- 学生時代以来のバレーで、体がどこまで動くのか不安
- 久しぶりに動いて怪我をしないか心配
- 何から戻していけばいいのか、順番が分からない
こんな悩みを解決します。
ブランク明けの復帰は、体を戻す → 感覚を戻す → 試合に戻るという順番を守ることで、無理なく元のプレーに近づいていきます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上、競技から生涯スポーツまでさまざまな世代を指導してきましたが、保護者の方から、学生時代にやっていたバレーをもう一度始めたい、という相談を受けることがあります。
そのときにいつもお伝えしているのが、最初の1カ月の過ごし方で、その後に続けられるかどうかが大きく変わるということです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ブランク明けに体を戻していく順番がわかる
- 学生時代との感覚のズレを埋める方法がわかる
- 怪我をせずに長く続けるためのペース配分がわかる
ママさんバレーの全体像から知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
結論:復帰は3つの段階に分けて戻す

久しぶりのバレーで失敗しやすいのは、いきなり全部を取り戻そうとすることです。
体・感覚・試合を同時に戻そうとすると、どこかに無理がかかります。
- 第1段階:体を戻す(歩く・しゃがむ・軽く跳ぶ)
- 第2段階:感覚を戻す(パスとサーブでボールに慣れる)
- 第3段階:試合に戻る(ゲーム形式と大会)
この順番には理由があります。
学生時代に身につけた動きの記憶は、思っているよりも残っているものです。
一方で、その動きを支える筋力と関節の柔らかさは、休んでいた年数のぶんだけ確実に落ちています。
うさママ頭では動けるつもりなのに、体がついてこない感じです…。



それが復帰でいちばん多いパターンなんです。順番を守れば必ず戻りますよ。
つまり、体のほうが先に追いつかない状態で、頭のイメージどおりに動こうとするのが危ないわけです。
だからこそ、体を戻す段階を飛ばさないことが復帰の土台になります。



動キノ記憶ハ残ル 支エル筋力ハ落チル
3つの段階は、それぞれ数週間ずつかけるつもりで考えてください。
早い方でも、体が慣れてきたと感じるまでに1カ月ほどはかかります。
急がずに進めたほうが、結果として早くコートに戻れるものです。
それでは、なぜブランク明けに怪我が起きやすいのかから見ていきましょう。
ブランク明けに怪我をしやすい3つの理由
久しぶりの運動で体を痛める方には、共通した理由があります。
理由が分かっていれば、対策も具体的に立てられます。
動きのイメージと今の体力にズレがある
学生時代の練習量は、週5日から6日というチームも多かったはずです。
その頃の感覚は、体が動かなくなっても頭の中には残り続けます。
だから久しぶりのコートでも、当時と同じ距離を追いかけようとしてしまうんです。
追いつかない体で全力の一歩を出すと、太ももの裏やふくらはぎに強い負担がかかります。



一歩目でいきなり肉離れ、なんて話も聞きました…。



最初の数回は、届かない球を追わないと決めておくだけでも違いますよ。
ジャンプと着地の衝撃が大きい
バレーは、跳んで着地する動作を何度もくり返す競技です。
着地の衝撃は、膝と足首がまとめて受け止めることになります。
その衝撃に耐える筋力が落ちた状態で回数を重ねると、痛みが出やすくなります。
復帰の最初の数回は、スパイクとブロックの本数を自分で決めて入るのが安全です。
跳ぶこと自体を避ける必要はありません。
回数を決めておけば、翌日の体の反応を見ながら少しずつ増やしていけます。
指と腕が衝撃に慣れていない
意外と多いのが、指と腕のトラブルです。
オーバーハンドパスでは指先に、アンダーハンドパスでは前腕に、ボールの衝撃が直接届きます。
長く休んでいた腕は、この衝撃にまだ慣れていません。
アンダーで当てる位置は前腕の中央にして、手首に近い硬い部分は避けてください。
手首の近くで受けると内出血が起きやすく、痛みからフォームが崩れる原因になります。



当テル位置ハ前腕ノ中央 手首寄リハ内出血ノ元
指については、いきなり強い球を受けないことがいちばんの予防になります。
軽いトスから始めて、球の強さを少しずつ上げていけば、指も自然に慣れていきます。
怪我の予防と応急処置の考え方は、公的な情報でも確認しておくと安心です。
復帰までの5ステップ


ここからは、実際に何をどの順で進めるかを整理します。
期間はあくまで目安なので、体の反応を見ながら調整してください。
最初のステップで大切なのは、バレーの動きではなく日常の動きから戻すことです。
早歩きを20分ほど続けられるか、しゃがんで立ち上がるのがつらくないかを確認してみてください。
ここがきつい状態でコートに入ると、体を支えきれずに膝や腰へ負担が集中します。



いきなり体育館に行かなくてもいいんですね。



準備の2週間があるだけで、初日の疲れ方がまったく違うんです。
2つめのステップでは、パスとサーブに絞って参加します。
どちらもその場でできる動きなので、走る量を抑えながらボールに慣れられます。
3つめでレシーブとトスに広げると、動きながら判断する感覚が戻ってきます。
このあたりで、思ったより体が動くという実感が出てくる方が多いです。
スパイクとブロックの再開は、レシーブで動けるようになってからにしてください。
跳ぶ動作は負担が大きいぶん、後回しにするほど安全になります。
最後のゲーム形式では、点数がつくことで自然と全力が出てしまいます。
前の4ステップを踏んでいれば、その全力にも体が耐えられる状態になっています。
必要な道具をこれからそろえる方は、こちらの記事で確認してみてください。
学生時代との違いを埋める3つの調整
ブランク復帰でとまどうのは、体力だけではありません。
ママさんバレーは、学生時代のバレーとは仕組みそのものが違います。
9人制ではポジションが固定される
多くの地域で、ママさんバレーは9人制で行われています。
9人制ではローテーションがなく、自分の守る場所が試合中ずっと変わりません。
6人制に慣れた方ほど、回らないことに違和感を覚えます。
ただ、覚える動きが1つに絞られるので、慣れてしまえば負担はむしろ軽くなります。



前衛と後衛を行ったり来たりしないんですか?



9人制はポジション固定が基本。自分の役割に集中できるんです。
ルールの違いを先に押さえておくと、初日から練習に集中できます。
ボールと球の速さが違う
ママさんバレー向けのボールは、一般的な試合球よりやや軽めで柔らかめのものが使われることが多いです。
腕や指への衝撃がやわらぐので、久しぶりの方にはありがたい仕様といえます。
その代わり、風の影響を受けやすく、落ちる位置が読みにくいと感じることもあります。
相手の打球の速さも、学生時代とは変わります。
強打一辺倒ではなく、軟らかい球やコースを狙った球が増えるため、待つ位置の取り方が変わってくるんです。



軽メノボール=衝撃小サイ 落下点ハ読ミニクイ
練習の頻度と時間が短い
週1回から2回、1回2時間ほどという活動が中心になります。
学生時代の練習量とは比べものにならないので、上達のペースもゆっくりになります。
ここで焦らないことが、続けるうえでいちばん大事な心構えです。
練習量が減った分は、テーマを絞ることで取り返せます。
限られた時間で伸びるのは、自分の役割を1つ決めて、そこを磨いた方だと感じています。
たとえばレシーブなら、拾う範囲を欲張らず、自分の正面に来た球を確実に返すところから固めていきます。
サーブなら、強く打つことより、狙った場所へ入れる確率を上げるほうが試合で効いてきます。
週1回の練習でも、テーマを1つに絞れば手応えは積み上がっていきます。



何でもできるようにならなくていいんですね。



1つ得意を作るほうが、チームでも役に立てるんです。
ブランク復帰でやりがちな2つの失敗
相談を受けるなかで、くり返し出てくる失敗のパターンがあります。
先に知っておけば、同じ道を通らずにすみます。
初日から全部のメニューに入る
いちばん多いのが、初日から最後までフル参加してしまうことです。
その場は楽しく終わっても、翌日から数日間、体が動かなくなることがあります。
そうなると次の練習に行きづらくなり、そのまま足が遠のいてしまうんです。



楽しくて、つい張り切ってしまいそうです…。



最初は半分で上がるくらいが、次につながる参加のしかたですよ。
初回は1時間で切り上げる、と決めてから体育館に向かうのがおすすめです。
物足りないくらいで終えたほうが、次に行きたい気持ちが残ります。
学生時代のフォームをそのまま再現しようとする
もう1つが、当時のフォームを完全に再現しようとすることです。
当時の動きは、当時の筋力と柔らかさがあって成り立っていたものです。
同じ形を今の体で作ろうとすると、どこかの関節に無理な角度が生まれます。
たとえばアンダーハンドパスなら、時間に余裕がある場面では腕を振らず、面を作って足で運ぶほうが体への負担は小さくなります。
今の体で無理なくできる形に、フォームのほうを合わせ直すのが復帰の考え方です。
自分の動きをスマホで撮っておくと、イメージとのズレが一目で分かります。
撮った動画を見て、痛みが出そうな動きを1つずつ減らしていってください。



フォームハ体ニ合ワセテ作リ直ス
長く続けるための頻度と体のケア
復帰は、戻ったあとに続けられて初めて成功といえます。
続けるための現実的なペースを決めておきましょう。
最初の1カ月は、練習の参加を月に2回から3回にとどめる方法もあります。
毎回参加しなければいけない決まりのあるチームは多くないので、代表の方に事情を伝えておけば大丈夫です。



毎回行けないと、居づらくなりませんか?



事情を先に伝えておけば大丈夫。長く来てくれる人のほうが歓迎されますよ。
練習後は、太ももの裏とふくらはぎ、肩まわりを中心にゆっくり伸ばしてください。
痛みが出た日は、その日のうちに冷やして、翌日の様子を見る判断で構いません。
3日たっても同じ場所が痛むときは、練習を1回休んで受診する目安にしてください。
休むことは後退ではなく、続けるための調整だと考えてください。
体を戻すのと並行して、生活のリズムを整えることも効いてきます。
睡眠が足りていない時期に負荷を上げると、疲れが抜けないまま次の練習を迎えることになります。
仕事や家庭の予定が重なる時期は、無理に参加せず、家で早歩きだけ続ける形でも十分です。
体を動かす習慣さえ切らさなければ、練習に戻ったときの落ち込みは小さくてすみます。



習慣ヲ切ラサナイコトガ最大ノ近道
長く続けている方ほど、休む時期があることを前提にして予定を組んでいます。
数カ月あけてから戻ってくる方も珍しくないので、一度離れても気にする必要はありません。
まだチームを探している段階の方は、活動日と自分の生活が合うかを先に確かめておくと安心です。
練習に行けない時期にも家で続けられる、10分ほどの体力づくりは別の記事でまとめています。
よくある質問
まとめ
この記事では、ママさんバレーに復帰するときの手順をお伝えしました。
戻していく順番をもう一度整理します。
| 段階 | やること | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 体を戻す | 早歩き・しゃがむ・軽く跳ぶ | 2週間ほど |
| 感覚を戻す | パスとサーブ、次にレシーブとトス | 3〜4週間ほど |
| 試合に戻る | 本数を決めた攻撃、ゲーム形式 | 慣れてから |
大事なのは、動きの記憶より先に、支える体を戻すことです。
学生時代の自分と比べるのではなく、先週の自分と比べていけば、着実に戻っていきます。



まずは早歩きから始めてみます!



いい入り方です。焦らず進めば、コートはちゃんと戻ってきますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ママさんバレーについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
始め方の全体像を確かめたい方は、こちらの記事から読んでみてください。
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