- 部員が少なく、自分のチームだけでは練習が組めない
- 他校に声をかけたいが、どう頼めばいいのかわからない
- 合同練習を組んだが、結局ただの練習試合になってしまう
こんな悩みを解決します。
合同練習がうまくいくかどうかは、当日のメニューではなく、声をかける前に目的を1つに決めているかで決まります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営し、他のチームと一緒に練習する場面を、受け入れる側でも訪問する側でも経験してきました。
うまく回っている合同練習には、共通点があります。相手チームを呼ぶ前に、その日に何を伸ばすかを1つだけ決めていることです。
私が指導する場面でも、他のチームと動く日は「今日はこれだけ」と先に伝えるようにしています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 合同練習と練習試合の違いと、どちらを組むべきかがわかる
- 相手チームの探し方から、当日までに決めることの順番がわかる
- 当日の時間配分と、コートの回し方の具体例がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:目的を1つ決めてから、相手チームに声をかける
先に結論からお伝えします。合同練習は、その日に伸ばすものを1つだけ決めてから相手を探してください。
目的が決まっていない合同練習は、ほぼ確実にゲームだけで終わります。時間が余ったからゲームをしよう、という流れになるからです。
ゲーム自体が悪いわけではありません。ただ、それなら練習試合を組めば済む話になってしまいます。
わざわざ2チームの予定を合わせ、保護者に移動をお願いしてまで作った時間です。その日にしかできないことに使いたいところです。
れおコーチ気づいたら、ずっと6対6をやっていました…。



それは合同練習ではなく、練習試合になっていますね。
合同練習の値打ちは、自分のチームだけでは作れない状況を作れるところにあります。相手が違えば、サーブの速さも、ブロックの高さも変わります。
つまり、いつもの練習では出てこない場面を、意図してつくれるということです。
- 相手が変わることで練習になるものを選ぶ(レシーブ・ブロック・サーブレシーブなど)
- 自チーム内で完結するもの(基礎のパス・体づくり)は目的にしない
- その日の目的は1つだけにする
目的が1つに決まっていれば、当日のメニューも、相手チームへの説明も自然に決まっていきます。
合同練習と練習試合は、目的がまったく違う
同じ他校との交流でも、合同練習と練習試合は別ものです。ここを混ぜると、どちらも中途半端になります。
練習試合は「今の力を確かめる場」
練習試合は、ゲーム形式で今のチームの状態を確かめる場です。作戦、交代、時間の使い方まで、本番に近い形で試せます。
一方で、途中で止めて直すことはあまりできません。流れを切らずに1試合を通すこと自体に意味があるからです。
つまり、練習試合は確かめる場であって、直す場ではないわけです。
合同練習は「その場で直す場」
合同練習は反対に、途中で止めて直すことが前提になります。相手チームの選手が打ってくれるから、同じ場面を何本でもくり返せます。
自チームだけでは、速いサーブを打てる選手が1人しかいないこともあります。相手のサーバーが加われば、その1本を何十本にも増やせるわけです。



相手ガ変ワルト同ジ練習ガ別物ニナル
だから合同練習では、[marker]止める・直す・もう1回、を遠慮なくくり返せる形にしておくことが大事になります。
相手チームの探し方|どこで見つけて、どう絞るか
目的が決まったら、次は相手探しです。ここでつまずく指導者の方が多いので、順番に整理します。
探す場所は、大会会場と地区のつながり
いちばん見つけやすいのは、大会や新人戦の会場です。試合の合間に、同じくらいの規模のチームの指導者へ声をかけておきます。
その場で日程を決める必要はありません。連絡先を交換して、あとから条件を送る流れで十分です。
次に多いのが、地区の指導者研修や審判講習で知り合うルートです。研修は同じ地域の指導者が集まるので、移動距離の近い相手が見つかります。
学校の部活動であれば、前任の顧問が持っていたつながりも使えます。異動が多い立場だからこそ、引き継ぎのときに聞いておくと役に立ちます。



前の顧問の先生に聞いたら、すぐ2校紹介してもらえました。
社会人のチームやクラブチームは、平日夜や週末の時間帯が部活と違うことがあります。日程が合えば選択肢に入りますが、まずは同じ年代のチームから当たるほうが早いです。
絞るときは「距離」と「人数」で見る
まず見るのは移動距離です。片道1時間を超えると、当日の疲れと保護者の負担が一気に増えます。
次に部員数です。自チームと合わせて、コート1面あたり12人から18人におさまる組み合わせが回しやすくなります。
人数が多すぎると、待ち時間ばかりの練習になります。逆に少なすぎると、ローテーションが組めません。



コート1面に対して、多すぎても少なすぎても回りません。
- 移動:片道1時間以内
- 人数:自チームと合わせてコート1面あたり12〜18人
- レベル:大きく離れすぎていない(実力差は多少あってよい)
実力が離れすぎている相手だと、片方だけが練習になりません。ただし、多少の差はむしろ役に立ちます。
格上の相手なら受ける練習になり、格下の相手なら攻める形の確認になります。



差があること自体は、悪いことじゃないんですね。
声をかけるときは、目的と条件を先に書く
連絡の中身は、丁寧さより具体性です。次の項目が入っていれば、相手も返事をしやすくなります。
目的を書いておくと、相手の指導者も自分のチームに合うかどうかを判断できます。ここが空欄だと、返事が遅れがちになります。



相手も、自分のチームの練習になるかを知りたいんです。



何をやりたいかを書くだけで、返事の速さが変わりました。
連絡は、日程の3週間以上前に出しておくのが安全です。体育館の予約と、保護者への周知に時間がかかるためです。
体育館の確保に不安がある場合は、こちらの記事も参考になります。
当日までに決めておく5つのこと
日程が決まったら、当日までに次の5つを決めておきます。ここが抜けると、当日の朝にばたつきます。
- コートの使い方(1面を分けるのか、時間で交代するのか)
- ボールの持ち寄り数と、どちらのボールを使うか
- 開始と終了の時刻、休憩の入れ方
- 誰が全体の進行を出すか
- 怪我をしたときの連絡先と、近くの医療機関
とくに4つ目でつまずくチームが多くあります。指導者が2人いると、どちらも遠慮して指示が止まってしまうためです。
進行役は、その日の会場を持っているチームの指導者にするのが自然です。もう一方は、自チームの選手への指導に集中します。



お互いに遠慮して、練習が止まってしまう時間がありました…。
5つ目は当日まで忘れやすい項目です。人数が増える日ほど、接触や転倒の可能性も上がります。
当日の進め方|3時間の組み立て例
ここからは当日の中身です。時間の枠は、次のように分けると回しやすくなります。
前半は「混ぜない」、後半で「混ぜる」
最初からチームを混ぜると、選手が誰の指示を聞けばいいのかわからなくなります。前半はチームごとに分けて動くほうがスムーズです。
体を温めるところと基礎練習は、それぞれのチームでいつもどおりに進めます。ここで無理に合わせる必要はありません。



最初から混ぜると、選手が誰を見ればいいのか迷います。
混ぜるのは、目的の練習に入ってからです。
- 0〜30分:各チームでアップと基礎練習(混ぜない)
- 30〜100分:目的の練習(相手チームの選手を使う)
- 100〜115分:休憩
- 115〜165分:ゲーム形式で目的の確認
- 165〜180分:片づけと、両チームでのふり返り
いちばん長くとるのは、目的の練習です。ここが30分しかないと、合同練習にした意味が薄くなります。
私はスクールでも、合同で動く日は目的の練習に全体の半分以上の時間を割り当てています。
なお、休日の活動時間の目安については、スポーツ庁が運動部活動の指針を示しています。丸1日の設定にする前に、一度確認しておくと安心です。
待ち時間を作らないコート運用にする
人数が増える日に、いちばん起きやすい失敗が待ち時間です。1本打つのに5分待つ状態になると、選手の集中は続きません。
対策は、コートの外にもう1つ動きを用意しておくことです。順番待ちの選手には、壁パスや対人パスなど、その場でできる動きを割り当てます。
コートに入る組と、外で動く組を時間で入れ替える形にすると、待つ時間そのものが練習の時間に変わります。
球出しをする人を両チームから1人ずつ出しておくのも効果があります。1人で全部出そうとすると、その人の腕が先に止まってしまいます。



並んでる時間のほうが長いと、体が冷えちゃう…。



待つ列を短くして、外でも動けるようにしておきましょう。
人数が多い日の回し方は、こちらの記事にくわしくまとめています。
よくある失敗と、その直し方
最後に、合同練習でつまずきやすい場面を3つ挙げておきます。
失敗1:ゲームだけで終わってしまう
いちばん多いのがこの形です。準備が足りないと、とりあえずゲームをしよう、という流れに流れていきます。
防ぐには、目的の練習をタイムテーブルの前半に置いてください。ゲームを後半に回せば、時間が押しても目的だけは残ります。
失敗2:自分のチームの選手だけを見てしまう
2つ目は、指導者が自チームの選手にだけ声をかけてしまう形です。
相手チームの選手も一緒に動いている以上、全体に向けた声かけは必要になります。ただし、技術の直しは各チームの指導者が自分の選手に行うのが基本です。
役割を分けておくと、相手の指導方針とぶつかりません。



進行ハ会場側・技術ハ各チームデ分ケル



全体への進行は私、技術の直しはそれぞれで、と決めました。
失敗3:1回きりで終わってしまう
3つ目は、せっかく組んだ関係が続かないことです。
当日の終わりに、次の候補日を口頭でいいので出しておいてください。その場で話が出ていると、次につながりやすくなります。
あわせて、その日にやってみて良かったことを1つだけ伝えると、相手の指導者にも次の判断材料が残ります。反省点を並べる必要はありません。
部員が少ない状態が続くようなら、合同練習ではなく連合チームという形も選べます。
よくある質問
まとめ:合同練習は、目的を決めた時点で半分決まる
合同練習でいちばん大事なのは、当日のメニューではありません。相手に声をかける前に、その日に伸ばすものを1つ決めることです。
目的を1つ決める・前半に目的の練習を置く・進行役を先に決める。この3つで、合同練習は形になります。
| 決めること | 目安 | つまずいたときの直し方 |
|---|---|---|
| 目的 | その日に伸ばすものを1つ | ゲームに流れたら、次回は前半に移す |
| 相手 | 片道1時間以内・人数が近い | 人数が多すぎたらコートを増やす |
| 連絡 | 3週間以上前に目的つきで | 返事が遅いときは条件を具体的に書き直す |
| 進行 | 会場を持つ側の指導者 | 指示が止まったら、朝に役割を確認する |
| 次回 | 当日中に候補日を出す | 口頭でよいので、その場で話しておく |
私は元日本代表として活動したあと、10年以上スクールで中高生を指導してきました。
他のチームと一緒に練習した日は、選手の顔つきが変わります。いつもの相手ではない相手と向き合うことが、それだけ刺激になるからです。
その刺激を、ただの1日で終わらせるか、チームの力に変えるか。分かれ目は、声をかける前の準備にあります。



次は目的を決めてから声をかけてみます!



目的が1つ決まれば、あとは自然に組めますよ♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
指導者向けの内容については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
- ボールカゴ2つ…球出しと片づけが一気に楽になる
- ネット・アンテナ…予備がないと、欠けた日の練習が止まる
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