- ボールが何個あるのか、誰も正確に把握していない
- 空気の抜けた球や破れたネットが、そのまま使われている
- 買い替えを言い出すタイミングと基準が分からない
こんな悩みを解決します。
バレー部の用具管理は、「数える」「点検する」「入れ替える」の3つを当番の仕事として固定するだけで回り始めます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、練習の密度が高いチームほど、用具が整理されていることが多いです。
球が足りない、空気が抜けている、その確認から練習が始まるチームは、それだけで毎回10分を失っています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 練習に必要な用具と数の目安が分かる
- 毎日・月1でやる点検の中身と手順が分かる
- 買い替えを判断する基準と、部費の使い方の考え方が分かる
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論:用具管理は「数える・点検する・入れ替える」の3つ
まず結論からお伝えします。
- 数える … 何が何個あるかを一覧にし、練習の前後で数を合わせる
- 点検する … 使う前に不具合を見つけ、危ないものはその場で外す
- 入れ替える … 基準を決めておき、期限が来たら計画的に買い替える
この3つを個人の気配りに任せるとうまくいきません。
れおコーチうちは気づいた人がやる、という感じで回してるよ。



それだと、気づける人が卒業した年に一気に崩れるんだ。
大切なのは、3つを「係の仕事」として紙に書き、誰がやっても同じ結果になる形にすることです。
紙に書くだけで、引き継ぎの負担も一気に軽くなります。
前の代がどう回していたかを聞き出す必要がなくなり、新しい係はその紙を見るだけで動けるようになります。
ここから、必要な数の目安と、点検・買い替えの基準を順番に見ていきます。
用具管理を仕組みにすると練習が変わる
用具管理は雑務に見えますが、練習の質と安全に直結します。
練習の密度が上がる
球出しやサーブ練習は、使える球の数がそのまま本数になります。
球が足りなければ、選手は拾いに行く時間のほうが長くなり、打つ本数が減ります。



タマノカズ = レンシュウノミツド
逆に、必要な数がそろっていれば、同じ60分でも触れる回数が大きく変わります。
たとえばサーブ練習で、1人あたり6本打ってから拾いに行くのと、2本で拾いに行くのとでは、同じ時間で打てる本数が倍以上違ってきます。



用具の話が、そのまま上達の話につながるんだな。
球の数を増やせない場合は、コートの向こう側に球を集める係を1人置くだけでも、待ち時間はかなり減ります。
短い時間で効果を出す練習の組み方は、こちらの記事にまとめています。
事故を防げる
ネットの張りが甘い、アンテナが曲がったままになっている、床にテープの粘着が残っている。
こうした小さな不具合が、そのまま怪我につながります。
とくに空気が抜けた球は、指を痛める原因になりやすいので注意してください。
柔らかくなった球は、当たったときに指が深く入り込み、突き指の形になりやすくなります。
空気の抜けた球を放置しない。 曲がったアンテナはその日のうちに外す。



点検は用具のためじゃなく、選手を守るためにやるんだ。
練習中に何かが起きたときの動き方は、事故対応の記事も合わせて確認してください。
そろえておきたい用具と数の目安
必要な数は部員数とコート面数で決まります。
ここでは、部員20人前後・コート1面のチームを想定した目安を挙げます。
ボールは「部員1人に1球」が目標
必要な球数の考え方は、私ははっきりしています。
全員が同時にボールを持てる数、つまり部員1人につき1球をそろえてください。
部員が20人なら20球。ただしバレーボールは6個入りのケースで売られていることがほとんどなので、6の倍数にそろえて24球にしておくのが現実的です。



24球? うちは6球で回してたよ。



その数だと、できる練習の種類がぐっと減るんだ。1人1球あると、全員が同時に動けるメニューが組めるようになるよ。
なぜ1人1球なのか。理由は、全員が同時にボールを触れる練習メニューが組めるようになるからです。
球が少ないと、どうしても「並んで順番を待つ」形の練習が増えます。20人が6球で練習すれば、大半の時間はボールに触らずに立っていることになります。
1人1球あれば、その場で全員が同時に動けます。同じ30分でも、選手1人あたりがボールを触る回数がまったく変わってきます。



ボールノカズ = センシュガ サワル カイスウ
私が運営しているスクールでは、コート1面につき36球を使って練習しています。
これくらいの数があると、球出しを止めずに回せて、待ち時間がほぼ生まれません。中断のない練習が組めるので、同じ時間でも中身が濃くなります。
球の種類は、公式球と練習球で役割が分かれます。
公式球は試合と同じ感触を確かめるためのもの、練習球は数を打つためのものと考えてください。
すべてを公式球でそろえると費用が上がるうえ、傷むのも早くなります。
- 合計 … 24球(6個入りケース×4)を目標にする
- 公式球(検定球) … 6〜12球。試合形式と大会前の調整で使う
- 練習球 … 12〜18球。球出しやサーブ練習など数を打つ場面で使う
- 軽量球・ソフト球 … 1〜2球。初心者の導入や恐怖心の緩和に使う
予算が足りないときは、練習メニューでカバーする
とはいえ、いきなり24球をそろえられる部ばかりではありません。部費にも限りがあります。
その場合は、無理をして一度に買う必要はありません。買えないなら、球が少なくても全員が動けるメニューに組み替える。これが現実的な答えです。
- 待ち時間の出る「並ぶ練習」を減らし、2人1組・3人1組でボールを止めない形にする
- 球出しの列を1本にせず、少ない球を複数の場所で同時に回す
- 順番待ちの選手には、フォームの確認や声かけなど別の役割を持たせる
- サーブ練習は本数を追わず、1本ごとに狙いを決めて質を見る時間に変える



数が足りないのを、メニューで埋めるという考え方か。



そう。買えるまでの間は工夫でしのいで、買えるようになったらケース単位で足していけばいいんだ。
買い足すときは、6個入りのケース単位で年に1ケースずつというように計画を決めておくと動きやすくなります。
まとめて全部を買うより、少しずつ入れ替えるほうが、球の状態がそろいすぎないという利点もあります。
同じ年に買った球は、傷むのも同じ時期になります。そうなると、ある年だけ一気に買い替えが必要になり、部費を圧迫してしまいます。
ネット・支柱まわりは「予備」を持つ
ネット、アンテナ、クランク(巻き取りハンドル)。
このうち1つでも欠けると、その日の練習が形にならなくなります。



ヨビガナイト レンシュウガトマル
アンテナは折れやすいので、必ず予備を1本用意しておいてください。
クランクは、学校の用具として体育科が管理していることもあります。
自分の部の備品なのか、学校の共用備品なのかを最初に確認しておくと、壊れたときの手続きで迷いません。



共用の物は、勝手に処分せず先生に報告してからだよ。
設営の手順は、こちらの記事でくわしく解説しています。
消耗品と救急用品は「切らさない」
空気入れの針、ラインテープ、雑巾、氷嚢、絆創膏。
こうした消耗品は、最後の1つになった時点で補充するルールにします。
「なくなったら買う」ではなく「最後の1つになったら買う」と決めておくのがポイントです。
この1段階のずらしがあるだけで、練習や試合の当日に困ることがなくなります。



「なくなってから買う」だと、必ず一度は困る日が来るよ。
救急用品として体育館に常備しておきたい品目と、置き場所や補充の決め方は別の記事でまとめています。
点検のやり方と頻度
点検は、毎日やることと月に1回やることを分けます。
毎日:練習の前後に数と空気を確認する
空気は、球に表記されている規定の範囲に合わせます。
感覚で入れると個体差が出るので、空気圧計付きのポンプを1つ持っておくと確実です。
ゲージが本体に付いた空気入れなら、たとえばこのようなものがあります。
球ごとの硬さがそろっていないと、選手はレシーブの返り方の違いに戸惑います。
とくにサーブカットの練習では、球の硬さの差がそのまま返球の高さの差になって出てきます。



同じ硬さの球で練習することが、フォームを固める前提条件なんだ。
針は曲がりやすい消耗品なので、予備を数本まとめて持っておいてください。
月1:一覧と現物を突き合わせる
月に1回は、備品の一覧表と現物を突き合わせます。
数が合わない、傷んでいる、使われていない。
この3つを洗い出して、買い替えの候補に印を付けておきます。
使われていない物を洗い出すのも、この作業の大事な目的です。
用具庫の奥に眠っている物を処分すると、必要な物がすぐ取り出せるようになり、準備の時間が短くなります。



月1なら、ミーティングの前後でできそうだ。



うん。この日にやると決めておくのが大事だよ。
買い替えの基準を先に決めておく
「まだ使える」と「もう危ない」の境目は、人によって判断が分かれます。
だからこそ、買い替えの基準を数と状態で先に決めておくことが大切です。
- 表面の革がめくれている・縫い目が浮いている
- 空気を入れても翌日には明らかに抜けている
- 触ったときに、球ごとの硬さの差がはっきり分かる
- ネットの網目が数か所切れている・上部の白帯がほつれている
- アンテナに曲がりやひびがある
判断に迷う球は、試合形式では使わず、球出し用に回すという分け方もできます。
こうすると、球を捨てる判断を先送りにしながら、練習の質は落とさずにすみます。
ただし、革がめくれている球だけは例外です。



カワガメクレタタマハ ソクタイキョ
めくれた部分に指が引っかかると、突き指や爪の怪我につながるためです。
ボールの寿命の見分け方は、こちらの記事も参考になります。
買い替えは、年度末にまとめてではなく、年間の計画に入れておくと部費が安定します。
部費の集め方と会計の考え方は、こちらの記事にまとめています。
続けるための係と記録の作り方
最後に、仕組みとして続けるための形を決めます。
用具係を学年をまたいで2人置く
用具係は、上級生と下級生で2人1組にします。
こうしておくと、引退の時期が来ても管理が途切れません。
上級生が引退する時期は、大会の直後で部が慌ただしくなるタイミングでもあります。
引き継ぎが口頭だけになると、この時期に管理が止まってしまいます。



たしかに、毎年この時期に一度崩れてたな。
下級生が半年でも一緒に作業していれば、そのまま同じやり方を続けられます。



引き継ぎのために、あえて学年をずらすのがコツだよ。
係の決め方全体は、役割分担の記事も参考になります。
記録は1枚の紙にまとめる
記録は凝らないほうが続きます。
品名・数・購入した年・状態の4項目だけを書いた紙を、用具庫の扉に貼っておけば十分です。
購入した年を書いておくと、買い替えの時期を感覚ではなく数字で判断できるようになります。
品名・数・購入年・状態の4項目だけ。 凝った表は作らない。
表計算ソフトで管理しようとすると、更新する人が限られて止まりがちです。



これなら今週から始められるな。



カンタンナキロクホド ナガクツヅク
紙に書いたら、係が代わるときはその紙を渡すだけで引き継ぎが終わります。
体育館を他の部と共用している場合は、置き場所と鍵の管理も一緒に決めておいてください。
共用の用具庫では、他の部の物と混ざって数が合わなくなることがよくあります。
自分の部の物には印を付け、置く棚を決めておくと、月1の突き合わせが早く終わります。
バレー部の用具管理について、よくいただく質問をまとめました。
よくある質問
まとめ:紙1枚から用具管理を始めよう
バレー部の用具管理は、数える・点検する・入れ替えるの3つを係の仕事として固定するだけで回り始めます。
① 練習の前後に数を合わせる。 ② 月1で一覧と現物を突き合わせる。 ③ 買い替えの基準を先に決めておく。
| やること | 頻度 | 担当 | 見るところ |
|---|---|---|---|
| 数を合わせる | 毎日 | 用具係 | ボールの数・紛失 |
| 空気を入れる | 毎日 | 用具係 | 規定の範囲に合っているか |
| 目視の点検 | 毎日 | 用具係 | ネット・アンテナ・支柱 |
| 一覧と突き合わせ | 月1 | 用具係+顧問 | 数・傷み・使われていない物 |
| 買い替えの判断 | 年1〜2回 | 顧問 | 基準に当てはまる物 |
この表を紙に書き写して用具庫に貼れば、そのまま係のマニュアルになります。
数がそろい、点検が回るようになると、練習の準備にかかる時間が短くなります。
そこで浮いた時間は、そのまま選手がボールに触る時間に変わります。
まずは、用具庫の扉に貼る紙を1枚作るところから始めてみてください。



紙1枚なら、今日の練習後にできそうだ。



それでいいんだ。続く形にすることが、いちばんの近道だよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コーチング・チーム運営については他にも記事を書いています。 気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
- ボールカゴ2つ…球出しと片づけが一気に楽になる
- ネット・アンテナ…予備がないと、欠けた日の練習が止まる
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▶ 関連記事: バレー部の用具・備品の管理|数え方・点検・買い替えの基準









