不完全は取った得点が残るのに対して、棄権はすべてが0点の扱いになります。どちらも負けにはなりますが、記録の残り方がまったく違うと覚えておきましょう。

バボット

フカンゼン ハ トクテン ノコル キケン ハ ゼロ

項目不完全棄権(没収試合)
起きる場面試合中に6人をそろえられなくなったプレーを拒否した・時間どおりに来なかった
結果そのセット、または試合を失う各セット0対25、0対3の敗戦
自分たちの得点それまでの得点とセットは残るすべて0の扱い

不完全にならないための3つの手当て

選手がプレーを続けられなくなっても、すぐに不完全になるわけではありません。

競技規則では、次の3つの手当てを順番に使えるようになっています。

STEP
正規の選手交代で代わりの選手を入れる
STEP
正規の交代ができなければ、例外的な選手交代を使う
STEP
けがや病気なら、3分間の回復時間をとる

1つずつ見ていきます。

手当て1:正規の選手交代をする

まず使うのは、ふだんと同じ正規の選手交代です。

正規の選手交代は、1セットに6回までと決められています。インプレー中に選手がけがをした場合は、監督またはゲームキャプテンが交代のハンドシグナルを示すことで、交代を求められます。

ただし、交代には回数のほかにも決まりがあります。スターティングの選手とそこに入った交代選手は、1セットの中で決まった組み合わせでしか入れ替われません。

回数が残っていても、組み合わせの都合で正規の交代ができないこともあるのです。

選手交代の回数や組み合わせの決まりは、こちらの記事で解説しています。

手当て2:例外的な選手交代をする

正規の交代ができない時に使えるのが、例外的な選手交代です。

これは、けが・病気・退場・失格でプレーを続けられなくなった選手の代わりに、その時コートにいなかった選手なら、交代の回数や組み合わせの制限を超えて入れられるという特例です。

例外的な選手交代は、正規の交代の6回には数えません。そのかわり、けがや病気、退場で交代した選手は、その試合に戻ることができなくなります。

サルくん

交代を6回使い切っていても、ベンチに選手がいれば入れるんですね。

あげば

そのとおり。だからベンチに1人でも選手が残っていれば、不完全はかなり防げるんだ。

手当て3:けがや病気なら3分間の回復時間をとる

正規にも例外的にも交代できない時、けがや病気の選手には3分間の回復のための時間が与えられます。

この時間は、同じ試合の中で同じ選手に何度も与えられるものではありません。そして、3分たっても選手が回復しなければ、チームは不完全を宣告されます。

回復時間は、あくまで最後の手段です。痛みを我慢してコートに戻ることを前提にするのではなく、選手の体を守ることを一番に考えて判断してください。

バボット

ムリニ モドラナイ カラダガ サキ

5人になりやすい、まぎらわしい4つの場面

ここからは、試合中に人数が足りなくなりやすい場面や、勘違いしやすいポイントを4つ紹介します。

どれも、事前に知っておくだけで防げたり、落ち着いて対応できたりするものです。

まぎらわしい場面1:リベロは5人目の穴を埋められない

ベンチにリベロがいれば大丈夫、と考えるのは間違いです。

例外的な選手交代で入れるのは、リベロ以外の選手と決められています。

リベロは後衛の選手と入れ替わる特別な役割なので、6人のうちの1人として正規のポジションに入ることはできません。

たとえば、登録が「リベロを含めて7人」のチームで1人がけがをすると、コートに入れる選手は5人しか残りません。この場合、リベロがいても不完全になります。

リベロの入れ替わり方や再指名の決まりは、こちらの記事でくわしく解説しています。

まぎらわしい場面2:退場や失格でも人数は減る

人数が減るのは、けがや病気の時だけではありません。

退場を受けた選手は、そのセットの残りに出られなくなります。失格を受けた選手は、その試合の終わりまで出られません。

どちらもすぐに正規または例外的な選手交代をする必要があり、それもできなければ不完全を宣告されます。

人数の少ないチームにとって、1枚のカードがそのままセットを失うことにつながる場合もあります。審判への態度や相手への言葉づかいは、チーム全体を守るためにも気をつけたいところです。

罰則の段階とカードの意味は、こちらの記事でまとめています。

まぎらわしい場面3:スコアシートに書いていない選手は入れない

会場に部員が来ていても、スコアシートに名前が書かれていなければコートには入れません。

競技規則では、監督とチームキャプテンがスコアシートにサインした後は、記入された選手の変更は認められないとされています。

「今日は出番がないだろう」とメンバーから外した選手が、試合中の人数不足を救えないこともあります。登録できる人数に余裕があるなら、出場できる選手はできるだけ書いておきましょう。

まぎらわしい場面4:ラリーが終わった後のけがも同じ流れになる

ラリー中のけがでも、ラリーが終わった後のけがでも、プレーを続けられない選手が出れば、同じ手当ての順番で対応します。

違いは、インプレー中に大きなけがが起きた場合は、主審が試合を止めて医療担当者がコートに入れるようにし、そのラリーがやり直しになる点です。

けがの場面では、判定より手当てを優先します。ベンチはすぐに主審に知らせ、どの手当てを使うのかをゲームキャプテンと一緒に落ち着いて確認してください。

人数の少ないチームが試合前にしておきたい準備

人数の少ないバレーチームが不完全にならないよう試合前にメンバー表を確認する準備

最後に、部員が7人や8人といった人数の少ないチームが、試合の前にしておきたい準備を紹介します。

どれも特別な道具はいりません。試合の前に少し話し合っておくだけで、いざという時の判断が速くなります。

STEP
出場できる選手はメンバー表に全員書く
STEP
けが人が出た時の手当ての順番をベンチで共有する
STEP
大会の申し合わせで人数の決まりを確認する

準備1:出場できる選手はメンバー表に全員書く

先ほどお伝えしたとおり、スコアシートに書かれていない選手は試合に出られません。

大会ごとに登録できる人数には上限があります。

その範囲で、出場できる状態の選手はできるだけ全員をメンバー表に書いておきましょう。1人多く書いてあるだけで、例外的な選手交代という手当てが使えるようになります。

メンバー表の書き方は、こちらの記事でくわしく解説しています。

準備2:けが人が出た時の手当ての順番をベンチで共有する

けが人が出た時に、監督だけが決まりを知っていても、ベンチの動きは遅れがちです。

「まず正規の交代、できなければ例外的な交代、それもできなければ回復時間」という順番を、試合の前にベンチの選手と共有しておきましょう。

サルくん

交代、例外の交代、3分の回復時間。この順番をみんなで覚えておきます!

あげば

いいね。監督がいない時は、ゲームキャプテンが主審に伝える役になることもあるよ。

主審への伝え方や、ゲームキャプテンが頼めることは、こちらの記事でまとめています。

準備3:大会の申し合わせで人数の決まりを確認する

中学校や高校の大会、地域の大会では、競技規則とは別に、大会ごとの申し合わせが決められていることがあります。

登録できる選手の人数や、試合を始めるのに必要な人数、練習試合での扱いなどは、大会によって違う場合があります。

大会要項は、監督だけでなく選手も一度目を通しておくと安心です。わからない点は、試合の前の打ち合わせで大会の担当者に確認しておきましょう。

バボット

コウタイ → レイガイ → サンプン

よくある質問

部員が6人ちょうどでも、試合に出ることはできますか?

競技規則の上では、6人いれば試合をすることはできます。
ただし、1人でもけがをすると交代できる選手がいないため、不完全になりやすくなります。大会ごとの最低人数の決まりも確認してください。

不完全で失ったセットの自分たちの得点は、記録に残りますか?

残ります。不完全を宣告されたチームがそれまでに取った得点とセットは、そのまま生かされます。
相手チームには、そのセットを取るために必要な得点が与えられます。

例外的な選手交代で入った選手が、あとでけがをしたらどうなりますか?

同じように、正規の交代、例外的な交代の順に使える手当てを確認します。
どちらもできず、けがや病気で回復時間をとっても選手が回復しなければ、不完全を宣告されます。

練習試合でも、5人になったら負けになりますか?

練習試合は、両チームの監督が話し合って進め方を決めることが多くあります。
選手の安全を最優先に、試合の前に人数が足りなくなった時の扱いを相手チームと決めておくと安心です。

まとめ:5人になっても慌てず、3つの手当てを順番に使おう

試合中にコートへ6人をそろえられなくなると、チームは不完全を宣告され、そのセットや試合を失います。

ただし、その前に正規の選手交代・例外的な選手交代・3分間の回復時間という手当てが用意されています。

① 試合中はいつでも6人でプレーする。
② 正規の交代ができなくても、例外的な交代が使える。
③ リベロは5人目の穴を埋められない。

場面判定・扱い覚えておきたいこと
けが人が出て交代できる選手がいる正規または例外的な交代で続行例外的な交代は6回に数えない
交代できる選手がいないけがや病気なら3分間の回復時間同じ選手に2回は与えられない
回復せず6人そろわない不完全でセットや試合を失うそれまでの得点とセットは残る
試合を拒否した・時間どおりに来なかった棄権で没収試合各セット0対25の敗戦

人数の決まりは、少人数のチームにとって一番身近なルールの1つです。試合の前にメンバー表と手当ての順番を確認して、いざという時も選手の体を守りながら落ち着いて対応してください。

サルくん

もし5人になりそうでも、慌てずに交代と回復時間を順番に確認します!

あげば

いいね。決まりを知っていれば、けが人が出た時もチームで冷静に動けるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーボールのルールについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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