- 部活が休みの日に、スパイクの練習が何もできない
- 相手もコートもないので、何をすればいいかわからない
- 家でできることをやってみたけれど、上手くなった気がしない
こんな悩みを解決します。
スパイクの一人練習でやることは、フォーム・打点・跳ぶ力の3つにしぼって構いません。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきて、伸びる選手ほど体育館の外での時間の使い方が上手でした。反対に、休みの日に何もしない選手は、次の練習で感覚を取り戻すところから始まってしまいます。
一人の時間は、コートでは直しきれないフォームを固め直せる貴重な機会なんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ボールもコートもない状態で、スパイクの何を練習すればいいかがわかる
- 家・壁・屋外それぞれでできる具体的なドリルの手順がわかる
- 一人練習でやりがちな失敗と、20分で組む練習の順番がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:一人練習はフォーム・打点・跳ぶ力の3つにしぼる
一人でできることは限られています。だからこそ、何をやるかを先に決めておくことが大事です。
- フォーム:立ち止まった状態で、ひねりと腕の振りを固める
- 打点:ボールに当てる位置を、体との距離ごと覚える
- 跳ぶ力:助走から踏み切りまでの流れと、下半身の強さを作る
逆に言えば、この3つ以外は一人でやらなくて構いません。トスに合わせる感覚やブロックとの駆け引きは、相手がいる場面でしか身につかないからです。
一人の時間は「コートに戻ったときに困らない土台」を作る時間だと考えてください。
サルくん一人だと、やっぱりできることは少ない?



少ないよ。でも、その少ない3つがスパイクの土台になるんだ。



一人練習ハ土台作リ
一人練習がスパイクに効く2つの理由
そもそも、なぜ一人の時間がスパイクの上達につながるのでしょうか。理由は大きく2つあります。
動かない状態でフォームを固められる
スパイクの練習は、立ったままフォームを作るところから始めるのが一番の近道です。跳びながら腕も振ろうとすると、下半身と上半身の両方が中途半端になります。
体育館では、どうしてもトスが上がってくるので、跳ぶことが先に来てしまいます。フォームだけを何十回も繰り返せるのは、むしろ一人のときです。
体のひねり方や肘の高さは、ボールがなくても直せます。
フォームの土台がある選手は、コートに戻った1本目から打てる形になっているんですよね。



跳ばない練習って、意味あるのかな…



順番が逆なんです。まず止まって固めて、それから跳ぶ動きを足します。
打つ回数をコートの何倍も稼げる
もう1つは、単純に回数です。部活のスパイク練習では、順番待ちの列に並んでいる時間の方が長くなります。
一人なら、20分の間に100回以上スイングできます。フォームの修正は反復の回数がものを言うので、この差は大きいです。
回数を稼げる代わりに、間違ったまま繰り返すと悪いクセもそのまま定着します。だからこそ、正しい形を知ってから始めることが欠かせません。
一人練習は、正しいフォームを知ってから始めて初めて効果が出るわけです。
打ち方の基本があいまいなままなら、先にこちらで形を確認しておくと安心です。
家でできるスパイクの一人練習3つ


ここからが実践です。まずは、ボールを使わずに家の中でできる3つを紹介します。
ドリル1:立ったままのスイング
右利きなら左足を前に出して立ちます。左利きの人は左右を逆にしてください。
そこから、背骨を軸にして体を水平方向にひねり、打つ側の肘を高く上げて手のひらを耳の後ろまで引きます。ここがテイクバックの形です。
引いた形ができたら、肘を一度たたんでから、当たる瞬間に伸ばすつもりで振ります。最後は手首を返して、手の甲が打球方向を向くまで振り抜きます。
- 左足を前にして、背骨を軸に体を水平にひねれているか
- 肘が高く上がり、手のひらが耳の後ろまで引けているか
- 振り抜いたあと、手の甲が打ちたい方向を向いているか
腰を大きく反らせる必要はありません。反りすぎは腰や肩を痛める原因になりますし、目線が動いてミートが下がります。
まずはひねりだけでテイクバックを作り、慣れてきてから少しずつ反りを足していきます。



初心者ハひねりダケデ十分
腕の振り方をもう少しくわしく知りたい人は、こちらもあわせて読んでみてください。
ドリル2:タオルを使ったしなりの確認
タオルを1本用意して、端を握って同じスイングをします。腕を伸ばしたまま振ると、タオルはきれいにしなりません。
肘をたたんでから伸ばしたときだけ、先端が遅れて「バシッ」と鳴ります。この音が、ムチのようなしなりが出ているサインです。
音が鳴らないうちは、腕全体で振り回している状態だと考えてください。鳴る回数が増えてくると、実際のスイングも速くなります。
やりすぎると肩に負担がかかるので、10回を2〜3セットで十分です。



音でわかるなら、一人でも直せるね!



そう。一人練習は、こういう目印を作れるかどうかで差がつくよ。
ドリル3:打点をつかむキャッチ
3つ目は、当てる位置を体に覚えさせる練習です。ボールを真上より少し前へ軽く投げ上げ、打つ側の手で叩かずにキャッチします。
このとき、伸ばした腕がいちばん高くなる位置でつかむのがポイントです。つかめた位置が、そのまま自分の打点になります。
体の真上でつかんでしまう人は、実際のスパイクでもかぶりやすい形になっています。少し前でつかめる位置を探してみてください。
ボールがない場合は、丸めた靴下でも構いません。天井や照明のない場所で行い、周りに物を置かないようにします。
打点は「一番高いところ」ではなく「一番力が入るところ」で覚えるのがコツです。
壁と屋外でできる一人練習2つ


ボールが使える場所まで行けるなら、ここから2つを足します。どちらも公園や体育館の壁など、使ってよい場所を確認してから行ってください。
ドリル4:壁打ちでミートを覚える
壁から2〜3歩離れて立ち、片手でボールを壁に打ちつけます。跳ばずに、立ったまま打つのがポイントです。
意識するのは、手のひらの真ん中でボールを包み込んで押し出す感覚になります。手の甲が壁の方を向くまで振り抜くと、まっすぐ返ってきます。
返ってきたボールが左右にそれるときは、当たる位置が手のひらの端になっています。跳ね返り方が、そのまま自分のミートの通知表です。
- まっすぐ戻ってくる:手のひらの芯で捉えられている
- 左右にそれる:当てる位置が手のひらの端にずれている
- 高く浮く:ボールの下側を叩き、手首を返せていない
強く打つ必要はありません。軽い力で正確に返せるようになってから、少しずつ強さを上げていきます。



つい思い切り打ちたくなるんだよね。



弱い球でまっすぐ返せる方が、じつは難しいよ。
ミートの手の形そのものに不安がある人は、こちらで細かく確認できます。
ドリル5:3歩助走と踏み切りの反復
ボールを打たずに、助走から踏み切りまでだけを繰り返す練習です。初心者は3歩助走から始めるとリズムをつかみやすくなります。
大事なのは速さの配分で、最初の1歩はゆっくり、最後の1歩を速くします。最初から全力で走ると、ボールを追い越してかぶる原因になります。
腕は後ろに引いてから振り上げ、その勢いでジャンプの初動を作ります。右利きなら右足、左足の順に接地し、ほぼ同時に両足で踏み切ります。
右利きの人は、最後に踏み込む左足のつま先をやや右へ向けると軸が作れます。左利きは左右が逆になります。
着地は必ず両足で行い、膝を軽く曲げてクッションを作ります。ジャンプは上がるときより下りるときの方が膝への負担が大きいからです。



上リヨリ下リニ注意
助走のリズムをもっと細かく確認したい場合は、こちらの記事が役に立ちます。
一人練習でやりがちな3つの失敗
同じ時間を使っても、伸びる人と伸びない人がいます。差がつくのはたいてい次の3つです。
失敗1:全力のスイングだけを繰り返す
一人になると、つい思い切り振りたくなります。ただ、力いっぱい振っている間は、自分の形を細かく見る余裕がありません。
力を抜いてゆっくり振るほど、肘の高さやひねりの順番がはっきりわかります。速く振るのは、形が固まってからで間に合います。
スパイクの力の入れ方は、踏み込みで力、空中で脱力、当たる瞬間にもう一度力、という3段階です。全力で振り続ける練習では、この抜く感覚が身につきません。
失敗2:跳ぶ回数を増やしすぎる
2つ目は、跳ぶ量です。ジャンプは楽しいので、つい本数を重ねてしまいます。
成長期の膝や腰は、着地の衝撃を受け続けると痛みが出やすくなります。跳ぶドリルは1回20〜30本を目安にして、痛みがある日は跳ばない選択をしてください。
跳ぶ力は、跳んだ回数ではなく下半身と体幹の強さで伸びていきます。回数を増やすより、休みを挟む方が結果的に高く跳べるようになります。



痛みが出た日は、跳ばない勇気をもってください。
失敗3:自分のフォームを見ないまま続ける
3つ目が一番もったいない失敗です。感覚だけを頼りに繰り返すと、直したかったクセがそのまま固まってしまいます。
対策はシンプルで、スマホでスイングを撮ることです。自分のイメージと実際の形は、想像以上にずれています。
撮った動画は、理想とする選手のフォームと並べて見比べます。肘の高さ・ひねり・振り抜いたあとの手の向き、この3点だけを見れば十分です。
週に1回でいいので、自分のスイングを撮って見比べる時間を作ると、一人練習の質が変わります。



撮ってみたら、思ってたのと全然ちがった…



そのズレに気づけたことが、もう上達だよ。
20分で組む一人練習メニューの順番
最後に、20分で回す組み方を紹介します。時間が短い日は、前半だけでも構いません。
順番には意味があります。フォームを固めてから跳ぶ動きに進むのが、遠回りに見えていちばん速い道だからです。
毎日やる必要はありません。週に2〜3回、部活が休みの日に取り入れるくらいがちょうどよい量になります。
きつい練習を我慢して続けた結果、バレーが嫌いになってしまうのが一番よくないことです。物足りないくらいで切り上げて、次の日も触りたい状態を残しておいてください。



物足リナイ量デ続ケル
チーム練習でのメニューの組み立て方は、こちらで順番ごとに整理しています。
よくある質問
まとめ:一人の時間はフォームを固める時間
スパイクの一人練習は、フォーム・打点・跳ぶ力の3つにしぼれば十分です。相手がいなくてもできることは、思っているよりたくさんあります。
立ったままのスイングで形を固め、壁打ちでミートを確かめ、助走と踏み切りで跳ぶ準備を作る。
| 場所 | できるドリル | 主な狙い |
|---|---|---|
| 家の中 | 立ったままのスイング・タオル・キャッチ | フォームと打点を固める |
| 壁のある場所 | 壁打ち | ミートの正確さを確かめる |
| 屋外・体育館 | 3歩助走と踏み切り | 跳ぶ流れと着地を作る |
私は元日本代表として、そして指導者として、伸びる選手ほど一人の時間の使い方が上手だと感じています。



今日は7分のスイングからやってみる!



それで十分。続けた回数が、そのまま形になるよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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