体育館が使えない日の練習メニュー|教室や外でできるバレー練習

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体育館が使えない日の練習メニューを相談する指導者のイラスト
  • 行事や試験、雨で体育館が急に使えなくなった
  • 教室や外でできるバレーの練習が思いつかない
  • 場所がない日を「休み」にしてしまうのがもったいない

こんな悩みを解決します。

結論からお伝えすると、体育館が使えない日は、練習が止まる日ではなく「ボールを打つ以外のこと」を前倒しできる日です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールを運営してきましたが、学校の体育館は他の部活動や行事と共用なので、バレー部が自由に使える日ばかりではありません。

そういう日に何をしていたかで、大会が近づいたときの伸び方に差が出ていました。

やることを先に決めておけば、体育館が使えない日はむしろチームの弱点を埋める時間になります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 体育館が使えない日にやりがちな失敗がわかる
  • 教室・外・場所なしの3パターンでメニューが組める
  • 使えない日を年間計画に組み込む考え方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:体育館が使えない日は「後回しにしがちな課題」に使う

先に結論をお伝えします。体育館が使えない日にやるべきことは、普段のボール練習では後回しになりがちな課題です。

ネットもコートもある日は、どうしてもボールを使う練習が中心になります。それ自体は当然のことです。

ただ、そのぶん構えや一歩目、体の使い方、チームの約束事の確認といった部分は、いつも練習の最後に少しだけ触れて終わってしまいがちです。

体育館が使えない日は、その順番をひっくり返せる貴重な日だと考えてください。

体育館が使えない日に前倒しできる3つの課題
  • 構えと一歩目(ボールがなくても質を上げられる)
  • 体の土台づくり(柔軟性・体幹・着地の安定)
  • チームの共通理解(約束事・役割・振り返り)

この3つは、どれも試合の結果に直結します。しかし体育館が使える日には、優先順位が下がってしまう部分でもあります。

れおコーチ

体育館が使えない日は、正直やることが思いつかなくて自主練にしてしまいます。

あげば

やることを先に決めておけば、その日がいちばん伸びる日になりますよ。

大切なのは、当日になってから考えないことです。使えないと分かった時点で、どのパターンでいくかを決められる状態にしておきましょう。

この記事では、やりがちな失敗、教室でできるメニュー、外でできるメニュー、場所がまったく取れない日の過ごし方、そして年間計画への組み込み方の順にお伝えします。

なお、時間が短い日の組み立て方は別の記事にまとめています。場所ではなく時間が足りない場合は、そちらも参考にしてください。

体育館が使えない日にやりがちな3つの失敗

メニューの話に入る前に、避けたいやり方を先に整理しておきます。よかれと思ってやったことが、選手のやる気を削いでしまう場合があるからです。

私が相談を受けてきた中で多かったのは、次の3つのパターンでした。

失敗①:とりあえず走り込みにする

いちばん多いのがこれです。場所がないから外を走る、という判断は自然に出てきます。

短い時間で全員が同じことをできるので、指導する側にとっては楽な選択でもあります。

ただ、走るだけの日が続くと、選手の中で「体育館が使えない日=罰のような日」という印象ができあがってしまいます。

バレーボールが好きな気持ちを削る練習は、どんなに体力がついても割に合いません。

走ること自体が悪いのではなく、走ることしかない日にしてしまうのが問題です。目的を伝えたうえで、他のメニューと組み合わせてください。

サルくん

体育館が使えない日は走るだけ、と決まっていた時期がありました。

あげば

それだと、使えない日が来るたびに気持ちが下がってしまいますね。

失敗②:自由時間にしてしまう

反対に、何も決めずに「今日は各自で」としてしまうケースもあります。

真面目な選手は自分で課題に取り組みますが、多くの場合はおしゃべりで終わってしまいます。

これは選手の姿勢の問題ではなく、指示がないことの問題です。何をすればいいか分からない状態で集中しろというのは、大人でも難しい注文です。

サルくん

自主練って言われても、何をやればいいのか毎回迷ってしまいます。

あげば

迷うのが普通です。メニューを1枚渡すだけで、動きはまったく変わりますよ。

失敗③:急に決めるので準備が間に合わない

3つ目は、準備の問題です。当日の朝に体育館が使えないと分かる日もあります。

そこから慌ててメニューを考えると、どうしても内容が薄くなります。ボールを持ち出す許可、使える教室の確保、必要な道具の用意も間に合いません。

だからこそ、使えない日用のメニューを事前に用意しておくことが、いちばん効果のある対策になります。

教室・多目的室でできるバレーの練習メニュー

ここからが本題です。まずは室内で、天井が低い場所や机がある場所を想定したメニューです。

室内で気をつけたいのは、天井・照明・窓に当たらない範囲で、ボールを上に上げすぎないことです。学校の備品を傷つけると、次から場所を借りにくくなります。

ボールを使わないメニュー:構えと一歩目

机を後ろに寄せて、1人1畳ほどのスペースがあれば十分にできます。

STEP
パワーポジションの確認(膝・股関節・背中の角度を鏡や動画でそろえる)
STEP
スプリットステップからの一歩目(合図で左右前後へ1歩だけ動く)
STEP
サイドステップとクロスステップの切り替え(3歩ずつで往復する)
STEP
低い姿勢のまま前後移動(ラダーがなくてもテープで代用できる)

一歩目の速さは、そのままレシーブの届く範囲になります。ボールを追いながらでは意識しづらい部分なので、こういう日に集中して直しておきましょう。

構えの作り方そのものは、次の記事でくわしく解説しています。

ボールを使うメニュー:直上パスとハンドリング

ボールを持ち込める場合は、上に高く上げない形の練習に絞ります。

天井の低い教室でも、胸から顔の高さでのハンドリングなら安全に行えます。

天井が低くてもできるボール練習
  • 直上オーバーパス(自分の顔の高さまでで止める)
  • 2人組での短い距離のオーバーパス(座って行うと高さが出ない)
  • 指の形を作ってボールを保持する練習(静止した状態で確認する)
  • アンダーで胸の高さまで上げる連続パス

座って行うオーバーパスは、下半身を使えないぶん指と手首だけで扱う感覚がつかめます。普段は下半身でごまかしている選手ほど、崩れがはっきり出ます。

高さを出せない場所だからこそ見つかる課題があるので、指摘するチャンスだと思って見てください。

サルくん

座った状態だと、全然まっすぐ上がりません…。

あげば

それが今の指の力です。分かったなら、あとは戻すだけですよ。

座学:1枚の紙で振り返る

体を動かすメニューと同じくらい効果があるのが、書く時間です。

直近の練習試合を思い出しながら、自分が上がらなかった場面を書き出させます。

書くという作業は、頭の中の課題を言葉にする作業です。言葉にできた課題は、次の練習で意識できるようになります。

れおコーチ

書かせるだけで、そんなに変わるものですか?

あげば

変わります。何を直すのかを自分の言葉で言えるかどうかが分かれ目です。

書き方の型は、こちらの記事を参考にしてください。指導する側の関わり方も合わせてまとめています。

グラウンドや外でできるバレーの練習メニュー

外が使える日は、室内ではできない動きを入れられます。走り込みだけで終わらせず、バレーの動きにつながる形にしていきましょう。

外での練習は、床が滑らない・広さがあるという利点があります。一方で、着地の衝撃や地面の状態には注意が必要です。

助走と踏み切りのフォームを固める

ボールがなくても、助走のリズムと踏み切りの形は確認できます。

むしろボールがないほうが、腕の振りや最後の一歩の入り方に意識を向けられます。

外でできる助走・踏み切りのメニュー
  • 3歩助走のリズム確認(ボールなしで10本、間隔をそろえる)
  • 助走から踏み切りまで(跳ばずに、踏み切る形で止まる)
  • 両足踏み切りからの着地(音を立てずに降りる)
  • 助走の距離と入る角度を変えて比べる

着地で音が大きい選手は、膝への負担も大きくなっています。柔らかく降りる感覚は、ボールを打っている最中には直しにくい部分です。

外の広さを使って、1本ずつ止めながら確認していきましょう。

サーブのフォームと肩まわりの準備

ネットがなくても、サーブの打ち方は整えられます。トスの高さと位置を一定にする練習は、場所を選びません。

トスを上げてキャッチするだけの反復でも、打点の再現性は上がります。壁や高いフェンスがあれば、当てる練習まで入れられます。

ただし、野球のボールのように地面へ叩きつけるような使い方は、ボールを傷めるので避けてください。

肩まわりのチューブトレーニングも、外で行いやすいメニューです。障害の予防としても、時間を取る価値があります。

外でやるときに注意したいこと

外は環境の変化が大きい場所です。次の点だけは、始める前に確認しておいてください。

砂や土の上でバレーボールを転がすと、表面が傷んで室内で使えなくなります。外に持ち出すボールは、外用として分けておくのが安全です。

雨上がりで地面がぬかるんでいる日、路面が濡れている日は、踏み切りや方向転換のメニューを外します。滑って転倒すると、その1回で大会に出られなくなります。

れおコーチ

少しぐらい濡れていても、気をつければ大丈夫でしょうか?

あげば

そこは思い切って中止にしてください。ケガの代償が大きすぎます。

夏場は日差しと気温にも気を配ってください。屋外は体育館よりも体感が軽く感じられる一方で、直射日光の下では体温が上がりやすくなります。水分と休憩の時間はあらかじめ区切っておきましょう。

場所がまったく取れない日にできること

行事や試験期間で、教室も外も使えない日があります。そういう日でも、できることは残っています。

この日にやることは、大きく3つに分かれます。どれも短時間で終わるので、選手に持ち帰らせる形で構いません。

試合や練習の動画を見る

自分のプレーを外から見る機会は、意外なほど少ないものです。

練習試合を撮った動画があれば、自分が映っている場面だけを見返させてください。見るポイントを1つに絞るのがコツです。

構えの高さだけ、あるいは一歩目のタイミングだけ、と決めておくと、何を直すかがはっきりします。

サルくん

自分の構え、思っていたよりずっと高かったです…。

あげば

それが分かっただけで、次の練習の1本目から変えられますね。

イメージトレーニングで場面を作る

体を動かせない日は、頭の中で場面を作る時間に使えます。

サーブを打つ前の呼吸、レシーブが乱れたときの入り方など、自分が苦手な場面を具体的に思い描かせます。

やり方には型があるので、次の記事を参考にしてみてください。

体を戻す日として使う

もう1つの考え方が、休むことを目的にする日です。

練習が詰まっている時期であれば、体育館が使えない日を回復にあてるのは合理的な判断になります。

ストレッチ、入浴、睡眠時間の確保といった基本を整えるだけでも、次の練習の動きは変わります。

休養日の置き方については、スポーツ庁(文部科学省)が運動部活動の指針を示しています。自分たちの活動日数を見直すきっかけにもなります。

痛みが続いている選手がいる場合は、この機会に医療機関で診てもらうよう伝えてください。様子を見ているうちに悪化する例は少なくありません。

体育館が使えない日を年間計画に組み込む

最後に、その場しのぎで終わらせないための考え方をお伝えします。

体育館が使えない日は、突発的に起きるように見えて、実はかなりの部分が事前に分かります。

使えない日を先に数えておく

学校行事、定期試験、他競技の大会、卒業式の準備など、年度の初めに分かる予定は多いはずです。

年間で何日ぐらい使えないのかを先に数えておくと、その日数が「失う日」ではなく「別の課題に使える日」に変わります。

年間20日ほど体育館が使えないとすれば、それはチームの弱点を埋めるための20日でもあります。

メニューを3パターン用意しておく

準備しておくのは、この記事で紹介した3つの形です。

状況中心にするメニューねらい
教室・多目的室が使える構えと一歩目・ハンドリング普段は後回しになる基礎を直す
グラウンドが使える助走と踏み切り・肩の準備広さを使って動作を作り直す
場所が取れない動画・イメトレ・回復頭と体を次の練習に向けて整える

紙にして部室に貼っておけば、当日に指示を出すだけで動き出せます。顧問が不在の日でも、選手だけで進められる形になります。

れおコーチ

3パターンを紙にして貼っておきます!

あげば

それだけで、使えない日の質が変わりますよ。

使えない日こそ、狙いを言葉で伝える

最後に、いちばん大切なことをお伝えします。

体育館が使えない日のメニューは、選手から見ると「代わりのもの」に見えがちです。だからこそ、何のためにやるのかを最初に伝えてください。

「今日は一歩目を速くする日」「今日は着地を柔らかくする日」と一言添えるだけで、同じメニューでも取り組む姿勢が変わります。

練習メニュー全体の組み立て方は、次の記事にまとめています。

よくある質問

体育館が使えない日は、思い切って休みにしてもいいですか?

練習が詰まっている時期なら、休養日にするのは良い判断です。
ただし休みにする場合も、ストレッチや睡眠を整えるなど、何のための休みかを伝えたうえで設定してください。

教室にボールを持ち込む許可が下りません。

ボールを使わないメニューだけでも十分に組めます。
構えと一歩目、ステップの切り替え、体幹づくり、振り返りの時間を組み合わせれば、60分は問題なく成立します。

外での練習で、ボールは使わないほうがいいですか?

使うなら外用のボールを分けてください。
砂や土が付いたボールは表面が傷み、室内で使ったときに滑りやすくなります。フェンスや壁を使う場合も、当てる場所の状態を確認してから行ってください。

部員が少なくても、この記事のメニューはできますか?

できます。紹介したメニューは1人から数人でも成立する形が中心です。
人数に合わせた練習の組み方は、少人数向けの記事も参考にしてください。

まとめ

体育館が使えない日は、練習が止まる日ではありません。普段は後回しになる課題を前倒しできる日です。

大切なのは、当日に考えないこと。教室・外・場所なしの3パターンを先に用意しておけば、迷わず動き出せます。

避けたいのは、走り込みだけで終わらせることと、何も決めずに自由時間にしてしまうことの2つです。

私は元日本代表として、また指導者として多くのチームを見てきましたが、伸びるチームほど「できない日」の使い方が決まっていました。

体育館が使えるかどうかは変えられませんが、その日をどう使うかは自分たちで決められます。

サルくん

今日は一歩目を速くする日ですね。やってみます!

あげば

その一言が言えるチームは、どんな日でも伸びていきますよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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