- 一生懸命打っているのに、なぜか毎回拾われてしまう
- ブロックによく止められて、点につながらない
- フォームは悪くないはずなのに、決定率が上がらない
こんな悩みを解決します。
スパイクが決まらないのには、必ず理由があります。この記事では、「怖くて打てない」といった心の問題ではなく、技術と戦術の面から「拾われる・止められる」原因を7つに整理して直し方までお伝えします。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、「決まらない」と悩む選手の多くは、フォームそのものより打つ前後の準備や、相手の見方でつまずいています。原因が分かれば、直し方は意外とシンプルです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- スパイクが決まらない技術・戦術の原因が7つに整理できる
- 拾われる・止められるを分けて考える視点が身につく
- 明日の練習で直せる具体的なチェックポイントがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:原因は「打つ前」と「相手の見方」に多い
先に結論からお伝えします。スパイクが決まらない原因は、打つ瞬間のフォームよりも、その前の助走・打点、そして相手をどう見て打つかにあることがほとんどです。
スパイクは助走→踏み切り→空中姿勢→スイング→着地のひとつながり。決まらない原因は「その前の段階」にあることが多い。
下の表に、7つの原因を「拾われる系」と「止められる系」に分けて整理しました。自分がどれに近いか、まず当たりをつけてみてください。
| 原因 | どうなる | 主なタイプ |
|---|---|---|
| ①打点が低い | ボールが浮く・威力が出ない | 拾われる |
| ②かぶる | 真下に叩いてネット/自滅 | 拾われる |
| ③手首を返せていない | ふかす・コースが甘い | 拾われる |
| ④コースが単調 | 待たれて拾われる | 拾われる |
| ⑤助走が真下すぎ | ブロックに正対して止まる | 止められる |
| ⑥同じ相手とばかり勝負 | 得意なブロッカーに捕まる | 止められる |
| ⑦強打しか持っていない | 読まれて対応される | 止められる |
サルくん決まらない原因って、7つもあるんだ…どこから直せばいいの?



大丈夫。まず「拾われるのか」「止められるのか」で分けると、直す場所がはっきりするよ。
拾われるのか、止められるのか。この2つは原因も直し方もまったく違います。やみくもにフォームをいじる前に、自分の失点がどちらのパターンかを知ることが、遠回りに見えて一番の近道です。
スパイクの助走から着地までの一連の流れは、こちらの記事で5ステップにまとめています。
原因①:打点が低い(ボールが浮く・威力が出ない)
決まらない選手でいちばん多いのが、打点が低いパターンです。打点が下がると、ボールを上から押さえられず、山なりに浮いてしまいます。


打点が低くなる主な原因は、肘が下がっていることです。腕を伸ばしたまま振ろうとすると、肘の高さが確保できません。
スイングは肘を一度たたんでから、当たる直前で伸ばす。伸ばしたまま振ると打点が下がる。
肘を一度たたんでから、当たる直前でムチのようにしならせて伸ばす。この順番を守るだけで、打点はぐっと上がります。



腕を伸ばしっぱなしで振ってた…だから低かったのか。



そうそう。肘を先に上げて、当てる直前で伸ばす。この一手間で打点が変わるよ。
打点が上がると、ボールを上から覆いかぶせて押し出せるようになり、浮いて拾われるボールが激減します。まずはここから見直しましょう。
原因②:かぶる(真下に叩いてしまう)
ボールが頭の真上や後ろに来てしまう「かぶり」も、決まらない大きな原因です。かぶると真下にしか叩けず、ネットにかかるか、力の乗らないボールになります。
- 助走のスタートが早すぎる
- 最後の一歩が大きすぎる
- 最高打点を意識しすぎて真下に入りすぎる
かぶりを直す一番のコツは、ボールの位置をやや前に取り、あごを固定することです。ボールを体の少し前で捉えれば、前方向に押し出す力が使えます。



ボールハ カラダノ スコシ マエデ トラエル
そして助走のタイミング。セッターからボールが出て軌道が見えた瞬間に1歩目を出します。相手が触った瞬間に動き出すと早すぎて、ボールを追い越してかぶってしまいます。



早く動いたほうが間に合う気がするんだけど、違うの?



早すぎるとボールを追い越しちゃうんだ。トスが出て軌道が見えてから、が合図だよ。
かぶりは空中姿勢の問題に見えて、実は助走とタイミングの問題であることがほとんどです。空中で直そうとせず、入り方を直しましょう。
原因③:手首を返せていない(ふかす・コースが甘い)
しっかり当たっているのにアウトになる、あるいはコースが甘くて拾われる場合は、手首を返せていない可能性が高いです。
ミートは「打つ」より、手のひらでボールを包み込んで押し出すイメージ。最後は手の甲が打球方向を向くまで振り抜く。
ミートの瞬間に手のひらの真ん中で芯を捉え、最後に手首を返して、手の甲が打球方向を向くまで振り抜く。これができないと、ボールが浮いてふかしたり、コースが定まらず拾われたりします。


なお、よく言われる「ボールの上をこする」という感覚はおすすめしません。こするのではなく、上から覆いかぶせて包み込み、押し出して振り抜くのが正しいイメージです。



こするんじゃなくて、包んで押し出すのか。全然イメージが違うや。



うん。手の甲が最後にコースを向くまで振り抜く。これでボールが落ちるようになるよ。
ふかす癖がある人は、ミートの位置と手首の返しをセットで練習してみてください。当て方が変わると、決定率は大きく変わります。
原因④:コースが単調で読まれている(拾われる)
技術は悪くないのに拾われる場合、コースが単調で相手に読まれている可能性があります。毎回同じところに打っていれば、レシーバーは楽に待てます。
- 得意なコースを1つ持つ(軸を作る)
- そこに「もう1コース」を足す
- 同じフォームから打ち分ける
大切なのは、自分の得意なコースに打つだけでなく、「相手にとって一番嫌なこと」をしていくという視点です。相手の守備が薄いところ、待っていないコースを突くと、同じ技術でも決定率が上がります。



でも、コースを狙うとミスが増えそうで怖いな。



いきなり全部変えなくていいよ。得意な1本に、もう1本足すところから始めよう。
コースの打ち分けは、体の向きで作ります。詳しい打ち分け方は別の記事でくわしく解説しているので、あわせて読んでみてください。
原因⑤:助走が真下すぎてブロックに正対している
止められる系で多いのが、ボールの真下に入りすぎて、ブロックに正面から捕まってしまうパターンです。最高打点を意識するあまり真下に入ると、逃げ場のない打点になります。


真下ではなく、ボールをやや前で捉えることで、前に押し出す余裕が生まれ、ブロックの横や上を狙えるようになります。
最高打点を意識しすぎて真下に入りすぎるのは「かぶり」と同じ原因。ボールはやや前で捉える。
また、助走の勢いを止めずに真上へ変換できていないと、体が前に流れて空中でくの字になり、ブロックにかかりやすくなります。踏み切りで「止める」のではなく、スピードを「真上に変える」意識を持ちましょう。



真下がいいと思ってた…やや前でいいんだね。



そう。やや前だと押し出せるし、ブロックの上も横も使えるようになるよ。
真下すぎる癖は、かぶりとも共通する根の深い問題です。ボールをやや前で捉える意識に変えるだけで、止められる回数が減っていきます。
原因⑥:いつも同じ相手とばかり勝負している
決定率が上がらない選手は、「誰と勝負するか」という視点が抜けていることがあります。ただボールを打つのではなく、ブロッカーと勝負するのか、その後ろのレシーバーと勝負するのかを考えるのです。
スパイカーは「ブロッカーと勝負するか、レシーバーと勝負するか」を、相手一人一人の特徴を把握して選ぶ。
自分がブロッカーと勝負したほうが得点できるのか、後ろのレシーバーと勝負したほうが得点できるのか。相手の得意・不得意を見て選ぶだけで、同じ一本の価値が変わります。
- このブロッカーはコースを締めるのが上手いか
- どのレシーバーが守備の弱点か
- どこが一番「嫌がる」場所か
そして、セットの序盤で試し、後半に向かって決定率を上げていくのがスパイカーとして大事な考え方です。序盤に相手の反応を見て、終盤に一番効くコースを増やしていきます。



相手を見て打つなんて、余裕がなくてできないよ…



最初は1人でいいんだ。「このブロッカーは苦手そう」って気づくだけでも、勝負が変わるよ。
一本ごとに考えるのは大変でも、「今日はこの相手のここが弱い」と一つ気づくだけで、狙いどころがはっきりします。まずは観察から始めましょう。
原因⑦:強打しか持っていない(読まれて対応される)


強打だけで押し切ろうとすると、相手も「強打が来る」と分かって構えます。そこで生きてくるのが、フェイントや軟攻という「裏のワザ」です。
フェイントは強打とまったく同じフォームで入るのが最重要。強打という脅威があるからこそ効く。
大切なのは、強打とまったく同じフォームで入ること。同じフォームで来ると、ブロッカーは強打を止める構えで跳び、レシーバーも強打に備えて構えます。
その結果、フェイントへの反応が遅れて決まりやすくなります。



ツヨウチノ フリデ ソット オトス
触り方はコースで使い分けます。ブロックの横を通すときはある程度上から触れてよく、ブロックの上を越すときは肘を少し曲げてボールを下から触れ、そこから肘を伸ばして持ち上げます。



同じフォームで入るのがコツなんだね。バレバレだと拾われるもんな。



そのとおり。ただし多用すると読まれるから、ここぞの場面にしぼって使おうね。
フェイントは、強打という脅威があるからこそ効きます。多用すると読まれるので、ここぞの場面にしぼるのがコツです。強打とフェイントの両方を持つと、決定率はぐっと安定します。
フェイントや軟攻の具体的な触り方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
スパイクが決まらない時によくある質問
まとめ:原因を1つずつ切り分けて直そう
スパイクが決まらないときは、まず「拾われるのか、止められるのか」を切り分けることが出発点です。原因が分かれば、直す場所は自然と見えてきます。
| 症状 | まず見るところ |
|---|---|
| 浮いて拾われる | 打点の高さ・手首の返し |
| 真下に叩いてしまう | かぶり・助走のタイミング |
| ブロックに止められる | 真下すぎる助走・相手の見方 |
| 読まれて対応される | コースの単調さ・フェイントの有無 |
決まらない原因は「打つ前」と「相手の見方」に多い。1つずつ切り分けて、明日の練習で1点だけ直そう。
私は元日本代表として、原因を切り分けて練習した選手が、少しずつ決定率を上げていくのを何度も見てきました。7つ全部を一度に直す必要はありません。今日は1つだけ、と決めて取り組んでみてください。
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よし、まずは打点と、相手のブロッカー観察からやってみる!



いいね。1つ直るたびに、決まる本数は確実に増えていくよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
スパイクについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪









