- ネットを張ってみたけれど、これで合っているのか自信がない
- 支柱をどこに立てればいいのか、毎回あいまいなまま設営している
- 試合中にネットがたるんできて、途中で張り直したことがある
こんな悩みを解決します。
ネットを正しく張る手順は、支柱を立てる→ネットを掛ける→中央の高さを合わせる→たるみを取る→アンテナを付けるの5つです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、設営を教わらないまま当番だけ回ってくるチームは少なくありません。
手順と測る場所さえ決まっていれば、初めての選手でも同じ形に張れるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ネットを張る手順を、5ステップの順番どおりに実行できる
- 高さをどこで測ればいいのか、正しい基準がわかる
- たるみ・アンテナのずれなど、よくある失敗を先に防げる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:高さはコートの中央で測って合わせる
設営でいちばん間違えやすいのが、高さを測る場所です。正解はセンターラインの真上、コートの中央で測ることです。
支柱のそばで測ると、ネットの重みで中央が下がっているぶんを見落とします。見た目は合っていても、実際は規定より低い状態で試合をすることになります。
逆もあります。中央に合わせずに両端だけを上げてしまい、規定より高い状態で練習しているチームもあります。
どちらも、測る場所を決めていないことが原因です。
- 支柱をサイドラインの外側に立てる
- ネットを掛けて、上下のロープを軽く張る
- コートの中央で高さを合わせる
- 両端の高さをそろえ、たるみを取る
- サイドバンドとアンテナを取り付ける
この順番を変えると、あとから直す作業が増えます。とくに高さを決める前にたるみを取ると、張り直しになりがちです。
れおコーチ支柱の目盛を見て合わせていました…。



目盛は目安です。最後は必ずメジャーで中央を測ってください。



測ル場所ハ 真ン中
設営の精度がプレーを左右する2つの理由
設営はただの準備作業ではありません。張り方が変わると、コートで起きることも変わります。
理由1:高さのずれは打点とブロックに直結する
数cmの差でも、選手の感覚は変わります。少し低いネットで練習を続けたチームは、正しい高さの試合会場でスパイクがブロックにかかりやすくなります。
反対に高すぎれば、いつもの助走で届かなくなります。本人は調子が悪いと感じますが、原因は体ではなくネットの側にあるわけです。
毎回同じ高さで練習することが、技術を積み上げる前提になります。
理由2:たるみは判定のもめごとを生む
たるんだネットは、ボールが当たった時に大きく揺れます。揺れたネットが選手の体に触れて、タッチネットに見えてしまうことがあります。
実際にはネットが動いて選手に触れた場合は反則になりませんが、見た目の紛らわしさは残ります。張りがしっかりしていれば、こうした場面そのものが減ります。



準備の質が、そのまま試合の質になるんですね。



そのとおり。設営はもう練習の一部だと考えていいよ。
設営を始める前にそろえる4つの道具
道具が足りないまま始めると、途中で誰かが取りに走ることになります。先にそろえてから始めてください。
| 道具 | 使いみち |
|---|---|
| メジャー(巻尺) | 中央でネットの高さを測る |
| 支柱2本とクランク(巻き取りハンドル) | ネットを掛けて張る |
| アンテナ2本 | サイドバンドの外側に立てる |
| 支柱カバー | 支柱に選手がぶつかった時のけがを防ぐ |
メジャーは、体育館の備品庫に入りっぱなしで誰も使っていないことがあります。設営の担当を決めるときは、道具の置き場所もあわせて共有しておくと確実です。
ネットそのものにも種類があります。使うのは幅1m・長さ9.5〜10mの6人制用で、9人制用や簡易ネットとは大きさが違います。
体育館に複数のネットが置いてある場合は、袋やタグに用途を書いておくと取り違えが起きません。
道具や係の決め方をチーム全体で整理したい場合は、こちらの記事も参考になります。
ネットを張る5ステップ
ここからが実践です。順番に見ていきます。
支柱をサイドラインのすぐ横に立てると、コートに入ってきた選手がぶつかります。線から50cm以上は離してください。
体育館の床には、支柱を差し込む金具が埋め込まれています。ふたを開けたら、砂やほこりが入っていないかを先に見てください。
異物が入ったまま差し込むと、支柱がまっすぐ立たなくなります。ここが傾くと、いくら高さを合わせてもネットは斜めのままです。



支柱ガ傾ケバ 全部傾ク
ネットを掛けるときは、片側だけを強く巻き取らないことも大切です。左右を少しずつ交互に締めていくと、ネットが斜めに引っぱられません。
高さを合わせる作業は、必ず2人で行ってください。1人がコート中央でメジャーを立て、もう1人が支柱で巻き取る形が確実です。
このとき測るのは、ネットの上端(白い帯の上のふち)です。帯の下側や網の途中で測ると、数cm低い値になってしまいます。
慣れないうちは、合わせたあとにもう一度中央へ戻って測り直してください。両端を締めた反動で、中央が変わっていることがあります。



測ルノハ 白帯ノ上ノフチ



1人でやろうとすると、いつも何度もやり直しになります。



2人でやれば1回で決まります。時間も結局そのほうが早いよ。
年代ごとの正しい高さは、こちらの記事に一覧でまとめています。
高さの合わせ方|中央で測って両端をそろえる
高さの決め方には、正式なルールがあります。ここを知っているかどうかで、設営の精度が変わります。
基準はコート中央の高さ
ネットの高さは、コートの中央で測った値が正式なものです。一般男子は2.43m、一般女子は2.24mが基準になります。
中央がわずかに下がるのは、ネット自体の重さがあるので自然なことです。だからこそ、下がった状態の中央を測って合わせます。
両端は中央より2cmを超えて高くしない
両端の高さは、左右で同じにそろえます。そのうえで、規定の高さより2cmを超えて高くならない範囲に収めるのがルールです。
片側だけ高いネットは、選手には気づきにくいものです。それでも、ブロックとスパイクの当たり方は確実に変わります。
とくにレフトとライトで高さが違うと、片側の選手だけ決まらない状態が続きます。
原因が本人にあると思い込む前に、まずネットを疑ってみてください。



選手のせいだと思っていた場面があったかもしれません…。



環境から先に確かめる。指導では、その順番が大事なんです。
規格の細かい数字を確かめたいときは、公式の競技規則で確認してください。



両端ハ 同ジ高サニ ソロエル
よくある3つの失敗と直し方
私の指導現場でも、設営の失敗はだいたいこの3つに集まります。
失敗1:たるんだまま試合を始める
上のロープだけを締めて終わると、ネットの下側が波打ったままになります。ボールが当たった時に大きく揺れて、判定でもめる原因になります。
直し方は、上と下の両方のロープを締めることです。下のロープを張ると、ネットの面がぴんと立ち上がります。
締める強さの目安は、ネットの中央を手のひらで押して、指が沈み込まない程度です。
数字で決めにくいところなので、感触を全員で一度そろえておくと毎回同じ張りになります。
失敗2:アンテナがサイドラインからずれている
アンテナはサイドバンドの外側に取り付け、サイドラインの真上にくるようにします。ここがずれると、イン・アウトの判定そのものがずれてしまいます。
ネット上端から出す長さは80cmです。深く差し込みすぎて短くなっていないか、立てたあとに一度見上げて確認してください。
アンテナは赤と白のしま模様になっています。この模様が見えていること自体が、離れた場所にいる審判や選手の目印になります。
汚れて色が分かりにくくなっているものは、思い切って買い替えたほうが安全です。
判定で迷いやすい場面は、こちらの記事で整理しています。
失敗3:支柱にカバーを付け忘れる
いちばん危ないのがこれです。レシーブで飛び込んだ選手が、むき出しの支柱に体をぶつけることがあります。
カバーは最後ではなく、ネットを張り終えた直後に付けてしまってください。練習が始まってからでは、誰も取りに行かなくなります。
古くなって中のスポンジがつぶれたカバーは、付けていても衝撃を吸収しません。押してみて硬くなっていたら交換の時期です。



カバーは、あとで付けようと思って忘れがちです…。



設営の最後の1手として順番に組み込んでしまうのが確実だよ。
片付けの手順と道具を長もちさせるコツ
片付けの雑さは、次の設営の時間にそのまま返ってきます。順番は、張るときの逆をたどるだけです。
ネットを床に引きずると、網目が金具に引っかかって切れます。切れた網目はそこから広がるので、1人で運ばず2人で持ち上げてください。
床の差込口のふたを閉め忘れると、走ってきた選手がつまずきます。ここも安全にかかわるところなので、最後に必ず全員で見て回ります。
アンテナは細くて曲がりやすいので、ケースに入れずに立てかけておくと折れます。
使い終わったらすぐにまとめる、と決めてしまうのがいちばん確実です。
片付けの雑さは、道具の寿命と次の練習時間の両方を削ります。
チームの備品は買い替えに費用がかかります。丁寧に扱うことが、そのまま部の予算を守ることにもつながります。



用具が長もちすれば、その分を別のものに回せますね。
用具の管理まで含めて役割を決めておくと、片付けが特定の人に集中しません。



片付ケハ 次ノ準備
よくある質問
まとめ:順番と測る場所を決めれば毎回同じ形になる
ネットの張り方は、支柱を立てる・掛ける・中央で高さを合わせる・たるみを取る・アンテナを立てる、の5ステップです。
高さはコートの中央で測る。
両端は左右そろえて、規定より2cmを超えて高くしない。
| 場面 | 起きやすいこと | 直す方向 |
|---|---|---|
| 高さ合わせ | 支柱のそばで測って低くなる | コート中央にメジャーを立てる |
| 張り具合 | 下側が波打ってたるむ | 上下のロープを両方締める |
| アンテナ | サイドラインからずれる | サイドバンドを線の真上に合わせる |
| 安全確認 | 支柱カバーの付け忘れ | 張り終えた直後に付ける |
私は元日本代表として、また指導者として多くのチームを見てきましたが、設営が丁寧なチームは練習の始まりも早いです。



今日から、測る場所だけでも全員に伝えてみます!



それだけで仕上がりがそろいます。まずは中央で測る、からで十分ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
- ボールカゴ2つ…球出しと片づけが一気に楽になる
- ネット・アンテナ…予備がないと、欠けた日の練習が止まる
ケース単位でそろえるなら楽天市場でバレーボールを探すのもおすすめです。
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