- 運動が得意ではない子が、バレー部に入りたいと言い出した
- 練習についていけるのか、周りに迷惑をかけないか心配している
- 入部したあと、親として何をしてあげればいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
運動が苦手な子でも、バレー部で続けていくことはできます。最初の3か月を「体力・ボールへの慣れ・気持ち」の3つで支えると、つまずきにくくなります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、バレーは最初の運動能力より、ボールに触った回数で差がつく競技だと感じています。始めたときに目立たなかった子が、数年後にチームを支える場面は珍しくありません。
親がやることは、上手にさせることではなく、続けられる土台を作ることです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 運動が苦手な子でもバレー部で続けられる理由が分かる
- 入部後につまずきやすい3つの場面と、その支え方が分かる
- 親が家でできる5つの準備と、やりがちな失敗が分かる
子どものバレーとの関わり方を全体から知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:運動が苦手でも、最初の3か月を支えれば続けられる
先に結論をお伝えします。運動が苦手な子がバレー部で続けていくために、親が支えるのは次の3つです。
① 練習についていける体力を、食事と睡眠で支える。
② ボールへの怖さを、家で少しずつ減らす。
③ 周りと比べて落ち込む気持ちを、家で受け止める。
この3つがそろうと、練習でできないことがあっても、気持ちが折れにくくなります。上手になるのは、そのあとで十分です。
とくに大事なのが最初の3か月です。体が練習に慣れていない時期なので、疲れや筋肉痛で「自分には向いていない」と感じやすくなります。
うさママ足も速くないし、ボールも苦手で…。本当に大丈夫でしょうか?



大丈夫です。最初の数か月を乗り切れば、体はちゃんと慣れていきますよ。
入部を考えている段階なら、体験入部で雰囲気を見ておくのもおすすめです。見るポイントは別の記事にまとめています。
運動が苦手でもバレー部で続けられる理由
運動が苦手だと、最初から不利に思えるかもしれません。ですが、バレーには苦手な子でも伸びやすい理由があります。
ボールを扱う力は、触った回数で伸びる
バレーのパスやサーブは、生まれつきの運動神経より、同じ動きをくり返した回数で身につく技術です。最初はうまくいかなくても、回数を重ねると体が形を覚えていきます。
足の速さや跳ぶ力の差は、すぐには縮まりません。一方で、ボールを思ったところへ返す力は、練習した分だけ上がっていきます。



足が遅くても、パスは練習すれば上手くなるんですね。



ええ。パスは練習した回数に正直な技術です。
中学から始める子が多く、スタートが近い
中学のバレー部は、入部してから初めてバレーに触る子が少なくありません。小学生からクラブで経験してきた子もいますが、全員がそうではありません。
スタートが同じ子が多いので、最初の差は思ったより小さいことが多いのです。運動が得意な子との差も、ボールの技術に限れば取り戻せる範囲にあります。
体力の差はすぐに縮まりませんが、ボールの技術は練習の回数で追いつけます。
高校から始めて試合に出る選手もいます。始める時期や最初の運動の得意・不得意で、続けられるかどうかが決まるわけではありません。
運動が苦手な子がつまずきやすい3つの場面
続けられる理由がある一方で、つまずきやすい場面もあります。先に知っておくと、家での声のかけ方が変わります。
体力が練習についていかない
最初にぶつかるのが体力の壁です。ランニングや基礎の動きが続くと、体が慣れるまでは帰宅後にぐったりすることがあります。
筋肉痛が数日続くのも、この時期によくあることです。痛みが強い、何日も引かないといった場合は、無理をさせずに休ませてください。
ボールが怖くて体が固まる
運動が苦手な子に多いのが、ボールへの怖さです。速いボールが来ると目をつぶる、手を引っこめる、といった反応が出ます。
怖さは気持ちの問題だけではなく、ボールに慣れていないことが大きな理由です。軽いボールや近い距離から始めると、少しずつ体が固まらなくなります。
部活の練習では、最初から硬いボールを使うことがほとんどです。家でやわらかいボールに触っておくと、体育館で硬いボールに触れたときの驚きが小さくなります。



ボールが来ると、目をつぶってしまうみたいなんです…。



慣れていないだけのことが多いです。やわらかい球から触らせてみましょう。
周りと比べて自信をなくす
3つ目が気持ちの面です。同じ時期に入った子が先にできるようになると、自分だけ遅れていると感じてしまいます。
この時期に家で「なんでできないの」と言われると、さらに自信が下がります。家では、できたことを聞く場にしておくと、子どもは練習に向かいやすくなります。
比べて落ち込む時期は、多くの子が一度は通ります。本人が口にしなくても、練習の話をしなくなる、帰宅後に部屋にこもる、といった形で表れることがあります。



最近、部活の話をしてくれなくなりました…。



無理に聞き出さなくて大丈夫です。話したくなる空気を作っておきましょう。
親ができる5つの準備
ここからは、家庭でできる具体的な準備です。全部を一度にやる必要はなく、できるものから始めてください。
1:体験で練習の雰囲気を見ておく
入部前に一度、練習の様子を見ておくと安心です。練習の長さ、1年生が何をしているか、ミスをしたときの空気を見てもらいます。
子どもが「これならやれそう」と感じられるかどうかが大切です。親が見た印象より、本人の感想を優先してください。
あわせて、練習が終わる時間と帰宅の時間も確かめておきます。帰りが遅い日が続くと、食事や睡眠の時間に響くからです。
入部を決めるのは、親の不安より本人の「やってみたい」を大事にします。
2:やわらかいボールに触る時間を作る
家では、ボールに慣れる時間を少しだけ作ります。やわらかいボールや風船を使えば、室内でも怖さを感じずに触れます。
1日5分でも、毎日触ると手がボールに慣れていきます。親が上手に教える必要はなく、落とさずに何回続くか一緒に数えるくらいで十分です。
3:食事と睡眠の時間を先に決める
体力は、練習だけでなく回復の量でも決まります。帰宅してから夕食と寝る時間までの流れを、入部前に決めておくと慌てません。
練習が遅くなる日は、帰る前に食べられる補食を持たせるのも1つの方法です。寝る時間が遅くなると次の日の疲れが残るので、就寝時間はできるだけそろえてください。
朝練がある部なら、朝ごはんの量も見直しておきます。朝に食べられない子は、おにぎり1個からでも始めてみてください。



タイリョク ハ ヤスム ジカン デ ツクル
4:続けたことを言葉にする
声をかけるときは、上手くなったかどうかより、続けたことを言葉にします。「今日も行ってきたね」「疲れても休まなかったね」といった言い方です。
運動が苦手な子は、上手さでほめられる機会が最初のうちは少なくなります。続けたことを認めてもらえると、それが自信の土台になります。



下手でも、行ったことをほめられるとうれしいです!



その気持ちが、次の練習につながりますよ。
5:困ったときの相談先を決める
最後に、困ったときにどこへ相談するかを決めておきます。体の痛みなら病院、練習の悩みなら顧問の先生、というように分けておくと迷いません。
体に強い痛みや不調が続くときは、自己判断せずに医師に相談してください。練習量の調整は、そのうえで先生と話すと進めやすくなります。
困ったときの相談先を先に決めておくと、問題が小さいうちに手を打てます。
先生に伝えるときは、できないことを並べるより、今どんな様子かを短く伝えるのがおすすめです。「帰宅後に足の痛みを訴えることが続いています」のように、事実だけで十分伝わります。
親がやりがちな3つの失敗
よかれと思ってやったことが、かえって子どもの負担になることがあります。よくある失敗を3つ挙げます。
失敗1:家で練習を増やしすぎる
ついていけるか心配で、家でも走らせたり練習させたりしたくなることがあります。ですが、体が慣れていない時期に量を増やすと、疲れが抜けません。
家でやるなら、ボールに触る5分程度にとどめてください。体力づくりは、部活の練習と回復で十分なことが多いです。



家でも走らされると、次の日の練習で足が動かないんです…。



今は休む時間も練習のうちです。まずは部活に慣れましょう。
失敗2:親が細かく教えすぎる
親がフォームを細かく教えると、部活で習う形と食い違うことがあります。子どもがどちらに合わせればいいか迷ってしまいます。
技術は部活の先生に任せ、家では聞き役に回るほうがうまくいきます。
子どもから「どうすればいい?」と聞かれたときも、答えを出す前に「先生は何て言っていた?」と聞き返してみてください。部活で習ったことを思い出すきっかけになります。



良かれと思って、毎晩教えようとしていました…。



家では、今日できたことを聞くだけで十分ですよ。
失敗3:ほかの子と比べてしまう
同じ学年の子と比べて「あの子はもう試合に出ている」と話してしまう失敗です。比べられると、子どもは練習に行くこと自体がつらくなります。
比べるなら、先月の本人と比べてください。できるようになったことが1つでもあれば、それが伸びている証拠です。
よくある質問
まとめ:上手さより、続けられる土台を作る
運動が苦手な子がバレー部で続けていくために、親ができるのは土台づくりです。上手にさせるのは、部活の練習に任せてかまいません。
体力は食事と睡眠で、怖さは家でボールに触る時間で、気持ちは続けたことを認める言葉で支えます。
| つまずきやすい場面 | 家でできること |
|---|---|
| 体力がついていかない | 食事と睡眠の時間を先に決める |
| ボールが怖い | やわらかいボールに毎日5分触る |
| 周りと比べて落ち込む | 続けたことを言葉にする |
| 体の痛みが続く | 無理をさせず医師に相談する |
私は元日本代表として多くの選手とプレーしてきましたが、最後に差をつけるのは、最初の運動能力より続けた時間の長さだと感じています。



まずは今日から、ボールに5分触ってみます!



いいですね。その5分が、体育館での自信になりますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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