- 子どもが「バレーボール選手になりたい」と言い出したが、何をさせればいいのか分からない
- 強豪校に入れないと無理なのではないかと不安になる
- 勉強や進路と、どう折り合いをつければいいのか決められない
こんな悩みを解決します。
バレーボールで生活する選手になる道は、高校や大学でプレーを続けながら、チームに見てもらう機会を作っていく道のりです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
私自身は千葉県の公立高校から大学へ進み、卒業後にプロ契約の選手になりました。
強豪校に進んだわけではありませんが、続ける場所を切らさなかったことが、後から効いてきたのだと感じています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- プロと呼ばれる選手の契約の形と、収入の考え方が分かる
- 中学から選手になるまでの道のりを、4つの段階で見通せる
- 学業や進路と両立させながら、今日から準備できることが分かる
チームや大会の仕組みから知りたい場合は、こちらの記事が近道です。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:必要なのは強豪校よりも「続けられる場所」
まず結論からお伝えします。バレーボールで生活する選手になるために欠かせないのは、中学から社会人まで、競技を続けられる場所を切らさないことです。
上のカテゴリのチームは、高校や大学でプレーしている選手の中から入団する選手を決めていきます。つまり、どこかの段階でバレーボールから離れてしまうと、見てもらう機会そのものがなくなります。
反対に、全国大会に出ていない学校であっても、続けていれば大学や社会人のチームにたどり着ける可能性は残ります。私自身が、県立高校から大学へ進んでプロ契約にたどり着いた1人です。
もちろん強豪校のほうが、上のカテゴリの指導者の目に触れる回数は多くなります。ただ、そこに入れなかったことが終わりを意味するわけではありません。
大事なのは、中学の3年間で燃え尽きず、高校・大学と続けられる状態で渡していくことです。
- 中学・高校・大学と、プレーを続けられるチームに所属し続ける
- 身長や学年ではなく、伸び続けている状態を保つ
- 上のカテゴリの人に見てもらう機会を、自分から作りにいく
うさママうちは強豪校ではないので、もう厳しいのでしょうか?



続けられる場所があるなら、可能性はまだ残っていますよ。



続ケル場所ガ 次ノ機会ヲ 連レテクル
プロと呼ばれる選手には2つの形がある
「プロになる」と一口に言っても、選手としての立場は1つではありません。ここを知らないまま目指すと、進路の選び方を間違えます。
国内の上位カテゴリでプレーする選手には、競技だけで契約している選手と、会社に勤めながらチームでプレーしている選手がいます。どちらもトップレベルの試合に出ていますが、生活の形は大きく違います。
プロ契約:競技の結果が収入に直結する
チームと選手契約を結び、バレーボールそのもので報酬を受け取る形です。練習と試合が仕事になるため、1日の大半を競技に使えます。
その代わり、契約は年単位で見直されるのが一般的です。けがや成績によって、翌年の契約が変わることもあります。
金額は契約ごとに違い、公表されていないことがほとんどです。一律の目安を示すことはできませんが、競技を辞めた後の生活まで含めて考える必要がある働き方だとは言えます。



契約が続かなかったら、どうなるのでしょう…



別のチームへ移る選手もいれば、一般の仕事に就く選手もいますよ。
企業チーム:社員として働きながらプレーする
会社に社員として入り、その会社のチームでプレーする形です。給与は会社から受け取り、競技は業務の一部として扱われます。
収入が競技成績に直接ひもづかないぶん、生活は安定しやすくなります。引退後もその会社で働き続けられる場合があります。
一方で、勤務と練習の両方をこなす時間の使い方が求められます。競技に使える時間は、プロ契約の選手より少なくなるのが一般的です。
どちらが上ということではなく、生活の設計が違うだけです。本人がどんな暮らし方をしたいのかで選ぶものだ、と考えてください。
どちらの形を選ぶかで、高校や大学での準備も変わります。チームやリーグごとの違いは、リーグの仕組みを解説した記事にまとめています。



プロ契約だけが選手の道ではないのですね。



はい。働きながら日本代表になった選手もいますよ。
選手になるまでの道のりを4つの段階で見る
ここからは、中学生が上のカテゴリにたどり着くまでの流れを、4つの段階に分けて見ていきます。順番に上がっていくのが一般的な形です。
高校から直接チームへ進む選手もいますが、数としては多くありません。大学でもう4年プレーしてから進む道のほうが、日本では一般的な形です。
体ができあがるのが高校卒業の時点では間に合わない、という選手が多いからです。大学の4年間で筋力と試合勘を積み上げてから、上のカテゴリに挑む流れになります。
大学へ進む場合は、競技の成績だけでなく学力も関わってきます。スポーツ推薦の仕組みについては、スポーツ推薦の条件をまとめた記事でくわしく解説しています。



高校を出てすぐプロになる人は少ないんだ!?



大学の4年で体ができあがる選手が多いんですよ。
中学生のうちに準備しておく3つのこと
中学の段階でやっておくべきことは、勝ち負けよりも土台づくりです。ここで身につけたものが、高校以降の伸びしろを決めます。
準備1:正しいフォームを先に身につける
正しいフォームからは、ミスが起きにくくなります。逆に、間違った形のまま本数だけ重ねても、努力の方向が違えば大きな成果にはつながりません。
自分の動きをスマホで撮影し、理想とする動きと見比べて近づけていく方法が効果的です。中学のうちは、勝つための応急処置よりも、形を整えることを優先してください。
準備2:体を痛めない練習量に保つ
成長期の膝や腰は、負荷が続くと痛みが出やすくなります。走り込みや跳ぶ本数が急に増えたときほど注意が必要です。
痛みが数日続く場合は、我慢して続けずに整形外科などの医療機関で相談してください。ここで無理をして長期離脱になると、続ける場所そのものを失いかねません。
準備3:勉強の習慣を切らさない
進学の選択肢を残すために、勉強の習慣は中学のうちに作っておきたいところです。高校や大学の推薦では、学力の基準が設けられていることがあります。
バレーボールを続けたいからこそ、成績で進路が狭まらないようにしておく。これは競技を続けるための準備でもあります。
部活で帰宅が遅い日は、まとまった時間を取ろうとせず、短い時間を毎日つなぐほうが続きます。ここで習慣が切れると、高校で取り戻すのに時間がかかります。
- 勝ち負けよりも、正しいフォームを身につける
- 痛みのサインを無視せず、練習量を調整する
- 進路の選択肢を残すため、勉強の習慣を保つ
中学生のうちに都道府県の選抜チームを目指す場合の条件と、家庭でできる準備は別の記事でまとめています。
高校生になってからやる3つのこと
高校では、練習の質に加えて「見てもらう機会」を意識する段階に入ります。ここからは、自分から動く量で差がつきます。
行動1:公式戦に出る時間を増やす
上のカテゴリの指導者が選手を見るのは、基本的に試合の場です。練習でどれだけ良くても、コートに立っていなければ判断材料になりません。
出番が少ないと感じたら、自分がチームのどの役割で必要とされるのかを考え直してみてください。守備専門やセッターなど、身長以外で勝負できる道もあります。
行動2:自分の武器を1つはっきりさせる
すべてを平均点にそろえた選手より、1つ突き抜けた持ち味がある選手のほうが記憶に残ります。高さ、サーブ、粘り強い守備、どれでもかまいません。
私は左利きで、コートのやや中央から右へ回転をかけるジャンプサーブを使っていました。武器がはっきりしていると、チームの中での使いどころも決まります。
武器は、必ずしも派手なプレーである必要はありません。サーブレシーブが崩れない、ブロックのタイミングが読める、といった地味な強みも十分に評価されます。



ぼくの武器って、なんだろう…



監督が困ったときに誰を出すか、を思い出してみるといいですよ。
行動3:進路の相談を早めに始める
大学や社会人チームへの道は、多くの場合、高校の指導者を通じて話が進みます。3年の夏を過ぎてから動き出すのでは間に合わないことがあります。
どのレベルで続けたいのかを、2年生のうちに顧問へ伝えておいてください。高校選びの段階で迷っている場合は、高校の選び方をまとめた記事も参考になります。



親から学校へ聞いてもいいものでしょうか?



まずは本人から伝えて、親はその後ろに立つのが自然ですよ。
プロを目指すときに一緒に考えておくこと
ここは、夢を否定するための話ではありません。目指し続けるために必要な備えの話です。
備え1:競技生活には終わりがある
どの選手にも、コートを離れる日が来ます。20代のうちに次の仕事へ移る選手も少なくありません。
だからこそ、学業や資格、競技以外の経験を並行して積んでおくことが、選手生活を長く続ける支えになります。引退の時期については、バレー部の引退時期をまとめた記事も合わせて読んでみてください。
備え2:結果が出ない時期が必ず来る
伸びが止まったように感じる時期は、ほとんどの選手が通ります。そこで一番良くないのは、練習がきつくてバレーボールそのものを嫌いになってしまうことです。
親の側ができるのは、結果ではなく取り組みを見てあげることです。できていないところを指摘するより、できている部分を認める声かけのほうが、次の練習につながります。
試合の帰り道に反省会を始めてしまうと、本人はもう一度その試合をやり直すことになります。感想を聞くのは、本人が話し出してからで間に合います。



つい、その日のうちに話したくなってしまいます…



一晩おくだけで、本人の受け取り方が変わりますよ。
- 競技生活の後にも道が続くと、早い段階で共有しておく
- 結果が出ない時期を、本人の資質の問題にしない
- 他の子と比べず、半年前の本人と比べて変化を伝える



比ベル相手ハ 他人デハナク 半年前ノ本人
よくある質問
まとめ:続けられる場所を切らさないことが最短の道
バレーボールで生活する選手になる道は、一本の決まったルートではありません。中学・高校・大学と続けられる場所を確保しながら、上のカテゴリの人に見てもらう機会を増やしていく積み重ねです。
強豪校に入れたかどうかで、その時点の可能性が決まるわけではありません。私自身も、公立高校から大学を経てプロ契約にたどり着きました。
段階ごとにやることは違います。下の表で、今の学年でやるべきことを確認してみてください。
| 段階 | 優先すること | 親が支えること |
|---|---|---|
| 中学 | 正しいフォームと体づくり | 練習量と痛みのサインを見る |
| 高校 | 試合に出る・武器を作る | 進路相談のきっかけを作る |
| 大学・実業団 | 上のレベルで通用するか試す | 学業との両立を確認する |
| 入団 | 練習参加や選考に挑む | 契約の形の違いを一緒に確認する |
私は元日本代表として競技を続け、いまは指導者として体育館に立っています。
その経験から言えるのは、途中でやめなかった選手が、最後に残っていることが多いということです。
今日からできるのは、本人が続けたいと言っている場所を守ってあげることです。まずは今の練習で、痛みが出ていないかを聞くところから始めてみてください。



まずは目の前の1年、続けてみます!



それで十分です。続いた先に、次の景色が見えてきますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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