- ジャンプのたびに膝の下がズキッとして、テープを巻いてみたい
- 見よう見まねで巻いたら、曲げた瞬間にテープがめくれてしまった
- 膝サポーターとテーピング、どちらを使えばいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
膝のテーピングでいちばん大事なのは、膝を深く曲げた姿勢で貼り、お皿の下の引っぱりを分け合わせることです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、膝にテープを貼る選手の多くは、足を伸ばしたまま貼っていました。
膝は伸ばした状態と曲げた状態で、皮膚が動く距離が大きく変わります。貼るときの角度を変えるだけで、もちも支える感じもまるで違ってくるんです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 膝テーピングの基本の貼り方が、3つの手順で分かる
- めくれる・かゆくなるといった失敗の原因と、その場での直し方が分かる
- テーピングとサポーターの使い分け、貼らずに休む線引きが分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:膝のテープは曲げた姿勢で貼り、お皿の下を支える

結論からお伝えします。膝に貼るときは、いすに座って膝を深く曲げ、お皿の下を横に1本支えてから、縦のテープを足してください。
バレーで多い膝の痛みは、跳んで降りる動作のくり返しで、お皿の下にある腱に負担が集まって起こります。ジャンプの回数が増える時期に出やすいのはそのためです。
つまり、支えたい場所はお皿の下の1点なんですよね。膝全体をぐるぐる締めても、この1点の引っぱりは減りません。
しかも、貼るときの膝の角度がずれていると、どれだけ丁寧に貼ってもすぐめくれます。伸ばした状態で貼ったテープは、膝を曲げた瞬間に長さが足りなくなるからです。
サルくん床に座って、足を伸ばしたまま貼っていました。



そこが、めくれる原因のほとんどですよ。
貼りはじめの姿勢は、いすや台に腰かけて、膝を90度より深く曲げた形が基本になります。かかとをいすの下に引き込むと、自然に深く曲がります。
- 膝を深く曲げた姿勢をつくってから貼りはじめる
- 支えるのはお皿の下の1点に絞る
- 貼り終えたら立ってしゃがみ、突っぱらないか見直す
この3つを外さなければ、細かい貼り方の違いはそれほど問題になりません。逆にここを外すと、テープの本数を増やしても膝は楽になりません。
なお、膝の下の痛みがなぜ起きるのか、どこで練習を休むべきかは別の記事にまとめました。痛みが強い人は、そちらを先に読んでから戻ってきてください。
膝にテープを貼る前に決める3つのこと
貼り方より先に決めておくことがあります。ここがあいまいだと、貼っても支える力が出ません。
決めること1:痛む場所を1つ選ぶ
まず、どこが痛むのかを指1本で示せるところまで絞ります。膝を曲げ伸ばししながら、自分で押して探してみてください。
多くの選手は、お皿のすぐ下、すねの骨に近いあたりを押すと痛みます。そこが、テープで支えるべき場所です。
膝の内側や裏側が痛む場合、膝が横にぐらつく感じがある場合は、原因が別のところにあります。自分の判断で強く貼らず、整形外科で見てもらってください。



お皿の下を押すと、ピンポイントで痛いです。



それなら、支える場所はそこ1点で決まりですね。
膝全体がぼんやり痛む・熱をもっている・腫れている。この場合もテープでどうにかする段階ではありません。その日はジャンプの練習から外れる判断をしてください。
決めること2:テープの種類と幅を選ぶ
膝に使うのは、幅50mm前後の伸びるテープ(伸縮テープ)が基本です。膝は動く幅が大きいので、伸びない白いテープでは曲げた瞬間に突っぱります。
膝用の50mm幅なら、たとえばこのような伸びるテープがあります。
伸びないテープが向くのは、足首のように動く方向を止めたい部位です。膝は動きを残したまま支えたいので、目的がそもそも違います。



足首ハ止メル 膝ハ支エル 目的ガ違ウ
肌が弱い人は、テープの下にアンダーラップを1周入れる方法もあります。かぶれ対策やテープ選びのくわしい基準は、こちらの記事にまとめてあります。
決めること3:膝を深く曲げて肌を整える
汗や汚れが残った膝に貼ると、練習の途中でテープが動きます。ずれたテープは支える力を失いますし、めくれた端がユニフォームに引っかかると気が散るんです。
体育館では、タオルでお皿のまわりからすねの上まで拭いてから貼ります。膝の裏は汗が残りやすいので、そこも忘れずに。
そして、拭き終わったら膝を深く曲げます。いすに腰かけ、かかとをいすの脚のほうへ引き込むと、皮膚がしっかり伸びた状態がつくれます。



どのくらい曲げればいいですか?



90度より深く、正座に近い角度まで曲げてみてください。
膝テーピングの基本の貼り方3手順


ここからが実際の貼り方です。手順は3つだけで、どれも自分ひとりでできます。
手順1:深く曲げた姿勢をつくる
最初に、貼るための姿勢をつくります。地味ですが、この記事のなかでいちばん結果が変わる部分です。
いすに腰かけて、かかとをいすの下へ引き込みます。膝は90度より深く、正座に近いところまで曲げてください。
この姿勢で皮膚が伸びきった状態に貼ると、立って動いたときにテープが余りません。逆に、足を伸ばして貼ったテープは、しゃがんだ瞬間に端から浮いてきます。



曲げたままだと貼りにくそうですけど…。



貼りにくさより、もちのよさをとりましょう。
姿勢が決まったら、テープを2種類の長さに切っておきます。横に貼る短いものを1本、縦に貼る長いものを2本です。
手順2:お皿の下に横のテープを1本貼る
次が、この記事のいちばん大事な部分です。お皿の下のくぼみに沿って、横向きにテープを1本渡します。
貼り方にはコツがあります。テープの真ん中だけを軽く引っぱり、その部分をお皿の下に当ててから、両端は引っぱらずに寝かせて貼ってください。
真ん中を引っぱることで、お皿の下の腱にかかる引っぱりを、テープが少しだけ肩代わりしてくれます。端まで引っぱると、圧が強くなりすぎて逆に痛みが出ます。



中央ダケ引ク 両端ハ寝カセル
貼れたら、手のひらでテープの上を10秒ほど押さえます。体温で粘着が落ち着き、はがれにくくなるからです。
ここまでで、痛みの中心を支える1本ができました。これだけでも楽になる選手はいますが、ジャンプの回数が多い日はもう少し足しておきたいところです。
手順3:縦のテープでお皿を左右から挟む
最後に、縦のテープを2本足して、お皿がぐらつかないようにします。横の1本だけだと、着地で膝がねじれたときに支えが足りません。
1本目は、すねの骨の内側から出発し、お皿の内側をなぞって太ももの前へ引き上げます。2本目は同じ形で外側を通します。
どちらも、貼りはじめと貼り終わりは引っぱらないのが決まりです。引っぱるのは、お皿の横を通る真ん中の部分だけにしてください。



お皿を左右から挟む形になりました!



立って、ゆっくりしゃがんで確かめましょう。
貼り終えたら、その場で立って浅くしゃがんでみてください。膝の裏が突っぱらない・お皿の下が少し楽になった・しびれない、この3つがそろっていれば大丈夫です。
膝テーピングでよくある3つの失敗
うまくいかないときは、たいてい次の3つのどれかです。1つずつ見ていきます。
失敗1:テープを端まで強く引っぱっている
いちばん多いのが引っぱりすぎです。支えたい気持ちが強いほど、テープをぐいぐい伸ばして貼ってしまいます。
膝の裏が突っぱる・膝を曲げると痛みが増す・皮膚が赤くしぼれている。この3つは、引っぱりすぎのサインです。
このサインが出たら、その場ではがして貼り直してください。がまんして練習を続けると、痛みとは別の問題が起きます。



強く引くほど効くと思っていました。



引くのは真ん中だけ、そこは我慢してください。
とくにテープの貼りはじめと貼り終わりは、引っぱらずに置くだけにするのが安全です。端が強いと、そこから皮膚が引っぱられてかぶれます。
失敗2:練習の途中でめくれる
次に多いのが、途中で端が浮いてくるパターンです。原因は汗と、貼るときの膝の角度にあります。
汗をかいた膝に貼れば、粘着が弱まってはがれます。アップのあとに貼り直すだけで、もちはずいぶん変わるはずです。
角度も見直してみてください。足を伸ばして貼ったテープは、しゃがんだときに長さが足りず、端から順にめくれていきます。



汗ト角度 コノ2ツデ持チガ決マル
テープの角を丸く切っておくのも効きます。四角い角はユニフォームや床にこすれて浮きやすく、そこから一気にはがれるためです。
失敗3:痛む場所を確かめずに貼っている
最後が、場所の失敗です。膝が痛いというだけで、なんとなくお皿の上や横に貼ってしまう選手がいます。
支える場所がずれたテープは、ただ皮膚を締めているだけになります。効いている感じがしないのは、腕前ではなく場所の問題です。
貼る前に、必ず指1本で痛い場所を押して確かめてください。押して痛む点の真下を、テープの真ん中が通るように貼るのが基本です。



貼る前に押して探すんですね。



そこを飛ばすと、支えが1cmずれますよ。
膝のテーピングとサポーターはどう使い分ける?
テープとサポーターは、どちらが上ということはありません。使う場面が違うだけです。
毎日の練習で続けるならサポーター
練習のたびにテープを貼ると、1本あたりの費用も、貼る時間もかさみます。中学生や高校生が毎日続けるなら、サポーターのほうが現実的でしょう。
肌への負担も軽くなります。同じ場所に毎日テープを貼ると、かぶれや皮むけが起きやすくなるからです。
床につく回数が多いポジションでは、パッド入りのものを選ぶ手もあります。違いと選び方の基準は、こちらの記事にまとめました。
大事な試合や不安が残る日はテーピング
一方で、支える場所と強さを細かく決められるのはテープの強みです。痛みが引いてきた時期や、負けられない試合の日は、テープのほうが安心できます。
サポーターは膝全体をまとめて締めますが、テープならお皿の下の1点だけを狙えます。その日の状態に合わせて本数を変えられるのも、テープならではです。



練習はサポーター、試合はテープでもいいですか?



その使い分けで大丈夫です。続くほうを選んでください。
| 場面 | 向いているもの | 理由 |
|---|---|---|
| 毎日の練習 | サポーター | 費用と時間の負担が軽く、肌も守れる |
| 痛みが引いてきた時期 | テーピング | 支える場所と強さを細かく決められる |
| 大事な試合 | テーピング | その日の状態に合わせて調整できる |
| 痛みが強い日 | どちらも使わない | 貼って出るより休んで治すほうが早い |
なお、練習に戻していく順番そのものに不安がある人は、復帰の進め方をまとめた記事も読んでみてください。
貼らずに休む・病院に相談する目安
テーピングは、痛みを消す道具ではありません。その日の練習で膝にかかる引っぱりを少し肩代わりするための、あくまで補助です。
だから、テープを貼れば跳べるという考え方は危ないところがあります。
腫れている・階段を降りるだけで痛む・お皿の下を押すと飛び上がるほど痛い。
このどれかがあれば、貼らずに整形外科へ。
成長期の選手は、とくに慎重にいきたいところです。骨が伸びている時期は、同じ膝の痛みでも原因がちがうことがあります。



試合が近いと、つい貼って出たくなります…。



その気持ちは分かりますが、1試合と1シーズンを比べてください。
痛みが落ち着いてきたら、跳び方と降り方も見直しておきたいところです。着地で衝撃を逃がせていないと、同じ場所に負担が集まり続けます。
よくある質問
まとめ:角度と場所が合えば、テープは1本でも効く
膝のテーピングは、強く締める道具ではなく、お皿の下の引っぱりを分け合う道具です。
深く曲げて貼る。真ん中だけ引く。貼ったらしゃがんで見直す。
| つまずくところ | 直し方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 貼ってもすぐめくれる | 膝を深く曲げてから貼る | 足を伸ばした姿勢で貼らない |
| 支えている感じがしない | 押して痛む点の真下に貼る | なんとなくお皿の上に貼らない |
| 膝の裏が突っぱる | 端を引っぱらずに貼り直す | 引くのは真ん中だけ |
| 皮膚が赤くなる | アンダーラップを1周入れる | 同じ場所に毎日貼り続けない |
私が指導してきたなかでも、貼る前の姿勢を直しただけでテープのもちが変わった選手は何人もいました。使う本数はむしろ減っています。
膝は、痛めると助走もジャンプも止まってしまう場所です。貼り方を覚えておけば、不安が残る時期でも練習の量を落とさずに済みます。
そのうえで、テープに頼らなくていい着地と体をつくるのがいちばんの近道になります。あせらず、1つずつ整えていってください。



今日は深く曲げてから貼ってみます。



貼ったあとにしゃがんで確かめる、そこまでが手順ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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