- 練習の翌日に腰やひざが痛くて、家事がつらい
- 週1回しか動かないので、体がついてこない気がする
- 痛みが出たとき、休んだほうがいいのか続けていいのか分からない
こんな悩みを解決します。
大人からのバレーでケガを減らす近道は、体力をつけることよりも先に、痛めやすい場所を知って、動き方とケアの順番をそろえることです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきた経験から言うと、体を痛める方の多くは、練習中の一瞬ではなく、その前後の過ごし方でつまずいています。
準備が足りないまま全力を出し、終わったらそのまま帰る。この2つがそろうと、同じ練習量でも体に残るダメージは大きく変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 大人のバレーで痛めやすい場所と、その原因が分かる
- 練習中の動き方を、体に負担が残りにくい形に変えられる
- 休むべき痛みと、続けていい痛みを自分で切り分けられる
ママさんバレーの全体像から知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
結論:ケガ予防は準備・動き方・ケアの3つで決まる
ケガを防ぐと聞くと、まず筋力トレーニングを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
けれども週1回の練習で体を作り替えるのは、現実的ではありません。
先に効くのは、練習前の準備・練習中の動き方・練習後のケアという3つの順番をそろえることです。
この3つはどれも、特別な道具も長い時間もいりません。
- 練習前:動きながら体を温めてから、強く踏み込む動作に入る
- 練習中:着地・止まり方・指の使い方を、痛めない形に固定する
- 練習後:帰る前の5分と、翌日の過ごし方で疲れを持ち越さない
順番に意味があります。準備をとばして動き方だけ気をつけても、冷えた体では思ったところに足が出ません。
逆に、準備と動き方が整っていれば、練習後のケアは短くても足ります。
うさママ筋トレから始めなくていいんですね?



まずは順番です。それだけで翌日の残り方が変わりますよ。
ここからは、そもそもなぜ大人のバレーでケガが起きやすいのかを見ていきます。
大人のバレーでケガが起きやすい3つの理由
原因が分からないままだと、気をつけようという気持ちだけで終わってしまいます。
ママさんバレーの現場で多い理由は、大きく3つに分かれます。
週1回では、体が動きを覚え直せていない
学生時代の部活は、週に5日も6日も同じ動きをくり返していました。
そのくり返しが、着地や切り返しの衝撃に耐える体を自然に作っていたわけです。
ところが週1回の練習では、その積み上げが起きません。前回の練習で少し慣れた体が、次の練習までにまた戻ってしまうからです。
つまり毎回、少しさびた状態から全力の動きに入ることになります。ここに落差が生まれます。
動きのイメージと、今の体力にズレがある
経験者の方ほど、体より先に頭が動きます。
拾えるはずだと感じて一歩を出したのに、足が間に合わずに上体だけが突っ込む。この形が、腰やひざへの負担を一気に増やします。
未経験から始めた方も同じです。周りに追いつこうとして、まだ慣れていない動きを全力でやってしまいます。
どちらも、体の準備より先に気持ちが前に出ている状態なんですよね。
練習時間が短く、準備がけずられる
平日の夜や休日の午前など、ママさんバレーの練習時間は限られています。
体育館を借りられる時間の中で、少しでも多くボールに触れたい。その気持ちから、真っ先に短くされるのが準備の時間です。
けれども大人の体は、学生のころより温まるのに時間がかかります。



ジュンビヲケズルト ケガノ確率ガ上ガル
準備を5分けずって、痛みで1か月休むことになれば、練習量としては大きな損です。



早くボールを打ちたくて、つい飛ばしてしまいます…。



温まる前の全力が、いちばん危ないんです。
痛めやすい4か所と、先に見直したい原因
私が指導の現場で相談を受けるとき、痛む場所を聞いた時点で原因の見当がつくことがあります。
痛みが出る場所には、それぞれ起きやすい原因があるからです。
自分がどこに出やすいかを知っておくと、練習中に気をつける場所がしぼれます。
腰:上体だけでボールを追っている
いちばん相談が多いのが腰です。
大人になってから腰に来る方の多くは、ひざと股関節を曲げずに、腰を丸めてボールへ手を伸ばしています。
低い姿勢を作るときに曲げるのは、腰ではなく股関節です。おしりを後ろに引くようにして落とすと、背中はまっすぐのまま低くなれます。
腰から折ってしまうと、その姿勢を戻すときに背中側の筋肉だけで体を起こすことになります。ここに負担が集まります。
腰の痛みの原因と直し方は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。



低くなろうとすると、いつも腰が丸まっています。



おしりを後ろに引くと、背中は伸びたままですよ。
ひざ:着地と、床につく動作の衝撃
ひざは、跳んだあとの着地と、レシーブでひざを床につく動作の2つで負担がたまります。
片足で着地する、ひざを伸ばしたまま降りる、この2つがそろうと衝撃をにがす場所がありません。
床にひざをつく動作も、勢いよくつけばそのまま打ちつけることになります。つくのではなく、太ももの外側から滑るように倒れるほうが衝撃は小さくなります。
ひざの前が痛い、床につくと痛いという場合の対処は、こちらでまとめています。
指:とっさに片手を出している
突き指は、ボールが速いから起きるとはかぎりません。
多いのは、間に合わないと感じた瞬間に、片手の指先だけを前に出してしまう形です。指1本にボールの勢いが全部かかるので、簡単に痛めます。
オーバーハンドで受けるときは、両手の親指をそろえて三角形を作り、おでこの上で待ちます。指先ではなく、親指・人差し指・中指と、その付け根まで含めて押し返す形です。
祈るように指を交互に組む持ち方は、突き指のリスクが上がるので使いません。



とっさの片手出しが、いちばん指を痛めます。
ふくらはぎ・アキレス腱:急な踏み込みと切り返し
ふくらはぎは、温まっていない状態で急に踏み込んだときに痛めやすい場所です。
ブロックへ走り出す、拾いに行くために急に方向を変える。この切り返しの一歩目に、体重の何倍もの力がかかります。
年齢を重ねると、筋肉と腱のしなやかさは少しずつ変わっていきます。だからこそ、いきなり全力の一歩を出さない準備がものを言います。



4か所とも、心当たりがあります…。



全部を一度に直さなくて大丈夫です。次の章の3つだけ意識してみてください。
ケガを遠ざける3つの動き方
ここが、練習中にいちばん効く部分です。
体力に関係なく、今日の練習からすぐに変えられます。
着地は両足で、ひざを軽く曲げてクッションにする
跳んだあとは、両足を同時につくのが基本です。
そのうえで、ひざを軽く曲げて衝撃を受け止めるのが基本の形です。棒立ちで降りると、にげ場のない力が腰まで届きます。
ブロックやスパイクのあとに片足で降りるクセがある方は、跳ぶ前の構えから見直してください。前や横に流れながら跳んでいると、両足での着地はそもそもできません。
着地の形を整えると、次の動きへの戻りも早くなります。守りながら自分の体も守れる、という一石二鳥の部分です。
止まるときは、股関節から落として上体を残す
走ってきて止まる場面、これが腰とひざにいちばん来ます。
止まり方のコツは、上体を前に倒すのではなく、おしりを後ろに引きながら股関節を曲げて落ちることです。
このとき、足の裏は母指球(親指の付け根のふくらみ)に体重を乗せます。かかとに体重が乗ったまま止まろうとすると、体が後ろに残ってひざだけでブレーキをかけることになります。
低い姿勢を作るのは、ボールが来る直前の一瞬でかまいません。ずっと低くしゃがんだままでいると、太ももが先に疲れて足が動かなくなります。



ずっと低く構えていたので、後半はもう動けませんでした…。
指は片手で出さず、両手をそろえて面で受ける
とっさの場面ほど、片手が出ます。
けれども一歩でも足が動けば、両手を出す余裕は生まれます。両手をそろえて面で受ければ、力は指ではなく腕全体に分散します。
アンダーで受けるときは、両手の親指をそろえ、当てるのは前腕の中央です。腕を振ってボールを飛ばそうとせず、足を運んで体の正面で受けます。
この3つは、合わせても5分ほどです。



着地・止マリ方・両手ノ面 コレデ大半ヲ防ゲル
練習後5分と翌日にやるケアの順番
練習が終わった直後の体は、まだ熱を持って興奮した状態です。
そのまま車に乗って帰り、家事に入ると、疲れが抜けないまま固まってしまいます。
帰る前の5分でやること
まずは、動きながら心拍を落ち着かせます。コートの中をゆっくり歩くだけでも十分です。
そのあとに、使った場所をゆっくり伸ばします。ふくらはぎ・太ももの裏・おしり・肩まわりの4か所を、それぞれ20秒ずつ止めて伸ばせば足ります。
反動をつけて伸ばすと、かえって筋肉が縮もうとするので、息を吐きながらじっと止めてください。
そして、水分をとります。汗をかいた分を戻さないまま帰ると、翌日のだるさやふくらはぎのつりにつながります。



片づけが終わると、すぐ帰り支度をしてしまいます。



歩きながら話す5分でいいんです。それだけで翌日が変わります。
翌日から数日の過ごし方
翌日に軽い筋肉痛が出るのは、大人から再開した方であれば自然なことです。
このときに完全に動かないでいるより、散歩や家事など軽く体を動かすほうが、こわばりは早くほどけていきます。
お風呂で温まるのも、その日の疲れを持ち越さない助けになります。ただし、熱を持って腫れている場所は温めず、まずは冷やして様子を見てください。
睡眠時間が短い週は、体の回復も追いつきません。練習の翌日は、いつもより30分早く寝る日にすると決めておくと守りやすくなります。
ケアの道具をそろえたい方は、こちらの記事で選び方をまとめています。
サポーターやテーピングは、痛みの原因そのものを直すものではありません。動き方を見直したうえで、負担を軽くする補助として使ってください。
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
痛みが出たときに休む目安と、受診の目安
いちばん判断に迷うのが、この部分ではないでしょうか。
がまんして続けた結果、長く休むことになった方をこれまで何人も見てきました。
続けてよい張りと、やめるべき痛みの違い
練習の翌日から2〜3日で軽くなっていく張りは、体が動きに慣れていく過程で起きるものです。
一方で、次の練習日になっても同じ場所が痛い、動かすたびにズキッとする、腫れや熱を持っている。こうした状態は、休む合図と考えてください。
痛みをかばって動くと、今度はかばったほうの足や腰に負担が移ります。1か所の痛みが2か所に増えるのは、この流れです。
痛い場所をかばいながら1回練習するより、1回休んで次を万全にするほうが、結果的に長く続けられます。



カバウ動キハ 痛ミヲ増ヤス
医療機関に相談したほうがよい場合
次に当てはまるときは、自己判断で様子を見ずに、整形外科などの医療機関に相談してください。
- 数日たっても痛みが引かない、または強くなっている
- 腫れている・熱を持っている・内出血がある
- 力が入らない、体重をかけられない
- しびれや、指が動かしにくい感覚がある
判断に迷うときも、専門家に一度見てもらったほうが安心です。原因がはっきりすれば、休む期間も短くできます。



大げさかなと思って、いつも様子を見てしまいます。



早く見てもらうほど、休む期間は短くなります。遠慮しないでくださいね。
よくある質問
まとめ
この記事では、ママさんバレーでケガを減らすための順番をお伝えしました。
大事なところをもう一度整理します。
| 場面 | やること | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 練習前 | 動きながら体を温めてから入る | 時間をけずって全力から始める |
| 着地 | 両足でつき、ひざでクッションを作る | 片足・棒立ちで降りる |
| 止まる時 | 股関節から落として母指球に乗る | 腰を丸めて上体だけ突っ込む |
| 受ける時 | 両手をそろえて面で受ける | とっさに片手の指先を出す |
| 練習後 | 5分の整理運動と水分・睡眠 | そのまま帰って家事に入る |
ケガを防ぐのは、体力でも若さでもありません。痛めやすい場所を知って、動き方とケアの順番をそろえることです。
痛みが出たら早めに休む。この判断ができる方ほど、長くコートに立ち続けています。



今度の練習から、帰る前の5分をやってみます!



それが長く続けるいちばんの近道です。焦らず、順番どおりに積み上げていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ママさんバレーについては他にも記事を書いています。
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体の戻し方や練習の組み立ても、あわせて読んでみてください。
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