- 強いサーブを受けたあと、手首の甲側がジンとして不安が残る
- 見よう見まねで巻いたら、指がしびれてボールが持てなくなった
- 手首サポーターとテーピング、どちらを使えばいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
手首のテーピングでいちばん大事なのは、手首が甲側へ反りすぎる動きだけを、手のひら側から止めることです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、手首にテープを巻く選手の多くは、手首をぐるぐる巻きにして締めていました。
手首は前後に大きく動く関節です。全体を締めれば動きは減りますが、それではボールも扱えなくなってしまうんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 手首テーピングの基本の巻き方が、3つの手順で分かる
- しびれる・止まらないといった失敗の原因と、その場での直し方が分かる
- テーピングとサポーターの使い分け、巻かずに休む線引きが分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:手首のテープは反らせすぎる動きだけを止める

結論からお伝えします。前腕と手のひらに土台のテープを1周ずつ巻き、その間を手のひら側でつないで、手首が反り返る動きだけを抑えてください。
バレーで手首を痛める場面は、だいたい決まっています。強打を受けた瞬間や、ブロックでボールに押されたときに、手首が甲側へ一気に反らされるんです。
つまり、止めたいのは反りすぎる1方向だけです。ほかの動きまで固めると、オーバーハンドパスもスパイクも打てません。
サルくん不安なので、手首をぐるぐる巻きにしていました。



強さで支えようとすると、指まで動かなくなりますよ。
支えるのは強さではなく向きです。反らせたくない方向の反対側、つまり手のひら側にテープを渡せば、少ない本数でも手首は止まります。
- 止めるのは「反らせすぎ」の1方向だけに絞る
- テープは手のひら側に渡して支える
- 巻き終わったら指を握って開き、しびれがないか確かめる
この3つを外さなければ、細かい貼り方の違いはそれほど問題になりません。逆にここを外すと、本数を増やしても手首は楽になりません。
なお、そもそもなぜ手首が痛むのか、どこで練習を休むべきかは別の記事にまとめました。痛みが強い人は、そちらを先に読んでから戻ってきてください。
手首にテープを巻く前に決める3つのこと
巻き方より先に決めておくことがあります。ここがあいまいだと、巻いても支える力が出ません。
決めること1:痛みが出る動きを1つ選ぶ
まず、どの動きで痛むのかを確かめます。反対の手で自分の手首をゆっくり動かして、痛みが出る向きを探してみてください。
いちばん多いのは、手首を甲側へ反らせたときに痛むパターンです。レシーブやブロックでボールに押される動きと同じなので、練習中もくり返し痛みます。
この記事で紹介するのは、その反りすぎを止める基本形です。手のひら側に曲げて痛む場合は、テープを渡す面が逆になります。



反らせると、手首の甲側が痛いです。



それなら、手のひら側から支える形で決まりですね。
小指側にひねると強く痛む、手をついて体重をかけられない。この場合はテープでどうにかする段階ではないので、整形外科で見てもらってください。
決めること2:テープの種類と幅を選ぶ
手首に使うのは、伸びない白いテープ(非伸縮テープ)の25mm前後が基本です。動く方向を止めたいので、伸びるテープでは反りを受け止めきれません。
太いテープのほうが安心に見えますが、手首は細い場所です。50mm幅を巻くと手のひらの動きまで邪魔してしまいます。
手首用の25mm幅なら、たとえばこのようなホワイトテープがあります。



止メタイ動キガアル 伸ビナイテープヲ選ブ
毎日のように巻くなら、肌の負担も考えたいところです。かぶれ対策やテープ選びのくわしい基準は、こちらの記事にまとめてあります。
決めること3:巻くときの手首の角度をつくる
汗が残った手首に巻くと、練習の途中でテープが動きます。ずれたテープは支える力を失いますし、浮いた端が指に引っかかるとプレーの邪魔になるんです。
体育館では、手のひらから前腕までをタオルで拭いてから巻きます。手のひらは汗が残りやすいので、そこも忘れずに。
そして、巻くときの角度をつくります。手首はまっすぐか、ほんの少しだけ手のひら側に曲げた形が基本です。反らせたまま巻くと、その角度までは反り放題になります。



手はどうしていればいいですか?



指を軽く広げて、手のひらを開いた状態で巻いてください。
指を閉じたまま巻くと、握ったときに手のひらが広がって締まります。広げた状態で巻いておけば、あとから苦しくなりません。
手首テーピングの基本の巻き方3手順


準備ができたら巻いていきます。使うのは3〜5本で足ります。
手順1:アンカーで上下に土台をつくる
最初に、テープを留めるための土台を2か所つくります。これをアンカーと呼びます。
1本目は前腕側です。手首のしわから指3本分ほどひじ寄りの位置に、引っぱらずに1周巻いてください。
2本目は手のひら側です。親指の付け根のふくらみを避け、指の付け根の少し手前を1周します。親指は自由に動く状態にしておきます。



引っぱらずに置くだけでいいんですか?



土台を引くと、そこから皮膚が締まって痛くなります。
アンカーは支えるためのテープではなく、次のテープを留めるための足場です。ここで力を使い切らないでください。
手順2:手のひら側にサポートを渡す
土台ができたら、2つのアンカーの間を手のひら側でまっすぐつなぎます。これが反り返りを受け止めるテープです。
貼りはじめは手のひらのアンカーに置き、手首を通って前腕のアンカーまで渡します。引っぱるのは真ん中だけで、両端は置くだけにしてください。
手首の甲側ではなく、手のひら側に渡す。反らせたくない方向の反対側を通すのが基本です。
貼り終えたら、手首を軽く反らせてみてください。途中で突っぱる感じがあれば、テープが仕事をしています。



甲側に貼るものだと思っていました。



逆側に貼ると、テープはただ伸ばされるだけなんです。
手順3:Xで補強してサーキュラーで留める
支えを強めたいときは、同じ手のひら側にもう2本を足します。手首の真ん中でX字に交差させると、1本のときより反りを受け止めやすくなります。
最後に、上下のアンカーの上から1周ずつ重ねて巻き、テープの端を押さえます。これがサーキュラーです。
ここでも引っぱらないでください。最後の1周を強く締めると、それまでの調整が全部やり直しになります。
- 指を握って開けるか(動かしにくければ締めすぎ)
- 指先の色が変わっていないか、しびれがないか
- 手首を反らせたときに、突っぱって止まる感じがあるか
このどれかに引っかかったら、その場ではがして巻き直します。がまんして練習に入ると、手首とは別の問題が起きます。
手首テーピングでよくある3つの失敗
うまくいかないときは、たいてい次の3つのどれかです。1つずつ見ていきます。
失敗1:ぐるぐる巻きにして締めすぎている
いちばん多いのが締めすぎです。不安が強いほど、テープを何周も重ねて固めてしまいます。
指先が白っぽい・じんじんする・感覚が鈍い。この3つは、締めすぎのサインです。
手首は血管も神経も浅いところを通っています。強く締めるほど支えられる場所ではありません。



途中で指の感覚がなくなったことがあります。



それは今すぐはがす合図です。がまんしないでください。
支える力は本数でも締め具合でもなく、渡す面で決まります。手のひら側に1本きちんと渡すほうが、10周巻くより効きます。
失敗2:手の甲側にだけ貼っている
次に多いのが、貼る面の失敗です。痛い場所が甲側なので、そこにテープを貼りたくなる気持ちは分かります。
ただ、手首が反り返るとき、甲側は縮んで手のひら側が伸びます。伸びる側にテープが無ければ、動きは止まりません。
痛む場所ではなく、伸びる側を支える。ここが手首テーピングでいちばん間違えやすいところです。



痛イ側デハナク 伸ビル側ヲ支エル
失敗3:練習の途中ではがれてくる
最後が、もちの問題です。手のひらは汗をかきやすく、ボールにも床にも触れるので、テープにとってはかなり過酷な場所になります。
アップのあとに汗を拭いて巻き直すだけで、もちはずいぶん変わります。朝のテープを1日使い続けないでください。
テープの角を丸く切っておくのも効きます。四角い角はボールやユニフォームにこすれて浮きやすく、そこから一気にはがれるためです。



巻き直す前提で持っていけばいいんですね。



予備を1本カバンに入れておくと安心ですよ。
手首のテーピングとサポーターはどう使い分ける?
テープとサポーターは、どちらが上ということはありません。使う場面が違うだけです。
毎日の練習で続けるならサポーター
練習のたびにテープを巻くと、費用も巻く時間もかさみます。中学生や高校生が毎日続けるなら、サポーターのほうが現実的でしょう。
肌への負担も軽くなります。同じ場所に毎日テープを貼ると、かぶれや皮むけが起きやすくなるからです。
種類ごとの考え方は、こちらの記事を参考にしてください。
大事な試合や不安が残る日はテーピング
一方で、止める向きと強さを細かく決められるのはテープの強みです。痛みが引いてきた時期や、負けられない試合の日は、テープのほうが安心できます。
サポーターは手首をまとめて締めますが、テープなら反る方向だけを狙えます。その日の状態に合わせて本数を変えられるのも、テープならではです。



練習はサポーター、試合はテープでもいいですか?



その使い分けで大丈夫です。続くほうを選んでください。
| 場面 | 向いているもの | 理由 |
|---|---|---|
| 毎日の練習 | サポーター | 費用と時間の負担が軽く、肌も守れる |
| 痛みが引いてきた時期 | テーピング | 止める向きと強さを細かく決められる |
| 大事な試合 | テーピング | その日の状態に合わせて調整できる |
| 痛みが強い日 | どちらも使わない | 巻いて出るより休むほうが早い |
練習に戻していく順番そのものに不安がある人は、復帰の進め方をまとめた記事も読んでみてください。
巻かずに休む・病院に相談する目安
テーピングは、痛みを消す道具ではありません。その日の練習で手首にかかる負担を、少し肩代わりするための補助です。
だから、巻けばレシーブに入れるという考え方は危ないところがあります。
腫れている・手をついて体重をかけられない・小指側にひねると強く痛む。
このどれかがあれば、巻かずに整形外科へ。
手首は小さな骨がいくつも集まっている場所で、見た目に変化が出にくいことがあります。腫れていないから軽い、とは限りません。



試合が近いと、つい巻いて出たくなります…。



その気持ちは分かりますが、1試合と1シーズンを比べてください。
痛みが落ち着いてきたら、当てる場所とブロックの手の出し方も見直しておきたいところです。同じ受け方のままでは、また同じところが痛みます。
よくある質問
まとめ:止める向きが決まれば、テープは3本で足りる
手首のテーピングは、強く締める道具ではなく、反りすぎる動きを受け止める道具です。
手のひら側に渡す。真ん中だけ引く。巻いたら指を握って開いて確かめる。
| つまずくところ | 直し方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 指がしびれる | その場ではがして巻き直す | 何周も重ねて締めない |
| 巻いても止まらない | 手のひら側にテープを渡す | 痛い甲側にだけ貼らない |
| 途中ではがれる | 汗を拭いてから巻き直す | 朝巻いたテープを1日使わない |
| 手のひらが苦しい | 指を広げた状態で巻く | 指を閉じたまま巻かない |
私が指導してきたなかでも、巻く面を手のひら側に変えただけで、本数が半分になった選手がいました。しびれの相談もそこで止まりました。
手首は、痛めるとレシーブもトスも止まる場所です。巻き方を覚えておけば、不安が残る時期でも練習量を落とさずに済みます。
そのうえで、テープに頼らなくていい受け方を身につけるのがいちばんの近道になります。あせらず、1つずつ整えていってください。



今日は手のひら側に1本だけ渡してみます。



巻いたあとに指を握って開く、そこまでが手順ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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