バレー部の部内ルールの決め方|守られる決まりにする5つの手順

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  • 決めたはずのルールが、いつの間にか守られなくなっている
  • 注意する人によって基準が違い、選手が納得していない
  • そもそも何を決めておくべきなのか分からない

こんな悩みを解決します。

部内ルールは、数を絞り、選手と一緒に決めて、破ったときの扱いを先に決めておく。この3つがそろうと続きます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、決まりが多いチームほど、かえって空気が重くなることが多いんですよね。

守れない決まりが並んでいると、選手は「どうせ全部は守れない」と考えるようになります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 守られなくなるルールに共通する原因が分かる
  • 選手が納得して動く決め方の手順が分かる
  • 決めておくべき場面と、破られたときの対応が分かる

それでは、詳しく見ていきましょう。

目次

結論:ルールは5つまでに絞り、選手と決める

まず結論からお伝えします。部内ルールで大切なのは、内容の厳しさではありません。

選手が理由を言えて、全員が同じ基準で扱われること。この2つが守られるかどうかを決めます。

指導者だけで決めた決まりは、指導者が見ている場面でしか働きません。選手が自分たちで決めたものは、見ていない場面でも働きます。

れおコーチ

決まりを増やすほど、注意する回数も増えてしまって…。

あげば

それは数の問題なんだ。5つに絞ると、驚くほど回るようになるよ。

もうひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。ルールは罰を与えるために作るものではないということです。

罰で動かすと、その場は整います。ですが選手は「怒られないためにやる」状態になり、判断が育ちません。

目的は、練習の質を上げて全員が伸びる環境を作ることにあります。この目的から外れた決まりは、思い切って手放してかまいません。

バボット

決マリハ5ツマデニ絞レ

守られなくなるルールに共通する3つの原因

続かない決まりには、はっきりした共通点があります。

数が多すぎて覚えられない

いちばん多い原因がこれです。年度替わりや大会のたびに決まりが足され、気づけば十数個になっていることがあります。

選手が暗唱できない数のルールは、実質的に存在していないのと同じです。まずは今ある決まりを書き出して、数えてみてください。

書き出してみると、同じことを言い方を変えて繰り返している項目が見つかります。「集合の5分前行動」と「準備は始まる前に終える」は、実質ひとつにまとめられます。

似た項目をくくり直すだけで、半分近くまで減ることも少なくありません。数を減らすのは、甘くすることとは違います。

決めた理由が共有されていない

「なぜそう決めたのか」が抜けたまま伝わると、決まりは形だけ残ります。

たとえば集合時刻を早めた理由が「準備の時間を取るため」なのか「気持ちを整えるため」なのかで、守り方は変わります。理由が分かっていれば、想定外の場面でも選手が判断できるわけです。

決まりを伝えるときは、必ず理由をセットにしてください。

理由を言えない決まりが残っているなら、それは前の代から続いているだけかもしれません。見直しの候補として印をつけておきましょう。

れおコーチ

理由まで伝えていなかったかもしれません。

あげば

理由が分かると、書いていない場面でも動けるようになるんだ。

破ったときの扱いが人によって違う

同じことをしても、注意される選手とされない選手がいる。これがいちばん信頼を失います。

指導者が複数いるチームでは、対応をそろえておくことが欠かせません。学年やレギュラーかどうかで扱いが変わっていないか、一度ふり返ってみてください。

外部コーチや保護者コーチが関わっている場合は、決まりの一覧を共有しておくと基準がぶれません。人が増えるほど、書いたものが効いてきます。

バボット

扱イノ差ガ信頼ヲ削ル

部内ルールを決める5つの手順

ここからが本題です。順番どおりに進めると、選手が納得した形にたどり着きます。

STEP
チームの目標を先に確認する
STEP
目標の達成をじゃまするものを選手に出させる
STEP
出た意見を似たものでまとめる
STEP
ルールを5つまでに絞って言葉にする
STEP
破ったときにどうするかを一緒に決める

目標から逆算して決める

決まりを先に作らないでください。先にあるのはチームの目標です。

目標が「県大会でベスト8」なのか「全員が最後まで続けられるチーム」なのかで、必要な決まりは変わります。ここがあいまいなまま作ると、根拠のない管理になってしまいます。

順番を守るだけで、選手の受け取り方はまったく変わります。「決められた」ではなく「必要だから決めた」に変わるからです。

選手に案を出させる

指導者が案を出すと、そこで議論が止まります。まず選手に「目標のじゃまになっていること」を挙げてもらってください。

出てくるのは、集合が遅い、声が続かない、片づけが一部の人任せになっている、といった具体的な話です。自分たちの言葉で出たものは、押しつけになりません。

このとき、指導者は司会に徹してください。意見が出た段階で正解を示すと、次から誰も発言しなくなります。

出た意見はすべて書き出し、似たものをまとめてから絞ります。選ぶ場面まで選手に任せると、当事者意識がさらに強くなるんですね。

まとめる場の作り方は、こちらも参考になります。

サルくん

自分たちで決めたなら、守ろうって思えます!

決めておくと迷わない4つの場面

どこまで決めるかは、チームによって変わります。ただ、次の4つは決めておくと現場が回りやすくなります。

遅刻・欠席の連絡

誰に、いつまでに、どうやって伝えるかを1つに決めます。連絡先が複数あると、伝わったつもりの行き違いが起きます。

決めるときは、選手本人が連絡するのか保護者が連絡するのかもそろえてください。学年によってやり方が違うと、代が替わるたびに混乱します。

体調不良で休む判断は、無理をさせない方針を先に示しておくと、選手も保護者も連絡しやすくなります。

休んだ選手を責める空気ができると、無理をして参加する選手が出てきます。けがや体調の悪化につながるので、ここは指導者から言葉にしておきたいところです。

スマホの扱い

体育館での使い方は、禁止か許可かの二択にしないほうが続きます。動画で自分のフォームを確認する使い方は、練習の助けになるからです。

使ってよい場面と、置いておく場面を分けて決めてください。

たとえば「練習中はバッグに入れる」「フォーム確認のときだけ出す」といった形です。線が引かれていれば、注意する側も迷いません。

あいさつと片づけ

形だけの号令にしないことが大切です。何のためにやるのかを短く共有してから決めてください。

片づけは当番表にすると、一部の選手に集中しなくなります。気づいた人だけがやる形は、長続きしません。

あいさつを形だけの号令にしないための教え方は、場面ごとに分けて別の記事でまとめています。

役割の分け方は、こちらにまとめてあります。

SNSへの投稿

写真や動画の扱いは、必ず決めておきたい項目です。写っている選手の許可を取る、体育館の場所が分かる投稿はしない、といった具体的な形にします。

「常識の範囲で」といったあいまいな言い方では機能しません。判断が人によって変わり、後から問題になったときに基準を示せないからです。

保護者にも同じ内容を共有しておくと、行き違いを防げます。

バボット

写真ノ扱イハ先ニ決メヨ

決めなくてよいことまで決めない

決める場面を挙げてきましたが、逆に決めないほうがよいこともあります。ここを間違えると、選手の考える力が育ちません。

プレーの選択まで決まりにしない

「この場面ではこう打つ」といった内容は、決まりではなく約束事や作戦として扱ってください。ルールにしてしまうと、状況が変わっても選手が変えられなくなります。

コート上の判断は、その場で見て決めるものです。指導者が渡すのは判断の材料であって、答えではありません。

生活のこまかい部分まで踏み込まない

髪型や持ち物など、競技に直接関わらない部分をこまかく決めると、管理する時間ばかりが増えていきます。

安全に関わるものは別です。爪の長さやアクセサリーは、けがを防ぐためのルールとして必要になります。

競技のルールとして定められているものは、そもそも部内で決める話ではありません。大会の規定に合わせて選手に伝えてください。

れおコーチ

何でも決めればいい、というわけではないんですね。

あげば

そう。決めるのは、安全と、みんなが困ることだけでいいんだ。

決めたあとに続けるための工夫

作って終わりにすると、1か月で形だけになります。運用のほうが本番です。

破ったときは罰ではなく確認から入る

まず、なぜ守れなかったのかを聞いてください。事情がある場合もありますし、ルール自体が実情に合っていないこともあります。

たとえば集合に間に合わない選手が続くなら、教室からの移動時間が足りていないのかもしれません。そのときは選手を責めるのではなく、時刻のほうを直します。

繰り返し同じ場所でつまずくなら、それは決まりの側に原因があるサインです。

走らせる、居残りをさせるといった罰で対応すると、練習が罰の道具になります。バレーを嫌いにさせてしまっては本末転倒です。

あげば

罰で動く選手は、見ていないところでは動かないんだ。

れおコーチ

まず聞く。そこから始めてみます。

指導の境界線については、こちらも確認しておくと安心です。

学期ごとに見直す

決まりは、チームの状態に合わせて変えていくものです。学期の区切りや新チームの立ち上げで、一度見直してください。

特に新チームになる時期は、前の代の決まりがそのまま残りやすい場面です。人が入れ替わっているのに決まりだけ残っていると、理由を知らないまま守ることになります。

守られているものは残し、機能していないものは消す。増やすときは、代わりに1つ減らすと数が保てます。

見直しの場では、選手に「この決まりは今も必要か」を聞いてください。必要だと自分たちで確認した決まりは、その後もよく守られます。

サルくん

いらなくなった決まりも、あるかもしれません。

見直しの場を作ることが、ルールを生きたまま保つ方法です。

活動時間や休養日の考え方は、スポーツ庁が示すガイドラインが基準になります。学校の方針とあわせて確認しておきましょう。

よくある質問

部内ルールはいくつまでが目安ですか?

5つまでが目安です。選手が何も見ずに言える数に収めてください。
増やしたいときは、代わりに1つ減らすと数が保てます。

選手に決めさせると、甘い内容になりませんか?

目標を先に確認しておけば、甘くはなりません。
「その決まりで目標に届くか」を一緒に確認する形にすると、選手のほうから厳しい案が出てくることもあります。

ルールを破った選手には、どう対応すればいいですか?

まず理由を聞いてください。事情がある場合も、ルール自体が実情に合っていない場合もあります。
走らせるなどの罰で対応すると、練習そのものが罰の道具になってしまいます。

新入部員にはどう伝えればいいですか?

入部して1か月のうちに、理由とセットで伝えてください。
紙に書いて渡すだけでなく、上級生から言葉で説明する場を作ると定着します。

まとめ

部内ルールは、厳しさではなく数と理由と扱いのそろえ方で決まります。

手順やること
チームの目標を先に確認する
目標のじゃまになるものを選手に出させる
似た意見をまとめて5つまでに絞る
破ったときの対応を一緒に決めておく
学期ごとに見直し、増やすときは1つ減らす

私は元日本代表として、また指導者として選手を見てきましたが、自分たちで決めた約束を持っているチームは、指導者がいない場面でも練習が止まりません。

まずは次のミーティングで、今ある決まりを全部書き出すところから始めてみてください。数えるだけでも、減らすべきものが見えてきます。

れおコーチ

まず数えるところからですね。やってみます。

あげば

それでいいんだ。減らすところから始めれば、必ず回りだすよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コーチング・チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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